JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング

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1.4.2 UNIXの場合

<この項の構成>
(1) 資料採取ツールを実行する
(2) coreファイルを採取する
(3) プロセスの状態を確認する
(4) オペレーション内容を確認する
(5) 組み込みDBの情報を採取する

(1) 資料採取ツールを実行する

資料採取ツールの実行手順および採取される資料について説明します。

(a) 資料採取ツールの実行手順

資料採取ツールを実行します。資料採取ツールのセットアップについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 16. ログ情報の採取」を参照してください。

資料採取ツールの実行例を次に示します。

 
# /home/jp1ajs2/trouble.sh
 

資料採取ツールの実行結果は,デフォルトでは「/tmp/jp1ajs2/trouble/」の配下に次のファイルが出力されます。これらのファイルをバックアップしてください。

物理ホストの場合
  1. JP1_DEFAULT_1st.tar.Z
    第一報用資料が出力されます。
  2. JP1_DEFAULT_2nd.tar.Z
    第二報用資料が出力されます。
  3. JP1_DEFAULT_3rd.tar.Z
    その他の資料が出力されます。

論理ホストの場合
  1. 論理ホスト名_1st.tar.Z
    第一報用資料が出力されます。
  2. 論理ホスト名_2nd.tar.Z
    第二報用資料が出力されます。
  3. 論理ホスト名_3rd.tar.Z
    その他の資料が出力されます。
 

資料採取ツールは,クラスタ運用時,論理ホスト名を指定して資料を採取できます。また,採取する資料を限定するオプションも提供しています。次に資料採取ツールの文法について説明します。

形式
 
_04
     [-h 論理ホスト名]
     [-f 格納ディレクトリ]
     [-s]
     [-t]
     [-u]
     [-e]
     [-b]
     [追加ファイル]
 

機能
JP1/AJS3の各種定義情報,動作情報,OS情報などの保守情報を採取します。

実行権限
スーパーユーザー権限

引数

-h 論理ホスト名
処理対象とする,論理ホスト名を指定します。
指定した論理ホストのほかに物理ホストの資料も採取します。
省略した場合,物理ホストのログを採取します。

-f 格納ディレクトリ
採取した情報の格納ディレクトリを,空白文字を含まない絶対パスで指定します。指定したディレクトリに空白文字が含まれる場合,空白文字直前までの文字列が格納ディレクトリ名とされ,空白文字以降の文字列は別の引数と見なされます。
格納ディレクトリを相対パスで指定した場合,ルートディレクトリ配下に指定したパスが作成され,資料が採取されます。
省略した場合,「/tmp/jp1ajs2/trouble/」下に出力されます。

-s
JP1/AJS3で使用しているデータベースの情報を採取しないときに指定します。
省略した場合,データベースの情報を採取します。

-t
hosts,services,passwordファイルを採取しないときに指定します。

-u
コアを取得しないときに指定します。
このオプションを指定しても,バックトレース情報は採取します。

-e
組み込みDBの詳細情報を採取しないときに指定します。
組み込みDBの詳細情報とは,第二報用資料のembdbinfoディレクトリに出力される資料のことです。
省略した場合は,組み込みDBの詳細情報を採取します。
指定がなければ採取の要否は自動で判断されるため,組み込みDB詳細情報の採取の要否がわからない場合は指定を省略してください。
組み込みDBの詳細情報の採取を抑止したい場合だけ指定してください。

-b
JP1/Baseの詳細情報を採取しないときに指定します。
JP1/Baseの詳細情報とは,第二報用資料のJP1BASE_INFOディレクトリに出力される資料のことです。
省略した場合は,JP1/Baseの詳細情報を採取します。
指定がなければ採取の要否は自動で判断されるため,JP1/Baseの詳細情報の採取の要否がわからない場合は指定を省略してください。
JP1/Baseの詳細情報の採取を抑止したい場合だけ指定してください。
出力先のディスク容量が足りない場合は,-bオプションを指定して資料採取ツールを実行してから,jbs_logコマンドを実行してJP1/Baseの詳細情報を採取してください。jbs_logコマンドについては,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

