3.5.2 リモートアクセス設定項目
(1) DABCLIENT_TIMEOUT(クライアントからの要求待ちタイムアウト)
- 標準値
- 3600(秒)
- 指定範囲
- 0,又は1~65535(秒)
- 説明
- 1~65535(秒)を設定した場合
DABrokerがアクセス要求に対する応答をクライアントに返してから,次のアクセス要求を受けるまでの時間を監視します。
ここで設定した時間を超えてクライアントからのアクセス要求がない場合,DABrokerは次の処理をします。
クライアントに対しては,クライアントからの要求待ちタイムアウトの発生を通知して,コネクションを解放します。処理を続ける場合,クライアントは一度終了して再起動する必要があります。
- 0を設定した場合
クライアントからの要求待ち時間を監視しません。
(2) DABDBA_TIMEOUT(データベースからの実行終了待ちタイムアウト)
- 標準値
- 1800(秒)
- 指定範囲
- 0,又は1~65535(秒)
- 説明
- 1~65535(秒)を設定した場合
DABrokerがデータベースに処理を要求してから,実行が終了するまでの時間を監視します。
ここで設定した時間を超えてデータベースからの応答がない場合,DABrokerは次の処理をします。
クライアントに対しては,データベースからの実行終了待ちタイムアウトの発生を通知して,コネクションを解放します。処理を続ける場合,クライアントは一度終了して再起動する必要があります。
- 0を設定した場合
データベースからの実行終了待ち時間を監視しません。
- この項目は,Database Connection Server使用時だけ有効です。
- 分散トランザクション連携機能使用時は,ここでの指定内容にかかわらず,0が設定されます。
(3) DABKEEPALIVE(TCP/IP通信時キープアライブ)
- 標準値
- OFF
- 指定範囲
- ON又はOFF
- 説明
- キープアライブによる監視を行うかどうかを設定します。キープアライブとは,クライアントとの通信経路が確立されているかどうかを常に監視するTCP/IPの機能です。
- ONを設定した場合
キープアライブによる監視が行われます(クライアントとの通信径路を監視する)。
- OFFを設定した場合
キープアライブによる監視は行われません(クライアントとの通信径路を監視しない)。
(4) DABTCP_TRCSIZE(通信トレースの取得)
- 標準値
- -1
- 指定範囲
- 0又は-1
- 説明
- クライアントとの通信トレース(dabcltrcコマンドで表示)を取得するかどうかを設定します。コマンドについては,「3.8.2 クライアントとの通信トレースの表示」を参照してください。
- 0を設定した場合
すべての通信トレースを蓄積するファイルが[DABroker運用ディレクトリ /spool/dabcltrc]の下に作成されます。ファイル名は,次のとおりです(XXXXXは接続元のクライアントのIPアドレス,AAAAAは任意の名称)。
trs2340_tcXXX.XXX.XXX.XXX(DBPARTNER/Clientを使用する場合)
trs2340_tcXXX.XXX.XXX.XXXAAAAA(DBPARTNER/Client以外の場合)
ただし,ハードディスクの空き容量がなくなった場合,それ以降の通信トレースは取得しません。また,クライアントからの要求量が多ければ,トレースファイル容量も多くなるため,ハードディスクの容量に余裕をもたせておいてください。必要容量の概算方法は,「3.8.2 クライアントとの通信トレースの表示」を参照してください。また,クライアントからの要求量が多ければ,DABrokerを終了するまでに時間がかかります。御注意ください。
- -1を設定した場合
クライアントとの通信トレースを取得しません。
(5) DABMAXUSERS(最大接続ユーザ数)
- 標準値
- 10(ユーザ)
- 指定範囲
- 1~100000(ユーザ)
- 説明
- コネクションを確立できる最大ユーザ数を設定します。ここで設定した値を超えるユーザが接続しようとした場合は,クライアントにエラーメッセージを返し,接続しません。
(6) DABDBANUMBER(同時実行可能なデータベースアクセス数)
- 標準値
- 20(データベースアクセス数)
- 指定範囲
- 1~100000(データベースアクセス数)
- 説明
- DABrokerが一度に受け付けられる,複数のクライアントからのデータベースアクセス処理要求の合計数を設定します。ここで設定した値を超える要求が行われた場合は,クライアントにエラーメッセージを返し,処理を受け付けません。
(7) DABMAXBLOCKUSERS(1プロセスあたりの実行ユーザ数)
- 標準値
- 1(ユーザ数)
- 指定範囲
- 1~100(ユーザ数)
- ORACLEを使用する場合は1を指定してください。
- 説明
- 一つのプロセスで処理する最大ユーザ数を設定します。ここで設定した値を超えた場合は,処理を受け付けません。
- ORACLEを使用する場合は,必ず1を指定してください。1以外を指定した場合は,クライアントにエラーメッセージを返し,処理を受け付けません。
- 注意事項
- DABrokerのデーモンプロセスが,サーバのメモリ又はキャッシュメモリ上で動作するように適切な値を設定してください。
(8) DABMAXPROCESS(最大処理プロセス数)
- 標準値
- 10(プロセス数)
- 指定範囲
- 1~1000(プロセス数)
- 説明
- DABrokerで起動する最大プロセス数を設定します。ここで設定した値を超えた場合は,クライアントにエラーメッセージを返し,処理を受け付けません。
- 注意事項
- 不要なデーモンプロセスの起動を制限するために適切な値を設定してください。
