Cosminexus システム構築ガイド

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18.7 リダイレクタのログ取得の設定

この節では,リダイレクタの出力するログの出力先やログ出力レベルなどの変更について説明します。なお,ファイルおよびキーの詳細については,マニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。

リダイレクタが出力するログは,メッセージログと保守用トレースログの二つに分けて出力されます。メッセージログには,障害発生時のログなどのメッセージが出力されます。保守用トレースログには,HTTPリクエストを受信し,レスポンスを送信するまでのトレース情報が出力されます。

保守用トレースログのログサイズは,見積もりの計算式に従い,障害発生時から障害を検知しログを収集するまで保持されるサイズにカスタマイズすることをお勧めします。

注意事項
  • ログファイル初期化処理の開始時および終了時には,メッセージログにそれぞれKDJE41029-I,KDJE41030-Iのメッセージが出力されます。Webサーバの起動時には,ログファイル初期化処理が正常に終了したことを確認するため,メッセージログにKDJE41029-I,KDJE41030-Iのメッセージが出力されていることを確認してください。
  • UNIXの場合,mod_jk.confファイルに設定されたファイルサイズ,およびファイル面数のログファイルは,Webサーバとの連携の設定後の初回起動時に作成されます。ログファイルの作成は,ログファイルサイズおよびファイル面数に比例した処理時間が必要となります。ログファイルサイズを大きく設定した場合,またはファイル面数を増やした場合などは,ログファイルの作成処理に数分掛かる場合があります。
<この節の構成>
(1) Hitachi Web Serverの場合
(2) Microsoft IISの場合

(1) Hitachi Web Serverの場合

Hitachi Web Serverを使用している場合は,mod_jk.confファイルでリダイレクタのログ取得の設定を変更できます。なお,UNIXの場合,設定を変更できるのは,root権限(Component Container管理者を設定していない場合),またはComponent Container管理者の権限(Component Container管理者を設定している場合)を持つユーザです。

(a) 変更した設定を有効にする方法

変更した設定を有効にする方法について,OSごとに説明します。

Windowsの場合
変更したリダイレクタのログ取得の設定を有効にするには,Hitachi Web Serverを再起動してください。

UNIXの場合
変更したリダイレクタのログ取得の設定を有効にする方法は,ファイルサイズまたはファイル面数の変更の有無によって異なります。
ファイルサイズまたはファイル面数を変更する場合
ファイルサイズまたはファイル面数を変更する場合に,変更したリダイレクタのログ取得の設定を有効にする方法を次に示します。
  1. Hitachi Web Serverを停止します。
  2. ログファイルおよび管理ファイルを移動または削除します。
    メッセージログファイルの場合:メッセージログファイルおよびHNTRLibが使用する管理ファイル(<JkLogFilePrefixの設定値>.mm)を移動,または削除します。
    保守用トレースログファイルの場合:保守用トレースログファイルおよびHNTRLibが使用する管理ファイル(<JkTrcaeLogFilePrefixの設定値>.mm)を移動,または削除します。
  3. Hitachi Web Serverを再起動します。
ファイルサイズまたはファイル面数を変更しない場合
ファイルサイズまたはファイル面数を変更しない場合は,Hitachi Web Serverを再起動してください。
(b) 変更できる設定項目

変更できる設定項目と,項目に対応するユーザ定義ファイルとキーを次の表に示します。

表18-3 Hitachi Web Serverでのリダイレクタのログ取得の設定項目(ファイル編集とコマンド実行でのシステム構築)

項目 mod_jk.confのキー
メッセージログ,保守用トレースログのログ出力レベル JkLogLevel
メッセージログ出力先 JkLogFileDir
メッセージログファイルサイズ JkLogFileSize
メッセージログファイル面数 JkLogFileNum
メッセージログファイル名のプリフィックス JkLogFilePrefix
保守用トレースログ出力の有無 JkTraceLog
保守用トレースログ出力先 JkTraceLogFileDir
保守用トレースログファイルサイズ JkTraceLogFileSize
保守用トレースログファイル面数 JkTraceLogFileNum
保守用トレースログファイル名のプリフィックス JkTrcaeLogFilePrefix

注※ 保守用トレースログの出力先とプリフィックスには,同じ値を指定しないでください。同じ値を指定した場合は,リダイレクタが動作しません。


メッセージログ,および保守用トレースログのデフォルトの出力先
  • Windowsの場合
    <Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\web\redirector\logs
  • UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/CC/web/redirector/logs
注※ 新規インストール時には,logsディレクトリは存在しません。logsディレクトリは,Hitachi Web Serverの起動時に生成されます。

ログレベルのレベル名
ログレベルのレベル名には,重要度の高い順に「emerg」,「error」,「info」,「debug」のどれかを指定できます。
  • emerg:通常運用時に指定します。常に出力する必要がある重要度の高いメッセージだけが出力されます。
  • error:通常運用時に指定します。
  • info:テスト時に指定します。
  • debug:障害調査時に指定します。
ログレベルは,単独で指定してください(コンマ区切りで複数のログレベルを指定しないでください)。あるログレベルを指定すると,指定されたログレベルおよびそれよりも重要度の高いログが出力されます。
注※ Windowsの場合に指定できます。