追加ファイル
JP1/AJS3コマンドのコアファイルなど採取されないファイルを,空白文字を含まない絶対パスで指定します。指定したファイル名に空白文字が含まれる場合,空白文字直前までの文字列が追加ファイル名とされ,空白文字以降の文字列は別の引数と見なされます。
これによって,資料採取ツールで自動採取しない情報も採取できます。
追加ファイルにコアファイルがある場合,-uオプションを指定してもコアファイルを採取します。
追加ファイルにはディレクトリ名を指定することもできます。ディレクトリを指定した場合は,指定したディレクトリ配下のすべての資料を採取します。

注意事項
  1. クラスタ構成の論理ホストの資料を採取する場合,論理ホストの共有ディスクを必ずマウントしてください。
  2. 採取した資料は,資料採取ツールで圧縮します。OSごとの圧縮方法を次に示します。
    Linuxの場合
    gzipコマンドを使用して圧縮します。資料採取ツールを実行する環境にgzipコマンドがインストールされていなかった場合,tarコマンドで資料をまとめ出力します。compressコマンドは使用しません。tarコマンドがインストールされていない場合,資料採取ツールは異常終了し,処理を終了します。
    Linux以外のUNIXの場合
    compressコマンドを使用して圧縮します。資料採取ツールを実行する環境にcompressコマンドがインストールされていなかった場合,gzipコマンドを使用して採取した資料を圧縮します。compressコマンドおよびgzipコマンドがない場合,tarコマンドで採取した資料をまとめて出力します。tarコマンドがインストールされていない場合,資料採取ツールは異常終了し,処理を終了します。
  3. スクリプトを実行するユーザーが参照権限を持たないファイルが含まれている場合を考慮し,スーパーユーザーでスクリプトを実行してください。
  4. スクリプトの実行結果を出力したファイルが作成済みの場合,情報の上書きを確認するメッセージが出力されるので,上書きする場合は「y」で,中止する場合は「n」で応答してください。
  5. コアダンプファイルの出力がない場合は,メッセージ(「tar: core? の状態がわかりません。ダンプされません。」)が出力されますが,問題はありません。
  6. 対象製品がインストールされていない場合や,他プロセスで使用中またはファイル属性によってアクセスできないファイルを検出した場合は,資料採取中にディレクトリやファイルがない,またはファイルにアクセスできない旨のメッセージが出力されることがありますが,問題はありません。
  7. 資料採取ツールの実行中,ajs2collectcoreコマンドを内部的に実行するため,使用しているOSによって採取できる資料に制限があります。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス1 2. コマンド ajs2collectcore(UNIX限定)」を参照してください。
  8. 採取する資料がない場合,資料採取ツールの実行結果を出力したファイルは作成されません。
  9. 資料採取ツールは多重実行しないでください。

