JP1/Performance Management - Analysis
- <この項の構成>
- (1) パスワードの送受信について
- (2) 採取ツールによる収集を停止したい場合について
- (3) JP1/SSOへの監視条件設定について
- (4) PFM - Analysisで設定したJP1/SSOの収集条件および収集データについて
- (5) JP1/SSOでのリソース収集の延期中について
- (6) JP1/SSOでサーバを監視する場合
- (7) JP1/SSOまたはJP1/DSSOの停止について
- (8) JP1/SSOの代行監視について
- (9) JP1/SSOでのSNMPの設定について
- (10) JP1/SSOのコマンド実行時間の監視について
- (11) JP1/SSOおよびJP1/DSSOのssocolmngの最大同時接続数について
- (12) JP1/SSOおよびJP1/DSSOの収集データ容量について
- (13) 一般サーバのディスク使用率を監視する場合
- (14) PFM - Agent for Platformからのデータ回収について
- (15) PFM - Agent for HiRDBからのデータ回収について
- (16) PFM - Agent for SRからのデータ回収について
- (17) PFMを採取ツールとした場合のステータスメトリックの収集について
- (18) PFMのパフォーマンスデータの収集間隔について
- (19) PFMから収集するメトリック値の危険度判定について
- (20) PFMから収集するメトリック値の回収期間について
- (21) PFMを採取ツールとした場合に指定するサービスID(ServiceID)について
(1) パスワードの送受信について
採取ツールにJP1/ESPを使用する場合,監視するサービスによってはパスワードの設定が必要になることがありますが,パスワードを監視条件としてDefinerから設定することもできます。Definerで設定したパスワードはJP1/ESPに送信されますが,その際,PFM - Analysis ViewとPFM - Analysis Manager間は平文で,PFM - Analysis ManagerとJP1/ESP間は文字列変換をしてそれぞれ送信されます。PFM - Analysis ViewとPFM - Analysis Manager間の送信については,パスワードが盗聴される危険が伴います。また,PFM - Analysis ManagerとJP1/ESP間の送信についても,送受信されている変換後の文字列からパスワードを推測されるおそれがあります。したがって,セキュリティ上の観点からDefinerからはパスワードを登録しないで,JP1/ESPのパスワードユーティリティを使用してパスワードを登録することをお勧めします。
(2) 採取ツールによる収集を停止したい場合について
採取ツールからのリソース情報収集や応答時間計測などを一時的に停止したい場合の対処方法を,採取ツールごとに説明します。
(a) 採取ツールがJP1/ESPの場合
Definerで,オブジェクトを監視対象から外す設定に変更してPAMDBに登録してください。登録した内容がJP1/ESPに通知され,計測対象からオブジェクトが削除されます。収集を再開する場合は,Definerでオブジェクトを監視対象から外す設定を解除してPAMDBに登録してください。登録した内容がJP1/ESPに通知され,JP1/ESPの計測対象にオブジェクトが再度追加され,計測が開始されます。
(b) 採取ツールがVPISの場合
VPISでは,監視対象ごとに一時的に計測を停止する設定ができないため,一時的に計測を停止することはお勧めしません。どうしても停止しなければならない場合は,VPISで監視しているすべての対象の計測を停止してください。
計測を停止する手順を次に示します。
- 計測を停止したいVPISで監視しているすべてのオブジェクトについて,Definerでオブジェクトを監視対象から外す設定に変更してPAMDBに登録する。
- VPISで,すべての計測を一時的に停止するように手動で設定する。
計測を再開する手順を示します。
- VPISですべての計測を一時的に停止する設定を解除する。
- Definerでオブジェクトを監視対象から外す設定を解除してPAMDBに登録する。
(c) 採取ツールがJP1/SSOの場合
Definerでオブジェクトを監視対象から外す設定に変更してPAMDBに登録してください。登録した内容がSSOアダプターに通知され,JP1/SSOの収集対象からオブジェクトが削除されます。なお,オブジェクトを監視対象から外すと,その時点までにJP1/SSOで収集され,まだPAMDBに取り込まれていないデータについては破棄されます。
収集を再開する場合は,Definerでオブジェクトを監視対象から外す設定を解除して,PAMDBに登録してください。登録した内容がSSOアダプターに通知され,JP1/SSOの収集対象にオブジェクトが再度追加されます。なお,JP1/SSOのGUIで,PFM - Analysisが登録したリソースの収集を停止したり再開したりすることはしないでください。JP1/SSOのGUIでは,PFM - Analysisのリソースは,
