Hitachi Protection Manager Software ユーザーズガイド
Protection Manager for Exchangeが対象としているExchangeデータベース製品を次の表に示します。
表2-4 Protection Manager for Exchangeが対象としているExchangeデータベース製品
製品名 Protection Manager for Exchange
(2000/2003版)Protection Manager for Exchange
2007Exchange 2000 Enterprise Server ○ - Exchange 2000 Server ○ - Exchange Server 2003 Enterprise Edition ○ - Exchange Server 2003 Standard Edition ○ - Exchange Server 2007 Enterprise Edition - ○ Exchange Server 2007 Standard Edition - ○
- (凡例)
- ○:対象とする。
- -:対象としない。
Protection Manager for Exchangeでバックアップ対象となるデータの種類を次の表に示します。
表2-5 Protection Manager for Exchangeでバックアップ対象となるデータの種類
対象データベース 対象となるファイル 拡張子 Exchange Serverストレージグループ データファイル(Exchange Serverのインフォメーションストア) *.edb
*.stm※トランザクションログファイル *.log チェックポイントファイル *.chk
- 注※
- Exchange Server 2007では,この拡張子のファイルは存在しません。
Protection Manager for Exchangeでは物理ボリューム単位にバックアップやリストアをするため,Exchangeデータベースのオブジェクト構成には次に示す前提条件があります。
- バックアップするファイルは,すべてペア定義されたRAIDボリューム上に置く必要があります。
- 物理ボリューム単位でバックアップされることを考慮して,ストレージグループを配置してください。複数のストレージグループが同じ物理ボリュームに配置された場合,それらのストレージグループを一括してバックアップまたはリストアする必要があります。ストレージグループを個別にバックアップまたはリストアする場合には,異なる物理ボリューム上にストレージグループを配置してください。
- バックアップ対象となるExchangeデータベースをボリュームに配置する場合,次の点に注意してください。
- トランザクションログファイル(*.log)は,データファイルとは同じボリュームに置くことができません。
- オンラインバックアップおよびVSSによるバックアップの場合,データファイル(*.edb,*.stm)とチェックポイントファイル(*.chk)は同じボリュームに置くことができません。
- ストレージグループ名とインフォメーションストア名を付けるときは,次の点に注意してください。
- 最大文字数:64文字
- 使用できない文字 = ; \ / ,
- 次の操作を実行すると,Active DirectoryのExchange Serverに関する情報が変更されるため,これらの操作を実行する前に取得したバックアップデータをリストアコマンド(drmexgrestoreまたはEX_DRM_EXG_RESTOREコマンド)でリストアできなくなります。
これらの操作を実行した場合は,Active DirectoryおよびExchangeデータベースをバックアップし直す必要があります。Active Directoryのバックアップについては,Microsoft社が提供するドキュメントを参照してください。
- インフォメーションストア,トランザクションログファイル,チェックポイントファイルのパスの変更
- ストレージグループの追加または削除
- ストレージグループ名の変更
- ストレージグループへのインフォメーションストアの追加
- ストレージグループからのインフォメーションストアの削除
- 次の操作を実行すると,データベースの署名が変更されるため,これらの操作を実行する前に取得したバックアップデータをリストアおよびリカバリ(drmexgrestore またはEX_DRM_EXG_RESTOREコマンドに-recoveryオプションを指定して実行)できなくなります。
- ESEUTILユーティリティでのインフォメーションストアの修復(ESEUTIL /p)
- ESEUTILユーティリティでのデフラグ(ESEUTIL /d)
これらの操作を実行した場合,drmexgbackupまたはEX_DRM_EXG_BACKUPコマンドを実行して,Exchangeデータベースをバックアップし直す必要があります。- 循環ログは,Protection Manager for Exchange(2000/2003版)を使用してコールドバックアップ,またはオンラインバックアップする場合だけ使用できます。ただし,循環ログを使用していると,新しいログファイルが作成されたときに既存のログファイルのうち,最も古いログが削除されるので,ロールフォワードするときにログがなくなっていることがあります。このため,ロールフォワードによるリカバリをする場合は,循環ログを使用しないでください。
