JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス1
形式
ajschgstat
[-F サービス名]
[-t 変更後の状態]
[-v 変更前の状態]
[-c 終了コード]
[-h 実行先ホスト名]
[-B 実行登録番号]
[-R]
[-E]
[-J]
[-X {yes|no|auto}]
ジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名...
機能
ジョブの状態,ホストリンクジョブネットの状態,およびジョブネットコネクタの状態を変更します。ジョブの状態を変更する場合は,ジョブ状態変更に伴って,そのジョブが含まれるジョブネットの状態も変更されます。
実行権限
次に示すJP1権限レベルのどれかを与えられたユーザー
- JP1_AJS_Admin権限
- JP1_AJS_Manager権限
- JP1_AJS_Operator権限
引数
-F サービス名
処理対象とする,スケジューラーサービスのサービス名を指定します。
指定できる文字数は,1〜30(単位:バイト)です。
-t 変更後の状態
ジョブ,ホストリンクジョブネット,およびジョブネットコネクタを,どの状態に変更するかを指定します。このオプションは,判定ジョブには指定できません。
指定できる状態と,その意味を表2-2に示します。
また,変更できる組み合わせ(どの状態から,どの状態に変更できるか)について,ジョブの場合を表2-3に,ホストリンクジョブネットの場合を表2-4に,ジョブネットコネクタの場合を表2-5に示します。
表2-2 変更後の状態一覧
状態 意味 normal 正常終了 fail 起動失敗
ホストリンクジョブネットおよびジョブネットコネクタには指定できません。warning 警告検出終了
ホストリンクジョブネットには指定できません。abnormal 異常検出終了
ホストリンクジョブネットには指定できません。bypass 計画未実行
ホストリンクジョブネットおよびジョブネットコネクタには指定できません。exit 終了コード,およびジョブのしきい値に従った状態変更
正常終了,警告検出終了,異常検出終了のどれかに変更されます。
ORジョブ,イベントジョブ,アクションジョブ,ホストリンクジョブネット,およびジョブネットコネクタには指定できません。表2-3 変更できる組み合わせ(ジョブの場合)
変更前 変更後 正常終了 起動失敗 警告検出終了 異常検出終了 計画未実行 先行終了待ち × × × × × 保留中 × × × × × 実行待ち △ △ △ △ × キューイング ○ ○ ○ ○ × 実行中 ○ × ○ ○ × 正常終了 − ○ ○ ○ ○ 起動失敗 ○ − ○ ○ ○ 警告検出終了 ○ ○ − ○ ○ 異常検出終了 ○ ○ ○ − ○ 強制終了 ○ ○ ○ ○ ○ 終了状態不明 ○ ○ ○ ○ ○ 未実行終了 ○ ○ ○ ○ ○ 計画未実行 ○ ○ ○ ○ − 異常検出実行中 ○ × × × ×
- (凡例)
- ○:変更できる。
- △:キューレスジョブの場合,変更できる。キューレスジョブ以外の場合,変更できない。
- ×:変更できない。
- −:対象外。
表2-4 変更できる組み合わせ(ホストリンクジョブネットの場合)
変更前 変更後 正常終了 実行中 ○ 異常検出終了 ○ 未実行終了 ○ 計画未実行 ○ 異常検出実行中 ○
- (凡例)
- ○:変更できる。
表2-5 変更できる組み合わせ(ジョブネットコネクタの場合)
変更前 変更後 正常終了 警告検出終了 異常検出終了 未計画 × × × 先行終了待ち × × × 未実行終了 ○ ○ ○ 計画未実行 ○ ○ ○ 実行中 ○ ○ ○ 警告検出実行中 ○ ○ ○ 異常検出実行中 ○ ○ ○ 正常終了 − ○ ○ 警告検出終了 ○ − ○ 異常検出終了 ○ ○ − 強制終了 ○ ○ ○ 終了状態不明 ○ ○ ○ 閉塞 ○ ○ ○
- (凡例)
- ○:変更できる。
- ×:変更できない。
- −:対象外。
-v 変更前の状態
ジョブの現在の状態を指定します。
このオプションに指定したジョブの状態と,現在のジョブの状態が一致する場合に限り,ジョブの状態を変更できます。このオプションは,判定ジョブには指定できません。
指定できる状態と,状態の意味を次の表に示します。
表2-6 変更前の状態一覧
状態 意味 queuing キューイング running 実行中,または異常検出実行中(ホストリンクジョブネットの場合) normal 正常終了 fail 起動失敗 warning 警告検出終了 abnormal 異常検出終了 unknown 終了状態不明 unexec 未実行終了 bypass 計画未実行 abend 起動失敗,異常検出終了,強制終了,終了状態不明,または未実行終了 exec-wait 実行待ち noend キューイング,実行中,または異常検出実行中(ホストリンクジョブネットの場合) -c 終了コード
ジョブの終了コードを指定します。
- Windowsの場合
指定できる値は,−2,147,483,648〜2,147,483,647です。
- UNIXの場合
指定できる値は,0〜255です。
このオプションは,現在のジョブの状態が終了状態である場合,またはジョブの状態を終了状態に変更する場合にだけ有効です(終了状態とは,正常終了,起動失敗,警告検出終了,異常検出終了,終了状態不明,未実行終了,または計画未実行のどれかを指します)。ホストリンクジョブネットおよびジョブネットコネクタの状態変更時には指定できません。
このオプションに指定する終了コードの値に従ってジョブの終了結果を設定する場合,-tオプションにexitを指定してください。ただし,判定ジョブには-tオプションを指定できません。終了コードだけ変更できます。
このオプションを省略し,実行中のジョブに対して-tオプションで終了状態を設定した場合は,終了コードとして0が仮定されます。
