3.5.2 リモートアクセス設定項目

DABrokerの動作環境でのリモートアクセス設定項目について説明します。

標準値はDABroker動作環境定義ファイルのサンプルファイルにあらかじめ設定されている値です。

リモートアクセス設定項目の一覧を表3-5に示します。

表3-5 リモートアクセス設定項目の一覧

設定項目説明標準値指定範囲
DABCLIENT_TIMEOUTクライアントからの要求待ちタイムアウト3600(秒)0,又は1~65535
(秒)
DABDBA_TIMEOUTデータベースからの実行終了待ちタイムアウト1800(秒)0,又は1~65535
(秒)
DABKEEPALIVETCP/IP通信時キープアライブOFFON又はOFF
DABTCP_TRCSIZE通信トレースの取得-10又は-1
DABMAXUSERS最大接続ユーザ数10
(ユーザ)
1~100000
(ユーザ)
DABDBANUMBER同時実行可能なデータベースアクセス数20
(データベースアクセス数)
1~100000
(データベースアクセス数)
DABMAXBLOCK
USERS
1プロセスあたりの実行ユーザ数1
(ユーザ数)
1~100
(ユーザ数)
DABMAXPROCESS最大処理プロセス数10
(プロセス数)
1~1000
(プロセス数)
DABORADBA_
LONGBUFSIZE
ORACLEのLONG型及びLONGRAW型のデータの受け取りバッファサイズ4096
(バイト)
0,1~2147483647​
(バイト)
DABHIRDBA_
BLOBBUFSIZE
HiRDBのBLOB型データ受取バッファサイズ4096
(バイト)
0,1~2147483647​
(バイト)
DABDBSDBA_
BLOBBUFSIZE
Database Connection ServerのBLOB型データ受取バッファサイズ4096
(バイト)
0,1~2147483647​
(バイト)
DABIPCONVERTIPアドレスからホスト名への変換オプションONON又はOFF
注※
DABrokerの管理ユーザにREAD/WRITE権限がある任意のディレクトリです。ただし,パーティションを圧迫しないところです。
<この項の構成>
(1) DABCLIENT_TIMEOUT(クライアントからの要求待ちタイムアウト)
(2) DABDBA_TIMEOUT(データベースからの実行終了待ちタイムアウト)
(3) DABKEEPALIVE(TCP/IP通信時キープアライブ)
(4) DABTCP_TRCSIZE(通信トレースの取得)
(5) DABMAXUSERS(最大接続ユーザ数)
(6) DABDBANUMBER(同時実行可能なデータベースアクセス数)
(7) DABMAXBLOCKUSERS(1プロセスあたりの実行ユーザ数)
(8) DABMAXPROCESS(最大処理プロセス数)
(9) DABORADBA_LONGBUFSIZE(ORACLEのLONG型及びLONGRAW型のデータの受け取りバッファサイズ)
(10) DABHIRDBA_BLOBBUFSIZE(HiRDBのBLOB型データ受取バッファサイズ)
(11) DABDBSDBA_BLOBBUFSIZE(Database Connection ServerのBLOB型データ受取バッファサイズ)
(12) DABIPCONVERT(IPアドレスからホスト名への変換オプション)

(1) DABCLIENT_TIMEOUTクライアントからの要求待ちタイムアウト

標準値
3600(秒)
指定範囲
0,又は1~65535(秒)
説明
  • 1~65535(秒)を設定した場合
    DABrokerがアクセス要求に対する応答をクライアントに返してから,次のアクセス要求を受けるまでの時間を監視します。
    ここで設定した時間を超えてクライアントからのアクセス要求がない場合,DABrokerは次の処理をします。
    クライアントに対しては,クライアントからの要求待ちタイムアウトの発生を通知して,コネクションを解放します。処理を続ける場合,クライアントは一度終了して再起動する必要があります。
  • 0を設定した場合
    クライアントからの要求待ち時間を監視しません。