(9) DABBATCH(予約処理作業ディレクトリ)
- 標準値
- /tmp
- 指定範囲
- DABrokerの管理ユーザにREAD/WRITE権限がある任意のディレクトリ(ただし,パーティションを圧迫しないところ)
- 説明
- 予約処理の終了ステータスを格納するディレクトリを指定します。標準値は/tmpですが,クライアントが予約完了状況を次の日に確認する場合など,サーバマシンの終了後もファイルを保存する必要がある場合は,/tmp以外のディレクトリを指定してください。指定したディレクトリの下には,次のようなファイルが作成されます。
- 予約処理用ステータスファイル
DABrokerが内部的に使用します。ファイル名は次のとおりです。
$DABBATCH/.yoyaku/.HHMMSSnnnnnxx
このファイルは,クライアントからの要求で削除されます。
HHMMSS:予約処理を受け付けた時刻(時 分 秒)
nnnnn:予約処理のプロセスID
xx:HHMMSSnnnnnが重複した場合の識別に使用する文字
<注意>
この予約処理用ステータスファイルを開いて内容を変更したり,ファイルを削除したりしないでください。予約処理が正常に実行できなくなります。
- 予約処理用システムファイル
DABrokerが内部的に使用します。ファイル名は次のとおりです。
$DABBATCH/.yoyaku/.system
このファイルはクライアントからの要求では削除されません。
<注意>
この予約処理用システムファイルを開いて内容を変更したり,ファイルを削除したりしないでください。予約処理が正常に実行できなくなります。
(10) DABORADBA_LONGBUFSIZE(ORACLEのLONG型及びLONGRAW型のデータの受け取りバッファサイズ)
- 標準値
- 4096(バイト)
- 指定範囲
- 0,又は1~2147483647(バイト)
- 説明
- ORACLEから,LONG型又はLONGROW型を持つデータを抽出する場合の受け取りサイズを指定します。
- これらのデータ型の場合,ORACLEでは最大2147483647バイトのデータの存在が考えられますが,DABrokerでは,ここで指定した値までのデータを受け取り,以降のデータは切り捨てます。
- 0を指定した場合,DBMSの定義長分の領域長を仮定します。ただし,実際に格納されているデータの大きさにかかわらず,無条件に定義長分の領域が確保されるため,メモリ効率が悪くなることがあります。格納されているデータの最大長が分かっている場合は,その値を指定することをお勧めします。
- この項目は,DABroker for Java Version 2でDABrokerにローカルアクセスした場合にも有効になります。
- また,DABroker for Java Version 2でデータベース種別にOracle8iを設定している場合にも設定しません。
(11) DABHIRDBA_BLOBBUFSIZE(HiRDBのBLOB型データ受取バッファサイズ)
- 標準値
- 4096(バイト)
- 指定範囲
- 0,又は1~2147483647(バイト)
- 説明
- HiRDBからBLOB型データを抽出する場合の受け取りサイズを指定します。
- このデータ型の場合,HiRDBでは最大2147483647バイトのデータの存在が考えられますが,DABrokerではここで指定した値までのデータを受け取り,以降のデータは切り捨てます。
- 0を指定した場合,DBMSの定義長分の領域長を仮定します。ただし,実際に格納されているデータの大きさにかかわらず,無条件に定義長分の領域が確保されるため,メモリ効率が悪くなることがあります。格納されているデータの最大長が分かっている場合は,その値を指定することをお勧めします。
- この項目は,DABroker for Java Version 2でDABrokerにローカルアクセスした場合にも有効になります。
(12) DABDBSDBA_BLOBBUFSIZE(Database Connection ServerのBLOB型データ受取バッファサイズ)
- 標準値
- 4096(バイト)
- 指定範囲
- 0,又は1~2147483647(バイト)
- 説明
- Database Connection ServerからBLOB型データを抽出する場合の受け取りサイズを指定します。
- このデータ型の場合,最大2147483647バイトのデータの存在が考えられますが,DABrokerではここで指定した値までのデータを受け取り,以降のデータは切り捨てます。
- 0を指定した場合,DBMSの定義長分の領域長を仮定します。ただし,実際に格納されているデータの大きさにかかわらず,無条件に定義長分の領域が確保されるため,メモリ効率が悪くなることがあります。格納されているデータの最大長が分かっている場合は,その値を指定することをお勧めします。
- この項目は,DABroker for Java Version 2でDABrokerにローカルアクセスした場合にも有効になります。
(13) DABIPCONVERT(IPアドレスからホスト名への変換オプション)
- 標準値
- ON
- 指定範囲
- ON又はOFF
- 説明
- メッセージ,及びDABrokerの処理内容を表示するコマンドで表示されるIPアドレスをホスト名に変換するかどうかを設定します。DABrokerの処理内容を表示するコマンドについては「3.8 DABrokerの処理内容の表示」を参照してください。
- ONを設定した場合
表示されるIPアドレスをホスト名に変換します。
動作環境によってこの変換処理に時間がかかり,接続処理が遅くなることがあります。
- OFFを設定した場合
表示されるIPアドレスをホスト名に変換しません。