JP1/Performance Management - Agent Option for Virtual Machine
PFM - Agent for Virtual Machineをインストールおよびセットアップする前に確認しておくことを説明します。
- <この項の構成>
- (1) 前提OS
- (2) ネットワークの環境設定
- (3) インストールに必要なOSユーザー権限について
- (4) 前提プログラム
- (5) 仮想環境側で起動が必要なツールについて
- (6) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
- (7) 注意事項
(1) 前提OS
PFM - Agent for Virtual Machineが動作するOSを次に示します。
- Windows Server 2003
(2) ネットワークの環境設定
Performance Managementが動作するためのネットワーク環境について説明します。
PFM - Agentのホストは,ホスト名でIPアドレスが解決できる環境を設定してください。IPアドレスが解決できない環境では,PFM - Agentは起動できません。
監視ホスト名(Performance Managementシステムのホスト名として使用する名前)には,実ホスト名またはエイリアス名を使用できます。
- 監視ホスト名として実ホスト名を使用している場合
Windowsシステムではhostnameコマンドの実行結果で,UNIXシステムではuname -nコマンドの実行結果で確認できるホスト名で,IPアドレスが解決できるように環境設定をしてください。
UNIXシステムでは,hostnameコマンドで取得するホスト名を使用することもできます。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の「5.3.3 Performance Managementシステムでのホスト名の設定」を参照してください。
- 監視ホスト名としてエイリアス名を使用している場合
設定しているエイリアス名でIPアドレスが解決できるように環境設定をしてください。
監視ホスト名の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の「5.3.3 Performance Managementシステムでのホスト名の設定」を参照してください。
ホスト名とIPアドレスの設定は,次のどれかの方法で行ってください。
- Performance Managementのホスト情報設定ファイル(jpchostsファイル)
- hostsファイル
- DNS(Domain Name System)
- 注意
- Performance Managementは,DNS環境でも運用できますが,FQDN(Fully Qualified Domain Name)形式のホスト名には対応していません。Windowsの場合はhostnameコマンド,UNIXの場合はuname -nコマンドで確認できるホスト名には,ドメイン名を除いたものを使用してください。
- Performance Managementは,DHCPによる動的なIPアドレスが割り振られているホスト上で運用できません。Performance Managementを導入するすべてのホストに,固定のIPアドレスを設定する必要があります。
- 複数のLAN環境で使用する場合は,jpchostsファイルでIPアドレスを設定してください。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
- 監視対象の仮想環境に対して,ホスト名でIPアドレスを解決できるようにしてください。
Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート番号が割り当てられています。これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのときシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。また,ファイアウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号の固定の手順は,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
表2-1 デフォルトのポート番号とPerformance Managementプログラムのサービス
サービス説明 サービス名 パラメーター ポート番号 備考 サービス構成情報管理機能 Name Server jp1pcnsvr 22285 PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されるポート番号。Performance Managementのすべてのホストで設定される。 NNM連携機能 NNM Object Manager jp1pcovsvr 22292 PFM - ManagerおよびPFM - BaseのNNM連携機能で,マップマネージャーとオブジェクトマネージャーの間の通信で使用されるポート番号。PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。 サービス状態管理機能 Status Server jp1pcstatsvr 22350 PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されるポート番号。
PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。監視コンソール通信機能 View Server jp1pcvsvr 22286 PFM - ManagerのView Serverサービスで使用されるポート番号。
PFM - Managerホストで設定される。Webサービス機能 Web Service − 20358 PFM - Web ConsoleのWeb Serviceサービスが使用するポート番号。 Webコンテナ機能 Web Console − 20359
20360PFM - Web ConsoleのWeb Consoleサービスが使用するポート番号。
- (凡例)
- −:なし