戻り値
0 正常終了。
0以外の値 異常終了。

メッセージ
メッセージ 説明 動作
Directory ディレクトリ名 is created ディレクトリを作成しました。 処理を継続します。
Overwrite file (ファイル名) ok? ファイル名)を上書きしてよろしいですか?
処理を継続する場合は「y」を,中止する場合は「n」を押してください。
ユーザーの応答を待ちます。
[CAUTION]
When a target program is not installed, or when file access fails because some other process is using the file or because a necessary file-access permission is lacking, a message might be output that states that file access failed or a directory or file does not exist. Such a message does not indicate a problem.
資料採取中に使用中,またはファイルがない場合に,このメッセージが出力されますが,問題はありません。 処理を継続します。
Output file name :(ファイル名) ファイル名)を作成しました。 処理を終了します。
Write permission error (ディレクトリ名) 書き込み権限がありません。次の要因が考えられます。
  • ディレクトリを作成する権限がない
  • 他プロセスによって,使用中
要因を排除したあと,再度実行してください。
処理を終了します。
Make directory (ディレクトリ名) is unsuccessful ディレクトリが作成できませんでした。次の要因が考えられます。
  • ディレクトリを作成する権限がない
  • 他プロセスによって,使用中
要因を排除したあと,再度実行してください。
処理を終了します。
Read permission error(ファイル名) 読み込み権限がありません。
読み込み権限を付与したあと,再度実行してください。
処理を終了します。
File ファイル名 is not found 追加ファイルに指定したディレクトリ,またはファイルがありません。
正しいパスを設定し,再度実行してください。
処理を終了します。
[ -s ] [ -f output-file ] [ -h Logical-Host-Name ] [ -t ] [ -u ] [ -e ] [ -b ] [ add-in-file ... ] オプションの設定が誤っています。
正しく設定し,再度実行してください。
処理を終了します。
The collection of detailed information on EmbedDB _JF* begins. 組み込みDBの詳細情報の採取を開始します。 処理を継続します。
The collection of detailed information on EmbedDB_JF* ended. 組み込みDBの詳細情報の採取を終了します。 処理を継続します。
The collection of detailed information on JP1/Base begins. JP1/Baseの詳細情報の採取を開始します。 処理を継続します。
The collection of detailed information on JP1/Base ended. JP1/Baseの詳細情報の採取を終了します。 処理を継続します。

