6.4.3 拡張データベースアクセストレース機能

<この項の構成>
(1) 機能概要
(2) 適用範囲
(3) DABroker動作環境定義
(4) 出力形式
(5) ファイル名称
(6) ファイルの運用方法

(1) 機能概要

拡張データベースアクセストレースでは,従来のDABrokerのデータベースアクセストレースと比較して,次の機能が拡張されています。

(2) 適用範囲

拡張データベースアクセストレース機能は,次のような場合に有効です。

(3) DABroker動作環境定義

拡張データベースアクセストレースを取得する設定は,DABroker動作環境定義ファイルで設定します。

DABroker動作環境定義ファイルでの設定方法については,「3.5 DABrokerの動作環境の設定項目」を参照してください。

(4) 出力形式

拡張データベースアクセストレースのファイル出力形式を次に示します。

DRV
DABrokerのデータベースアクセスドライバの種別に従い,次の識別子が出力されます。
HiRDB接続の場合
HiRDB Driver
Oracle8i接続の場合
ORACLE8i Driver(Oracle Call Interface 8iを使用)
Oracle7接続の場合
ORACLE7 Driver(Oracle Call Interface 7を使用)
Database Connection Server経由メインフレーム系データベース接続の場合
DBS
注※
DABroker for JavaからOracle8iの機能を使用する場合だけ出力されます。
Date
ファイル作成日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss.nnnnnn)が出力されます。
  • YYYY:西暦年,MM:月,DD:日
  • hh:時,mm:分,ss:秒,nnnnnn:マイクロ秒
DABroker Connect ID
データベース接続識別子が出力されます。
Process ID
実行プロセスIDが出力されます。
UserID
接続ユーザIDが出力されます。
DABroker for JavaでORACLEのOS認証機能を使用した場合は,「OS authority」となります。
Client Name
UAP名称が出力されます。名称が設定されていない場合は空白になります。
(DB別出力情報)
接続データベースによって異なる情報が出力されます。出力内容について,表6-1に示します。

表6-1 接続データベースごとのトレース出力内容

接続データベース出力内容説明
HiRDBPDHOST:HiRDB接続時のPDHOSTの設定内容です。未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。
PDNAMEPORT:HiRDB接続時のPDNAMEPORTの設定内容です。未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。
OracleSQLNET:Oracleリスナー名が出力されます。未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。
Databease Connction ServerAccess DataBase:接続しているホストDB名称が出力されます。
VOS3 XDM RD E2接続の場合:VOS3 XDM/RD E2
VOS3 XDM SD E2接続の場合:VOS3 XDM/SD E2
VOS1 RDB1 E2接続の場合:VOS1 RDB1 E2
VOS1 PDMII E2接続の場合:VOS1 PDM2 E2
VOSK SQL/K接続の場合:VOSK SQL/K
VOSKスプールファイル接続の場合:VOSK SPOOL
未設定の場合:Unknown DBMS
Node Name:データベース識別子の情報が出力されます。未設定の場合は,"Not Indicator"が出力されます。
 
