JP1 Version 9 JP1/IT Desktop Management 運用ガイド
利用者のコンピュータで障害が発生した場合など、利用者から管理者に問い合わせがあったときに、管理者のコンピュータから利用者のコンピュータをリモートコントロールして原因調査および対処ができます。
コンピュータをリモートコントロールして、問い合わせに対処する流れを次に示します。
- 1.接続先のコンピュータを特定する
- 利用者から対処依頼があった際に、利用者名や資産管理番号などのコンピュータを特定するための利用者情報を入手します。その情報を基に、リモートコントロールするコンピュータを特定します。
- 2.コンピュータに接続する
- コンピュータに接続する旨を利用者に連絡したあと、利用者のコンピュータに接続します。利用者が接続を許可すると、管理者のコンピュータから利用者のコンピュータをリモートコントロールできるようになります。
- 3.コンピュータを調査し問題点に対処する
- リモート操作で利用者のコンピュータのログなどを調査し、問題点を特定して対処します。対処が完了したら、リモートコントロールを終了します。
利用者からの問い合わせの対処が完了します。
- この項の構成
- (1) 接続先のコンピュータを特定する
- (2) コンピュータに接続する
- (3) コンピュータを調査し問題点に対処する
コンピュータに接続する場合、対象のコンピュータを特定するために利用者情報を入手します。入手した利用者情報を基に接続先のコンピュータを特定します。
- 1.利用者情報を入手する
- 接続するコンピュータを特定するために利用者情報を入手します。例えば、利用者から障害対処依頼の連絡があった際に確認します。次の情報を入手してください。
- 資産管理番号
- 利用者名
- 部署
- 設置場所
- 電話番号
- 2.コンピュータを特定する
- 入手した利用者情報を基に、機器画面の[機器情報]画面でコンピュータを特定します。このとき、フィルタを利用すると素早く探せます。
コンピュータに接続する準備が完了します。
コンピュータに接続します。コンピュータに接続する流れを説明します。
- 1.コンピュータに接続することを利用者に連絡する
- 接続の前に、電話などで利用者に次の2点を連絡しておきます。
- 今から利用者のコンピュータに接続すること
- 利用者のコンピュータに接続許可の確認ダイアログが表示されたら許可してほしいこと
- 2.コンピュータに接続する
- 機器画面の[機器情報]画面でコンピュータを選択し、接続します。認証画面が表示された場合は、ユーザーIDとパスワードを入力する必要があります。
- 接続時には、エージェントの設定に応じて、利用者のコンピュータに接続許可の確認ダイアログが表示されます。この場合、リモートコントロールを開始するためには、利用者に許可してもらう必要があります。これによって利用者は、リモートコントロールが開始されることを確認できます。
参考
- コンピュータに接続するためには、管理者のコンピュータにコントローラがインストールされている必要があります。未インストールの場合は、操作画面からの接続開始時にインストールできます。すでにコントローラがインストールされている場合、コントローラを[スタート]メニューから直接起動して接続することもできます。
参考
- OSがLinuxやMac OSなどのエージェントレスのコンピュータにも接続できます。
利用者のコンピュータに接続し、リモートコントロールが開始されます。
なお、コンピュータをリモートコントロールするときは、あらかじめ接続モードを設定しておきます。例えば、利用者のコンピュータの障害対処に当たる場合は、利用者に操作されないように「制御モード」で接続します。逆に、作業を指示して利用者の操作内容を監視する場合は、利用者が操作できるように「監視モード」で接続します。目的に応じて、適切な接続モードを設定してください。
参考
- コントローラは複数起動できます。このため、複数のコンピュータの画面を並べて比較したり、監視したりできます。
参考
- 通信速度が遅いコンピュータに接続する場合、データ転送量を減らしてリモートコントロールを高速化できます。リモートコントロールの高速化は、コントローラの[環境の設定]ダイアログで設定できます。
参考
- NAT環境など、管理者のコンピュータから利用者のコンピュータを参照できない場合、利用者のコンピュータから接続要求を出せます。
参考
- 接続先のコンピュータがAMTまたはWake on Lanに対応している場合、電源がOFFの状態でも自動的に電源をONにして、リモートコントロールを開始できます。
リモートコントロールで利用者のコンピュータを調査し、問題点に対処します。リモートコントロール中は、次のような操作ができます。
- ファイルを送受信する
リモートコントロール中のコンピュータとファイルを送受信できます。ログファイルを収集して解析したり、接続先のコンピュータに必要なデータを転送したりする場合に便利です。- 接続先のコンピュータを再起動した場合に、自動的に再度接続する
接続先のコンピュータを再起動したあとで、自動的に接続を再開できます。メンテナンスなどで、再起動が必要な場合に便利です。- チャットで利用者と会話する
チャット機能を使用して、画面上で管理者と複数の利用者が同時に会話できます。また、チャットの内容は保存や印刷ができるので記録として残せます。電話が利用できない環境で連絡を取り合ったり、複数人に同時に指示を出したりするのに便利です。- 操作内容を動画ファイルに保存する
リモートコントロール中の操作内容を録画して、動画ファイルに保存できます。障害対処の手順をほかの利用者に説明する手間を省きたい場合に便利です。調査および対処が完了したら、リモートコントロールを終了して結果を利用者に連絡します。
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