JP1/Performance Management リファレンス
形式
jpctool alarm import -f アラーム定義ファイル名
[-y|-n]
機能
jpctool alarm importコマンドは,指定されたファイルからアラームの定義情報をインポートし,アラームテーブルおよびアラームの定義・更新をするコマンドです。
定義情報のインポートは,アラーム単位で実施されます。アラーム定義ファイルに複数のアラームが定義されている場合,あるアラーム定義でインポート処理が異常終了しても,その後のインポート処理は継続して実施されます。また,複数のアラーム定義のインポート処理でエラーが発生した場合,最後に発生したエラーに対応した戻り値が返されます。
このコマンドでは,定義情報をインポートする前に,アラーム定義ファイルの構文や定義内容の妥当性を検証します。アラーム定義ファイルの構文や定義内容に誤りがある場合,最初に出現した誤りの個所についてだけ,ファイル内の行番号と誤りの内容を示すエラーメッセージが出力されます。
誤りの内容を示すエラーメッセージ中に示されるエラー要因とエラーの内容の関係を以下に示します。
表2-35 エラーメッセージ中に示されるエラー要因とエラーの内容の関係
エラー要因 エラーの内容 The specified entry is invalid 指定したラベル名またはセクション名が不正である。 The specified value is invalid 指定した値が不正である。 The syntax is invalid アラーム定義ファイルの構文が不正である。 The entry(ラベル名またはセクション名) is not specified 必要なラベルまたはセクションが指定されていない。 The specified product is invalid 指定したプロダクトIDまたはデータモデルバージョンが不正である。 The specified field is not defined 指定したプロダクトIDのPFM - AgentまたはPFM - RMで使用できないレコード名またはフィールド名が指定されている。 The specified report is not defined 指定したプロダクトIDのPFM - AgentまたはPFM - RMで定義されていないレポートが指定されている。 The specified Action Handler is not defined 指定したアクションハンドラが存在しない。 The specified Action Handler does not have capability 指定したアクションハンドラが指定したアクションを実行するように設定されていない。 A Character-code is invalid 指定した文字コードが不正である。 The specified definition is too many アラーム定義の数が定義可能な数を超えている。 Total length of Abnormal condition definition is too long アラーム定義の異常条件文が定義可能な長さを超えた。 Total length of Warning condition definition is too long アラーム定義の警告条件文が定義可能な長さを超えた。
コマンドを実行できるホスト
PFM - Manager
実行権限
- Windowsの場合
- Administrators権限を持つユーザー
- UNIXの場合
- rootユーザー権限を持つユーザー
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
- インストール先フォルダ\tools\
- UNIXの場合
- /opt/jp1pc/tools/
引数
- f アラーム定義ファイル名
インポートするアラーム定義ファイルのファイル名を指定します。ファイル名は,相対パスでも絶対パスでも指定できます。
全角文字,半角英数字,半角空白文字,または次に示す半角記号を指定できます。
% - ( ) _ . @ [ ]
ただし,半角空白文字を含む場合は「"」(ダブルクォーテーション)で囲んでください。また,半角記号を指定する場合は,必要に応じてエスケープ表記をしてください。
-y|-n
インポートするアラーム定義がすでに定義されていた場合でも,強制的に定義内容を更新するかどうかを指定します。
「-y」を指定すると,アラーム定義が強制的に更新されます。
「-n」を指定すると,更新処理がスキップされます。
指定を省略した場合,アラーム定義を上書きしてもよいかを確認するメッセージが出力されます。
アラーム定義ファイルの形式
設定値の一覧
- Alarm Definition File Versionラベル
アラーム定義ファイルの構文のバージョンを指定します。指定場所はファイルの先頭です。
表2-36 Alarm Definition File Versionラベル