これらのPFM - Agentが使用するポート番号で通信できるように,ネットワークを設定してください。
(c) SSL利用の設定
PFM - Agent for Virtual Machineは,ネットワークを通して仮想環境のパフォーマンスデータを取得します。このとき,PFM - Agent for Virtual Machineと仮想環境間の通信をSSLによって暗号化できます。
SSLを利用した通信を有効にするかどうかは,仮想環境側で設定します。設定方法については,仮想環境ソフトウェアのマニュアルを参照してください。
また,PFM - Agent for Virtual Machineのセットアップ時に,SSLを利用するかどうかを仮想環境の設定に合わせて設定する必要があります。SSL利用の設定は,インスタンス環境の設定時に設定します。詳細については,「2.1.4(2) インスタンス環境の設定」を参照してください。
(3) インストールに必要なOSユーザー権限について
PFM - Agent for Virtual Machineをインストールするときは,必ず,Administrators権限を持つアカウントで実行してください。
ここでは,PFM - Agent for Virtual Machineをインストールする場合に必要な前提プログラムを説明します。プログラムの構成図を次に示します。
図2-1 プログラムの構成図
(a) 仮想環境に必要なプログラム
仮想環境に必要なプログラムを次に示します。次のどちらかのプログラムが必要です。
- VMware Infrastructure 3.0(ESX Server 3.0)
- VMware Infrastructure 3.5(ESX Server 3.5,ESX Server 3i)
(b) Performance Managementプログラム
必要なPerformance Managementプログラムを次の表に示します。
表2-2 必要なPerformance Managementプログラム
対象ホスト 必要なPerformance Managementプログラム 前提バージョン 監視マネージャー PFM - Manager※1 08-00以降 監視エージェント PFM - Agent for Virtual Machine 08-51 PFM - Manager※2 08-50-03以降 PFM - Base※1※3 08-50-03以降 監視コンソールサーバ PFM - Web Console※4 08-00以降 PFM - View※4 07-00以降
- 注※1
- 監視マネージャーホストと監視エージェントホストを別ホストで構成する場合に必要です。
- 注※2
- 監視マネージャーホストと監視エージェントホストを同一ホストで構成する場合に必要です。
- 注※3
- 同一ホストに複数のPFM - Agentをインストールする場合でも,PFM - Baseは一つだけでかまいません。
- 注※4
- どちらか一方をインストールしてください。
(5) 仮想環境側で起動が必要なツールについて
VMware上で稼働する仮想マシンの情報を監視する前に,監視対象の仮想マシン上でvmware-toolsを起動させてください。
(6) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
クラスタシステムでのインストールとセットアップは,前提となるネットワーク環境やプログラム構成が,通常の構成のセットアップとは異なります。また,実行系ノードと待機系ノードでの作業が必要になります。詳細については,「3. クラスタシステムでの運用」を参照してください。
(7) 注意事項
ここでは,Performance Managementをインストールおよびセットアップするときの注意事項を説明します。
(a) 環境変数に関する注意事項
JPC_HOSTNAME環境変数は,Performance Managementで使用していますので,環境変数として設定しないでください。誤って設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。
(b) 同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項
Performance Managementは,同一ホストにPFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - Agentをインストールすることもできます。その場合の注意事項を次に示します。
- PFM - ManagerとPFM - Agentを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。この場合,PFM - Agentの前提プログラムはPFM - Managerになるため,PFM - Managerをインストールしてから PFM - Agentをインストールしてください。
- PFM - BaseとPFM - Managerは同一ホストにインストールできません。PFM - BaseとPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールする場合は,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance Managementプログラムをアンインストールした後にPFM - Manager,PFM - Agentの順でインストールしてください。また,PFM - Manager とPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Baseをインストールする場合も同様に,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance Managementプログラムをアンインストールした後にPFM - Base,PFM - Agentの順でインストールしてください。
- PFM - ManagerがインストールされているホストにPFM - Agentをインストールすると,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerになります。この場合,接続先PFM - ManagerをリモートホストのPFM - Managerに変更できません。リモートホストのPFM - Managerに接続したい場合は,インストールするホストにPFM - Managerがインストールされていないことを確認してください。
- PFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールすると,PFM - Agentの接続先PFM - Managerは自ホスト名に設定し直されます。共通メッセージログに設定結果が出力されています。結果を確認してください。
- PFM - Web Consoleがインストールされているホストに,PFM - Agentをインストールする場合は,ブラウザーの画面をすべて閉じてからインストールを実施してください。
- Performance Managementプログラムを新規にインストールした場合は,ステータス管理機能がデフォルトで有効になります。ただし,07-50から08-00以降にバージョンアップインストールした場合は,ステータス管理機能の設定状態はバージョンアップ前のままとなります。ステータス管理機能の設定を変更する場合は,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,Performance Managementの障害検知について説明している章を参照してください。
- ポイント
- システムの性能や信頼性を向上させるため,PFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - Agentはそれぞれ別のホストで運用することをお勧めします。
古いバージョンのPFM - Agentからバージョンアップする場合の注意事項を次に示します。
- Performance Managementのプログラムをインストールするときは,ローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止しておいてください。なお,停止するサービスは物理ホスト上および論理ホスト上のすべてのサービスです。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
- すでにPerformance ManagementプログラムがインストールされているホストにPFM - Agentをインストールする場合,PFM - Agentのインストールパスは,すでにインストールされているPFM - Web Console以外のPerformance Managementプログラムのインストールパスと同じになります。インストールパスを変更したい場合は,インストール済みのPFM - Web Console以外のPerformance Managementプログラムをすべて削除し,インストールし直す必要があります。
- PFM - BaseとPFM - Managerは同一ホストにインストールできません。PFM - BaseとPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールする場合は,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance Managementプログラムをアンインストールした後にPFM - Manager,PFM - Agentの順でインストールしてください。また,PFM - ManagerとPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Baseをインストールする場合も同様に,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance Managementプログラムをアンインストールした後にPFM - Base,PFM - Agentの順でインストールしてください。
(d) そのほかの注意事項
- Performance Managementのプログラムが一つもインストールされていない環境に新規インストールする場合は,インストール先フォルダにファイルやフォルダがないことを確認してください。
- Performance Managementのプログラムおよびサービスや,Performance Managementのファイルを参照するような他プログラム(例えばWindowsのイベントビューアなど)を起動したままインストールした場合,システムの再起動を促すメッセージが表示されることがあります。この場合は,メッセージに従ってシステムを再起動し,インストールを完了させてください。
- Performance Managementのプログラムおよびサービスや,Performance Managementのファイルを参照するような他プログラム(例えばWindowsのイベントビューアなど)を起動したままの状態,ディスク容量が不足している状態,またはフォルダ権限がない状態でインストールした場合,ファイルの展開に失敗することがあります。Performance Managementのプログラムおよびサービスや,Performance Managementのファイルを参照するような他プログラムが起動している場合はすべて停止してからインストールし直してください。ディスク容量不足やフォルダ権限不足が問題である場合は,問題を解決したあとでインストールし直してください。
- PFM - Agent for Virtual Machineがクラスタ環境の場合にバージョンアップする場合は,実行系,待機系のどちらか一方で共有ディスクをオンラインにする必要があります。
- バージョンアップインストール時,既存のStoreデータベースを自動的にバージョンアップするため,一時的にStoreデータベースの格納先のディスクにStoreデータベースのサイズの2倍の容量を必要とします。バージョンアップインストールをする前に,Storeデータベースの格納先のディスク空き容量が十分かどうか確認してください。
- 新規インストールの場合,インストールを完了させるためにはシステムの再起動が必要です。また,上書きインストールおよびバージョンアップインストール時に,システムの再起動を促すメッセージが表示されることがあります。この場合も,メッセージに従いシステムを再起動させて,インストールを完了させてください。
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