JP1 Version 9 JP1/IT Desktop Management 構築ガイド
管理用サーバのリプレースとは、JP1/IT Desktop Management - Managerがインストールされているコンピュータとは別のコンピュータを、管理用サーバとして利用できるようにすることです。
警告
- リプレース先のコンピュータにインストールするJP1/IT Desktop Management - Managerは、リプレース元と製品のバージョン情報が一致している必要があります。
警告
- 管理用サーバのリプレース時にJP1/IT Desktop Management - Managerのバージョンアップはできません。リプレース完了後にバージョンアップするか、バージョンアップ後にリプレースしてください。
管理用サーバをリプレースする手順を次に示します。リプレース先のコンピュータにJP1/IT Desktop Management - Managerをインストールして、リプレース元のコンピュータからデータを移行することで、管理用サーバをリプレースします。
- JP1/IT Desktop Managementのサービスを停止します。
データベースのバックアップ後に、エージェントから通知された操作ログが新規に保管されないよう、あらかじめサービスを停止しておきます。
Windowsの[スタート]メニューから[管理ツール]-[サービス]を選択してください。表示されるダイアログで、サービス名を右クリックして[停止]を選択すると、サービスを停止できます。停止するサービスを次に示します。
- JP1_ITDM_Agent Control
- JP1_ITDM_Service
- JP1_ITDM_Web Container
- データベースのバックアップを取得します。
リプレース元のコンピュータで、Windowsの[スタート]メニュー-[すべてのプログラム]-[JP1/IT Desktop Management - Manager]-[ツール]-[データベースマネージャ]からJP1/IT Desktop Management - Managerのデータベースマネージャを起動して、データベースのバックアップを実行してください。バックアップ先フォルダのドライブは、目安として20ギガバイト以上の空き容量を確保してください。- 操作ログのバックアップデータを退避します。
操作ログの自動バックアップを有効にしている場合は、セットアップで指定している「操作ログの保管先フォルダ」に格納されているバックアップデータを退避してください。
操作ログの自動バックアップが有効かどうかは、Windowsの[スタート]メニュー-[すべてのプログラム]-[JP1/IT Desktop Management - Manager]-[ツール]-[セットアップ]からJP1/IT Desktop Management - Managerのセットアップを起動して、[操作ログの自動保管の設定]画面で[操作ログを自動的に保管する]がチェックされているかどうかで確認します。チェックされている場合は、自動バックアップが有効です。- リプレース先のコンピュータに、操作ログのバックアップデータを格納します。
手順3.で操作ログのバックアップデータを退避した場合は、インストール前に、リプレース先のコンピュータで「操作ログの保管先フォルダ」に指定する予定のフォルダに格納しておきます。なお、このフォルダには、操作ログのバックアップデータ以外のデータは格納しないでください。- リプレース元のコンピュータをネットワークから切断します。
- リプレース先のコンピュータに、JP1/IT Desktop Management - Managerをインストールします。
- JP1/IT Desktop Management - Managerをセットアップします。
リプレース先のコンピュータで、Windowsの[スタート]メニュー-[すべてのプログラム]-[JP1/IT Desktop Management - Manager]-[ツール]-[セットアップ]からJP1/IT Desktop Management - Managerのセットアップを起動して、セットアップを実行してください。
操作ログの自動バックアップを有効にしている場合は、[操作ログの自動保管の設定]画面で「操作ログの保管先フォルダ」に、手順4.でバックアップデータを格納したフォルダを指定してください。- 手順2.でバックアップしたデータベースをリストアします。
リプレース先のコンピュータで、Windowsの[スタート]メニュー-[すべてのプログラム]-[JP1/IT Desktop Management - Manager]-[ツール]-[データベースマネージャ]からJP1/IT Desktop Management - Managerのデータベースマネージャを起動して、データベースのリストアを実行してください。- ライセンスを登録します。
リプレース先のコンピュータにインストールしたJP1/IT Desktop Management - Managerのログイン画面で、[ライセンス]ボタンをクリックします。表示されるダイアログで[ライセンス認証]ボタンをクリックして、ライセンスを登録します。- エージェントの接続先を変更します。
リプレース先のコンピュータにインストールしたJP1/IT Desktop Management - Managerにログインし、エージェント設定の[エージェント基本動作]で、[基本設定]-[管理用サーバ]にリプレース先のコンピュータのIPアドレスまたはホスト名を設定します。
