JP1/Performance Management - Analysis
- <この項の構成>
- (1) 危険度の種類
- (2) 詳細メトリックの危険度の判定
- (3) サマライズメトリックの危険度の判定
- (4) 上位の構成要素への危険度の伝達
メトリックは,状態を表す情報を持ちます。これを危険度といい,正常域,警戒域,危険域,不明,対象外の5種類でBottleneck Analyzerに表示されます。危険度が変化した場合は警告メッセージを発行します。
危険度の種類を次の表に示します。
表2-2 危険度の種類
危険度(英語名) 内容 正常域(Normal) 警戒しきい値を超えていない正常な状態。しきい値を設定していない場合は,値を取得できれば正常域と判定される。 警戒域(Warning) 警戒しきい値を超えた状態。 危険域(Critical) 危険しきい値を超えた状態。 不明(Unknown) メトリックの値を取得できなかった場合に表示される。 対象外(Unmanage) Definerで監視対象外にしたオブジェクトの場合に表示される。
詳細メトリックには,危険度を判定するためのしきい値が設定されています。しきい値には危険しきい値と警戒しきい値があり,詳細メトリックの危険度は,メトリックの値としきい値とを比較した結果で決定されます。また,しきい値連続超過回数を設定している場合は,警戒域または危険域を連続して超過した回数で決定されます。
(a) メトリック値としきい値の比較結果による判定
危険度を判定するための基準を,次の図に示します。
メトリックのしきい値は,デフォルトで設定されていますが,運用に合わせて変更することもできます。しきい値のデフォルトについては,「付録D PFM - Analysisで収集するメトリック」を参照してください。
メトリックごとに警戒連続超過回数,および危険連続超過回数を設定し,しきい値が警戒域または危険域を連続して超過した回数で危険度を判定できます。メトリックには,メトリックタイプごとに特有の動きがあり,一時的にしきい値を超える状態になっても問題視しなくてよいものもあります。このようなメトリックに対しては,しきい値連続超過回数を設定することによって,より的確に危険度を判定できます。
しきい値連続超過回数による危険度判定の例を次の図に示します。なお,危険連続超過回数,警戒連続超過回数とも3回と設定している場合を例とします。
図2-6 しきい値連続超過回数による危険度判定の例
危険域は警戒域を包含しているため,例のように「危険域−警戒域−警戒域」や「警戒域−警戒域−危険域」と遷移した場合も,警戒しきい値が3回連続して発生したとみなされます。また,正常については連続回数に関係なく,一度正常となった時点で危険度は正常とみなされます。
なお,しきい値連続超過回数による危険度判定のための設定項目については,「9.2.2 (4) [しきい値連続超過]タブ」を参照してください。
(3) サマライズメトリックの危険度の判定
サマライズメトリックの危険度は,詳細メトリックの危険度を集計し,アルゴリズムに従って判定されます。
メトリックの危険度は,上位のオブジェクトの危険度に伝えられます。オブジェクトの危険度は,さらに上位のシステム構成要素に伝えられます。そのため,システム構成ツリー上で警戒域,危険域などになっているシステム構成要素を展開していくことで,どのメトリックに問題が発生したのかを確認できます。上位のシステム構成要素に対する危険度は,次の表に従って反映されます。
表2-3 危険度の伝達
下位の構成要素の危険度 上位の構成要素の
危険度一つ以上のメトリックまたはオブジェクトが危険域。 危険域 危険域のメトリックまたはオブジェクトが一つもない。かつ,一つ以上のメトリックまたはオブジェクトが警戒域。 警戒域 危険域,警戒域のメトリックまたはオブジェクトが一つもない。かつ,一つ以上のメトリックが正常域。 正常域 危険域,警戒域,正常域のメトリックまたはオブジェクトが一つもない。かつ,一つ以上のメトリックが不明。 不明 すべてのメトリックまたはオブジェクトが対象外。 対象外
- 注意事項
- ステータスメトリックの危険度は,上位のオブジェクトには伝達されません。
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