種別 説明 意味 アラーム定義ファイルの構文のバージョンを示します。 指定可能値 0001 省略 不可 - Alarm Definition File Codeラベル
アラーム定義ファイルを記述している文字コードをAlarm Definition File Versionラベルの直後に指定します。
表2-37 Alarm Definition File Codeラベル
種別 説明 意味 アラーム定義ファイルを記述している文字コードを示します。 指定可能値
- Shift_JIS
全角文字(SJIS)か半角文字(7bit ASCII文字)で作成されている場合に指定します。
- EUC-JP
全角文字(EUC)か半角文字(7bit ASCII文字)で作成されている場合に指定します。
- UTF-8
全角文字(UTF-8)か半角文字(7bit ASCII文字)で作成されている場合に指定します。
- C
半角文字(7bit ASCII文字)だけで作成されている場合に指定します。
省略 不可 - Alarm Dataセクション
一つのアラームの定義を指定します。複数のアラームを定義する際は,アラーム定義ごとにAlarm Dataセクションを作成し,定義を記載します。Alarm Dataセクションは省略できません。
Alarm Dataセクション内で指定できるサブセクションは次のとおりです。
表2-38 Alarm Dataセクション
サブセクション名 説明 省略可否 General アラーム名などの基本情報を設定します。 × Advanced Setting アラームの種別やオプションを設定します。 ○ Check Value Exist 値の存在を監視するアラームで監視する値を設定します。 ○(アラーム定義による) Alarm Condition Expressions 値の存在を監視するアラーム以外のアラームの条件式を設定します。 ○(アラーム定義による) Actions アラームで実行するアクションや表示するレポートを設定します。 ○ Action Definition E-mail アラームでE-mailを実行する際の設定を指定します。 ○(アラーム定義による) Action Definition Command アラームでCommandを実行する際の設定を指定します。 ○(アラーム定義による) Action Definition JP1 Event アラームでJP1イベントを実行する際の設定を指定します。 ○(アラーム定義による)
- (凡例)
- ○:省略できます
- ×:省略できません
- Generalサブセクション
アラームの基本情報(アラーム名やメッセージテキストなど)を指定します。このサブセクションは省略できません。
このサブセクションで指定できるラベルは次のとおりです。
表2-39 Productラベル
種別 説明 意味 アラームのプロダクトとデータモデルバージョンを示します。 指定可能値 <プロダクトID><データモデルバージョン>
- プロダクトID
アラームを定義したいエージェントのプロダクトIDを大文字で指定します。
- データモデルバージョン
バージョンとリビジョンの10進数表記を「.(ピリオド)」でつないだものを指定します。
省略 不可 表2-40 Alarm Table Nameラベル
種別 説明 意味 アラームテーブル名を示します。 指定可能値 1〜64(単位:バイト)以内の全角文字および半角文字で指定します。
「=」の後ろと改行の前の半角空白は無視されます。
「PFM(大文字・小文字を含む)」で始まる名称は指定できません。省略 不可 表2-41 Alarm Nameラベル
種別 説明 意味 アラーム名を示します。 指定可能値 1〜20(単位:バイト)以内の全角文字および半角文字で指定します。
「=」の後ろと改行の前の半角空白は無視されます。省略 不可 表2-42 Message Textラベル
種別 説明 意味 アラームイベント発生時に出力するメッセージテキストを示します。 指定可能値 0〜255(単位:バイト)以内の全角文字および半角文字で指定します。
「=」の後ろと改行の前の半角空白は無視されます。
「=」の後ろが半角空白だけの場合は,指定されていないものとみなされます。省略 可 表2-43 Check Value Existラベル
種別 説明 意味 アラームの設定を値の存在を監視するアラームとするかを示します。 指定可能値 「Y」または「N」で指定します。
- 「Y」を指定した場合
値の存在を監視するアラームとして定義されます。
- 省略または「N」を指定した場合
通常のアラームとして定義されます。
省略 可 - Advanced Settingサブセクション
アラームの拡張情報(アラームの種別や監視時刻など)を指定するサブセクションです。このサブセクションは省略できます。
このサブセクションで指定できるラベルは次のとおりです。
表2-44 Active Alarmラベル
種別 説明 意味 アラームの状態を示します。 指定可能値 「Y」または「N」で指定します。
- 省略または「Y」を指定した場合
アラームが有効となります。
- 「N」を指定した場合