のアイコンで表示されます。
(d) 採取ツールがPFMの場合
Definerでオブジェクトを監視対象から外す設定に変更してPAMDBに登録してください。なお,監視対象から外す設定に変更してもPFM側の設定は,自動的には変更されません。このため,PFM側でStoreデータベースへのパフォーマンスデータの記録を停止する必要があります。
また,収集を再開するには,PFM側でStoreデータベースへの記録を停止した項目を,再び記録を開始するように設定し直した後,Definerでオブジェクトを監視対象から外す設定を解除し,PAMDBに登録する必要があります。
(3) JP1/SSOへの監視条件設定について
PFM - Analysis Adaptorは,次の場合にJP1/SSOに監視条件を設定します。
- PFM - Analysis AdaptorのSSOアダプターが起動したとき
- Definerで監視システム構成定義を登録したとき
- PFM - Analysis Managerの収集デーモンが起動してSSOアダプターと接続したとき
このときに,JP1/SSO側で次のコマンドが実行されると,監視条件の設定が失敗することがあります。
- リソース収集条件設定ウィンドウの起動
- ssocolset
- ssocolstart
- ssocolstop
- ssocolshow(JP1/SSOが07-00または07-10の場合)
PFM - Analysis Adaptorが監視条件を設定するときには,これらのコマンドを実行しないようにしてください。実行する場合は,SSOアダプターを一時停止してから実行することをお勧めします。
なお,監視条件の設定に失敗した場合は,SSOアダプターの回収間隔ごとにリトライします。そのため,監視条件が設定されるまでは,JP1/SSOを監視条件が設定できる状態にしておくことをお勧めします。
(4) PFM - Analysisで設定したJP1/SSOの収集条件および収集データについて
PFM - Analysisが追加したJP1/SSOのリソースに関する収集条件および収集データは,JP1/SSO側のGUIまたはコマンドで変更,削除などの操作をしないでください。JP1/SSOのGUIでは,PFM - Analysisのリソースは,
のアイコンで表示されます。なお,アンインストール時やメッセージの対処などで指示があった場合は,その指示に従ってください。
(5) JP1/SSOでのリソース収集の延期中について
JP1/SSOでは,メトリック値の基になるMIB値が取得できなかった場合,収集状態が「延期中」になり,収集間隔が30分に変更されます。この場合,PFM - Analysisで必要な一定間隔のデータを収集できなくなるため,JP1/SSOのssocollectd動作定義ファイル内の「延期中になった場合の収集間隔」を,PFM - Analysisの詳細メトリックの時間粒度と合わせる必要があります。なお,ssocollectd動作定義ファイルの収集間隔は,JP1/SSOのすべての収集条件に適用されるため,注意して設定してください。ssocollectd動作定義ファイルについては,マニュアル「JP1/Performance Management/SNMP System Observer」を参照してください。
(6) JP1/SSOでサーバを監視する場合
監視対象のホストにインストールされているSNMPエージェント(JP1/Cm2/ESA,JP1/Cm2/EA,またはJP1/Cm2/SubManager)のバージョンが,PFM - Analysisで推奨するバージョンよりも古い場合,一部のメトリックが採取できないことがあります。監視するメトリックで必要なMIBがSNMPエージェントで実装されているか確認してください。メトリックで必要なMIB値については,「付録D PFM - Analysisで収集するメトリック」を参照してください。
(7) JP1/SSOまたはJP1/DSSOの停止について
JP1/SSOまたはJP1/DSSOからデータを収集しているときに,これらのプログラムを再起動すると,PFM - Analysisに格納されるデータが欠けてしまいます。そのため,JP1/SSOまたはJP1/DSSOを再起動する場合は,PFM - Analysis AdaptorのSSOアダプターを停止させておくことをお勧めします。
なお,マシンの停止など,JP1/SSO またはJP1/DSSOとPFM - Analysis Adaptor のSSO アダプターを停止させる場合は,停止する順番は意識する必要はありません。
(8) JP1/SSOの代行監視について
代行監視中にJP1/SSOで収集したデータは,PFM - Analysisに回収されません。
(9) JP1/SSOでのSNMPの設定について