注※
「_JF*」は組み込みDBの識別子(_JF0, _JF1, _JF2, ・・・)です。識別子ごとに詳細情報を採取します。

使用例1
物理ホストの資料を採取します。
 
_04
 

使用例2
論理ホスト(cluster)の資料を採取します。
 
_04 -h cluster
 

使用例3
コアファイル(/tmp/core)を含めた情報を,ファイル(/tmp/trouble)に出力します。
 
_04 -f /tmp/trouble /tmp/core
 

(b) 資料採取ツールで採取される資料

資料採取ツール(_04)では次の資料を採取できます。

物理ホストの場合
  • 第一報用資料(/tmp/jp1ajs2/trouble/JP1_DEFAULT_1st.tar.Z※1
    採取された資料のディレクトリ名・ファイル名 内容
    /etc/hosts hostsファイル
    /etc/passwd passwdファイル
    /etc/services servicesファイル
    /etc/.hitachi/pplistd/pplistd インストール済みの日立製品情報
    1. /etc/opt/jp1ajs2/conf
    2. /etc/opt/jp1ajs2cm/conf
    3. /etc/opt/jp1base/conf
    環境設定ファイル格納ディレクトリ
    /opt/HIRDB_J/spool/pdlckinf 組み込みDBのデッドロックタイムアウト情報ファイル
    /opt/jp1/hcclibcnf/regdir 共通定義情報
    1. /opt/jp1ajs2/PatchHistory
    2. /opt/jp1ajs2/PatchLog
    3. /opt/jp1ajs2v/PatchHistory
    4. /opt/jp1ajs2v/PatchLog
    パッチ情報
    1. /var/adm/syslog/syslog.log(HP-UXの場合)
    2. /var/adm/messages(Solarisの場合)
    3. /var/adm/syslog(AIXの場合)
    4. /var/adm/messages*(Linuxの場合)
    syslogおよびsyslog格納ディレクトリ
    1. /opt/hitachi/HNTRLib/spool
    2. /var/opt/hitachi/HNTRLib2/spool
    統合トレースログ
    /var/opt/jp1ajs2/log ログファイル格納ディレクトリ
    /var/opt/jp1ajs2/log/_04.filelist ファイルリスト
    /var/opt/jp1ajs2/log/_04.osinfo OS関連情報
    /var/opt/jp1ajs2/log/_04.processlist プロセスリスト
    /var/opt/jp1ajs2/log/_04.backtrace バックトレース情報
    /var/opt/jp1ajs2/log/ajsagtshow.txt ajsagtshowコマンドの実行結果
    /var/opt/jp1ajs2/log/ajsagtprint.txt ajsagtprintコマンドの実行結果
    /var/opt/jp1ajs2/log/jajs_status.txt jajs_statusコマンドの実行結果
    /var/opt/jp1ajs2/log/ajsprof_スケジューラーサービス名_agent_stat.txt※2 ajsprofstatusコマンドの実行結果(-t agent -sオプション)
    /var/opt/jp1ajs2/log/ajsprof_スケジューラーサービス名_agent_def.txt※2 ajsprofstatusコマンドの実行結果(-t agent -pオプション)
    /var/opt/jp1ajs2/log/ajsprof_スケジューラーサービス名_unit_stat.txt※2 ajsprofstatusコマンドの実行結果(-t unit -sオプション)
    /var/opt/jp1ajs2/log/ajsprof_スケジューラーサービス名_unit_def.txt※2 ajsprofstatusコマンドの実行結果(-t unit -pオプション)
    /var/opt/jp1ajs2/sys システムファイル格納ディレクトリ
    /var/opt/jp1ajs2/tmp/schedule/pd*.trc 組み込みDBトレース情報
    1. /var/opt/jp1ajs2cm/log
    2. /var/opt/jp1ajs2v/log
    3. /var/opt/jp1base/log
    ログファイル格納ディレクトリ
    /tmp/jp1ajs2/trouble※1/EMBDB/_JF*※3/conf 組み込みDB定義ファイル
    /tmp/jp1ajs2/trouble※1/EMBDB/_JF*※3/spool 組み込みDB障害調査ファイル
    /tmp/jp1ajs2/trouble※1/EMBDB/_JF*※3/etc その他,調査に必要な組み込みDB情報

    注※1
    -fオプションを省略した場合の出力先です。

    注※2
    対象ホストにあるすべてのスケジューラーサービスの情報を取得します。

    注※3
    「_JF*」は組み込みDBの識別子(_JF0, _JF1, _JF2 ・・・)です。識別子ごとのディレクトリが作成されます。

 
  • 第二報用資料(/tmp/jp1ajs2/trouble/JP1_DEFAULT_2nd.tar.Z※1
    採取された資料のディレクトリ名・ファイル名 内容
    1. /tmp/jp1ajs2/trouble※1/CAERDIR/coreinfo-ISAM.shmdump.tar.Z※2
    2. /tmp/jp1ajs2/trouble※1/CARDIR/coreinfo-Scheduler.shmdump.tar.Z※2
    3. /tmp/jp1ajs2/trouble※1/CARDIR/../../core.Z※2
    4. /tmp/jp1ajs2/trouble※1/CARDIR/../../coreinfo-analyze.tar.Z※2
    5. /tmp/jp1ajs2/trouble※1/CARDIR/ProgMon.shmdump
    6. /tmp/jp1ajs2/trouble※1/CARDIR/coreinfo-host.shmdump
    7. /tmp/jp1ajs2/trouble※1/CARDIR/coreinfo-hostprof.shmdump
    ISAMおよびスケジューラーが使用する共有メモリー情報,コアダンプファイル,共有ライブラリー情報,運用プロファイル情報
    1. /var/opt/jp1ajs2/database
    2. /var/opt/jp1ajs2cm/database
    3. /tmp/jp1ajs2/trouble※1\embdatabase/_JF*※3
    データベース格納ディレクトリ
    /tmp/jp1ajs2/trouble※1/embdbinfo/_JF*※3 組み込みDB詳細情報
    /tmp/jp1ajs2/trouble※1/JP1BASE_INFO※5 JP1/Base詳細情報
    /追加採取資料※4 追加採取資料