-h 実行先ホスト名
ジョブの実行先ホスト名を指定します。
指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。
-B 実行登録番号
状態を変更したいジョブを含むジョブネットの実行登録番号を「YYYYMMDDNNN」の形式で指定します。「YYYYMMDDNNN」の内容を次に示します。
YYYY:実行年
MM:実行月
DD:実行日
NNN:実行年月日の実行登録順序番号
このオプションを省略した場合,操作対象のジョブを含むルートジョブネットの実行登録番号が仮定されます(ルートジョブネットが実行中の場合は,現世代の実行登録番号が仮定されます。実行中でない場合は,履歴情報上の直前世代の実行登録番号が仮定されます)。
実行登録番号の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド 4.5.13 コマンド実行時の世代の指定方法」を参照してください。
-R
指定したユニットに含まれるすべてのジョブの状態,ホストリンクジョブネットの状態,またはジョブネットコネクタの状態を変更します。
このオプションを,-E,-Jオプションと同時に指定した場合,各オプションの指定内容に従って,ジョブ,ホストリンクジョブネット,またはジョブネットコネクタの状態を変更します。
-E
実行登録済みのジョブネット中のジョブの状態,ホストリンクジョブネットの状態,またはジョブネットコネクタの状態を変更します。
-J
ジョブの状態を変更します。
-X {yes|no|auto}
プランニンググループの下にあるユニットの中から,現在運用中のユニットを自動的に選択して操作するかどうかを指定します。ただし,ジョブグループ配下のユニットに対しては,どの値を指定しても自動的に選択しません。また,ルートジョブネット名も省略できません。
- yes
自動的に選択して操作する場合に指定します。
コマンドに指定するユニット名は,プランニンググループの下のルートジョブネット名を省略して指定します。
- no
自動的に選択して操作しない場合に指定します。
指定したユニットに対して操作します。プランニンググループの下のルートジョブネット名を省略して指定することはできません。
- auto
ユニット名の指定方法に従って,自動的に選択して操作するかしないかを決定する場合に指定します。
- 自動的に選択して操作する場合
プランニンググループの下のルートジョブネット名を省略してユニット名を指定します。
- 自動的に選択して操作しない場合
プランニンググループの下のルートジョブネット名を省略しないでユニット名を指定します。この場合,指定したユニットが操作対象になります。ただし,プランニンググループの下のルートジョブネット名を省略して指定したパス名と同じ名称のユニットがある場合,省略したものとして扱われ,操作対象のユニットが自動選択されます。
ジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名
状態を変更したいジョブ名,または-R,-E,-Jオプションと同時にジョブ名,ジョブネット名,ジョブグループ名を指定します。
指定できる文字数は,1〜930(単位:バイト)です。
ジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名は複数指定できます。
なお,ジョブ名に,実行IDを指定できます。ただし,実行IDを指定した場合,-Bオプションは無効になります。実行IDの指定方法については,「1.1 コマンドの記述形式」を参照してください。
論理ホスト名は指定できません。
注意事項
- スケジューラーサービスが起動していない場合,このコマンドは異常終了します。
- JP1/AJS3 - Viewやajschgstatコマンドで,実行中のジョブを終了状態に変更した場合は,後続ユニットが実行されます。ただし,異常終了のジョブを正常終了に変更しても,後続ユニットは実行されません。
- JP1/AJS3 - Viewやajschgstatコマンドで,実行中のジョブを終了状態に変更した場合は,ジョブ終了のイベントやメッセージ,ログ情報が出力されますが,終了したジョブに対して状態変更を行った場合は,ジョブ終了のイベントやメッセージ,ログ情報は出力されません。
- リモートジョブネット下のユニットに対しては,操作できません。
- 状態を変更しようとしたジョブがサスペンド状態の場合,このコマンドは異常終了します。
- 起動条件に定義したイベントジョブや判定ジョブの状態は変更できません。
- プランニンググループの下にあるユニットの中から操作するユニットを自動的に選択する指定をした場合に,自動的に選択されたユニットに操作権限がないと,エラーになります。
- -Xオプションが省略された場合,環境変数AJSAUTOJUDGEの指定値に従って,プランニンググループの下にあるユニットの操作対象が決定されます。
- プランニンググループの下にあるユニット名の指定方法については,「2. コマンド ajsplan」の「補足事項」を参照してください。
- サスペンド状態のジョブネットコネクタに対しては,操作できません。
戻り値
0 正常終了。 4〜124で4の倍数値 異常終了。
使用例
異常検出終了したジョブ(job1)の状態を正常終了に変更します。なお,このジョブは,ルートジョブネット(net1)中にあり,環境変数AJSPATHにジョブグループ名が設定されているものとします(環境変数AJSPATHにジョブグループ名が設定されている場合は,コマンド実行時にジョブグループ名の指定を省略できます)。
ajschgstat -t normal -v abnormal net1/job1
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