- Exchange Server 2003およびExchange Server 2007の回復用ストレージグループはバックアップ対象とはなりません。回復用ストレージグループを構成するファイルおよびフォルダは,バックアップ対象のストレージグループとは別のファイルシステムに置いてください。
- QuickShadowを使用する場合,Protection Manager for Exchangeではテープバックアップできません。QuickShadowを使用する場合,ほかのバックアップ製品を使用して主ボリュームのExchangeデータベースをテープにバックアップしてください。
- Exchange Server 2007を使用する場合,VSSバックアップだけ使用できます。
- Exchange Server 2007の高可用性機能のうち,SCC,CCR,およびSCRをサポートしています。LCRはサポートしていません。
- クラスタ環境でバックアップ時と異なる物理ノードでリストアする場合,バックアップ時と同じ共有ディスクを使用するExchange仮想サーバが動作している必要があります。遠隔地のリモートサイトなど,バックアップ時とは異なるディスクを使用するExchange仮想サーバに対して,Protection Manager for Exchangeではリストアできません。
- この項の構成
- (1) VSSを使用する場合
- (2) VSSで取得したバックアップデータをインフォメーションストア単位でリストアする場合
- (3) ダイナミックディスク構成の場合
- (4) クラスタ構成の場合
- (5) Veritas Cluster Server for Windowsを使用したクラスタ構成の場合
- (6) Microsoft Cluster Serviceを使用したクラスタ構成の場合
- (7) カスケード構成の場合
- (8) CCR構成の場合
- (9) SCR構成の場合
ここでは,VSSを使用してExchangeデータベースをバックアップする場合に特に必要な条件と注意事項について説明します。
- 次のデータベース製品がバックアップ対象となります。
- Exchange Server 2003 Enterprise Edition
- Exchange Server 2003 Standard Edition
- Exchange Server 2007 Enterprise Edition
- Exchange Server 2007 Standard Edition
- データベースサーバおよびバックアップサーバにRM Shadow Copy Providerがインストールされている必要があります。
- テープにバックアップしない場合でも,バックアップサーバが必要です。これは,バックアップサーバでVSSスナップショットのインポートとExchangeデータベースを検証するためです。
- VSSバックアップを実行するデータベースサーバ,またはバックアップサーバ上に,VSPをインストールしている場合,VSP1.04以降を適用してください。
VSP1.03以前をインストールした状態でVSSバックアップを実行すると,バックアップ対象のボリュームにRead-OnlyおよびHidden属性が残ることがあります。この属性が残っている場合,システム起動時にドライブが割り当てられないで,Exchange Serverが正常に動作しない現象が発生します。
この現象が発生した場合には,Microsoft社の技術情報840781に従って属性を解除してください。また,技術情報840781に記載されている操作をするためには,別途Microsoft技術情報831112で示されているHotfixの適用が必要です。
なお,OSがWindows Server 2003 SP2以降の場合は,技術情報840781および831112に記載されているHotfixの適用は不要です。- システム障害などによってVSS機能を使用したバックアップが中断された場合,バックアップ対象のボリュームにRead-OnlyおよびHidden属性が残ることがあります。この属性が残っている場合,システム起動時にドライブが割り当てられられず,Exchange Serverが正常に動作しない現象が発生します。この現象が発生した場合には,Microsoft社の技術情報840781に従って属性を解除してください。また,技術情報840781に記載されている操作をするためには,別途Microsoft技術情報831112で示されているHotfixの適用が必要です。
なお,OSがWindows Server 2003 SP2以降の場合は,技術情報840781および831112に記載されているHotfixの適用は不要です。- Exchange Server動作中にバックアップの取得,トランザクションログの削除ができます。ただし,Exchange Information Storeサービスが停止中はバックアップできません。
- バックアップ中は一定時間(~10秒)Exchange Serverのデータベース書き込み処理が停止されます。その間はメール送信など,Exchangeデータベースへの書き込み操作が一時停止の状態となります。バックアップ終了後には,データベースへの書き込みが再開されます。
- VSSによるバックアッププロセス中にログファイルが増加することがあるため,VSSを使用してバックアップすると,カタログに記録されていないログファイルがバックアップ結果に含まれることがあります。
- VSSを使用するための,Protection Managerの環境設定をしてください。VSSを使用するための環境設定については,「4.9 VSSを使用するための設定」を参照してください。
