JP1 Version 8 JP1/NETM/DM 構築ガイド (Windows(R)用)
JP1/NETM/DMをフェールオーバーさせる場合の環境構築手順を次に示します。
JP1/NETM/DM用のグループを作成し,IPアドレスリソース,ネットワーク名リソース,および共有ディスク(物理ディスク)リソースを登録します。
Microsoft Cluster Service初期導入時には,あらかじめ「Cluster Group」というグループが作成されますが,これとは別に作成してください。また,実行系として動作させるサーバを優先サーバに設定します。
作成方法の詳細については,Microsoft Cluster Serviceのマニュアルを参照してください。
JP1/NETM/DMのフェールオーバー機能を使用する環境の作成方法を,手順に沿って説明します。
インストール,セットアップ,データベースマネージャの順に設定してください。
なお,インストールするコンポーネントの設定によっては,表示されない設定項目があります。また,表に記載されていない項目については,通常どおりに設定してください。インストール,セットアップ,およびデータベースマネージャの設定の詳細については,次の個所を参照してください。
JP1/NETM/DM Managerの「サーバ」および「Asset Information Manager Limited」のインストール時に必要な設定を次の表に示します。
表C-2 JP1/NETM/DM Managerの設定方法
| プログラム | 設定項目 | 設定内容 | サーバ | AIM Limited※ |
|---|---|---|---|---|
| インストール | JP1/NETM/DM Managerの種別 | 「マネージャ」を選択する。 | ○ | ○ |
| インストールコンポーネントの選択 | 「サーバ」および「Asset Information Manager Limited」のうち,使用するコンポーネントを選択する。 | ○ | ○ | |
| インストールディレクトリの設定 | ローカルディスクを指定する。 | ○ | ○ | |
| データベースの設定(Microsoft SQL Serverを使用する場合) | Microsoft SQL Serverをクラスタシステム上に構築している場合は,データベースサーバのホスト名に,論理ホスト名または論理IPアドレスを指定する。 | ○ | ○ | |
| データベースの設定(Oracleを使用する場合) | Oracleをフェールオーバークラスタシステム上に構築している場合は,データベースサーバのホスト名に,論理ホスト名または論理IPアドレスを指定する。 | ○ | ○ | |
| パッケージ格納ディレクトリの設定 | 共有ディスクを指定する。 | ○ | − | |
| ソフトウェア操作履歴格納ディレクトリの設定 | 共有ディスクまたはネットワークドライブを指定する。 | ○ | − | |
| サービスの設定(新規インストールの場合だけ) | 「スタートアップの種類」に「手動」を選択する。 | ○ | − | |
| 接続先の設定(リモートインストールマネージャ) | 論理ホスト名または論理IPアドレスを指定する。 | − | ○ | |
| Asset Information Manager Limitedの仮想ディレクトリの設定 | 共有ディスクを指定する。 | − | ○ | |
| セットアップ | [クラスタ設定]パネル |
|
○ | − |
| [稼働監視]パネル | 「削除時に退避する」のチェックボックスをオンにする場合,「退避ディレクトリ」に共有ディスクまたはネットワークドライブを指定する。 | ○ | − | |
| [監査ログ]パネル | 「監査ログを出力する」のチェックボックスをオンにする場合,「監査ログの出力ディレクトリ」にローカルディスクを指定する(ただし,JP1/NETM/Auditと連携する場合だけ)。 | ○ | − | |
| SQL Serverクライアントネットワークユティリティ (Microsoft SQL Serverを使用する場合) |
使用するネットワークライブラリの設定 | クラスタシステム上のMicrosoft SQL Serverに接続する場合,接続のネットワークライブラリにTCP/IPを使用する。SQLクライアント設定ユティリティで,Microsoft SQL Serverの論理ホスト名を使用した設定を追加する。 | ○ | ○ |
| Oracle Net8 AssistantまたはNet Manager (Oracleを使用する場合) |
