4.5.2 リモートアクセス設定

<この項の構成>
(1) クライアントからの要求待ちタイムアウト(DABCLIENT_TIMEOUT)
(2) 最大接続ユーザ数(DABMAXUSERS)
(3) 同時実行可能なデータベースアクセス数(DABDBANUMBER)
(4) 1プロセスあたりの実行ユーザ数(DABMAXBLOCKUSERS)
(5) 最大処理プロセス数(DABMAXPROCESS)
(6) HiRDBのBLOB型データ受取バッファサイズ(DABHIRDBA_BLOBBUFSIZE)
(7) ORACLEのLONG型データ受取バッファサイズ(DABORADBA_LONGBUFSIZE)
(8) ODBC3.0のLONG型データ受取バッファサイズ(DABODBC30_LONGBUFSIZE)
(9) Database Connection ServerのBLOB型データ受取バッファサイズ(DABDBSDBA_BLOBBUFSIZE)
(10) 漢字コードセット(DABLANGMODE)
(11) TCP/IP通信時キープアライブ(DABKEEPALIVE)
(12) IPアドレスからホスト名への変換オプション(DABIPCONVERT)
(13) 通信トレースの取得(DABTCP_TRCSIZE)

(1) クライアントからの要求待ちタイムアウト(DABCLIENT_TIMEOUT)

標準値 
3600(秒)
指定範囲
0,又は1~65535(秒)
説明
クライアントからの要求待ちタイムアウトを監視するかどうかを設定します。
  • 1~65535(秒)を設定した場合
    DABrokerがアクセス要求に対する応答をクライアントに返してから,次のアクセス要求を受けるまでの時間を監視します。
    ここで設定した時間を超えてクライアントからのアクセス要求がない場合,DABrokerは次の処理をします。
    クライアントに対しては,要求待ちタイムアウトの発生を通知して,コネクションを解放します。処理を続ける場合,クライアントは一度終了して再起動する必要があります。
    データベースに対しては,このタイムアウトが発生したクライアントの処理がデータベースで実行中の場合は,トランザクションのロールバックを要求し,データベースを切り離します。
  • 0を設定した場合
    クライアントからの要求待ちタイムアウトを監視しません。

(2) 最大接続ユーザ数(DABMAXUSERS)

標準値
10(ユーザ)
指定範囲
1~100000(ユーザ)
説明
コネクションを確立できる最大ユーザ数を設定します。ここで設定した値を超えるユーザが接続しようとした場合,DABrokerは,クライアントにエラーメッセージを返してコネクションを確立しません。

(3) 同時実行可能なデータベースアクセス数(DABDBANUMBER)

標準値
20(データベース接続数)
指定範囲
1~100000(データベース接続数)
説明
DABrokerが一度に受け付けられる,複数のクライアントからのデータベースアクセス要求の合計数を設定します。ここで設定した値を超える要求があった場合は,クライアントにエラーメッセージを返し,処理を受け付けません。

(4) 1プロセスあたりの実行ユーザ数(DABMAXBLOCKUSERS)

標準値
1(ユーザ数)
指定範囲
1~100(ユーザ数)
ORACLEを使用する場合は1を指定してください。
説明
一つのプロセスで処理する最大ユーザ数を設定します。ここで設定した値を超えた場合は,クライアントにエラーメッセージを返し,処理を受け付けません。
ORACLEを使用する場合は,必ず1を指定してください。1以外を指定した場合は,クライアントにエラーメッセージを返し,処理を受け付けません。
Database Connection Serverにアクセスする場合,接続先データベース定義のデータベース種別を複数使用するときは,必ず1を指定してください。
注意事項
DABrokerのデーモンプロセスが,サーバのメモリ又はキャッシュメモリ上で動作するように適切な値を設定してください。

(5) 最大処理プロセス数(DABMAXPROCESS)