(2) DABDBA_TIMEOUT(データベースからの実行終了待ちタイムアウト

標準値
1800(秒)
指定範囲
0,又は1~65535(秒)
説明
  • 1~65535(秒)を設定した場合
    DABrokerがデータベースに処理を要求してから,実行が終了するまでの時間を監視します。
    ここで設定した時間を超えてデータベースからの応答がない場合,DABrokerは次の処理をします。
    クライアントに対しては,データベースからの実行終了待ちタイムアウトの発生を通知して,コネクションを解放します。処理を続ける場合,クライアントは一度終了して再起動する必要があります。
  • 0を設定した場合
    データベースからの実行終了待ち時間を監視しません。
この項目は,Database Connection Server使用時だけ有効です。
分散トランザクション連携機能使用時は,ここでの指定内容にかかわらず,0が設定されます。

(3) DABKEEPALIVETCP/IP通信時キープアライブ

標準値
OFF
指定範囲
ON又はOFF
説明
キープアライブによる監視を行うかどうかを設定します。キープアライブとは,クライアントとの通信経路が確立されているかどうかを常に監視するTCP/IPの機能です。
  • ONを設定した場合
    キープアライブによる監視が行われます(クライアントとの通信径路を監視する)。
  • OFFを設定した場合
    キープアライブによる監視は行われません(クライアントとの通信径路を監視しない)。

(4) DABTCP_TRCSIZE通信トレースの取得

標準値
-1
指定範囲
0又は-1
説明
クライアントとの通信トレース(dabcltrcコマンドで表示)を取得するかどうかを設定します。コマンドについては,「3.8.2 クライアントとの通信トレースの表示」を参照してください。
  • 0を設定した場合
    すべての通信トレースを蓄積するファイルが[DABroker運用ディレクトリ /spool/dabcltrc]の下に作成されます。ファイル名は,次のとおりです(XXXXXは接続元のクライアントのIPアドレス,AAAAAは任意の名称)。
    trs2340_tcXXX.XXX.XXX.XXX(DBPARTNER/Clientを使用する場合)
    trs2340_tcXXX.XXX.XXX.XXXAAAAA(DBPARTNER/Client以外の場合)
    ただし,ハードディスクの空き容量がなくなった場合,それ以降の通信トレースは取得しません。また,クライアントからの要求量が多ければ,トレースファイル容量も多くなるため,ハードディスクの容量に余裕をもたせておいてください。必要容量の概算方法は,「3.8.2 クライアントとの通信トレースの表示」を参照してください。また,クライアントからの要求量が多ければ,DABrokerを終了するまでに時間がかかります。御注意ください。
  • -1を設定した場合
    クライアントとの通信トレースを取得しません。

(5) DABMAXUSERS最大接続ユーザ数

標準値
10(ユーザ)
指定範囲
1~100000(ユーザ)
説明
コネクションを確立できる最大ユーザ数を設定します。ここで設定した値を超えるユーザが接続しようとした場合は,クライアントにエラーメッセージを返し,接続しません。

(6) DABDBANUMBER同時実行可能なデータベースアクセス数

標準値
20(データベースアクセス数)
指定範囲
1~100000(データベースアクセス数)
説明
DABrokerが一度に受け付けられる,複数のクライアントからのデータベースアクセス処理要求の合計数を設定します。ここで設定した値を超える要求が行われた場合は,クライアントにエラーメッセージを返し,処理を受け付けません。

(7) DABMAXBLOCKUSERS1プロセスあたりの実行ユーザ数

標準値
1(ユーザ数)
指定範囲
1~100(ユーザ数)
ORACLEを使用する場合は1を指定してください。
説明
一つのプロセスで処理する最大ユーザ数を設定します。ここで設定した値を超えた場合は,処理を受け付けません。
ORACLEを使用する場合は,必ず1を指定してください。1以外を指定した場合は,クライアントにエラーメッセージを返し,処理を受け付けません。
注意事項
DABrokerのデーモンプロセスが,サーバのメモリ又はキャッシュメモリ上で動作するように適切な値を設定してください。

