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csdmipos(物理配置候補の算出)

形式

csdmipos {-i マスターイメージID|-n マスターイメージ名[.セクション]}

[-f 物理配置制約ファイルパス] [-r]

機能

物理配置制約ファイルに定義された制約条件を基に,指定した業務システムを構成する仮想ホストの物理配置候補を算出します。

このコマンドを実行可能な業務システムのstatusについては,「表1-5 業務システムのStatusと実行可能な運用コマンドの関係(1/2)」,および「表1-6 業務システムのStatusと実行可能な運用コマンドの関係(2/2)」を参照してください。

詳細な物理配置候補算出結果を参照する場合は,csdmiposコマンド実行後,csdmilsコマンド(-rオプション指定)を実行してください。詳細は,「csdmils(マスターイメージの表示)」を参照してください。

実行可能ユーザ

PaaS提供者,PaaS利用者が実行できます。

オプション

-i
マスターイメージIDを指定します。
マスターイメージID:<符号なし整数>1〜99999999の範囲

-n
マスターイメージ名を指定します。セクションを定義している場合には同時に指定してください。
マスターイメージ名:〜<英数字記号>1〜32文字
セクション:〜<英数字記号>1〜32文字

-f
物理配置制約ファイルを指定します。
物理配置制約ファイルの詳細は「2.4.4 物理配置制約ファイル」を参照してください。
-fオプションを省略した場合は,制約条件のチェックを行いません。
物理配置制約ファイルパス:〜<パス名>

-r
状態がリソース予約以降の仮想ホストを考慮して,物理配置候補の再算出を行う。
-rオプションを指定した場合と,指定していない場合の物理配置候補算出の算出結果の例を次に示します。

図1-3 -rオプション指定/未指定時の物理配置候補算出

[図データ]

戻り値

意味
0 正常終了しました。
0以外 異常終了しました。

実行例

(1) 正常に物理配置候補算出が完了した場合
[図データ]

(2) 物理配置候補が決定していない仮想ホストがある場合
[図データ]

表1-27 表示項目の説明

項番 項目 説明
1 VMID 物理配置候補算出対象のホストID
2 Result 物理配置候補を選出できたかどうか(Succeeded/Failed)
3 OSName 仮想ホストにインストールされているOS名
マスターイメージ構成ファイルに記述されているOS識別子を表示します。
4 TemplateName 物理配置候補算出対象の仮想ホストのコンポーネントテンプレート名
5 Pattern 物理配置候補算出対象の仮想ホストの構成パターン(ティア)
6 PhysicalHostGroupName 物理配置候補として選出された物理ホストグループ名
7 PhysicalHostIPAddress 物理配置候補として選出された物理ホストの物理IPアドレス
8 LbSettingFileName 負荷分散機接続設定プロパティファイル名
9 Error Reason 物理配置候補の選出に失敗した原因
詳細は,「表1-28 Error Reason一覧」を参照してください。

表1-28 Error Reason一覧

項番 項目 説明
1 CPU Clock Shortage: Request Clock aa, free Clock bb サイジングで決定したCPUクロック数を満たす物理ホストが存在しません。

aa:配置の際に要求したクロック数

bb:空きクロック数
物理構成情報が存在しない場合は「***」を出力
2 Memory Shortage: Request Size cc, Free Size dd サイジングで決定したメモリ容量を満たす物理ホストが存在しません。

cc:配置の際に不足したサイズ[MB]

dd:空きメモリ容量[MB]
物理構成情報が存在しない場合は「***」を出力
3 Phisicalhost Group Not Available - Physicalhost Group Name:name 物理ホストグループを候補にできません。

name:候補にできなかった物理ホストグループの名称
4 Physicalhost Not Available - Physicalhost IP Address