JP1/SSOおよびJP1/DSSOを採取ツールとして使用する場合,JP1/SSOおよびJP1/DSSOのSNMP定義ファイルで,監視対象からMIB値を取得できるように,コミュニティ名やポート番号などを定義してください。PFM - Analysisが提供するJP1/SSOのリソースは,監視対象のオブジェクトタイプによってリソースカテゴリーが異なるため,リソースカテゴリーごとに定義してください。リソースカテゴリーについては,「付録D.4 SSOアダプターで収集するメトリックの詳細」を参照してください。SNMP定義ファイルについては,マニュアル「JP1/Performance Management/SNMP System Observer」を参照してください。
また,1台のマシンに複数の監視対象がある場合,監視対象ごとにSNMP受信ポートを分けてから,SNMP定義ファイルを設定することをお勧めします。SNMP受信ポートの定義については,各監視対象のマニュアルを参照してください。
(10) JP1/SSOのコマンド実行時間の監視について
SSOアダプターがJP1/SSOのコマンドを実行する場合,PFM - Analysis Adaptor動作条件定義ファイル(paa.conf)の指定に従って,実行時間を監視します。指定した時間内にコマンド実行が終了しない場合,SSOアダプターはコマンド実行をエラー(タイムアウト)と判断します。
SSOアダプターを停止させたりして,PFM - Analysis Managerに送信していないデータがJP1/SSOおよびJP1/DSSOに蓄積されていくと,JP1/SSOのコマンド実行に時間が掛かり,タイムアウトになることがあります。この場合は,一時的にPFM - Analysis Adaptor動作条件定義ファイルでコマンド実行の監視時間を長くするか,コマンド実行を監視しない設定にして,コマンド実行が正常に終了するようにしてください。
PFM - Analysis Adaptor動作条件定義ファイルについては,「11.2.13 PFM - Analysis Adaptor動作条件定義ファイル(paa.conf)」を参照してください。
(11) JP1/SSOおよびJP1/DSSOのssocolmngの最大同時接続数について
SSOアダプターは,メトリックの回収にJP1/SSOのssoextractlogコマンドを使用します。このため,JP1/SSOおよびJP1/DSSOのssocolmng動作定義ファイルで指定する最大同時接続数を,SSOアダプターが正しく動作できるように設定してください。SSOアダプターが必要とする同時接続数は,一つです。
JP1/SSOおよびJP1/DSSOのssocolmng動作定義ファイルについては,マニュアル「JP1/Performance Management/SNMP System Observer」を参照してください。
(12) JP1/SSOおよびJP1/DSSOの収集データ容量について
JP1/SSOおよびJP1/DSSOの収集データベースのサイズを見積もる計算式については,マニュアル「JP1/Performance Management/SNMP System Observer」を参照してください。SSOアダプターが,JP1/SSOおよびJP1/DSSOで収集させるデータのサブリソースは一つです。
インスタンス名長およびインスタンス個数は,監視するメトリックの値を求めるために取得するMIBを取得してみる,またはJP1/SSOのリソースブラウザーを使用して,監視するメトリックに対応したリソースを取得してみることで,求めることができます。
メトリックに対応したMIBおよびリソースについては,「付録D.4 SSOアダプターで収集するメトリックの詳細」を参照してください。
(13) 一般サーバのディスク使用率を監視する場合
監視対象のサーバにCD-ROMなどがマウントされていると,使用率100%のディスクとして計測される場合があります。このような場合は,不要インスタンスにCD-ROMなどのマウント名称を定義し,監視対象から外すことをお勧めします。
(14) PFM - Agent for Platformからのデータ回収について
PFM - Agent for Platformから収集するCPU使用率,ディスク使用率やディスクビジー率などのメトリックは,_Totalという集計値を示すインスタンスを含んでいます。
メトリックの平滑化方法によっては,_Totalを含めて計算すると意図しない値になるため,このような場合,不要インスタンスに_Totalを定義し,監視対象から外すことをお勧めします。
(15) PFM - Agent for HiRDBからのデータ回収について
PFM - Agent for HiRDBから収集するトランザクション数,ディスクアクセス数,ロールバック率の収集契機は,HiRDBでの統計ログの出力間隔に依存します。このため,PFMのパフォーマンスデータは定期的には収集されず,次回以降の収集時に遅れて収集される場合があります。
(16) PFM - Agent for SRからのデータ回収について
PFM - Agent for SRで計測したHTTPやSMTPなどの稼働性能情報を,PFM - Analysisで取得する場合,次の点に注意してください。