- バックアップ対象となるストレージグループのインフォメーションストアは,すべてマウントされている必要があります。
- 04-40以前のバージョンでバックアップされたストレージグループについては,リストア対象となるストレージグループのインフォメーションストアは,すべてマウントされている必要があります。05-50でバックアップされたストレージグループについてはマウントされていないインフォメーションストアもリストア可能です。
- マウント中のストレージグループ名またはインフォメーションストア名を変更した場合は,該当するストレージグループ以下のすべてのインフォメーションストアを一度アンマウントしてから,再度マウントをしてください。
- バックアップ先の副ボリュームとして,LUN#0を使用しないでください。LUN#0のディスクを使用した場合,ほかのディスクが認識されなくなることがあります。
- バックアップ時に,副ボリュームのルートディレクトリにDRMVSSMETADATA_<バックアップID>という名前のフォルダが作成されます。このフォルダには,リストアするときに必要なバックアップメタデータファイルが格納されているので,削除しないでください。このフォルダはリストア後に自動的に削除されます。
- バックアップ対象のボリューム上のディレクトリに別のボリュームをマウントしないでください。マウントした場合,副ボリュームのマウントおよびリストアに失敗することがあります。
- VSSバックアップをする場合,バックアップ結果のデータベースを検証するためバックアップコマンドの実行に時間が掛かることがあります。検証に必要な時間はデータベース容量,バックアップサーバのマシン性能,ディスク性能などに依存します。なお,drmexgbackupコマンド,EX_DRM_EXG_BACKUPコマンドには,オプションを指定することでデータベースの検証をしないでバックアップを終了させることもできます。検証をしない場合には,リストアの前またはテープへのバックアップを実行する前にdrmexgverifyコマンドまたはEX_DRM_EXG_VERIFYコマンドでデータベースを検証することを推奨します。
drmexgbackupコマンド,EX_DRM_EXG_BACKUPコマンドには,検証をしないでバックアップ後トランザクションログを削除するオプションもありますが,データベースが破損している状態でこのオプションを使用すると,ロールフォワードによるリカバリができないおそれがあるので注意してください。- VSSを使用してバックアップを実行したときに,データベースの検証で検証対象となるファイルは次のとおりです。
- インフォメーションストアのデータファイル(*.edb)
- コミットされていないトランザクションログファイル(*.log)
- VSSを使用してバックアップした場合に,データベースの検証に掛かる時間の目安について
- Exchange Server 2003の場合,データベースの検証にはESEUTILユーティリティを使用しています。データベースの検証で掛かる時間の目安は次の表のとおりです。なお,表に示す時間は,ある条件での目安であり,製品の性能を保証するものではありませんのでご注意ください。
表2-6 VSSを使用したバックアップでExchange Server 2003のデータベースの検証に掛かる時間の目安
バックアップサーバのシステム構成 データファイル(*.edb)の容量 トランザクションログファイル(*.log)の数 データベースの検証に掛かる時間
- CPU:Pentium4 1.5GHz
- メモリー:1GB
- ストレージサブシステム:SANRISE9970V
500MB 2個 10秒 2GB 2個 35秒 - Exchange Server 2007の場合,データベースの検証で掛かる時間の目安は次の表のとおりです。
表2-7 VSSを使用したバックアップでExchange Server 2007のデータベースの検証に掛かる時間の目安
バックアップサーバのシステム構成 データファイル(*.edb)の容量 トランザクションログファイル(*.log)の数 データベースの検証に掛かる時間
- CPU:3.0GHz × 2
- メモリー:6GB
- ストレージサブシステム:Hitachi USP
500GB 5個 3時間 - 次のファイルの設定を変更した場合は,Protection Managerサービスを再起動してください。
- Protection Manager構成定義ファイル(init.conf)
- RAID Manager用連携定義ファイル(DEFAULT.dat)
- バックアップおよびリストア対象となるストレージグループに対して,循環ログを有効に設定しないでください。循環ログを有効に設定した場合,VSSを使用したバックアップおよびリストアはできません。
(2) VSSで取得したバックアップデータをインフォメーションストア単位でリストアする場合
VSSで取得したバックアップデータは,インフォメーションストア単位(*.edbファイルおよび*.stmファイルのデータファイル単位)でリストアできます。インフォメーションストア単位でリストアすることで,必要なデータファイルだけを短時間でリストアできます。
バックアップデータをインフォメーションストア単位でリストアするには,リストアする単位でディスクを分ける必要があります。このため,リストアする単位を考慮してデータファイルを配置してください。