標準値
10(プロセス数)
指定範囲
1~1000(プロセス数)
説明
DABrokerで起動する最大プロセス数を設定します。ここで設定した値を超えた場合は,クライアントにエラーメッセージを返し,処理を受け付けません。
注意事項
不要なデーモンプロセスの起動を制限するために適切な値を設定してください。

(6) HiRDBのBLOB型データ受取バッファサイズ(DABHIRDBA_BLOBBUFSIZE)

標準値
4096(バイト)
指定範囲
0,又は1~2147483647(バイト)
説明
HiRDBからBLOB型データを抽出する場合の受け取りサイズを指定します。
このデータ型の場合,HiRDBでは最大2147483647バイトのデータの存在が考えられますが,DABrokerではここで指定した値までのデータを受け取り,以降のデータは切り捨てます。
0を指定した場合,DBMSの定義長分の領域長を仮定します。ただし,実際に格納されているデータの大きさにかかわらず,無条件に定義長分の領域が確保されるため,メモリ効率が悪くなることがあります。格納されているデータの最大長が分かっている場合は,その値を指定することをお勧めします。
この項目は,DABroker for Java Version 2でDABrokerにローカルアクセスした場合にも有効となります。

(7) ORACLEのLONG型データ受取バッファサイズ(DABORADBA_LONGBUFSIZE)

標準値
4096(バイト)
指定範囲
0,又は1~2147483647(バイト)
説明
ORACLEから,LONG型データを抽出する場合の受け取りサイズを指定します。
このデータ型の場合,ORACLEでは最大2147483647バイトのデータの存在が考えられますが,DABrokerではここで指定した値までのデータを受け取り,以降のデータは切り捨てます。
0を指定した場合,DBMSの定義長分の領域長を仮定します。ただし,実際に格納されているデータの大きさにかかわらず,無条件に定義長分の領域が確保されるため,メモリ効率が悪くなることがあります。格納されているデータの最大長が分かっている場合は,その値を指定することをお勧めします。
この項目は,DABroker for Java Version 2でDABrokerにローカルアクセスした場合にも有効となります。
この項目は,DABroker for Java Version 2でデータベース種別にOracle8iを設定している場合は設定しません。

(8) ODBC3.0のLONG型データ受取バッファサイズ(DABODBC30_LONGBUFSIZE)

標準値
4096(バイト)
指定範囲
0,又は1~2147483647(バイト)
説明
ODBC3.0で接続したデータベースからLONG型データを抽出する場合の受け取りサイズを指定します。
このデータ型の場合,最大2147483647バイトのデータの存在が考えられますが,DABrokerではここで指定した値までのデータを受け取り,以降のデータは切り捨てます。
0を指定した場合,DBMSの定義長分の領域長を仮定します。ただし,実際に格納されているデータの大きさにかかわらず,無条件に定義長分の領域が確保されるため,メモリ効率が悪くなることがあります。格納されているデータの最大長が分かっている場合は,その値を指定することをお勧めします。
この項目は,DABroker for Java Version 2でDABrokerにローカルアクセスした場合にも有効となります。

(9) Database Connection ServerのBLOB型データ受取バッファサイズ(DABDBSDBA_BLOBBUFSIZE)

標準値
4096(バイト)
指定範囲
0,又は1~2147483647(バイト)
説明
Database Connection Serverで接続したデータベースからBLOB型データを抽出する場合の受け取りサイズを指定します。
このデータ型の場合,最大2147483647バイトのデータの存在が考えられますが,DABrokerではここで指定した値までのデータを受け取り,以降のデータは切り捨てます。
0を指定した場合,DBMSの定義長分の領域長を仮定します。ただし,実際に格納されているデータの大きさにかかわらず,無条件に定義長分の領域が確保されるため,メモリ効率が悪くなることがあります。格納されているデータの最大長が分かっている場合は,その値を指定することをお勧めします。
この項目は,DABroker for Java Version 2でDABrokerにローカルアクセスした場合にも有効となります。

(10) 漢字コードセット(DABLANGMODE)