ネット・サービス名の作成 | 「NETM_論理ホスト名」で作成する。 Oracleをフェールオーバークラスタシステム上に構築している場合,アドレスの構成で指定するホスト名に,接続先のOracleの論理ホスト名を指定する。 |
○ | − |
| データベースマネージャ(実行系だけ) | データベースの詳細設定(Microsoft SQL Serverの場合) | すべてのデータベースファイルについて,共有ディスクを指定する。 | ○ | − |
| 表領域の詳細設定(Oracleの場合) | ○ | − | ||
| データベースマネージャ (Embedded RDBの場合) |
クラスタシステム環境の設定 | 「クラスタシステム環境で使用する」をチェックして,「実行系」または「待機系」を選択する。論理ホスト名と実行系ホスト名を指定する。 | ○ | − |
| 管理データベースの設定 | 管理データベース領域パスに共有ディスクを指定する。作業表領域パスにローカルディスクを指定する。 「自動増分を行う」チェックボックスは,実行系サーバと待機系サーバで同じ設定にする。 |
○ | − | |
| データベースの詳細設定 | すべてのデータベースファイルに,共有ディスクを指定する。 | ○ | − | |
| Asset Information Manager Limitedの環境設定(データソース/ネット・サービスの作成) (Oracleを使用する場合) |
ネット・サービスの作成 | Oracleをフェールオーバークラスタシステム上に構築している場合は,「サーバ」に接続先のOracleの論理ホスト名を指定する。 | − | ○ |
| Asset Information Manager Limitedの環境設定(データベースマネージャ) (Microsoft SQL ServerまたはOracleを使用する場合,実行系だけ) |
データベースの詳細設定 | すべてのデータベースファイルについて,共有ディスクを指定する。 | − | ○ |
| Asset Information Manager Limitedの環境設定(データベースマネージャ) (Embedded RDBを使用する場合) |
クラスタシステム設定 | 「クラスタシステム環境で使用する」をチェックして,「実行系」または「待機系」を選択する。論理ホスト名と実行系ホスト名を指定する。 実行系サーバと待機系サーバでは,同じポート番号を指定する。 |
− | ○ |
| データベースの詳細設定 | 格納先フォルダ名に,共有ディスクを指定する。 実行系サーバと待機系サーバでは,同じ「格納先フォルダ名」および「サイズ」を指定する。 |
− | ○ |
注※ AIM Limited:Asset Information Manager Limited
すでにJP1/NETM/DM Managerをフェールオーバーさせない構成で環境を構築済みで,JP1/NETM/DM Managerを上書きインストールした場合,[コントロールパネル]の[管理ツール]−[サービス]から,「Remote Install Server」サービスをダブルクリックし,スタートアップの種類を「自動」から「手動」に変更してください。
JP1/NETM/DM Managerインストール完了時に再起動を要求された場合は,ここでコンピュータを再起動します。
これによって所有者が待機系サーバになります。
待機系サーバの環境を構築します。インストール手順および設定内容については,「(a) 実行系サーバにJP1/NETM/DM Managerをインストールする」を参照してください。
これによって所有者が実行系サーバになります。
設定内容を表C-3〜表C-7に示します。
表C-3 「サーバ」を使用する場合のリソース設定内容
| 登録リソース | 設定項目 | 設定内容 |
|---|---|---|
| Remote Install Server | 名前 | 任意の名称を指定する。 |
| リソースの種類 | 「汎用サービス」を設定する。 | |
| グループ | Microsoft Cluster Serviceのクラスタアドミニストレータによって作成したグループ名を設定する。 | |
| 実行可能な所有者 | 実行系および待機系の2台のノードを設定する。 | |
| 依存関係 |
|
|
| 汎用サービスパラメータ | Remote Install Server | |
| レジストリの複製 | SOFTWARE\HITACHI\NETM/DM |
表C-4 Embedded RDBを使用する場合の「HiRDB/ClusterService_JN1」のリソース設定内容
| 登録リソース | 設定項目 | 設定内容 |
|---|---|---|