- インフォメーションストア単位でリストアできるDB構成
- 個別にリストアしたいインフォメーションストアのデータファイル(*.edb,*.stm)だけが,それぞれ別のディスク上に格納されている場合
- 個別にリストアしたいインフォメーションストアのデータファイル(*.edb,*.stm)だけが,同じディスク上に格納されている場合
- 同じストレージグループ内の複数のインフォメーションストアのデータファイルが,同じディスクに格納されている場合
同じディスクに格納されているすべてのインフォメーションストアを指定すればリストアできます。この場合,同じディスクに格納されているすべてのインフォメーションストアを指定しないと,コマンドがエラー終了します。- インフォメーションストア単位でリストアできないDB構成
- 異なるストレージグループのデータファイル(*.edb,*.stm),トランザクションログファイル(*.log),およびチェックポイントファイル(*.chk)が同じディスクにある場合,ディスクを共有しているストレージグループ配下のインフォメーションストアは,個別にリストアできません。
インフォメーションストア単位でリストアする場合のファイル配置条件を次の表に示します。
表2-8 インフォメーションストア単位でリストアする場合のファイル配置条件
リストア
対象同じディスク上のファイル ほかのファイルなし リストア対象のインフォメーションストア 同じストレージグループのインフォメーションストア 異なるストレージグループのインフォメーションストア *.edb *.stm *.edb *.stm *.edb *.stm *.edb ◎ - ◎ ○ ○ × × *.stm ◎ - ○ ○ × ×
- (凡例)
- ◎:個別にリストアできる。
- ○:同じディスク上のすべてのインフォメーションストアを指定すればリストアできる。
- ×:個別にリストアできない。
- -:該当しない。
インフォメーションストア単位でリストアする場合のDB構成を次の図に示します。
図2-40 インフォメーションストア単位でのリストア(バックアップ対象がExchangeデータベースの場合)
上記の例では,ストレージグループSG1に,IS11~IS14のインフォメーションストアがあります。この場合,次の単位でリストアできます。
- IS11だけを単独でリストア
- IS12だけを単独でリストア
- IS13とIS14を同時にリストア(どちらか一方だけをリストアすることはできない)
- 注意事項
- インフォメーションストア単位でリストアする場合,リストア時にトランザクションログを適用(ロールフォワード)する必要があります。リストア時のコマンド実行に関する注意事項については,マニュアル「Hitachi Protection Manager Software コマンドリファレンス」のdrmexgrestoreコマンドの説明を参照してください。
- 複数のストレージグループが同じディスクグループのファイルシステム(ドライブおよびマウントポイントディレクトリ)に配置された場合,それらのストレージグループを一括してバックアップまたはリストアする必要があります。
- ストレージグループを個別にバックアップまたはリストアする場合には,異なるディスクグループのファイルシステム(ドライブおよびマウントポイントディレクトリ)にストレージグループを配置してください。
- バックアップ対象となるExchangeデータベースをファイルシステム(ドライブおよびマウントポイントディレクトリ)に配置する場合,次の点に注意してください。
- トランザクションログファイル(*.log)は,データファイルとは同じディスクグループのファイルシステム(ドライブおよびマウントポイントディレクトリ)に配置することはできません。
- オンラインバックアップおよびVSSバックアップの場合,データファイル(*.edb,*.stm)とチェックポイントファイル(*.chk)は同じディスクグループのファイルシステム(ドライブおよびマウントポイントディレクトリ)に配置することはできません。
- Exchange Server 2003およびExchange Server 2007の回復用ストレージグループはバックアップ対象としません。回復用ストレージグループを構成するファイルおよびフォルダは,バックアップ対象のストレージグループと異なるディスクグループのファイルシステム(ドライブおよびマウントポイントディレクトリ)に配置してください。
- 一つのクラスタグループに,複数のExchangeリソースのインスタンスを登録しないでください。
(5) Veritas Cluster Server for Windowsを使用したクラスタ構成の場合
- バックアップ時,クラスタリソースグループのステータスがオンラインでなければなりません。オンラインでないと,バックアップコマンド(drmexgbackupまたはEX_DRM_EXG_BACKUPコマンド)はエラー終了します。
- レジストリレプリケーションデータの格納ファイルシステムは,Protection Manager for Exchangeのバックアップ対象ではありません。必ずバックアップ対象とは異なるディスクグループまたは物理ディスクに配置してください。