    注※1
    -fオプションを省略した場合の出力先です。

    注※2
    採取されたコアダンプファイルがあるディレクトリと同じパスに出力されます。

    注※3
    「_JF*」は組み込みDBの識別子(_JF0, _JF1, _JF2 ・・・)です。識別子ごとのディレクトリが作成されます。

    注※4
    追加採取する資料を引数で指定した場合に採取します。

    注※5
    JP1/Baseの詳細情報については,物理ホスト,論理ホストの資料に関係なく,物理ホストの第二報用資料として作成されます。

 
  • 第三報用資料(/tmp/jp1ajs2/trouble/JP1_DEFAULT_3rd.tar.Z
    採取された資料のディレクトリ名・ファイル名 内容
    /var/opt/jp1ajs2/jobinf ジョブ情報格納ディレクトリ

    注※
    -fオプションを省略した場合の出力先です。

 

論理ホストの場合
  • 第一報用資料(/tmp/jp1ajs2/trouble/論理ホスト名_1st.tar.Z※1
    採取された資料のディレクトリ名・ファイル名 内容
    /共有ディレクトリ名/jp1ajs2/backup バックアップファイル格納ディレクトリ
    /共有ディレクトリ名/jp1ajs2/conf 環境設定ファイル格納ディレクトリ
    /共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log ログファイル格納ディレクトリ
    /共有ディレクトリ名/jp1ajs2/sys システムファイル格納ディレクトリ
    /共有ディレクトリ名/jp1ajs2/tmp 作業ファイル格納ディレクトリ
    /共有ディレクトリ名/jp1base/conf 環境設定ファイル格納ディレクトリ
    /共有ディレクトリ名/jp1base/log ログファイル格納ディレクトリ
    /共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log/ajsagtshow.txt ajsagtshowコマンドの実行結果
    /共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log/ajsagtprint.txt ajsagtprintコマンドの実行結果
    /共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log/jajs_status.txt jajs_statusコマンドの実行結果
    /共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log/ajsprof_スケジューラーサービス名_agent_stat.txt※2 ajsprofstatusコマンドの実行結果(-t agent -sオプション)
    /共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log/ajsprof_スケジューラーサービス名_agent_def.txt※2 ajsprofstatusコマンドの実行結果(-t agent -pオプション)
    /共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log/ajsprof_スケジューラーサービス名_unit_stat.txt※2 ajsprofstatusコマンドの実行結果(-t unit -sオプション)
    /共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log/ajsprof_スケジューラーサービス名_unit_def.txt※2 ajsprofstatusコマンドの実行結果(-t unit -pオプション)
    /tmp/jp1ajs2/trouble※1/EMBDB_論理ホスト名/_JF*※3/conf 組み込みDB定義ファイル
    /tmp/jp1ajs2/trouble※1/EMBDB_論理ホスト名/_JF*※3/spool 組み込みDB障害調査ファイル
    /tmp/jp1ajs2/trouble※1/EMBDB_論理ホスト名/_JF*※3/etc その他,調査に必要な組み込みDB情報

    注※1
    -fオプションを省略した場合の出力先です。

    注※2
    対象ホストにあるすべてのスケジューラーサービスの情報を取得します。

    注※3
    「_JF*」は組み込みDBの識別子(_JF0, _JF1, _JF2 ・・・)です。識別子ごとのディレクトリが作成されます。

 
  • 第二報用資料(/tmp/jp1ajs2/trouble/論理ホスト名_2nd.tar.Z※1
    採取された資料のディレクトリ名・ファイル名 内容
    1. /tmp/jp1ajs2/trouble※1/CARDIR_論理ホスト名/ProgMon.shmdump
    2. /tmp/jp1ajs2/trouble※1/CARDIR_論理ホスト名/coreinfo-host.shmdump
    共有メモリーダンプ
    1. /共有ディレクトリ名/jp1ajs2/database
    2. /共有ディレクトリ名/jp1ajs2cm/database
    3. /tmp/jp1ajs2/trouble※1/embdatabase_論理ホスト名/_JF*※2
    データベース格納ディレクトリ
    /tmp/jp1ajs2/trouble※1/embdbinfo_論理ホスト名/_JF*※2 組み込みDB詳細情報