アラームが無効となります。
省略 可 表2-45 Regular Alarmラベル
種別 説明 意味 アラームの設定[常にアラーム通知する]を有効にするかを示します。 指定可能値 「Y」または「N」で指定します。
- 「Y」を指定した場合
[常にアラーム通知する]が有効となります。
- 省略または「N」を指定した場合
[常にアラーム通知する]が無効となります。
省略 可 表2-46 Evaluate All Dataラベル
種別 説明 意味 アラームの設定[すべてのデータを評価する]を有効にするかを示します。 指定可能値 「Y」または「N」で指定します。
- 「Y」を指定した場合
[すべてのデータを評価する]が有効となります。
- 省略または「N」を指定した場合
[すべてのデータを評価する]が無効となります。
省略 可 表2-47 Monitoring Regularlyラベル
種別 説明 意味 アラームの設定で[常に監視する]を有効にするかを示します。 指定可能値 「Y」または「N」で指定します。
- 省略または「Y」を指定した場合
[常に監視する]が有効となります。
- 「N」を指定した場合
[常に監視する]が無効となります。
省略 可 表2-48 Monitoring Timeラベル
種別 説明 意味 アラームの設定で[常に監視する]が無効な場合に監視時刻の時刻を示します。 指定可能値 <開始時刻>-<終了時刻>
時刻はHH:MMの形式で,ローカルタイムで指定します。<開始時刻>と<終了時刻>は「-(ハイフン)」でつなぎます。
- HH:開始時刻の時間を00〜23で指定します。
- MM:開始時刻の分を00〜59の間で指定します。
省略 可(Monitoring Regularlyラベルの値が「N」の場合は省略不可) 表2-49 Dampingラベル
種別 説明 意味 アラームの設定[発生頻度を満たした時にアラーム通知する]を有効にするかを示します。 指定可能値 「Y」または「N」で指定します。
- 「Y」を指定した場合
[発生頻度を満たした時にアラーム通知する]が有効となります。
- 省略または「N」を指定した場合
[発生頻度を満たした時にアラーム通知する]が無効となります。
省略 可 表2-50 Damping Countラベル
種別 説明 意味 アラームの設定で[発生頻度を満たした時にアラーム通知する]が有効の場合に,しきい値超過回数と計測するインターバルを示します。 指定可能値 <しきい値超え回数>/<インターバル値>
値はそれぞれ1〜32767の整数を指定。<しきい値超え回数>と<インターバル値>の間は「/(スラッシュ)」でつなぎます。
<インターバル値>が<しきい値超え回数>より小さい場合,<インターバル値>を<しきい値超え回数>と同じ値として処理します。
Dampingラベルの値が「Y」の場合は省略できません。Dampingラベルの値が「N」またはラベルが省略された場合は,指定しても無視されます。省略 可(Dampingラベルの値が「Y」の場合は省略不可) - Check Value Existサブセクション
アラームの設定で[値の存在を監視するアラームとする]が有効になっている場合に,その監視するレコードと値を指定するサブセクションです。このサブセクションは省略できますが,GeneralサブセクションでCheck Value Existラベルに「Y」を指定した場合は省略できません。
このサブセクションで指定できるラベルは次のとおりです。
表2-51 Recordラベル
種別 説明 意味 [値の存在を監視するアラームとする]が有効になっている場合に,監視する対象のレコードを示します。 指定可能値 1〜7(単位:バイト)の半角文字で,監視するレコードのレコードIDを指定します。
複数行のレコード(複数インスタンスレコード)のレコードIDだけが指定できます。
レコードIDについては,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルの,レコードについて説明している章を参照してください。省略 不可 表2-52 Fieldラベル
種別 説明 意味 [値の存在を監視するアラームとする]が有効になっている場合に,監視する対象のレコードのフィールドを示します。 指定可能値 1〜50(単位:バイト)までの半角文字で,監視するフィールドのPFM - Manager名を指定します。 省略 不可 表2-53 Valueラベル
種別 説明 意味 [値の存在を監視するアラームとする]が有効になっている場合に,存在を監視する値を示します。 指定可能値 指定できる値はフィールドの値によって異なり,整数値や小数値または1〜127(単位:バイト)の全角文字または半角文字とします。
半角文字を指定した場合は,制御文字および( ) [ ] < > ="は指定できません。これらの文字を指定したい場合は,ワイルドカード文字「*」を用いて値を指定します。存在を監視する値に「#」を使用したい場合は,「\#」と指定することで使用できます。存在を監視する値で,指定したワイルドカード文字の直前に「\」を指定したい場合は,「\\」と指定することで使用できます。省略 不可 - Alarm Condition Expressionsサブセクション