- Protection Managerでは,Veritas Cluster Server Enterprise Agent for Microsoft Exchangeを使用してExchangeサービスおよびExchangeプロトコルサービスを制御します。Veritas Cluster Server Enterprise Agent for Microsoft Exchangeが標準提供しているリソースタイプ「ExchService」および「ExchProtocol」については,名称を変更しないでデフォルトの名称で使用してください。Veritas Cluster Server Enterprise Agent for Microsoft ExchangeはVeritas Storage Foundation HA for Windowsに同梱されています。
(6) Microsoft Cluster Serviceを使用したクラスタ構成の場合
- バックアップ時,クラスタリソースグループのうち,Exchange System AttendantリソースとExchange Information Storeリソースがオンラインでなければなりません。これらがオンラインでないと,バックアップコマンド(drmexgbackupまたはEX_DRM_EXG_BACKUPコマンド)はエラー終了します。
- VSSを使用する場合,操作対象のクラスタリソースとExchange Information Storeリソースとの関係が次に示す条件を満たす必要があります。
- Exchange Server 2003の場合
- 操作対象のクラスタリソースとExchange System Attendantリソースとの関係を除いて,クラスタリソースがオフラインになったときに,Exchange Information Storeリソースがオフラインになる設定をしないでください。
- Exchange Server 2007の場合
- 操作対象のクラスタリソースがオフラインになったときに,Exchange Information Storeリソースがオフラインになる設定をしないでください。
- SCC環境でのバックアップをサポートしています。
- バックアップは,クラスタの現用サーバで実行する必要があります。
- リモートコピーが定義されたディスクが,クラスタのディスクリソースとして登録されている必要があります。
- リモートコピーの主ボリュームが,現用サーバに接続されている必要があります。
- リモートコピーの副ボリュームが,待機サーバに接続されている必要があります。
- ローカルサイトとリモートサイトでバックアップを同時に実行する場合,ローカルサイトとリモートサイトで異なるバックアップサーバを使用する必要があります。
- ローカルサイトとリモートサイトの両方でProtection Managerサービスが起動している必要があります。
- VSSを使用したバックアップを実行する場合,リモートサイトのバックアップサーバにシステム環境変数VSHTCHORCMINST_REMOTEが設定されている必要があります。
- カスケード構成情報定義ファイルを作成する必要があります。カスケード構成情報定義ファイルの作成については,「4.10 カスケード構成情報定義ファイルの作成(バックアップ対象がExchangeデータベースの場合)」を参照してください。
- ディクショナリマップファイルおよびバックアップカタログは,ローカルサイトとリモートサイトで異なるディスクに格納する必要があります。また,このディスクは,仮想サーバがオンラインまたはオフラインに関係なくアクセスできる必要があります。
- ローカルサイトおよびリモートサイトで,ディクショナリマップファイルが最新の状態に更新されている必要があります。
- リモートコピーを管理するRAID Managerインスタンスが起動している必要があります。
- リモートコピーを管理するRAID Managerインスタンスが,Protection Managerで管理するRAID Managerインスタンス(RAID Manager用連携定義ファイルのHORCMINSTパラメーターに指定したRAID Managerインスタンス)と同じ場合,ディクショナリマップファイルの更新後,ローカルサイトおよびリモートサイトで,リモートコピーのコピーグループをdrmcgctlコマンドを使ってロックしておく必要があります。
- バックアップを実行する前に,RAID Managerのコマンドを使用してリモートコピーのペア状態をPAIRにする必要があります。
- バックアップを実行する前に,ローカルサイトおよびリモートサイトのローカルコピーの副ボリュームを隠ぺい状態にしておく必要があります。
- バックアップ実行時には,環境変数DRM_HOSTNAMEにExchange仮想サーバ名を指定してください。
- ローカルサイトのバックアップが完了したあと,リモートサイトのバックアップが完了する前にエラーとなった場合,ローカルサイトのバックアップデータはリストアできません。
- リストアを実行する前に,RAID Managerのコマンドを使用してリモートコピーのペア状態をPSUS(SSUS)にする必要があります。
- リストア対象のバックアップデータは,リストアを実行するサイトで取得したバックアップデータだけです。異なるサイトで取得したバックアップデータはリストアできません。
- CCR構成の場合,ディクショナリマップファイルおよびバックアップカタログは,現用サーバと待機サーバで別々に管理します。それぞれのサーバで取得したディクショナリマップファイルおよびバックアップカタログは,取得したデータベースサーバとそのデータベースサーバが使用しているバックアップサーバで使用できます。