標準値
SJIS(シフトJISモード)
指定範囲
SJIS(シフトJISモード),EUC(日本語EUCモード),ASCII(ASCIIモード),又はUTF-8(UTF-8モード)
説明
DABrokerが稼働する言語モードを設定します。
各言語モードで操作できるデータベースを表4-2に示します。

表4-2 各言語モードで操作できるデータベース

データベースDABrokerでの設定
シフトJISモード日本語EUC
モード
ASCIIモードUTF-8モード
HiRDB
ORACLE
SQL Server××
VOS3 XDM/RD××
VOS3 XDM/SD××
VOS1 RDB1 E2××
VOSK SQL/K××
VOS1 PDMII E2××
VOSK スプールファイル××
凡例
○:操作できる
×:操作できない
各データベースで使用する言語モードは,必ずDABrokerの言語モードと合わせてください。データベースとDABrokerの言語モードが異なっている場合は動作を保証しません。
クライアントがDABroker for Javaの場合は,DAB_LANGの指定がJDBCの文字エンコーディングに影響します。詳細については,マニュアル「DABroker for JavaTM Version 2 DABroker Driver for JavaTM Technology」の「接続するデータベースの指定」のENCODELANGの説明を参照してください。
DABrokerを日本語EUCモード,ASCIIモード,又はUTF-8モードで動作させた場合,メッセージは英文で出力されます。メッセージの詳細については,「7. メッセージ(共通)」を参照してください。

(11) TCP/IP通信時キープアライブ(DABKEEPALIVE)

標準値
OFF
指定範囲
ON又はOFF(ON:キープアライブによる監視を行います
OFF:キープアライブによる監視を行いません)
説明
キープアライブによる監視を行うかどうかを設定します。キープアライブとは,クライアントとの通信経路が確立されているかどうかを常に監視するTCP/IPの機能です。
  • ONを設定した場合
    キープアライブによる監視が行われます(クライアントとの通信径路を監視する)。
  • OFFを設定した場合
    キープアライブによる監視は行われません(クライアントとの通信径路を監視しない)。

(12) IPアドレスからホスト名への変換オプション(DABIPCONVERT)

標準値
ON
指定範囲
ON又はOFF
説明
メッセージ及びユティリティで表示されるIPアドレスをホスト名に変換するかどうかを設定します。
  • ONを設定した場合
    表示されるIPアドレスをホスト名に変換します。
    動作環境によってこの変換処理に時間がかかり,接続処理が遅くなることがあります。
  • OFFを設定した場合
    表示されるIPアドレスをホスト名に変換しません。

(13) 通信トレースの取得(DABTCP_TRCSIZE)

標準値
取得しない
指定範囲
取得しない又は取得する
説明
クライアントとの通信トレースを取得するかどうかを設定します。通信トレースの出力については,「4.9.2 DABrokerトレース出力ユティリティの実行」を参照してください。
  • 「取得する」を設定した場合
    次に示すファイル名ですべての通信トレースを取得するファイルがDABroker運用ディレクトリ¥spool¥dabcltrcの下に作成されます(通信トレースはDABrokerトレース出力ユティリティで出力します)。
    XXXXXXXX.cmt
    XXXXXXXX.cmt_AA~AA
    XXXXXXXX:任意の文字列。
    AA~AA:任意の文字列。
    ハードディスクの空き容量がなくなった場合,それ以降の通信トレースは取得しません。なお,格納するファイルサイズは設定できません。
    クライアントからの要求量が多い場合は,トレースのファイルの容量も多く必要です。ハードディスクの容量は余裕を持たせてください。必要容量の概算方法については「4.9.2(2) クライアントとの通信トレースの出力方法」で通信トレースの出力の注意事項を参照してください。また,クライアントからの要求量が多ければ,DABrokerを終了するまでに時間がかかります。御注意ください。
  • 取得しないを設定した場合
クライアントとの通信トレースを取得しません。