アラームで監視するレコードと値を指定するサブセクションです。このサブセクションは省略できますが,GeneralサブセクションでCheck Value Existラベルが存在しない,または「N」を指定した場合は,省略できません。
このサブセクションで指定できるラベルは次のとおりです。
表2-54 Conditionラベル
種別 説明 意味 アラームで監視する際の条件式を示します。 指定可能値 アラームで監視する際の条件式を次の形式で指定します。
<監視するフィールド><条件><異常値>,<警告値>
複数の条件を設定する場合は,上記の式をANDで接続します。同時に指定できる(連結できる)条件式は,最大で五つです。複数の条件式を指定する場合は,評価順に記載します(前に記載したものから順に評価されます)。また,変数%CVSで測定値を表示する場合,フィールドの位置は前に記載したものから順に決定されます。三つ以上の条件式を指定したアラーム定義をPFM - Web Consoleで表示すると優先度が低い条件式から順に"()"で囲んで表示されます。
- <監視するフィールド>
監視するレコードIDとフィールドのPFM - Manager名を「_(アンダーバー)」で接続した文字列を1〜50(単位:バイト)までの半角文字で指定します。
- <条件>
次のどれかを指定します。
「=」:フィールドの値と指定した値が等しい
「<」:フィールドの値が指定した値より小さい
「<=」:フィールドの値が指定した値より小さいかまたは等しい
「>」:フィールドの値が指定した値より大きい
「>=」:フィールドの値が指定した値より大きいかまたは等しい
「<>」:フィールドの値が指定した値と異なる
- <異常値>,<警告値>
それぞれ異常または警告アラームの判断基準となるしきい値を指定します(値は「,(半角コンマ)」で区切ります)。
整数値,小数値または文字列(全角文字または半角文字)を指定します。指定できる値は,監視するフィールドによって異なります。半角文字を指定した場合,制御文字および( ) [ ] < > =は指定できません。文字列を指定する場合は文字列の前後を「"(ダブルクォーテーション)」で囲みます。文字列中にタブ記号(\t)が含まれている場合,すべて半角スペースに置換されます。
異常値と警告値の条件が異なるアラーム(例えば,異常値 < 50,警告値 <= 60となっている)をエクスポートする場合,警告値(警告値が存在しない場合は,異常値)の条件が優先してエクスポートされます。異常値または警告値が存在しないアラームをエクスポートする場合,<異常値>または<警告値>を空欄にしてエクスポートします。
- 例
- jpctool alarm importコマンドでの定義時:A AND B AND C
- PFM - Web Consoleで表示される定義:A AND ( B AND C )
条件式は,異常条件と警告条件に分割してPFM - Managerに登録します。それぞれの条件式の長さが749(単位:バイト)を超える場合は登録できないため,エラーとします。PFM - Managerに登録される条件式の長さは,ANDで連結して指定した条件式の数をn(1≦n≦5),1≦i≦nとして,次の式で計算できます。次の式で算出される値が749(単位:バイト)を超える場合はエラーとなります。
異常値の条件式の長さ=
警告値の条件式の長さ=
ai:i番目の<監視するフィールド>の長さ(単位:バイト)
bi:i番目の<条件>の長さ(単位:バイト)
ci:i番目の<異常値>の長さ(単位:バイト)(文字列を指定した場合,""を除いた長さ)
di:i番目の<警告値>の長さ(単位:バイト)(文字列を指定した場合,""を除いた長さ)省略 不可 - Actionsサブセクション
アラームイベントが発生時に実行するアクションや表示するレポートを指定するサブセクションです。このサブセクションは省略できます。
このサブセクションで指定できるラベルは次のとおりです。
表2-55 Reportラベル
種別 説明 意味 アラームイベント発生時に表示するレポート名を示します。 指定可能値 0〜1,024(単位:バイト)の全角文字または半角文字でフォルダ階層の絶対パス(Reports/から始まる形式)を指定します。
名称(フォルダの区切り文字を除く)に「\」または「/」が含まれる場合,それぞれ「\\」,「\/」と記述します。ラベルの値またはラベル自体が省略された場合は,指定されていないものと見なします。省略 可 表2-56 E-mailラベル
種別 説明 意味 アラームで実行するアクションでE-mailの実行対象となるアラームイベントを示します。 指定可能値 次の値を指定します。
複数のアラームイベントで実行したい場合は,状態を示す文字列を「,(半角コンマ)」で区切って指定します。
- 異常時に実行する場合:「Abnormal」
- 警告値に実行する場合:「Warning」
