スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 解説(Windows(R)用)

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7.1.2 データベースを回復できる時点

データベースは次に示す時点(状態)に回復できます。

<この項の構成>
(1) バックアップ取得時点に回復する場合
(2) 障害発生直前の最新の同期点に回復する場合

(1) バックアップ取得時点に回復する場合

バックアップ取得時点に回復する場合は,アンロードログファイルは必要ありません。バックアップファイルだけが必要です。

(2) 障害発生直前の最新の同期点に回復する場合

トランザクションを決着した時点を同期点といいます。トランザクションによる更新処理を有効にする場合の同期点処理をコミットといい,無効にする場合の同期点処理をロールバックといいます。障害発生時点で処理が完了しているトランザクションの同期点にデータベースを回復することを障害発生直前の最新の同期点に回復するといいます。障害発生時点で処理中のトランザクション(同期点に達していないトランザクション)は無効になるため,このトランザクションによる更新処理は回復の対象になりません。回復の対象になるトランザクションを次の図に示します。

図7-2 回復の対象になるトランザクション(障害発生直前の最新の同期点に回復する場合)

[図データ]

〔説明〕
トランザクションA,Bは処理を完了して同期点に達しているため,この同期点にデータベースを回復します。
トランザクションC,Dは処理中で同期点に達していないため,このトランザクション処理は無効になります。したがって,回復の対象になりません。

障害発生直前の最新の同期点に回復する場合は,バックアップファイルのほかに,バックアップ取得以降に出力されたシステムログをアンロードしたアンロードログファイルが必要になります。