シャーシ定期監視では，マネージャサービスからサーバシャーシ（SVP）またはIOEUに対する通信状態と，サーバシャーシまたはIOEUからマネージャサービスに対する通信状態の双方向から通信状態が診断されます。シャーシ定期監視機能を有効にすると，マネージャサービスが管理するすべてのサーバシャーシおよびIOEUが定期監視の対象となります。

マネージャサービスとサーバシャーシ（SVP）またはIOEUとの間の通信状態は，シャーシ定期監視を有効にした時点またはマネージャサービスが起動した時点から8時間おきに診断されます。シャーシ定期監視中に監視対象のサーバシャーシまたはIOEUが追加された場合でも，次の定期監視は，ほかのサーバシャーシまたはIOEUと同じタイミングで実施されます。

シャーシ定期監視での監視のタイミングを，次の図に示します。

図4-3　シャーシ定期監視での監視のタイミング

定期診断時に，マネージャサービスとサーバシャーシ（SVP）またはIOEUとの間の通信に成功すると，通信が成功したことを示すインフォメーションレベルのアラート（0x3747）が通知されます。

定期診断時に，マネージャサービスとサーバシャーシ（SVP）またはIOEUとの間の通信に失敗すると，連続して通信に失敗した回数に応じて，通信が失敗したことを示すアラートが通知されます。

1回目および連続2回目の通信失敗では，注意レベルのアラート（0x3740）が通知されます。連続3回目以降の通信失敗では，警告レベルのアラート（0x373F）が通知されます。通信に失敗した回数と通信が失敗したことを示すアラートのレベルを，次の図に示します。

図4-4　通信に失敗した回数と通信が失敗したことを示すアラートのレベル

通信失敗による注意レベルのアラートおよび警告レベルのアラートが通知されたあと，1回でも通信に成功した場合は，通知されるアラートのレベルがいったんリセットされます。アラートのレベルがリセットされたあと，次回の通信失敗は，1回目の通信失敗と見なされ，注意レベルのアラートが通知されます。

マネージャサービスとサーバシャーシ（SVP）またはIOEUとの間の通信状態は，マネージャサービスごとに設定します。サーバシャーシ（SVP）ごとまたはIOEUごとに設定することはできません。

シャーシ定期監視の設定方法を次に示します。

1. ［ホスト管理］ウィンドウで，通信状態を監視したいサーバシャーシまたはIOEUを管理しているマネージャを選択する
2. ［設定］メニューから［マネージャサービス設定］を選択する
   ［マネージャサービス設定］ダイアログボックスが表示されます。
   

   

3. ［ネットワーク］タブで［シャーシ定期監視］チェックボックスをONにする
   ［監視対象シャーシ一覧］リストボックスに，通信状態監視の対象となるサーバシャーシまたはIOEUのシャーシIDが表示されます。
   

   注意

   ［監視対象シャーシ一覧］には，マネージャサービスで管理されているシャーシIDが表示されます。そのため，［ホスト管理］ウィンドウのコンピュータ名の表示内容と異なることがあります。

4. ［OK］ボタンをクリックする

• 複数サーバシャーシまたはIOEUの通信状態を診断する場合，診断結果を示すアラートは，すべてのサーバシャーシまたはIOEUの診断が終了してから一斉に通知されるのではなく，診断が終了したサーバシャーシまたはIOEUから順に通知されます。そのため，診断結果を示すアラートが通知される順は，診断を開始した順と異なることがあります。
• マネージャサービスを冗長化構成で運用している場合，シャーシ定期診断機能は，使用しないでください。冗長化構成でシャーシ定期診断をすると，2台のマネージャサービスで予備系サーバモジュールの切り替え先の優先順位に食い違いが生じ，切り替えに失敗することがあります。
• 通信監視の結果，一度でも通信状態が不安定であると診断されたサーバシャーシにN+1コールドスタンバイ機能の予備系サーバモジュールが含まれていた場合，切り替え先選択の優先順位が下がります。この場合，切り替え先選択の優先順位は3回連続して通信に成功すると元に戻ります。
  なお，切り替え先選択の優先順位が下がった予備系サーバモジュールも，切り替え先として選択できます。