Cosminexus システム構築ガイド
静的コンテンツのキャッシュ機能を使用すると,一度アクセスした静的コンテンツをメモリ上にキャッシュし,2回目以降のアクセスではキャッシュからブラウザにレスポンスを返すことで,静的コンテンツのレスポンスタイムを短縮できます。
Webコンテナでは,キャッシュを許可する静的コンテンツのメモリサイズ,およびファイルサイズの上限値を設定して,静的コンテンツのキャッシュを制御します。
静的コンテンツのキャッシュは,Webコンテナ単位,およびWebアプリケーション単位で設定できます。この節では,それぞれの静的コンテンツのキャッシュの設定について説明します。
Webコンテナ単位に,静的コンテンツのキャッシュ機能を使用するかどうか,キャッシュを許可する静的コンテンツのメモリサイズ,およびファイルサイズの上限値を設定します。設定した内容は,WebコンテナにデプロイされているすべてのWebアプリケーションに適用されます。
Webコンテナ単位での静的コンテンツのキャッシュは,簡易構築定義ファイルで設定します。論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,次のパラメタで設定します。
パラメタの詳細については,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」およびマニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。
Webアプリケーション単位に,静的コンテンツのキャッシュ機能を使用するかどうか,キャッシュを許可する静的コンテンツのメモリサイズ,およびファイルサイズの上限値を設定します。
Webアプリケーション単位での静的コンテンツのキャッシュの設定には,サーバ管理コマンドを使用した属性ファイルの編集による方法と,WebアプリケーションのDD(web.xml)の直接編集による方法の2種類があります。ここでは,サーバ管理コマンドを使用した属性ファイルの編集による設定について説明します。WebアプリケーションのDD(web.xml)の直接編集による設定については,マニュアル「Cosminexus アプリケーション開発ガイド」のDDの編集に関する説明を参照してください。
サーバ管理コマンドを使用して属性ファイルを編集する場合は,アプリケーション属性ファイルに,静的コンテンツのキャッシュの設定をします。cjgetapppropコマンドでアプリケーション属性ファイルを取得し,属性ファイル編集後に,cjsetapppropコマンドで編集内容をWebアプリケーションに反映させてください。
アプリケーション属性ファイルの<context-param>タグ内の<param-name>タグと<param-value>タグで,静的コンテンツのキャッシュ機能を使用するかどうか,キャッシュを許可する静的コンテンツのメモリサイズ,およびファイルサイズの上限値を設定します。
アプリケーション属性ファイルの<context-param>タグ内の<param-name>タグと<param-value>タグでの設定内容を次の表に示します。
表4-13 属性ファイルの設定内容(静的コンテンツのキャッシュの設定)
| 定義する項目 | <param-name>に指定するパラメタ | <param-value>に指定する内容 | デフォルト値 |
|---|---|---|---|
| 静的コンテンツのキャッシュの有効/無効 | com.hitachi.software.web.static_content.cache.enabled | 静的コンテンツのキャッシュの有効または無効を指定します。
|
false |
| Webアプリケーション単位のメモリサイズ | com.hitachi.software.web.static_content.cache.size | 静的コンテンツのキャッシュを許可する,Webアプリケーション単位のメモリサイズ(バイト単位)を指定します。 0〜2,147,483,647の範囲で指定できます。0を指定した場合は,メモリサイズは無制限となります。 |
10,485,760 |
| Webアプリケーション単位のファイルサイズの上限値 | com.hitachi.software.web.static_content.cache.filesize.threshold | 静的コンテンツのキャッシュを許可する,Webアプリケーション単位のファイルサイズの上限値(バイト単位)を指定します。0〜2,147,483,647の範囲で指定できます。0を指定した場合は,ファイルサイズは無制限となります。 | 524,288 |
なお,アプリケーション属性ファイルで無効な値や空文字が設定された場合は,Webコンテナ単位での設定内容(usrconf.propertiesの設定内容)が使用されます。
アプリケーション属性ファイルの記述例を次に示します。
(省略)
:
<hitachi-war-property>
<description></description>
<display-name>StaticContentCache_war</display-name>
<small-icon></small-icon>
<large-icon></large-icon>
<context-param>
<param-name>
com.hitachi.software.web.static_content.cache.enabled
</param-name>
<param-value>true</param-value>
</context-param>
<context-param>
<param-name>
com.hitachi.software.web.static_content.cache.size
</param-name>
<param-value>5242880</param-value>
</context-param>
<context-param>
<param-name>
com.hitachi.software.web.static_content.cache.filesize.threshold
</param-name>
<param-value>102400</param-value>
</context-param>
<session-config>
<session-timeout>30</session-timeout>
</session-config>
<runtime>
<context-root>sys</context-root>
</runtime>
<http-session>
<http-session-max-number>-1</http-session-max-number>
<resource-watcher>
<watcher-threshold>80</watcher-threshold>
<watcher-interval>30</watcher-interval>
<watcher-enabled>true</watcher-enabled>
<watcher-writefile-enabled>true</watcher-writefile-enabled>
</resource-watcher>
</http-session>
<start-notify-error>true</start-notify-error>
<start-order>10</start-order>
</hitachi-war-property>
:
(省略)
|
この記述例で設定される内容は,次のとおりです。
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