- 正常値に実行する場合:「Normal」
状態の示す文字列は順不同であるが,同じ文字列を指定した場合はエラーとなります。
GeneralサブセクションのCheck Value Existラベルの値を「Y」と指定した場合,「Warning」は指定できません。Advanced SettingサブセクションのRegular Alarmラベルの値を「Y」に指定した場合,「Normal」は指定できません。省略 可 表2-57 Commandラベル
種別 説明 意味 アラームで実行するアクションでCommandの実行対象となるアラームイベントを示します。 指定可能値 次の値を指定します。
複数のアラームイベントで実行したい場合は,状態を示す文字列を「,(半角コンマ)」で区切って指定します。状態の示す文字列は順不同ですが,同じ文字列を指定した場合はエラーとなります。
- 異常時に実行する場合:「Abnormal」
- 警告値に実行する場合:「Warning」
- 正常値に実行する場合:「Normal」
GeneralサブセクションのCheck Value Existラベルの値を「Y」に指定した場合,「Warning」は指定できません。
Advanced SettingサブセクションのRegular Alarmラベルの値を「Y」に指定した場合,「Normal」は指定できません。省略 可 表2-58 SNMPラベル
種別 説明 意味 アラームがどのような状態のときにSNMPトラップの通知をするかを示します。 指定可能値 次の値を指定します。
複数のアラームイベントで実行したい場合は,状態を示す文字列を「,(半角コンマ)」で区切って指定します。状態の示す文字列は順不同ですが,同じ文字列を指定した場合はエラーとなります。
- 異常時に実行する場合:「Abnormal」
- 警告値に実行する場合:「Warning」
- 正常値に実行する場合:「Normal」
GeneralサブセクションのCheck Value Existラベルの値を「Y」に指定した場合,「Warning」は指定できません。
Advanced SettingサブセクションのRegular Alarmラベルの値を「Y」に指定した場合,「Normal」は指定できません。省略 可 表2-59 JP1 Eventラベル
種別 説明 意味 アクションの実行でJP1イベントを実行する場合の設定を示します。 指定可能値 「Y」または「N」で指定します。
Commandラベルに値が指定されていない場合は,指定しても無視されます。
- 「Y」を指定した場合
アクションでJP1イベントを実行します。
- 省略または「N」を指定した場合
無効となります。
省略 可 - Action Definition E-mailサブセクション
アラームイベントが発生時に実行するアクション(E-mail)の設定を指定するサブセクションです。このサブセクションは省略できますが,ActionsサブセクションでE-mailの実行を指定した場合は省略できません。
このサブセクションで指定できるラベルまたはサブサブセクションは次のとおりです。
表2-60 E-mail Addressラベル
種別 説明 意味 E-mailの送信先を示します。 指定可能値 指定する値は1〜127(単位:バイト)の半角文字です。複数の送信先がある場合は「,(半角コンマ)」で区切って指定できます。この場合,全長を127バイトまでにする必要があります。 省略 不可 表2-61 Action Handlerラベル
種別 説明 意味 E-mailを送信するアクションハンドラのサービスIDを示します。 指定可能値 指定する値は1〜258(単位:バイト)の半角文字です。プロダクト名表示機能が有効な場合も,プロダクト名では指定できません。なお,ローカルアクションを指定する場合は「LOCAL」と指定してください。 省略 不可 表2-62 Message Textサブサブセクション
種別 説明 意味 E-mailを送信するメッセージの内容を示します。 指定可能値 指定する値は0〜1000(単位:バイト)の全角文字または半角文字です。
このサブサブセクションでは,次のセクションまたはサブセクションの始まる行,またはファイルの終端(EOF)の直前までが,定義する値として設定されます。ただし,サブサブセクション内にコメントがある場合,コメント部分は除かれます。その上で,サブサブセクションとして有効な最終行にある改行文字は除かれます。省略 可 - Action Definition Commandサブセクション
アラームイベントが発生時に実行するアクション(Command)の設定を指定するサブセクションです。このサブセクションは省略できますが,ActionsサブセクションでCommandの実行を指定し,かつJP1 Eventラベルの値が「N」である場合は,省略できません(JP1 Eventラベルが「Y」の場合に指定すると無視されます)。
このサブセクションで指定できるラベルまたはサブサブセクションは次のとおりです。
表2-63 Command Nameラベル