(8) DABMAXPROCESS最大処理プロセス数

標準値
10(プロセス数)
指定範囲
1~1000(プロセス数)
説明
DABrokerで起動する最大プロセス数を設定します。ここで設定した値を超えた場合は,クライアントにエラーメッセージを返し,処理を受け付けません。
注意事項
不要なデーモンプロセスの起動を制限するために適切な値を設定してください。

(9) DABORADBA_LONGBUFSIZEORACLEのLONG型及びLONGRAW型のデータの受け取りバッファサイズ

標準値
4096(バイト)
指定範囲
0,又は1~2147483647(バイト)
説明
ORACLEから,LONG型又はLONGROW型を持つデータを抽出する場合の受け取りサイズを指定します。
これらのデータ型の場合,ORACLEでは最大2147483647バイトのデータの存在が考えられますが,DABrokerでは,ここで指定した値までのデータを受け取り,以降のデータは切り捨てます。
0を指定した場合,DBMSの定義長分の領域長を仮定します。ただし,実際に格納されているデータの大きさにかかわらず,無条件に定義長分の領域が確保されるため,メモリ効率が悪くなることがあります。格納されているデータの最大長が分かっている場合は,その値を指定することをお勧めします。
この項目は,DABroker for Java Version 2でDABrokerにローカルアクセスした場合にも有効になります。
また,DABroker for Java Version 2でデータベース種別にOracle8iを設定している場合にも設定しません。

(10) DABHIRDBA_BLOBBUFSIZEHiRDBのBLOB型データ受取バッファサイズ

標準値
4096(バイト)
指定範囲
0,又は1~2147483647(バイト)
説明
HiRDBからBLOB型データを抽出する場合の受け取りサイズを指定します。
このデータ型の場合,HiRDBでは最大2147483647バイトのデータの存在が考えられますが,DABrokerではここで指定した値までのデータを受け取り,以降のデータは切り捨てます。
0を指定した場合,DBMSの定義長分の領域長を仮定します。ただし,実際に格納されているデータの大きさにかかわらず,無条件に定義長分の領域が確保されるため,メモリ効率が悪くなることがあります。格納されているデータの最大長が分かっている場合は,その値を指定することをお勧めします。
この項目は,DABroker for Java Version 2でDABrokerにローカルアクセスした場合にも有効になります。

(11) DABDBSDBA_BLOBBUFSIZEDatabase Connection ServerのBLOB型データ受取バッファサイズ

標準値
4096(バイト)
指定範囲
0,又は1~2147483647(バイト)
説明
Database Connection ServerからBLOB型データを抽出する場合の受け取りサイズを指定します。
このデータ型の場合,最大2147483647バイトのデータの存在が考えられますが,DABrokerではここで指定した値までのデータを受け取り,以降のデータは切り捨てます。
0を指定した場合,DBMSの定義長分の領域長を仮定します。ただし,実際に格納されているデータの大きさにかかわらず,無条件に定義長分の領域が確保されるため,メモリ効率が悪くなることがあります。格納されているデータの最大長が分かっている場合は,その値を指定することをお勧めします。
この項目は,DABroker for Java Version 2でDABrokerにローカルアクセスした場合にも有効になります。

(12) DABIPCONVERTIPアドレスからホスト名への変換オプション

標準値
ON
指定範囲
ON又はOFF
説明
メッセージ,及びDABrokerの処理内容を表示するコマンドで表示されるIPアドレスをホスト名に変換するかどうかを設定します。DABrokerの処理内容を表示するコマンドについては「3.8 DABrokerの処理内容の表示」を参照してください。
  • ONを設定した場合
    表示されるIPアドレスをホスト名に変換します。
    動作環境によってこの変換処理に時間がかかり,接続処理が遅くなることがあります。
  • OFFを設定した場合
    表示されるIPアドレスをホスト名に変換しません。