ログサイズの見積もりの計算式
GETリクエスト,POSTリクエストの1HTTPアクセス当たりのログサイズは,次の計算式で見積もってください。
  • GETによる1HTTPアクセス当たりのログサイズ
    = 1.75 +(平均レスポンスボディサイズ / 16)* 0.25
  • POSTによる1HTTPアクセス当たりのログサイズ
    = 2.00 +(平均POSTデータサイズ / 16)* 0.5 +(平均レスポンスボディサイズ / 16)* 0.25
なお,単位はすべてキロバイト,除算結果の小数点以下の値はすべて切り捨てです。また,計算式ではリクエストURLとクエリー文字列の平均サイズは,それぞれ100バイトとしています。リクエストURLとクエリー文字列の平均サイズが100バイトを超えた場合は,計算式の最初の値に,超える分のサイズを加えて計算してください。

(2) Microsoft IISの場合

Microsoft IISを使用している場合は,isapi_redirect.confファイルでリダイレクタのログ取得の設定を変更できます。

注意事項
isapi_redirect.confファイルに設定されたファイルサイズ,およびファイル面数のログファイルは,Webサーバとの連携の設定後の初回リクエスト時に作成されます。ログファイルの作成は,ログファイルサイズおよびファイル面数に比例した処理時間が必要となります。ログファイルサイズを大きく設定した場合,またはファイル面数を増やした場合などは,ログファイルの作成処理に数分掛かる場合があります。
Webサーバとの連携の設定後およびログファイルの設定変更後の初回リクエストは,運用を開始する前に実施しておくことをお勧めします。
(a) 変更した設定を有効にする方法

ファイルサイズまたはファイル面数を変更する場合に,変更したリダイレクタのログ取得の設定を有効にするための手順を次に示します。
  1. Microsoft IISを停止します。
  2. ログファイルおよび管理ファイルを移動または削除します。
    メッセージログファイルの場合:メッセージログファイルおよびHNTRLibが使用する管理ファイル(<log_file_prefixの設定値>.mm)を移動,または削除します。
    保守用トレースログファイルの場合:保守用トレースログファイルおよびHNTRLibが使用する管理ファイル(< trace_log_file_prefixの設定値>.mm)を移動,または削除します。
  3. Microsoft IISを起動します。

ファイルサイズおよびファイル面数を変更しない場合に,変更したリダイレクタのログ取得の設定を有効にするための手順を次に示します。

  1. Microsoft IISを再起動するか,またはワーカプロセスのリサイクルを行います。
    Microsoft IISの「インフォメーション サービス マネージャ」を使用して,ワーカプロセスのリサイクルができます。
(b) 変更できる設定項目

変更できる設定項目と,項目に対応するユーザ定義ファイルとキーを次の表に示します。isapi_redirect.confについては,マニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。

表18-4 Microsoft IISでのリダイレクタのログ取得の設定項目

項目 isapi_redirect.confのキー
メッセージログ,保守用トレースログのログ出力レベル log_level
メッセージログ出力先 log_file_dir
メッセージログファイルサイズ log_file_size
メッセージログファイル面数 log_file_num
メッセージログファイル名のプリフィックス log_file_prefix
保守用トレースログ出力の有無 trace_log
保守用トレースログ出力先 trace_log_file_dir
保守用トレースログファイルサイズ trace_log_file_size
保守用トレースログファイル面数 trace_log_file_num
保守用トレースログファイル名のプリフィックス trace_log_file_prefix

注※ 保守用トレースログの出力先とプリフィックスには,同じ値を指定しないでください。同じ値を指定した場合は,リダイレクタが動作しません。


メッセージログ,および保守用トレースログのデフォルトの出力先
<Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\web\redirector\logs
注※ 新規インストール時には,logsディレクトリは存在しません。logsディレクトリは,初回リクエスト時に生成されます。

ログレベルのレベル名
ログレベルのレベル名には,重要度の高い順に「emerg」,「error」,「info」,「debug」のどれかを指定できます。
  • emerg:通常運用時に指定します。常に出力する必要がある重要度の高いメッセージだけが出力されます。
  • error:通常運用時に指定します。
  • info:テスト時に指定します。
  • debug:障害調査時に指定します。
ログレベルは,単独で指定してください(コンマ区切りで複数のログレベルを指定しないでください)。あるログレベルを指定すると,指定されたログレベルおよびそれよりも重要度の高いログが出力されます。

ログサイズの見積もりの計算式
GETリクエスト,POSTリクエストの1HTTPアクセス当たりのログサイズは,次の計算式で見積もってください。
  • GETによる1HTTPアクセス当たりのログサイズ
    = 2.25 +(平均レスポンスボディサイズ / 16)* 0.25
  • POSTによる1HTTPアクセス当たりのログサイズ
    = 2.50 +(平均POSTデータサイズ / 16)* 0.5 +(平均レスポンスボディサイズ / 16)* 0.25
なお,単位はすべてキロバイト,除算結果の小数点以下の値はすべて切り捨てです。また,計算式ではリクエストURLとクエリー文字列の平均サイズは,それぞれ100バイトとしています。リクエストURLとクエリー文字列の平均サイズが100バイトを超えた場合は,計算式の最初の値に,超える分のサイズを加えて計算してください。