JP1 Version 9 JP1/IT Desktop Management 導入・設計ガイド
コンピュータをリモートコントロールする場合、接続先のコンピュータに対する操作の権限を設定できます。この権限を接続モードと呼びます。接続モードを設定することで、管理者がリモートコントロール中に利用者に操作されることを防いだり、コントローラ側から画面の参照だけできるようにしたりできます。
接続モードには、「監視モード」、「共有モード」、「制御モード」の3種類があります。それぞれのモードについて説明します。
- 監視モード
- 接続先のコンピュータに対して、画面の参照だけができるモードです。コントローラ側のコンピュータでは、キーボードやマウスでの操作ができません。接続先のコンピュータでの操作を参照するだけのときは、このモードで接続してください。
- 共有モード
- コントローラ側と接続先のコンピュータ側の両方からコンピュータを操作できるモードです。管理者と利用者の両方が操作する可能性がある場合は、このモードで接続してください。
- 制御モード
- コントローラ側だけが操作できるモードです。接続先のコンピュータでは、キーボードやマウスの操作ができません。コントローラ側で操作している最中に利用者に操作されたくない場合は、このモードで接続してください。制御モードを設定して、コンピュータにRFBで接続した場合、自動的に共有モードになります。
注意
- RFBで接続している場合、制御モードは利用できません。
接続モードは、コントローラの設定とエージェント設定の組み合わせで決定されます。
エージェント設定のモード コントローラのモード 接続時のモード 監視モード 監視モード 監視モード 共有モード 制御モード 共有モード 監視モード 監視モード 共有モード 共有モード 制御モード 制御モード 監視モード 監視モード 共有モード 共有モード 制御モード 制御モード
- エージェント設定が「監視モード」の場合
- コントローラがどのモードに設定されていても、監視モードで接続されます。
- エージェント設定が「共有モード」の場合
- コントローラが監視モードの場合は、監視モードで接続されます。それ以外のモードの場合は、共有モードで接続されます。
- エージェント設定が「制御モード」の場合
- コントローラ側で設定したモードで接続されます。
- この項の構成
- (1) コンピュータ側からの制御モードの変更
- (2) 複数接続時の接続モード
接続先のコンピュータが制御モードの場合、利用者がコンピュータを操作しようと思っても、そのままでは操作できません。
利用者がコンピュータを操作する必要がある場合、コンピュータ側で[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押すことで共有モードに変更できます。
この操作でコンピュータの接続モードが制御から共有に変わると、この情報がコントローラに通知されます。コントローラでは、コントローラの接続モードを制御から共有に変更するかどうか問い合わせるメッセージが表示されます。共有に変更することを許可しなかった場合、コンピュータは再び制御モードに戻り、利用者はコンピュータを操作できなくなります。
参考
- コンピュータ側で[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押した時点で、接続モードは共有に変更されます。このため、コントローラにメッセージが表示されたときは、すでに接続モードは変更されています。
複数のコントローラが一つのコンピュータに接続している場合、制御モードで操作できるコントローラは一つだけです。このとき、そのほかのコントローラは、監視モードになります。
そのあと、制御モードのコントローラをほかのモードへ変更したり、接続を解除したりした場合、ほかのコントローラに、制御モードが解放されたことを通知するメッセージが表示されます。
以降では、複数接続時の接続モードの変化について例を示します。
次のような接続モードで、1台のコンピュータに3台のコントローラが接続していると仮定します。
初期状態から、コントローラ1を制御モードに変更した場合、その他のコンピュータのモードは次のように変化します。
- コントローラ1を制御モードに変更します。
接続先のコンピュータ上に、接続モードの変更を要求するメッセージが表示されます。- 接続先のコンピュータで[OK]ボタンをクリックします。
接続先のコンピュータが監視モードになります。また、コントローラ2上に、ほかのコントローラが制御モードを取得したことを通知するメッセージが表示されます。- コントローラ2で[OK]ボタンをクリックします。
コントローラ2が監視モードになります。例2の状態で、コントローラ1を制御モード以外のモードに変更した場合、その他のコンピュータのモードは変化しません。コントローラ1がコンピュータとの接続を切断した場合も、これと同じ結果となります。
- コントローラ1を共有モードに変更します。
- コントローラ2および3上に、コントローラ1で制御モードが解除されたことを通知するメッセージが表示されます。ただし、コントローラ2の接続モードは監視のままです。
例4.コントローラが制御モードを取得したあと、接続先のコンピュータで[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押す
例2の状態で、接続先のコンピュータの利用者が[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押した場合、その他のコンピュータのモードは次のように変化します。
- 接続先のコンピュータの利用者が[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押します。
コントローラ1上に、接続モードの変更を要求するメッセージが表示されます。- コントローラ1で[はい]ボタンをクリックします。
コントローラ1および接続先のコンピュータが共有モードになります。なお、ここで[いいえ]ボタンをクリックするとモードは変わりません。- コントローラ2および3上に、ほかのコントローラで制御モードが解放されたことを通知するメッセージが表示されます。ただし、コントローラ2の接続モードは監視のままです。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2011, 2012, Hitachi, Ltd.
Copyright, patent, trademark, and other intellectual property rights
related to the "TMEng.dll" file are owned exclusively by Trend Micro Incorporated.