Lang Mode
実行言語モードが出力されます。
THREAD-ID
実行スレッドIDが出力されます。
CID
カーソル番号が出力されます。
EVT
DABrokerがデータベースに要求した処理の内容です。
出力するイベントの種類は任意に選択できます。
選択できるイベントについては,「6.4.1 データベースアクセストレース選択オプション」を参照してください。
また,拡張データベースアクセストレースで出力イベントの種類を変更すると,従来のデータベースアクセストレースの出力イベントの種類も変更されます。
すべてのイベント出力をOFFにした場合はヘッダだけが出力されます。
次のイベントは,既存のデータベースアクセストレースにはありません。また,イベント出力を一つでもONにした場合,GET_DIAGイベントの出力を抑止できません。
ATTACH:サーバとのアクセスパス作成要求を実行します。
ATTRGET:ハンドル属性の取得要求を実行します。
ATTRSET:ハンドル属性の設定要求を実行します。
AUTOCOMOFF:AUTO COMMITモードの解除要求を実行します。
AUTOCOMON:AUTO COMMITモードの設定要求を実行します。
BIND:パラメタのバインド要求を実行します。
CHARFORM:キャラクタセットフォームの取得要求を実行します。
CHARID:キャラクタセットIDの取得要求を実行します。
DEFINE:パラメタの定義要求を実行します。
DESALLOC:記述子の領域確保を実行します。
DESC_OUT:前処理したSQLの出力情報を返します。
DESC_IN :前処理したSQLの入力情報を返します。
DESCANY:オブジェクトの記述要求を実行します。
DESFREE:記述子の領域解放を実行します。
DETACH:データベースアクセスパス削除要求を実行します。
ENVCREATE:環境作成要求を実行します。
ERRGET:エラー情報取得要求を実行します。
EXECDIRECT:SQLの前処理後の実行処理です。
GET_DIAG:エラー詳細情報の取得処理を実行します。
GETINFO:接続後の動作情報の取得要求を実行します。
GETPIECE:ピース情報の取得要求を実行します。
HDLALLOC:ハンドルの領域確保を実行します。
HDLFREE:ハンドルの領域解放を実行します。
LOBCLOSE:BFILEデータのクローズ要求を実行します。
LOBLEN:LOBデータの長さ取得要求を実行します。
LOBOPEN:BFILEデータのオープン要求を実行します。
LOBREAD:LOBデータの読み込み要求を実行します。
LOBWRITE:LOBデータの書き込み要求を実行します。
PARAMGET:パラメタ情報の取得要求を実行します。
SESBEGIN:セション開始要求を実行します。
SESEND:セション終了要求を実行します。
SETINFO:接続後の動作情報の設定要求を実行します。
SETPIECE:ピース情報の設定要求を実行します。
START-TIME
アクセス開始日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss.nnnnnn)が出力されます。
  • YYYY:西暦年,MM:月,DD:日
  • hh:時,mm:分,ss:秒,nnnnnn:マイクロ秒
END-TIME
アクセス終了日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss.nnnnnn)が出力されます。
  • YYYY:西暦年,MM:月,DD:日
  • hh:時,mm:分,ss:秒,nnnnnn:マイクロ秒
RETCODE
データベースから返されるリターンコードが出力されます。
BLOCKCNT
FETCH時の行取得件数が出力されます。
HiRDB_CONNECTION_ID
(a)HiRDBサーバに接続する場合
コネクションID(aaaa:bbbbb:cccc)が出力されます。
  • aaaa:フロントエンドサーバ名(HiRDB/Paraller Server使用時),又はシングルサーバ(HiRDB/Single Server使用時)
  • bbbbb:aaaaで示すサーバの接続通番
  • cccc:aaaaで示すサーバのプロセスID,及びコネクションIDプロセスIDとコネクションIDは,HiRDBクライアントのバージョンが07-01以降で,サーバがHiRDBの場合だけ出力されます。HiRDBクライアントのバージョンが07-01未満で,サーバがHiRDBの場合は,ヘッダ(HiRDB_CONNECTION_ID)だけが出力され,コネクションIDは出力されません。なお,この情報は,CONNECT,COMMIT,ROLLBACK,PREPARE,EXECUTE,又はDIRECTを実行したときに,最新の情報に更新されます。
(b)HiRDBクライアント経由でXDM/RD E2に接続する場合
コネクションID(aaaa:bbbbb:cccc)が出力されます。
  • aaaa:JOB名称
  • bbbbb:コネクト通番
  • cccc:サーバユーザ番号
    この情報は,HiRDBクライアントのバージョンが07-02以降で,サーバがXDM/RD E2 11-00以降,かつ,Database Connection Server05-00以降の場合のみ出力されます。
    この条件に満たない場合,ヘッダ(HiRDB_CONNECTION_ID)だけが出力され,コネクションIDは出力されません。なお,この情報は,CONNECT,COMMIT,ROLLBACK,PREPARE,EXECUTE,又はDIRECTを実行したときに,最新の情報に更新されます。
(SQL)
クライアントから要求のあったSQLの内容が出力されます。この項目は,必要に応じて出力されます。

(5) ファイル名称

拡張データベースアクセストレースのファイルは,次のディレクトリに作成されます。

DABroker運用ディレクトリ/spool/db_access

拡張データベースアクセストレースのファイル名称は,次の規則に従います。

spdb_XXXXXXXX_YYYYYYYY_****ZZZZZ.IIIIII

****:接続データベース名称
HiRDBの場合
HiRDB
Oracle8i接続の場合
Oracle8i
Oracle7の場合
Oracle7
Database Connection Server経由メインフレーム系データベースの場合
DBS
注※
DABroker for JavaからOracle8iの機能を使用する場合だけ出力されます。
XXXXXXXX:実行プロセスID
YYYYYYYY:データベース接続識別子
ZZZZZ:識別順序番号
同じプロセスIDで,かつ同じデータベース接続識別子のファイルがある場合に,00000から32767までの番号を付加します。
IIIIII:ファイル拡張子
log:最新のトレースファイル
logold:1世代前のトレースファイル

(6) ファイルの運用方法