3.5.1 共通項目

DABrokerの動作環境での共通項目について説明します。

標準値はDABroker動作環境定義ファイルのサンプルファイルにあらかじめ設定されている値です。

共通項目の一覧を,表3-3に示します。

表3-3 共通項目の一覧

設定項目説明標準値指定範囲
DAB_LANGLANG環境変数HP-UXの場合
ja_JP.SJIS
AIXまたはRed Hat Linuxの場合
C
詳細は「3.5.1(1) DAB_LANG(LANG環境変数)」参照。
DABTMP作業ディレクトリ指定/tmp任意ディレクトリ
1
DABSQL_TRCSIZE※2データベースアクセストレースの取得-10又は-1
DABSELECTCOLCNT表検索カラム数00,1~2147483647​
DABSELECTINFCNT更新・検索項目数00,1~2147483647​
DABORACLE_TYPE使用するORACLEのバージョン101詳細は「3.5.1(6) DABORACLE_TYPE(使用するORACLEのバージョン)」参照。
DABSQL_HiRDB_
DICTIONARY_
DATATYPE
HiRDBでのディクショナリ表のデータ属性CM又はC
DABSVLOGSIZEDABrokerのログ取得ファイルサイズ64
(キロバイト)
0,
64~32767
(キロバイト)
DABXA_LOG_ERRORXAトレースを取得するONON又はOFF
DABEXSQL_TRC_LINE拡張データベースアクセストレースを取得する-1-1,0,又は1024~32767(行)
DAB_HIRDB_DBINF_ESCHiRDB環境変数区切り文字@@ ! $ % & * + - / : ? ¥ |
注※1
DABrokerの管理ユーザにREAD/WRITE権限がある任意のディレクトリです。ただし,パーティションを圧迫しないところです。
注※2
DABroker稼働時でも,シェルの環境変数で設定された値が有効になります。
<この項の構成>
(1) DAB_LANG(LANG環境変数)
(2) DABTMP(DABroker作業ディレクトリ)
(3) DABSQL_TRCSIZE(データベースアクセストレースの取得)
(4) DABSELECTCOLCNT(表検索カラム数)
(5) DABSELECTINFCNT(更新・検索項目数)
(6) DABORACLE_TYPE(使用するORACLEのバージョン)
(7) DABSQL_HiRDB_DICTIONARY_DATATYPE(HiRDBでのディクショナリ表のデータ属性)
(8) DABSVLOGSIZE(DABrokerのログ取得ファイルサイズ)
(9) DABXA_LOG_ERROR(XAトレースを取得する)
(10) DABEXSQL_TRC_LINE(拡張データベースアクセストレースを取得する)
(11) DAB_HIRDB_DBINF_ESC(HiRDB環境変数区切り文字)

(1) DAB_LANGLANG環境変数

標準値
HP-UXの場合
ja_JP.SJIS
AIXの場合
C
Red Hat Linuxの場合
C
指定範囲
HP-UXの場合
ja_JP.SJIS:SJISモード
ja_JP.EUC,ja_JP.UJIS,又はja_JP.eucJP:EUCモード
C:ASCIIモード
UTF-8:UTF-8モード
AIXの場合
Ja_JP,Ja_JP.IBM-932,又はJa_JP.IBM-943:SJISモード
ja_JP,又はja_JP.IBM-eucJP:EUCモード
C:ASCIIモード
UTF-8:UTF-8モード
Red Hat Linuxの場合
ja_JP,ja_JP.ujis,japanese,japanese.euc,ja_JP.eucjp,又はJa_JP:EUCモード
C:ASCIIモード
UTF-8:UTF-8モード
説明
使用する母国語(日本語,英語など)及び文字コード(SJISコードなど)を設定します。

