oadutilコマンドは,Borland Enterprise Server VisiBrokerのシステムで使用できるオブジェクトインプリメンテーションの登録,登録解除,およびリスト出力を手動で行う手段を提供します。oadutilコマンドはJavaでインプリメントされ,コマンドラインインタフェースを使用します。各コマンドは,oadutilコマンドを起動し,実行するオペレーションのタイプを第1引数として渡すことによってアクセスされます。
- 注
- oadutilコマンドを使用するには,ネットワークの少なくとも一つのホストでOAD(オブジェクト活性化デーモンプロセス)を起動しなければなりません。
oadutilコマンドの構文は次のとおりです。
- 構文
oadutil {list|reg|unreg} [options]
このツールのオプションは,list,reg,unregのどれを指定したかによって異なります。
- インタフェース名からリポジトリIDへの変換
- インタフェース名とリポジトリIDは,活性化されたオブジェクトがインプリメントするべきインタフェースの型を表す方法です。IDLで定義されたすべてのインタフェースには一意のリポジトリIDが割り当てられます。この文字列は,インタフェースリポジトリ(IR)やOAD,およびVisiBroker ORB自身への呼び出しで通信する時に型を識別するために使用します。
- オブジェクトをOADに登録または登録解除する場合,oadutilコマンドを使用すれば,オブジェクトのIDLインタフェース名か,そのリポジトリIDを指定できます。
- インタフェース名は,次のようにしてリポジトリIDに変換できます。
- インタフェース名の前に「IDL:」を付けます。
- スコープ解決演算子の,先頭以外のすべてのインスタンス「::」をスラント「/」文字に置換します。
- インタフェース名の後ろに「:1.0」を付けます。
例えば,「::Module1::Module2::IntfName」というIDLインタフェース名を変換すると,次のようなリポジトリIDになります。
IDL:Module1/Module2/IntfName:1.0
- #pragma idと#pragmaプリフィクス機能を使用して,インタフェース名からのデフォルト生成のリポジトリIDを変更できます。ユーザ定義のIDLファイルで標準外のリポジトリIDを指定するために#pragma id機能を使用した場合,上記で説明した変換プロセスは効きません。この場合,-rリポジトリID引数を使用してオブジェクトのリポジトリIDを指定してください。
- C++の場合
- オブジェクトインプリメンテーションのインタフェースのリポジトリIDを取得するには,すべてのCORBAオブジェクトに対して定義された<interface_name>._repository_id()メソッドを使用してください。
- Javaの場合
- オブジェクトインプリメンテーションのインタフェースのリポジトリIDを取得するには,すべてのCORBAオブジェクトに対して定義されたjava: <interface_name>Helper.id()メソッドを使用してください。
- <この節の構成>
- 15.3.1 oadutil listによるオブジェクトのリスト出力
- 15.3.2 oadutilの使用によるオブジェクトの登録
- 15.3.3 オブジェクトの複数のインスタンスの区別
- 15.3.4 CreationImplDefクラスの使用による活性化プロパティの設定
- 15.3.5 VisiBroker ORBインプリメンテーションの動的変更
- 15.3.6 OAD::reg_implementationを使用したOADの登録
- 15.3.7 オブジェクトの生成と登録の例
- 15.3.8 OADが渡す引数
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