JP1/Performance Management - Agent Option for Platform(UNIX(R)用)
ここでは,各フィールドに格納される値について説明します。
データソース
各フィールドには,Performance Managementや監視対象プログラムから取得した値や,これらの値をある計算式に基づいて計算した値が格納されます。各フィールドの値の取得先または計算方法は,フィールドの表の「データソース」列で示します。
PFM - Agent for Platformの「データソース」列の文字列は,UNIXから取得したパフォーマンスデータを加工してフィールドの値を設定している場合,そのフィールドに設定される値の計算方法を示します。例えば,Device Detail(PI_DEVD)レコードのAvg Wait Time(AVG_WAIT_TIME)フィールドの値には,Total Wait Time (TOTAL_WAIT_TIME)フィールドの値をTotal I/O Ops(TOTAL_OPS)フィールドの値で割った値が格納されます。
「−」は,パフォーマンスデータを加工してフィールドの値を設定していないことを表します。
デルタ
変化量でデータを表すことを「デルタ」と呼びます。例えば,1回目に収集されたパフォーマンスデータが「3」,2回目に収集されたパフォーマンスデータが「4」とすると,変化量として「1」が格納されます。各フィールドの値がデルタ値かどうかは,フィールドの表の「デルタ」列で示します。
PFM - Agent for Platformで収集されるパフォーマンスデータは,次の表のように異なります。
- リアルタイムレポートで[デルタ値で表示]がチェックされている※場合,履歴レポートの場合,およびアラームの場合
レコードタイプ デルタ データソース データソース欄に
デルタ=Yesのフィールドがあるか表示される値またはアラーム監視で評価される値 PIレコードタイプ Yes なし − 変化量 あり なし 収集時点の値を基に計算した結果の変化量 あり 変化量を基に計算した結果 No なし − 収集時点の値 あり なし 収集時点の値を基に計算した結果 あり 変化量を基に計算した結果 PDレコードタイプ Yes なし − 変化量
Process Detail(PD)レコードの履歴レポート・アラームでは,累積値あり なし − あり 変化量を基に計算した結果
Process Detail(PD)レコードの履歴レポート・アラームでは,累積値を基に計算した結果No なし − 収集時点の値 あり なし 収集時点の値を基に計算した結果 あり 変化量を基に計算した結果
Process Detail(PD)レコードでは,累積値を基に計算した結果PLレコードタイプ No なし − 収集間隔ごとの差分情報
- (凡例)
- −:該当しない
- 注※
- 次に示すPFM - Web Consoleの項目がチェックされているかどうかを示します。
- レポートウィザードの[編集 > 表示設定(リアルタイムレポート)]画面の[デルタ値で表示]
- レポートウィンドウの[Properties]タブの[表示設定(リアルタイムレポート)]の[デルタ値で表示]
- リアルタイムレポートで[デルタ値で表示]がチェックされていない※場合
レコードタイプ デルタ データソース データソース欄に
デルタ=Yesのフィールドがあるか表示される値 PIレコードタイプ Yes なし − 累積値 あり なし 収集時点の値を基に計算した結果 あり 累積値を基に計算した結果 No なし − 収集時点の値 あり なし 収集時点の値を基に計算した結果 あり 累積値を基に計算した結果 PDレコードタイプ Yes なし − 累積値 あり なし − あり 累積値を基に計算した結果 No なし − 収集時点の値 あり なし 収集時点の値を基に計算した結果 あり 累積値を基に計算した結果 PLレコードタイプ No なし − サービス起動時からの累積情報
- (凡例)
- −:該当しない
- 注※
- 次に示すPFM - Web Consoleのダイアログボックスの項目でチェックされているかどうかを示します。
- レポートウィザードの[編集 > 表示設定(リアルタイムレポート)]画面の[デルタ値で表示]
- レポートウィンドウの[Properties]タブの[表示設定(リアルタイムレポート)]の[デルタ値で表示]
- (例)
- CPU - Per Processor Detail(PI_CPUP)レコードのIdle %フィールドの場合,レコードタイプはPIレコードタイプで,デルタ=Noのフィールドですが,データソースに示されるフィールドにデルタ=Yesのフィールドを持ちます。このため,リアルタイムレポートで[デルタ値で表示]がチェックされている場合,履歴レポートの場合,およびアラームの場合は,変化量を基に計算した結果が表示されます。
パフォーマンスデータが収集される際の注意事項を次に示します。
- PIレコードタイプのレコードが保存されるためには,2回以上パフォーマンスデータが収集されている必要があります。
PIレコードタイプのレコードには,PFM - Web Consoleで設定した収集間隔ごとにパフォーマンスデータが収集されます。しかし,パフォーマンスデータのStoreデータベースへの格納は,PFM - Web Consoleでパフォーマンスデータの収集の設定をした時点では実行されません。
- PIレコードタイプのレコードの履歴データには,前回の収集データとの差分を必要とするデータ(デルタ値など)が含まれているため,2回分のデータが必要になります。このため,履歴データがStoreデータベースに格納されるまでには,設定した時間の最大2倍の時間が掛かります。
例えば,PFM - Web Consoleでパフォーマンスデータの収集間隔を,18:32に300秒(5分)で設定した場合,最初のデータ収集は18:35に開始されます。次のデータ収集は18:40に開始されます。その後,18:35と18:40に収集されたデータを基に履歴のデータが作成され,18:40に履歴データとしてStoreデータベースに格納されます。
- リアルタイムレポートの設定で,[デルタ値で表示]がチェックされている場合,最初にデータが収集されたときから値が表示されます。ただし,前回のデータを必要とするレポートの場合,初回の値は「0」で表示されます。2回目以降のデータ収集では,収集データの値が表示されます。
- システムを長期間運用するなどして,OSのカウンタ値がラップアラウンドしたときに,デルタフィールドの値が極端に大きくなることがあります。
各フィールドの平均および割合
各フィールドの平均や割合の値については,Interval時間によって秒単位の値として求められるものと,データの収集間隔によって求められるものとがあります。特に断り書きがない場合,データの収集間隔によって求められる値となります(Intervalが60秒間隔の場合,1分単位のデータとなります)。
Intervalフィールドの値
Intervalフィールドの値は,レコードタイプによって異なります。Intervalフィールドの値を次の表に示します。
表6-6 Intervalフィールドの値
レコードタイプ 説明 PIレコードタイプ
- リアルタイムレポートの場合
レポートの「デルタ値で表示」のチェックがある場合,最初の値は「0」。以降はレポートに設定されている「更新間隔」と同じ。次の計算式で算出される。
Intervalフィールドの値 = Record Timeフィールドの値 - 前回取得時のRecord Timeフィールドの値
レポートの「デルタ値で表示」のチェックがない場合,現在時刻からシステム起動時刻を引いた値。次の計算式で算出される。
Intervalフィールドの値 = Record Timeフィールドの値 - システム起動時刻
- 履歴レポートの場合
Collection Intervalの値と同じ。次の計算式で算出される。
Intervalフィールドの値 = Record Timeフィールドの値 - 前回取得時のRecord Timeフィールドの値
PDレコードタイプ 常に「0」。 PLレコードタイプ 常に「0」。
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