種別 説明 意味 アクションで実行するコマンド(スクリプト)名を示します。 指定可能値 指定できる値は,1〜511(単位:バイト)の半角文字です。
指定する際は,次のディレクトリにあるコマンド(スクリプト)以外は,絶対パスまたはサービスのカレントディレクトリ相対パスで指定してください。
- Action Handlerサービスのインストール先ディレクトリ
- 環境変数のPATH変数に設定されているパス
省略 不可 表2-64 Action Handlerラベル
種別 説明 意味 コマンドを実行するアクションハンドラのサービスIDを示します。 指定可能値 指定する値は1〜258(単位:バイト)の半角文字です。プロダクト名表示機能が有効な場合も,プロダクト名では指定できません。なお,ローカルアクションを指定する場合は「LOCAL」と指定してください。 省略 不可
- 注
- アラームのアクションを設定する際,PFM - Web Consoleのブラウザの[新規アラーム > アクション定義]画面の[コマンド]フィールドの[アクションハンドラ]に「LOCAL」以外を選択すると,PFM - Managerに負荷が集中します。大規模システムで,アラームを契機としてアクションを実行させる場合は,PFM - Managerホストへの負荷集中を防止するために,[新規アラーム > アクション定義]画面の[コマンド]フィールドの[アクションハンドラ]に「LOCAL」を選択するようにしてください。
表2-65 Message Textサブサブセクション
種別 説明 意味 実行するコマンドに渡すパラメーターを示します。 指定可能値 指定する値は0〜2047(単位:バイト)の全角文字または半角文字です。
このサブサブセクションでは,次のセクションまたはサブセクションの始まる行の前の行,またはファイルの終端(EOF)の直前までが,定義する値として設定されます。ただし,サブサブセクション内にコメントがある場合,コメント部分は除かれます。その上で,サブサブセクションとして有効な最終行にある改行文字は除かれます。省略 可 - Action Definition JP1 Eventサブセクション
アラームイベントが発生時に実行するアクション(JP1イベント)の設定を指定するサブセクションです。このサブセクションは省略できますが,ActionsサブセクションでCommandの実行を指定した場合でかつJP1 Eventラベルに「Y」が指定された場合は,省略できません。
このサブセクションで指定できるラベルは次のとおりです。
表2-66 Event IDラベル
種別 説明 意味 JP1イベントで送信するイベントIDを示します。 指定可能値 イベントIDは16進数で指定します。指定できる値は0〜1fff,7fff8000〜7fffffffです。 省略 不可 表2-67 Action Handlerラベル
種別 説明 意味 JP1イベントを実行するアクションハンドラを示します。 指定可能値 指定する値は1〜258(単位:バイト)の半角文字です。プロダクト名表示機能が有効な場合も,プロダクト名では指定できません。なお,ローカルアクションを指定する場合は「LOCAL」と指定してください。 省略 不可 表2-68 Messageラベル
種別 説明 意味 JP1イベントで送信するメッセージを示します。 指定可能値 0〜1023(単位:バイト)の全角または半角文字を指定します。
なお,09-00以前のAction HandlerサービスでJP1イベントを発行する場合は,0〜128(単位:バイト)の全角または半角文字を指定します。省略 可 表2-69 Switch Alarm Levelラベル
種別 説明 意味 アラームレベルをJP1イベントの重要度に変換するかを示します。 指定可能値 「Y」または「N」で指定します。
- 省略または「Y」を指定した場合
JP1イベントでアクションのアラームレベルを重要度に変換します。
- 「N」を指定した場合
無効となります。
省略 可 表2-70 Exec Logical Hostラベル
種別 説明 意味 JP1イベントを登録するイベントサーバ名を示します。イベントサーバが論理ホスト起動している場合に指定します。 指定可能値 指定できる値は0〜255(単位:バイト)の半角文字です。値を指定しない場合は,省略されたものとします。 省略 可 アラーム定義ファイルの記述例を次に示します。
アラーム定義ファイル記述例
