Cosminexus システム構築ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

19.5.2 システムログの出力先や出力レベルの変更

Javaアプリケーション用オプション定義ファイル(usrconf.cfg),またはJavaアプリケーション用ユーザプロパティファイル(usrconf.properties)をカスタマイズすることで,EJBクライアントアプリケーションのシステムログの属性を変更できます。変更できる項目と,変更を設定するプロパティのキーを次の表に示します。また,この表では,EJBクライアントアプリケーションの実行コマンドに指定するプロパティの指定の要否についても説明します。

表19-7 EJBクライアントアプリケーションのシステムログの出力先や出力レベルを変更するキー

変更できる項目 Javaアプリケーション用オプション定義ファイルのキー Javaアプリケーション用ユーザプロパティファイルのキー 種別
ログの出力先※1 ejb.client.log.directory ejbserver.client.log.directory 可変
EJBクライアントアプリケーション単位で作成されるログ出力先ディレクトリ名※1 ejb.client.ejb.log ejbserver.client.ejb.log 選択可変
EJBクライアントアプリケーションのプロセス単位で作成されるログ出力先サブディレクトリ名※1 ejb.client.log.appid ejbserver.client.log.appid 選択可変
標準出力へのメッセージ出力停止※2 ejb.client.log.stdout.enabled 選択可変
EJBクライアントアプリケーションのプロセス単位で作成されるログ出力先サブディレクトリ数 ejbserver.client.log.directorynum 可変
ログファイル面数 ejbserver.logger.channels.define.<チャネル名※3>.filenum 選択可変
ログファイルサイズ ejbserver.logger.channels.define.<チャネル名※3>.filesize 選択可変
ログの出力レベル※4 ejbserver.logger.enabled.* 選択可変
Cosminexus TPBrokerのトレースファイルの出力先 vbroker.orb.htc.tracePath 選択可変
Cosminexus TPBrokerのトレースファイルの個数 vbroker.orb.htc.comt.fileCount 選択可変
Cosminexus TPBrokerのトレースファイル1個当たりのエントリ数 vbroker.orb.htc.comt.entryCount 選択可変

(凡例)
可変:システムの実行環境に従って値を指定する必要がある。
選択可変:システムの実行環境に従って値を指定するか,または指定を省略する。
−:設定できない。

注※1
usrconf.cfgでは,稼働ログ,ログ稼働ログ,障害発生時の例外情報,および保守情報の設定を変更できます。
また,usrconf.cfgとusrconf.propertiesで同じ項目が設定された場合,usrconf.propertiesで設定した内容が優先されます。

注※2
稼働ログ,cjclstartapコマンドログ,および起動プロセス標準出力情報のメッセージを標準出力に出力しないように設定できます。

注※3
チャネル名として,ログの種類を示す次の名称が設定されます。
ClientMessageLogFile(稼働ログ)(ファイル名:cjclmessage[n].log)
ClientExceptionLogFile(障害発生時の例外情報)(ファイル名:cjclexception[n].log)
ClientMaintenanceLogFile(保守情報)(ファイル名:cjclmaintenance[n].log)

注※4
シェルスクリプトを使用してシステムプロパティを設定する場合,ログの出力レベル(ejbserver.logger.enabled.*キー)は指定できません。

システムプロパティを指定できるかどうかは,EJBクライアントアプリケーションの使用形態によって異なる場合があります。EJBクライアントアプリケーションの使用形態とシステムプロパティの関係を次の表に示します。なお,表19-8と表19-9の番号は対応しています。

表19-8 EJBクライアントアプリケーションの使用形態

EJBクライアントアプリケーションの種類 EJBクライアントアプリケーションの同時起動の多重度
1多重 2〜8多重 9〜16多重
1種類 1. 2. 3.
2種類以上 4. 5. 6.

表19-9 EJBクライアントアプリケーションの使用形態とシステムプロパティ

システムプロパティの指定 EJBクライアントアプリケーションの使用形態
1. 2. 3. 4. 5. 6.
ejbserver.client.ejb.log 可能 可能 必須 必須 必須 必須
ejbserver.client.log.appid 可能 不可 不可 可能 不可 不可
ejbserver.client.log.directorynum 可能 可能 必須 可能 可能 必須

上記表の番号について説明します。

  1. ejbserver.client.ejb.logキーは,デフォルトディレクトリでもかまいません。
    ejbserver.client.log.appidキーを指定した場合は,ejbserver.client.log.directorynumキーの指定は無効となります。
  2. ejbserver.client.ejb.logキーは,デフォルトディレクトリでもかまいません。
    複数同時に起動するため,ejbserver.client.log.appidキーは指定しないでください。ejbserver.client.log.directorynumキーを指定する場合は,必ずejbserver.client.ejb.logキーを指定してください。
  3. ejbserver.client.ejb.logキーをEJBクライアントアプリケーションごとに必ず指定してください。複数同時に起動するため,ejbserver.client.log.appidキーを指定しないでください。ejbserver.client.log.directorynumキーの値を多重度に合わせて指定してください。
  4. ejbserver.client.ejb.logキーをEJBクライアントアプリケーションごとに必ず指定してください。
    ejbserver.client.log.appidキーを指定した場合は,ejbserver.client.log.directorynumキーの指定は無効となります。
  5. ejbserver.client.ejb.logキーをEJBクライアントアプリケーションごとに必ず指定してください。複数同時に起動するため,ejbserver.client.log.appidキーを指定しないでください。
    ejbserver.client.log.directorynumキーを指定する場合は,必ずejbserver.client.ejb.logキーを指定してください。
  6. ejbserver.client.ejb.logキーをEJBクライアントアプリケーションごとに必ず指定してください。複数同時に起動するため,ejbserver.client.log.appidキーを指定しないでください。ejbserver.client.log.directorynumキーの値を多重度に合わせて指定してください。

注意事項
  • EJBクライアントアプリケーションの同時起動の多重度が17多重以上の場合は,ejbserver.client.log.directorynumキーに0を指定してください。cjcldellogコマンドを使用してサブディレクトリ数を管理してください。
  • EJBクライアントアプリケーションを複数同時に起動すると,KDJE51005-Wのメッセージが出力されることがあります。EJBクライアントアプリケーションの動作には問題ありませんが,サブディレクトリ数がejbserver.client.log.directorynumキーに指定した値を超えている場合があります。このメッセージが頻繁に出力される場合は,ejbserver.client.log.directorynumキーの値を0にし,cjcldellogコマンドを使用してサブディレクトリ数を管理してください。ログ出力先のサブディレクトリ数を管理できるのは,サブディレクトリ専有モードを使用している場合だけです。サブディレクトリ共有モードを使用している場合は,サブディレクトリ数の管理はできません。