アプリケーションサーバの1:1系切り替えシステムの構成例を次の図に示します。なお,以降の項では,このシステムの構成例を使用したシステムの構築例を示します。
図17-10 アプリケーションサーバを対象にした1:1系切り替えシステムの構成例(UNIXの場合)
![[図データ]](FIGURE/ZU126010.GIF)
この例では,アプリケーションサーバの実行系(現用系)とアプリケーションサーバの待機系(予備系)を1:1で配置しています。また,Management Serverは,運用管理サーバとして,アプリケーションサーバとは別のマシンに配置しています。
アプリケーションサーバの1:1系切り替えシステムでは,まずクラスタを構築して,アプリケーションサーバをクラスタ内に現用系と予備系として定義します。また,HAモニタで使用するコマンドや出力するメッセージのための,サーバの識別名(サーバの別名)を指定します。現用系と予備系とで同じ名称(例ではCosminexusAP)を指定します。
なお,Cosminexusをクラスタ構成に配置するためには,エイリアスIPアドレスを設けて,稼働中のノードがエイリアスIPアドレスを引き継ぐことで,クライアントがクラスタ内のノードを意識しないようにします。1:1系切り替えシステムの場合,エイリアスIPアドレスは,HAモニタによって動的に割り当てられるアドレスとなります。
HAモニタと連携する場合には,運用管理ポータルやHAモニタのファイルの設定などが必要になります。アプリケーションサーバの1:1系切り替えシステムの設定手順を次の図に示します。
図17-11 アプリケーションサーバを対象にした1:1系切り替えシステムの設定手順(UNIXの場合)
![[図データ]](FIGURE/ZU126020.GIF)
図中の1.〜9.について説明します。
- グローバルトランザクションを使用する場合は,共有ディスクにパーティションを作成して,ファイルシステムを構築します。
グローバルトランザクションを使用するためには,トランザクション情報の格納場所を作成します。
- グローバルトランザクションを使用する場合は,システムに共有ディスクを割り当てます。
システムに共有ディスクを割り当てる際は,現用系と予備系で,同じマウント先ディレクトリにしてください。
- 運用管理ポータルでクラスタサーバの環境を設定します。
運用管理ポータルの「運用管理ドメインの構成定義」,および「論理サーバの環境設定」で,HAモニタを使用する場合の設定をします。
- 設定ファイルを編集します。
運用管理ポータルでは設定できない,運用管理エージェントやManagement Server,Hitachi Web Serverなどの各種定義ファイルを設定します。
- HAモニタの環境を設定します。
HAモニタのsysdefファイルで,HAモニタの環境を定義します。
- シェルスクリプトファイルを作成します。
運用管理エージェントを監視,運用管理エージェントと論理サーバを起動および停止するためのシェルスクリプトファイルを作成します。
- サーバ対応の環境を設定します。
HAモニタのserversファイルで,系で稼働させる現用系サーバや予備系サーバの環境を定義します。
- LANの状態を設定します。
HAモニタのLANの状態設定ファイルで,LANアダプタのIPアドレスなどを指定してHAモニタでのLANの切り替えについて定義します。
- 運用管理ポータルとHAモニタのコマンドで,アプリケーションサーバの設定をします。
運用管理ポータル,HAモニタのコマンドを使用して,Cosminexusをクラスタ構成に配置し,J2EEアプリケーションやリソースアダプタを設定します。
- 注意
- HAモニタと連携する場合のシステム設定時の注意について,次に示します。
- HAモニタ連携のアプリケーションサーバに接続するクライアントの設定
HAモニタ連携のアプリケーションサーバに接続するクライアントでは,EJBのルックアップなどで,HAモニタと連携しているアプリケーションサーバを呼び出す場合,エイリアスIPアドレスでアプリケーションサーバを指定してください。
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