表3-4 各言語モードで操作できるデータベース

データベースDABrokerでの設定
SJISモード日本語EUC
モード
ASCIIモードUTF-8モード
HiRDB
ORACLE
VOS3 XDM/RD××
VOS3 XDM/SD××
VOSK SQL/K××
VOS1 RDB1 E2××
VOS1 PDM II E2××
VOSK スプールファイル××
凡例
○:操作できる
×:操作できない
各データベースで使用する言語モードは,必ずDABrokerの言語モードと合わせてください。データベースとDABrokerの言語モードが異なっている場合は動作を保証しません。
クライアントがDABroker for Javaの場合は,DAB_LANGの指定がJDBCの文字エンコーディングに影響します。詳細については,マニュアル「DABroker for JavaTM Version 2 DABroker Driver for JavaTM Technology」の「接続するデータベースの指定」のENCODELANGの説明を参照してください。
DABrokerを日本語EUCモード,ASCIIモード,又はUTF-8モードで動作させた場合,メッセージは英文で出力されます。メッセージの詳細については,「7. メッセージ(共通)」を参照してください。

(2) DABTMPDABroker作業ディレクトリ

標準値
/tmp
指定範囲
DABrokerの管理ユーザにREAD/WRITE権限がある任意のディレクトリ(ただし,パーティションを圧迫しないところ)
説明
DABrokerの作業ディレクトリを指定します。このディレクトリは,処理途中で作成される一時ファイルの格納などに使用されます。
なお,ここで/tmpを指定した場合は,OSの再起動時に,/tmpディレクトリ下に作成されたすべてのファイルは削除されます。

(3) DABSQL_TRCSIZEデータベースアクセストレースの取得

標準値
-1
指定範囲
0又は-1
説明
データベースアクセストレース(dabdbtrcコマンドで表示)を取得するかどうかを設定します。
  • 0を設定した場合
    すべてのアクセストレースを取得するファイルが,[DABroker運用ディレクトリ/spool/db_access]の下に作成されます。ファイル名は,次のとおりです(XXXXXはシステム任意の番号)。
    db_XXXXX
    ただし,ハードディスクの空き容量がなくなった場合,それ以降のアクセストレースは取得しません。なお,格納する領域のサイズは設定できません。アプリケーション,又はクライアントからの要求量が多ければ,トレースのファイル容量も多くなるため,ハードディスクの容量に余裕をもたせておいてください。必要容量の概算方法は,「6.4.2 データベースアクセストレースの表示」を参照してください。また,アプリケーション,又はクライアントからの要求量が多ければ,DABrokerを終了するまでにも時間がかかります。御注意ください。
  • -1を設定した場合
    データベースアクセストレースを取得しません。

(4) DABSELECTCOLCNT表検索カラム数

標準値
0
指定範囲
0,又は1~2147483647
説明
表検索用の領域として確保する表カラムの個数を指定します。
  • 0を設定した場合
    DBMSに対して表カラムの個数を要求するSQLを発行します。DBMSから返された結果を基に,表検索用の領域を確保します。
  • 1~2147483647を設定した場合
    表カラムの個数が指定した値より少ない場合,DBMSに対して表カラムの個数を要求するSQLを発行しません。このため,SQLを発行する場合より処理性能が向上します。ただし,検索を実行するたびに次に示す大きさのメモリが必要になるため,動作環境を考慮して値を設定してください。よく検索する表のカラム数を大きく超える値を設定した場合,性能劣化の原因になることがあります。
    HiRDB,ORACLEの場合:1カラム当たり128バイト
    上記以外のDBMSの場合:0だけしか有効となりません(項目の個数は設定できますが,無条件で0となります)。
    表カラムの個数が指定した値より多い場合,DBMSに対して表カラムの個数を要求するSQLを発行します。DBMSから返された結果を基に,表検索用の領域を確保します。

(5) DABSELECTINFCNT更新・検索項目数

標準値
0
指定範囲
0,又は1~2147483647
説明
表の更新・検索用の領域として確保する,入力項目(パラメタ)の個数を指定します。
  • 0を設定した場合
    DBMSに対して入力項目の個数を要求するSQLを発行します。DBMSから返された結果を基に,表の更新・検索用の領域を確保します。
  • 1~2147483647を設定した場合
    入力項目の個数が指定した値より少ない場合,DBMSに対して入力項目の個数を要求するSQLを発行しません。このため,SQLを発行する場合より処理性能が向上します。ただし,更新・検索を実行するたびに次に示す大きさのメモリが必要になるため,動作環境を考慮して値を設定してください。よく更新・検索する表の入力項目の個数を大きく超える値を設定した場合,性能劣化の原因になることがあります。
    HiRDB,ORACLEの場合:1カラム当たり128バイト
    上記以外のDBMSの場合:0だけしか有効となりません(項目の個数は設定できますが,無条件で0となります)。
    入力項目の個数が指定した値より多い場合,DBMSに対して入力項目の個数を要求するSQLを発行します。DBMSから返された結果を基に,表の更新・検索用の領域を確保します。