- 現用サーバと待機サーバが同じバックアップサーバを使用している場合,バックアップ対象のディスクのコピーグループ名は,現用サーバと待機サーバで異なる名称を使用する必要があります。
- 同じストレージグループに対して現用サーバと待機サーバで同時にバックアップを実行することはできません。一方のサーバで実行したバックアップコマンドが終了したあとに,もう一方のサーバでバックアップを実行してください。
- VSSバックアップの場合,異なるストレージグループに対して現用サーバと待機サーバで同時にバックアップを実行することができます。
- トランザクションログを削除した場合,トランザクションログを削除するよりも前のバックアップデータでロールフォワードを実行することはできません。
- バックアップデータは,バックアップを実行したノードでだけリストアできます。現用サーバで取得したバックアップデータを待機サーバでリストアしたり,待機サーバで取得したバックアップデータを現用サーバでリストアしたりすることはできません。
- 待機サーバで取得したバックアップデータをリストアする場合,現用サーバをフェールオーバーして,待機サーバを現用サーバに切り替える必要があります。
- CCR環境でポイントインタイムリストアを実行する場合,先にレプリケーション機能を停止しておく必要があります。
- 現用サーバのデータが破損した場合やデータベースをリストアした場合,シード処理(データの再同期)を実行する必要があります。
自動シード機能を使用する場合はリストア時にすべてのシード処理が自動で実行されますが,自動シード機能を使用しない場合はストレージグループごとにシード処理を手動で実行する必要があります。また,自動シード機能を使用したリストアを実行中にエラーが発生した場合,シード処理ができなかったストレージグループに対してシード処理を手動で実行する必要があります。
手動でのシード処理を次に示します。
- レプリケーションを中断する。
- 待機サーバのExchangeデータベースファイル,トランザクションログファイル,およびチェックポイントファイルを削除する。
- 現用サーバのデータで待機サーバの再同期処理を実施する。
- レプリケーションを再開する。
- 自動シード機能を使用する場合,リストアコマンドの-efオプションに指定するExchange環境設定ファイルは,EXG_CCR_SEEDパラメーターの値がONになっている必要があります。Exchange環境設定ファイルの詳細については,「4.19 Exchange環境設定ファイルの作成」を参照してください。
- 自動シード機能を使用する場合,待機サーバでProtection Managerサービスが起動している必要があります。
- 自動シード機能を使用する場合,現用サーバと待機サーバに同じバージョンのProtection Manager for Exchange 2007がインストールされている必要があります。
- シード処理に掛かる時間の目安は,次のとおりです。
1ストレージグループのシード処理に掛かる時間(秒) = シード処理対象となるデータベースの容量(MB) / 25(MB / 秒)なお,上記の計算式を適用するには,次の条件を満たしている必要があります。
- シード処理に使用されるネットワークが,ギガビットイーサネットである。
- シード処理に使用されるマシンが,インストールされたアプリケーション(Protection Manager,Exchange Server,バックアップ管理製品など)を快適に動作させるのに十分な性能(CPU性能,ディスク性能など)である。
- SCRのシード機能を使用する場合は,すべてのターゲットに,ソースと同じProtection Manager for Exchange 2007をインストールする必要があります。
- SCRのシード機能を使用する場合,-efオプションでEXG_SCR_SEEDパラメーターの値がONとなっているExchange環境設定ファイルを指定する必要があります。
- SCRのシード機能を使用する場合,すべてのターゲットでProtection Managerサービスが起動している必要があります。
- カスケード構成でSCRを使用する構成はサポートしていません。
- SCRのシード機能を使用しないでポイントインタイムリストアを実行した場合,リストア対象のレプリケーション機能は停止されるが,シードおよびレプリケーションの再開は実行されません。リストア後に,シード処理を手動で実行する必要があります。
- SCR構成のデータベースに対して,バックアップを実行するには,次の条件を満たす必要があります。
- ソースのMicrosoft Exchange Replication Serviceが起動している。
- SCRが有効になっているストレージグループに対して,すべてのターゲットのレプリケーション状態がHealthyとなっている。
- ソースとして設定されたストレージグループに対してVSSを使用したバックアップおよびリストアをサポートします。
- SCRのシード処理に掛かる時間の算出方法を説明します。
前提条件を次に示します。計算式を次に示します。CPUやディスクの性能によっては,処理時間は計算式で算出された値よりも低くなることがあります。計算式で算出される時間は目安であり,製品の性能を保証するものではありませんのでご注意ください。
- シード処理で使用されるネットワークにギガビットイーサネットを使用している。
- CPUおよびディスクの性能が十分である。
1ストレージグループのシード処理に掛かる時間(秒) = (シード処理対象となるデータベース容量(MB) × ターゲット数) / 25(MB/秒)