Borland(R) Enterprise Server VisiBroker(R) デベロッパーズガイド

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21.1 概要

Borland Enterprise Server VisiBrokerのオブジェクトラッパー機能を使うと,クライアントアプリケーションがバインドされたオブジェクトのメソッドを呼び出す時に呼び出されるメソッドや,サーバアプリケーションがオペレーション要求を受け取った時に呼び出されるメソッドを,ユーザが定義できるようになります。前に説明したインタセプタ機能(VisiBroker ORBレベルで起動される)とは異なり,オブジェクトラッパーはオペレーション要求がマーシャルされる前に起動されます。実はオペレーション要求がマーシャルされなくても,ネットワークに送られなくても,または本当にオブジェクトインプリメンテーションに提供されなくても,オブジェクトラッパーが結果を返すように設計できます。

オブジェクトラッパーはクライアント側だけ,サーバ側だけ,または一つのアプリケーションにクライアントとサーバの両方が実装されているものにインストールできます。

ユーザのアプリケーション中でのオブジェクトラッパーの使い方の例を次に示します。

VisiBroker ORBオブジェクトのobject_to_stringメソッドを使って,オブジェクトラッパーがインストールされているオブジェクトのリファレンスを文字列化しても,文字列化したリファレンスの受信者が異なるプロセスなら,オブジェクトラッパーが伝わることはありません。
<この節の構成>
21.1.1 タイプドおよびアンタイプドオブジェクトラッパー
21.1.2 idl2cppの前提条件(C++)
21.1.3 idl2javaの前提条件(Java)
21.1.4 サンプルアプリケーション