| HiRDBClusterService_JN1 | 名前 | 任意の名称を指定する。 |
| リソースの種類 | 「汎用サービス」を設定する。 | |
| グループ | Microsoft Cluster Serviceのクラスタアドミニストレータによって作成したグループ名を設定する。 | |
| 実行可能な所有者 | 実行系および待機系の2台のノードを設定する。 | |
| 依存関係 | Microsoft Cluster Serviceのクラスタアドミニストレータによって登録したネットワーク名および物理ディスクを設定する。 | |
| 汎用サービスパラメータ | HiRDBClusterService_JN1 | |
| レジストリの複製 | 指定しない。 |
クラスタアドミニストレータで,汎用サービスリソース「Remote Install Server」をオンラインにします。以降,Remote Install Serverサービスを停止・開始するときは,クラスタアドミニストレータを使用して状態をオフラインやオンラインにしてください。
表C-5 「Asset Information Manager Limited」を使用する場合のリソース設定内容
| 登録リソース | 設定項目 | 設定内容 |
|---|---|---|
| Asset Information Synchronous Service | 名前 | 任意の名称を指定する。 |
| リソースの種類 | 「汎用サービス」を設定する。 | |
| グループ | Microsoft Cluster Serviceのクラスタアドミニストレータによって作成したグループ名を設定する。 | |
| 実行可能な所有者 | 実行系および待機系の2台のノードを設定する。 | |
| 依存関係 |
|
|
| 汎用サービスパラメータ | AssetInformationSynchronousService | |
| レジストリの複製 | 指定しない。 |
表C-6 Embedded RDBを使用する場合の「HiRDB/ClusterService_AM1」のリソース設定内容
| 登録リソース | 設定項目 | 設定内容 |
|---|---|---|
| HiRDBClusterService_AM1 | 名前 | 任意の名称を指定する。 |
| リソースの種類 | 「汎用サービス」を設定する。 | |
| グループ | Microsoft Cluster Serviceのクラスタアドミニストレータによって作成したグループ名を設定する。 | |
| 実行可能な所有者 | 実行系および待機系の2台のノードを設定する。 | |
| 依存関係 | Microsoft Cluster Serviceのクラスタアドミニストレータによって登録したネットワーク名および物理ディスクを設定する。 | |
| 汎用サービスパラメータ | HiRDBClusterService_AM1 | |
| レジストリの複製 | 指定しない。 |
表C-7 「Asset Information Manager Limited」を使用する場合のMicrosoft Internet Information Servicesのリソース設定内容
| 登録リソース | 設定項目 | 設定内容 |
|---|---|---|
| Microsoft Internet Information Services | 名前 | 任意の名称を指定する。 |
| リソースの種類 | 次の値を設定する。
|
|
| グループ | Microsoft Cluster Serviceのクラスタアドミニストレータによって作成したグループ名を設定する。 | |
| 実行可能な所有者 | 実行系および待機系の2台のノードを設定する。 | |
| 依存関係 | Microsoft Cluster Serviceのクラスタアドミニストレータによって登録したネットワーク名および物理ディスクを設定する。 | |
| パラメータ (Windows 2000の場合) |
フェールオーバーするサービスに設定する。「IIS」で「WWW」のラジオボタンを選択状態にし,「IISサーバー」のコンボボックスで「既定のWebサイト」を選択する。 | |
| スクリプトのファイルパス (Windows Server 2003の場合) |
次の値を設定する。%systemroot%\System32\Inetsrv\Clusweb.vbs |
JP1/NETM/DM Manager直下の中継システムまたはクライアントの環境構築手順を次に示します。
JP1/NETM/DMの各機能を使用する場合に,インストール時の接続先には論理ホスト名または論理IPアドレスを使用してください。