(6) DABORACLE_TYPE使用するORACLEのバージョン

標準値
101
指定範囲
101,111又は121
説明
使用するORACLEのバージョンを設定します。
101:Oracle10g R10.1.0またはOracle10g R10.2.0
111:Oracle11g R11.1.0またはOracle11g R11.2.0
121:Oracle12c R12.1.0

(7) DABSQL_HiRDB_DICTIONARY_DATATYPEHiRDBでのディクショナリ表のデータ属性

標準値
C
指定範囲
M又はC
説明
HiRDBのディクショナリ表の列属性を指定します。
  • Mを設定した場合
    混在文字データ(MVARCHAR)として処理します。
  • Cを設定した場合
    文字データ(VARCHAR)として処理します。
注意事項
ここでの指定とHiRDBで使用されているディクショナリ表のデータ属性が異なる場合は,結果不正やSQLエラーになる場合があります。

(8) DABSVLOGSIZEDABrokerのログ取得ファイルサイズ

標準値
64(キロバイト)
指定範囲
0,又は64~32767(キロバイト)
説明
DABrokerの処理のログを取得するファイルの容量を設定します。ログを[DABroker運用ディレクトリ/spool/dabsv.log],および[DABroker運用ディレクトリ/spool/dabsvdemon.log]に取得します。
  • 0を設定した場合
    ファイルの容量は,無限大となります。
  • 64~32767を設定した場合
    ファイルの容量は,設定した数値分となります。
注意事項
ログファイルが満杯になったらラップアラウンドでログを取得します。ラップアラウンドで取得した場合は,1世代前のバックアップファイル(dabsv.logold,dabsvdemon.logold)を作成し,常に1世代だけを管理します。

(9) DABXA_LOG_ERRORXAトレースを取得する

標準値
ON(チェックあり)
指定範囲
ON(チェックあり)又はOFF(チェックなし)
(ON:取得します OFF:取得しません)
説明
XAインタフェースでエラーを検知した場合,エラートレースを取得するかどうかを設定します。
XAトレースは,DABroker運用ディレクトリ下のspoolディレクトリにdb_xainfo.logというファイル名で取得されます。XAトレースファイル(db_xainfo.log)はテキスト形式なので,任意のテキストエディタで参照してください。
XAトレースファイルは,運用期間に応じてファイルサイズが増加するため,定期的に削除する必要があります。

(10) DABEXSQL_TRC_LINE拡張データベースアクセストレースを取得する

標準値
-1(トレースを取得しません)
指定範囲
-1(トレースを取得しません),0(トレース取得行数を無限大にします),又は1024~32767(行)
説明
拡張データベースアクセストレースを取得するかどうかを設定します。
  • -1を設定した場合
    拡張データベースアクセストレースを取得しません。
  • 0を設定した場合
    拡張データベースアクセストレースを取得します。出力行数は,無限大となります。
  • 1024~32767を設定した場合
    拡張データベースアクセストレースを取得します。出力行数は,設定した数値分となります。
拡張データベースアクセストレースのファイルは,1行に134バイトまで出力されます。拡張データベースアクセストレースのファイルの出力行数は,ここでの設定値に従います。ただし,ヘッダは行数に含まれません。
拡張データベースアクセストレースの詳細については,「6.4.3 拡張データベースアクセストレース機能」を参照してください。

(11) DAB_HIRDB_DBINF_ESCHiRDB環境変数区切り文字

標準値
@
指定範囲
@ ! $ % & * + - / : ? ¥ |
説明
HiRDB環境変数区切り文字を指定します。
注意事項
特に問題がない場合,区切り文字には@を使用してください。
区切り文字は必ず半角1文字で指定してください。全角文字は指定できません。
DABroker for JavaからHiRDBクライアント環境変数グループを指定してデータベースと接続する場合は,標準値「@」を指定してください。