- PFM - Analysisでは,PFM - Agent for SRでの計測対象がオブジェクトではなく,インスタンスとして扱われます。このため,計測対象が複数ある場合,一つのオブジェクトに対し,複数のインスタンスが設定されることになります。一つのオブジェクトに対し,計測対象を一つ(インスタンスを一つ)にしたい場合は,インスタンスフィルターを利用して,該当する計測対象を必要インスタンスとして登録するようにしてください。
- PFM - Agent for SRで計測に失敗した場合,PFM - Analysis側ではオブジェクトのステータスは変わらず,メトリックのリザルトコードの値が1以上になります。なお,正常に計測できた場合,リザルトコードは0となります。
- PFM - Agent for SRで収集するメトリックに対してユーザー拡張をする場合,ユーザー拡張用のテンプレート定義ファイルのほか,PFMアダプターリソース定義ファイルにも定義を追加する必要があります。
(17) PFMを採取ツールとした場合のステータスメトリックの収集について
採取ツールがPFMの場合,稼働性能情報としてステータスメトリックは収集できません。
(18) PFMのパフォーマンスデータの収集間隔について
PFMのパフォーマンスデータの収集間隔は,PFM - Analysisの詳細メトリックの時間粒度(デフォルトは3分)と同じ値に設定することを推奨します。パフォーマンスデータの収集間隔がPFM - Analysisの時間粒度より小さかった場合,PFM - Analysisの時間粒度に補正されて一部のデータは切り捨てられます。逆に,パフォーマンスデータの収集間隔がPFM - Analysisの時間粒度より大きかった場合,PFM - Analysisの時間粒度に補正されたときにメトリック値に欠損が生じます。
(19) PFMから収集するメトリック値の危険度判定について
PFMから収集するメトリック値については,危険度を「不明」に変化させる判定は行いません。このため,PFMのパフォーマンスデータの収集間隔がPFM - Analysisの時間粒度より大きかった場合など,メトリック値の欠損が生じた際にもメトリックの危険度はそれ以前の危険度が継続されます。
(20) PFMから収集するメトリック値の回収期間について
PFM - Agentは,Storeデータベースに記録されるパフォーマンスデータを,ある一定の時間で自動的に要約したり,格納できるレコード数の上限を設定したりするなど,データ量の増加を防止しています。これと同様にPFMアダプターでも,回収期間の上限を決めてStoreデータベースからパフォーマンスデータを回収しています。回収期間より以前のデータは回収しません。
メトリック値の回収期間の設定は,PFM - Analysis Adaptor動作条件定義ファイル(paa.conf)の[PFM Adaptor]セクションのpfmadpt_targetperiodキーで行います。詳細については「11.2.13 PFM - Analysis Adaptor動作条件定義ファイル(paa.conf)」を参照してください。
(21) PFMを採取ツールとした場合に指定するサービスID(ServiceID)について
サービスIDとは,監視対象となるPFM - AgentのAgent StoreのサービスIDのことです。監視対象からパフォーマンスデータを回収するには監視システムの構成定義時にDefinerで該当するサービスIDを指定する必要があります。サービスIDはPFMのjpcctrl listコマンドで確認できます。2バイト目が「S」となっているサービスIDが該当します。なお,サービスIDの1バイト目は,プロダクトIDと同じ値となっており,PFM - Agent製品ごとに異なるため,オブジェクトタイプに対応したサービスIDを指定する必要があります。オブジェクトタイプとAgent StoreのサービスIDとの対応を次の表に示します。
表4-6 オブジェクトタイプとAgent StoreのサービスIDの対応
オブジェクトタイプ プロダクトID Agent StoreのサービスID HTTP V VSxxxx HTTPS SMTP POP3 IMAP4 DNS DHCP FTP TCP WEBTRANS USERSERV Windows T TSxxxx Solaris U USxxxx Linux HP-UX AIX Cosminexus C CSxxxx WebLogic S SSxxxx Oracle O OSxxxx SQL_Server Q QSxxxx HiRDB B BSxxxx JP1/AJS2 J JSxxxx SAP_R/3 M MSxxxx DB2_UDB R RSxxxx Domino L LSxxxx OpenTP1 H HSxxxx 「xxxx」の部分は,インスタンス番号やホスト名などを示しており,使用環境で異なります。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」を参照してください。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2006, 2010, Hitachi, Ltd.