各コンポーネントを使用する場合の接続先の指定方法を次の表に示します。
表C-8 各コンポーネントを使用する場合の接続先の指定方法
| コンポーネント | ダイアログボックス名 | 設定内容 |
|---|---|---|
| サーバ本体機能 | サーバセットアップ ([AIM関連]パネル) |
Asset Information Manager Limitedをフェールオーバークラスタシステム上に構築している場合,「AIMのURL」に接続先の論理ホスト名または論理IPアドレス指定する。 |
| リモートインストールマネージャ | 接続先の設定 (インストーラ) |
リモートインストールマネージャの接続先に,論理ホスト名または論理IPアドレスを指定する。 |
| JP1/NETM/DM ログオン (ログオン画面) |
||
| パッケージャ | 接続先の設定 | パッケージャの接続先に論理ホスト名または論理IPアドレスを指定する。 |
JP1/NETM/DM Managerをクラスタシステム構成,かつファイアウォールを使用した構成にする場合,通過アドレスには物理アドレスを設定してください。
フェールオーバーが発生した場合のユーザの対処方法を次の表に示します。なお,リレーショナルデータベース環境にOracleのクラスタ環境を使用する場合は,通信エラーによる再接続を行うことなく業務を続けることができます。
表C-9 フェールオーバー後のユーザの対処内容
| 項番 | フェールオーバー発生時に実行中の処理 | フェールオーバー後の対処内容 |
|---|---|---|
| 1 | リモートインストールマネージャ・インベントリビューア起動中 | 通信エラーまたはデータベースアクセスエラーのダイアログ出力後,JP1/NETM/DM サーバに再接続してください。 |
| 2 | ジョブ登録中 | 通信エラーまたはデータベースアクセスエラーのダイアログ出力後,再度,ジョブを登録してください。 |
| 3 | ジョブ実行待ち | ジョブを再実行してください。 |
| 4 | ジョブ実行中(20%) | エラーとなったジョブだけ再実行してください。(実行待ち・起動失敗・中断中・インストール/収集待ち・インストール拒否・完了・正常終了状態のジョブは対処不要) |
| 5 | 進行度20%以上のジョブに対するジョブ再実行中 | ジョブ実行状況のフォルダ「中継下ノード再実行」下のジョブの状態について項番3および4を実行してください。 |
| 6 | IDの編集(ID管理中継,クライアントの追加削除,パスワード変更)後 | ジョブ実行状況のフォルダ「IDグループの編集」下のジョブの状態について項番3および4を実行してください。 |
| 7 | JP1/NETM/DM Managerの[サーバセットアップ]-[システム構成関連]パネルで「システム構成情報の自動反映」と「システム構成変更時の連携」の設定を有効にしている場合 | ジョブ実行状況のフォルダ「システム構成情報の編集」下のジョブの状態について項番3および4を実行してください。 |
| 8 | ジョブ定義編集中 | 通信エラーまたはデータベースアクセスエラーのダイアログ出力後,再度,ジョブ定義を新規作成してください。編集中のジョブ定義は,使用できなくなっているため削除してください。 |
| 9 | CSV出力ユティリティ実行中 | 通信エラーまたはデータベースアクセスエラーのダイアログ出力後,再実行してください。 |
| 10 | データベースマネージャ実行中 | データベースアクセスエラーのダイアログ出力後,場合に応じて対処してください。
|
| 11 | コマンド実行中 | 通信エラーまたは接続エラーを返却したコマンドを再実行してください。 |
| 12 | パッケージャでパッケージング中 | 通信エラーのダイアログ出力後,リモートインストールマネージャでパッケージングに失敗したパッケージを削除し,再度パッケージングしてください。 |
| 13 | IDへの登録・削除中 | 通信エラーのダイアログ出力後,再度IDへ登録・削除してください。 |
| 14 | パッケージセットアップマネージャでパッケージをインストール中 | エラーの検知後,パッケージを再インストールしてください。 |
| 15 | [操作ログ一覧]ウィンドウ表示中 | [操作ログ一覧]ウィンドウを閉じてから,再度表示してください。 |
| 16 | 「データメンテナンス」および「操作履歴の取り込み」のタスク実行中 | タスクが途中で停止した状態になります。タスクを再度実行してください。 |
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