:ipaddress
IPアドレスで指定された物理ホストを候補にできません。

ipaddress:候補にできなかった物理ホストのIPアドレス
5 Storage Size Shortage: Request Size dd, Free Size ee 仮想ホストを配置できるストレージが関連づけられている物理ホストが存在しません。

dd:配置の際に要求した仮想ホストの容量[MB]

ee:空きストレージ容量[MB]
物理構成情報が存在しない場合は「***」を出力
6 Share LB Not Found 共有LBを割り当てようとしましたが,共有LBが存在しません。
7 Physicalhost Shortage:name 仮想ホストを割り当てるための物理ホストの台数が不足しています。

name:失敗の要因となった制約条件,次のどれかを出力
  • physicalhost_besides
    指定したホストIDの数が利用可能な物理ホスト数を超えた場合
  • physicalhost_with
    同一物理ホストに配置するためのリソース(CPUクロック,メモリ容量,ストレージ容量)が不足した場合
  • physicalhost_exclusion
    指定した物理ホストを除外した結果,利用可能な物理ホストがなくなってしまった場合
8 Physicalhost Group Shortage:name 仮想ホストを割り当てるための物理ホストが所属する物理ホストグループの数が不足しています。

name:失敗の要因となった制約条件,次のどれかを出力
  • physicalhost_group_besides
    指定したホストIDの数が利用可能な物理ホストグループ数を超えた場合
  • physicalhost_group_with
    同一物理ホストグループに配置するためのリソース(CPUクロック,メモリ容量,ストレージ容量)が不足した場合
  • physicalhost_group_exclusion
    指定した物理ホストグループを除外した結果,利用可能な物理ホストグループがなくなってしまった場合
9 Not Match HVType - HVType:type 仮想ホストのハイパーバイザ種別と一致する物理ホストが存在しません。

type:仮想ホストのハイパーバイザ種別
物理ホストのハイパーバイザ種別はcsdrsclsコマンドで確認します。
10 Not Match VirtualNetworkDevice:name 仮想ホストが必要とする仮想ネットワークデバイスを保持した物理ホストが存在しません。

name:マスターイメージ登録時に指定した構成パターンテンプレート名
このエラー原因が表示された場合,PaaS提供者に連絡します。PaaS提供者は,実際の物理構成および,物理構成定義ファイル・構成パターンテンプレートの仮想ネットワークデバイスに関する記載,リソース制約定義ファイルの内容を確認します。
11 Not Match IPAddressRange PaaS利用者に許可されたIPアドレスで使用可能な物理ホストが存在しません。
このエラー原因が表示された場合,PaaS提供者に連絡します。PaaS提供者は,実際の物理構成および,リソース制約定義ファイルの内容を確認します。
12 Storage Not Available 仮想ホストのシステム要件(CPUクロック数など)のチェックやほかの制約条件のチェックによって,すでに物理配置候補から除外されているため,物理配置制約ファイルに指定したデータストアまたはストレージプールを持つ物理ホストを候補にできません。
このエラー原因が出力された場合,PaaS利用者は物理配置制約ファイルに指定した制約条件の見直しを行います。解決しない場合はPaaS提供者に連絡し,物理構成定義ファイルおよび実際の物理構成を確認します。
13 Resource Pool Not Available 仮想ホストのシステム要件(CPUクロック数など)のチェックやほかの制約条件のチェックによって,すでに物理配置候補から除外されているため,物理配置制約ファイルに指定したリソースプールを持つ物理ホストを候補にできません。
このエラー原因が出力された場合,PaaS利用者は物理配置制約ファイルに指定した制約条件の見直しを行います。解決しない場合はPaaS提供者に連絡し,物理構成定義ファイルおよび実際の物理構成を確認します。
14 LB Not Available 共有LBを割り当てようとしたが,使用可能な共有LBが存在しません。
このエラー原因が表示された場合,PaaS提供者に連絡します。PaaS提供者は,実際の物理構成および,リソース制約定義ファイルの内容を確認します。

注意事項

-rオプションを指定する場合
  1. 物理ホスト上への構築に失敗した仮想ホストはcsdmilsコマンドで確認できます。
  2. 物理配置候補の再算出は,物理ホスト上への構築に失敗した仮想ホストに対してcsdmireleaseコマンドでリソース予約解除を行った後に実行してください。

相対パスでの指定について
ファイル名を相対パスで指定する場合,ファイルの絶対パス長が247文字以下となるよう指定してください。