    注※1
    -fオプションを省略した場合の出力先です。

    注※2
    「_JF*」は組み込みDBの識別子(_JF0, _JF1, _JF2 ・・・)です。識別子ごとのディレクトリが作成されます。
     

  • 第三報用資料(/tmp/jp1ajs2/trouble/論理ホスト名_3rd.tar.Z
    採取された資料のディレクトリ名・ファイル名 内容
    /共有ディレクトリ名/jp1ajs2/jobinf ジョブ情報格納ディレクトリ

    注※
    -fオプションを省略した場合の出力先です。

 

(2) coreファイルを採取する

coreファイルが出力されている場合は,coreファイルを採取してください。

coreファイルは,次のディレクトリのうちのどれかに出力されます。

  1. /opt/jp1ajs2/bin ※1
  2. /var/opt/jp1ajs2/database ※1
  3. /var/opt/jp1ajs2cm/database ※1
  4. ユーザーのホームディレクトリ※2
  5. コマンドなどを実行したカレントディレクトリ

注※1
資料採取ツールで採取できます。

注※2
JP1/AJS3 - Viewからの接続でcoreファイルが出力された場合は,マッピングされているOSユーザーのホームディレクトリになります。

また,core解析に必要な情報だけを採取したい場合はajs2collectcoreコマンドを使用します。ajs2collectcoreコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス1 2. コマンド ajs2collectcore(UNIX限定)」を参照してください。

(3) プロセスの状態を確認する

psコマンドを使ってプロセスの動作状態を確認してください。

JP1/AJS3のプロセスの情報については,「付録B.3 プロセス一覧(UNIXの場合)」を参照してください。

(4) オペレーション内容を確認する

トラブル発生時のオペレーション内容を確認し,記録しておいてください。確認が必要な情報を次に示します。

  1. オペレーション内容の詳細
  2. トラブル発生時刻
  3. マシン構成(各OSのバージョン,ホスト名,JP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agentの構成,JP1/AJS3 Console ManagerとJP1/AJS3 Console Agentの構成など)
    マシン構成については,コマンドを実行して調査できます。OS別のコマンドの一覧を次の表に示します。

    表1-17 UNIXのマシン構成の調査に使用するコマンドの一覧

    OS OSのバージョンを
    調査するコマンド
    ホストに搭載されている
    物理メモリー量を
    調査するコマンド
    プロセス情報および
    メモリー所要量を
    調査するコマンド
    HP-UX /usr/bin/uname -a /usr/sbin/dmesg /usr/bin/ps -elf
    Solaris /usr/bin/uname -a /usr/sbin/prtconf /usr/bin/ps -elf
    AIX /usr/bin/uname -a /usr/sbin/bootinfo -r /usr/bin/ps -elf
    Linux /bin/uname -a /usr/bin/free
    (または,
    /bin/cat/proc/meminfo)
    /bin/ps -elf

    コマンドのオプションは,各OSで標準的なオプションです。使用している環境によって仕様が異なる場合もあります。詳細については,使用しているOSのドキュメントを参照してください。

  4. 再現性の有無
  5. JP1/AJS3 - ViewまたはJP1/AJS3 Console Viewからログインしている場合は,ログインユーザー名

(5) 組み込みDBの情報を採取する

組み込みDB使用時にエラーが発生した場合,次に示す情報が必要です。

それぞれの情報を採取する方法について説明します。

(a) 原因を調査するために必要な情報

原因を調査するために必要な資料は,大別すると,OSの情報と組み込みDBの情報に分かれます。OSの情報はOSのコマンドなどで採取します。組み込みDBの情報は組み込みDBのコマンドなどで採取します。