Alarm Definition File Version=0001 Alarm Definition File Code=Shift_JIS [Alarm Data] [[General]] Product=T3.0 Alarm Table Name=Example Alarm Name="CPU Usage" Message Text="CPU is at %CVS% utilization" Check Value Exist=N [[Advanced Setting]] Active Alarm=Y Regular Alarm=N Evaluate All Data=N Monitoring Regularly=Y #Monitoring Time= Damping=Y Damping Count=2/3 #[[Check Value Exist]] #Record= #Field= #Value= [[Alarm Condition Expressions]] Condition=PI_PCT_TOTAL_PROCESSOR_TIME>90.000000,80.000000 [[Actions]] Report="Reports/Windows/Operating System/Troubleshooting/Real-Time/CPU Usage - Top 10 Processes" E-mail=Abnormal,Warning Command=Abnormal SNMP=Abnormal,Warning,Normal JP1 Event=N [[Action Definition E-mail]] E-mail Address=administrator@example.com Action Handler=PH1host01 [[[Message Text]]] Date: %SCT Host: %HNS Product: %PTS Agent: %ANS Alarm: %AIS (%ATS) State: %SCS Message: %MTS [[Action Definition Command]] Command Name=userprogram.exe Action Handler=LOCAL [[[Message Text]]] %CVS #[[Action Definition JP1 Event]] #Event ID= #Action Handler= #Message=%MTS #Switch Alarm Level=Y #Exec Logical Host=
注意事項
- このコマンドは多重実行できません。
- Name Serverサービス,Master Managerサービス,View Serverサービスのうち,一つ以上のサービスが停止している場合,このコマンドは実行できません。
- 一つのアラームテーブルに定義できるアラームは,すでに定義されているアラームを含めて,最大250個です。一つのアラーム定義ファイル内に定義されているアラームが250個以内でも,すでに定義されているアラームとの合計が250個を超えた時点でエラーになります。
- アラーム定義ファイル内に,読み込み専用のアラームテーブル(名称が「PFMで始まるアラームテーブル」)が定義されていた場合,-yオプションが指定されていても,アラーム定義は上書きされないで,エラーになります。
- インポートするアラーム定義情報に全角文字が含まれる場合,jpctool alarmコマンドを実行するシェルの文字環境が日本語(Shift JIS コード,EUC コードまたはUTF-8)であり,PFM - Manager起動時の文字環境と一致している必要があります。このコマンドを実行する前に,シェルの文字環境と,PFM - Manager起動時の文字環境を確認してください。
- ファイル名に全角文字を指定する場合,コマンドを実行するシェルの文字環境が日本語(Shift JIS コード,EUC コードまたはUTF-8)である必要があります。このコマンドを実行する前に,シェルの文字環境を確認してください。
- PFM - Managerを論理ホスト運用している場合は,実行系ノードで実行してください。
戻り値
0 正常終了した。 1 引数の指定に誤りがある。 2 コマンドの実行権限がない。 3 Name Serverサービス,Master Managerサービス,View Serverサービスのうち,一つ以上のサービスが起動していない。 4 同一マシン上で起動停止コマンドまたはほかのセットアップコマンドが実行されている。 5 PFM - Managerホスト以外で実行された。 6 アラーム定義ファイルの内容に誤りがある。 11 ユーザーによって処理が中止された。 100 Performance Managementの環境が不正である。 200 メモリーが不足している。 210 ディスク容量が不足している。 211 アラーム定義ファイルにアクセスできない。または,アラームが更新中のためアラームの定義,更新に失敗した。 222 通信処理でエラーが発生した。 223 通信処理でタイムアウトが発生した。 255 予期しないエラーが発生した。
使用例
/tmpディレクトリに格納されているアラーム定義ファイルalarmtest1.cfgを,インポートする場合のコマンド実行例を次に示します。
jpctool alarm import -f /tmp/alarmtest1.cfg
All Rights Reserved. Copyright (C) 2009, 2012, Hitachi, Ltd.
(C)opyright 2000-2009, by Object Refinery Limited and Contributors.