なお、この手順は、リプレースの前後で管理用サーバのIPアドレスまたはホスト名が変更になる場合だけ必要です。- 正しく運用できることを確認します。
リプレース先のコンピュータにインストールしたJP1/IT Desktop Management - Managerで、エージェントが管理用サーバに接続されたかどうかを確認します。機器画面の[機器一覧]画面で、[最終接続確認日]が更新されていることを確認してください。
なお、[最終接続確認日]はデフォルトでは表示されていません。表示するには、[機器一覧]画面の一覧の項目(例:ホスト名)を右クリックして、[表示項目の選択]から表示されるダイアログで[最終接続確認日]をチェックしてください。
[最終接続確認日]が更新されない場合、利用者のコンピュータで、Windowsの[スタート]メニュー-[すべてのプログラム]-[JP1_IT Desktop Management - Agent]-[管理者ツール]-[セットアップ]からエージェントのセットアップを起動して、接続先にリプレース先の管理用サーバが設定されているかどうか確認してください。- リプレース元のコンピュータで、JP1/IT Desktop Management - Managerをアンインストールします。
管理用サーバのリプレースが完了します。
参考
- リプレース元のコンピュータで取得したバックアップは、リプレース完了後に、必要に応じて削除してください。
参考
- リプレース完了後にエージェントが管理用サーバに接続されたかどうかは、機器画面の[機器一覧]画面で、[最終接続確認日]が更新されていることで確認できます。エージェントが接続されない場合、利用者のコンピュータで、エージェントのセットアップから接続先が正しく設定されているかどうか確認してください。
参考
- クラスタ環境の場合は、データベースのリストア(手順8.)のあとで次の操作をしてから、ライセンス登録(手順9.)以降を実施してください。
- 現用系の管理用サーバをセットアップします。
[設定変更]を選択し、その後は設定を変更しないでセットアップを完了してください。- 待機系の管理用サーバをセットアップします。
[設定変更]を選択し、[クラスタ環境]画面で[インポートする設定ファイル]に次のファイルを指定してセットアップを完了してください。
現用系の管理用サーバのインストール先フォルダ\mgr\conf\jdn_manager_setup.conf
注意
- リプレース先のコンピュータのIPアドレスが、リプレース元のコンピュータから変更になる場合、エージェントの接続先を変更するには、リプレース先の管理用サーバとエージェントの間で互いに直接参照できるネットワーク構成が必要です。直接参照できるネットワークとは、ホスト名およびIPアドレスで参照できる、相互にICMPなどで通信できるネットワークです。また、管理用サーバとエージェントが使用するTCPプロトコルのポートを通過できるようにしておく必要があります。
注意
- 管理用サーバがリプレース元のシステム構成を引き継ぐためには、管理対象の機器のIPアドレスがリプレースの前後で一致している必要があります。
- 例えば、管理用サーバのリプレース中に、設置場所の変更によって管理対象のコンピュータのIPアドレスが変更になる場合、そのコンピュータはリプレース先の管理用サーバには接続されません。このようなときは、リプレース先の管理用サーバでインストールセットを作成し、そのコンピュータにエージェントを導入し直してください。これによって、コンピュータが管理用サーバに接続されるようになります。
注意
- リプレース元のコンピュータで取得したデータベースのバックアップは、管理用サーバのユーザーID/パスワードと同様に、管理者以外が参照できないように管理してください。このバックアップを不正に入手してリストアすれば、その管理用サーバから管理対象の機器の操作ができてしまうためです。
注意
- リプレース元の管理用サーバで管理していた機器を、リプレース先の管理用サーバで引き続き管理する場合、リプレース元のコンピュータでバックアップしたデータベースを、リプレース先のコンピュータにリストアしてください。データベースのリストアを実施しないと、管理対象の機器にインストールされているエージェントがリプレース先の管理用サーバに接続されません。
- なお、リプレース後の管理用サーバで新たに機器管理を始める場合は、データベースのバックアップとリストアは不要です。この場合、リプレース前と同じ機器を管理するには、リプレース完了後に次のように対処してください。
- エージェント導入済みのコンピュータ:リプレース後の管理用サーバで作成したインストールセットを利用して、エージェントを再インストールしてください。
- エージェントレスの機器:探索を実行して、機器を管理対象にしてください。
注意
- JP1/IT Desktop Management - Managerをアンインストールしないで、リプレース元の管理用サーバをネットワークに接続した場合、リプレース先の管理用サーバで正しくエージェントを管理できなくなります。
- これは、リプレース元とリプレース先の管理用サーバが、それぞれエージェントに接続できてしまうためです。それぞれの管理用サーバから異なる指示があると、エージェントが管理者の意図しない状態になることがあります。また、エージェントがリプレース元の管理用サーバに接続して通知した情報は、リプレース先の管理用サーバには通知されないため、管理している情報に差異が発生してしまいます。
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