問題解決支援のサポートサービスを利用する場合,原因調査に必要な情報と取得方法をトラブルの形態ごとに次の表に示します。優先順位が最も高い場合を1として,7段階で示しています。

各トラブル形態の詳細は,次のとおりです。

  1. 性能
    次の処理および操作の所要時間が長い場合
    • 組み込みDBシステムの開始(正常開始,再開始,障害除去後開始を含む)
    • 組み込みDBシステムの停止(正常停止,強制停止を含む)
    • 組み込みDB操作コマンドの実行
  2. 無応答
    次の処理および操作時に応答が返らない場合
    • 組み込みDBシステムの開始(正常開始,再開始,障害除去後開始を含む)
    • 組み込みDBシステムの停止(正常停止,強制停止を含む)
    • 組み込みDB操作コマンドの実行
  3. 異常終了
    次のうち,どれか一つ以上発生した場合
    • 組み込みDBシステムの異常終了
    • 組み込みDBプロセスの異常終了
    • 組み込みDB操作コマンドの異常終了

 

表1-18 障害の原因調査のために必要な情報と取得方法

項番 区分 取得する情報 取得方法 性能 無応答 異常終了
1 OS
 
 
 
 
syslog OSの機能(コマンド)で取得します。 1 1 1
2 CPU利用率およびデバイス状況 OSのコマンド(sarコマンドなど)で取得します。コマンドの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。 3 4 3
3 プロセスのCPU稼働・メモリー状態 OSのコマンド(topコマンドなど)で取得します。コマンドの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。 3 4 3
4 仮想メモリー情報 OSのコマンド(vmstatコマンドなど)で取得します。コマンドの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。 3 4 3
5 ネットワークステータス情報 OSのコマンド(netstatコマンドなど)で取得します。コマンドの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。 3 4 3
6 組み込みDB 組み込みDB障害情報 次のディレクトリ下にあるファイルをDATなどに取得してください。
  • 組み込みDB運用ディレクトリ/spool
  • 組み込みDB運用ディレクトリ/tmp
上記のディレクトリ下にはエラーログファイルおよびコマンドログファイルが出力されます。
2 2 2
7

エラーログファイル
組み込みDB運用ディレクトリ/spool/errlog下のファイルに出力されます。
2 2 2
8

コマンドログファイル
組み込みDB運用ディレクトリ/spool/cmdlog下のファイルに出力されます。
2 2 2
9 組み込みDBシステム定義の情報 組み込みDB運用ディレクトリ/conf下のファイルをDATなどに取得してください。 4 5 4
10 SQLトレースファイルおよびエラーログファイル 出力されたファイルをDATなどに取得してください。ファイル名はpderrまたはpdsqlで始まっています。 6 5
11 システムログファイル ajsembdboplogコマンドでシステムログをアンロードします。アンロードログファイルをDATなどに取得してください。 6 7 6

(凡例)
−:情報を取得する必要はありません。

リダイレクトで追加書きするファイルはファイル容量が単調増加するため,ディスク容量を圧迫します。したがって,ファイルを切り替えて一定世代で再使用する汎用シェルスクリプトを作成してください。

(b) 組み込みDBの環境を再作成するために必要な情報

組み込みDBの運用中にトラブルが発生した場合,再現テストや原因究明のためにトラブルが発生した環境を作成する必要があるときがあります。そのため,次に示す,組み込みDBの環境を再作成するために必要な情報を採取してください。

組み込みDBの環境を再作成するために必要な情報を採取する手順を次に示します。

  1. 組み込みDBを起動する。
  2. ajsembdbrorgコマンドに-k unldオプションを指定して実行する。
  3. 組み込みDB運用ディレクトリの下にあるconfを任意のフォルダに退避する。
  4. 組み込みDBに関連する環境変数を収録する。

ajsembdbrorgコマンドの操作の説明や詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 10.2.2 データベースを再編成する場合」を参照してください。

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