JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド
PFM - Agent 08-00以降をStoreデータベース(Storeバージョン2.0)で使用する場合のディスク占有量について説明します。
- <この項の構成>
- (1) 見積もり式
- (2) 見積もり例
(1) 見積もり式
ディスク占有量,ファイル数,およびディレクトリ数の見積もりについて説明します。
(a) ディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。
- 注意
- パフォーマンスデータがStoreデータベースに格納される際,幾つかのフィールドが追加されます。追加されるフィールドは,ディスク占有量に含まれるため,新たに容量を見積もる必要はありません。各レコードに共通して追加されるフィールドはStoreバージョン1.0と同じです。詳細については,各PFM - Agentのマニュアルを参照してください。
- レコードタイプごとのディスク占有量Xの見積もり式(単位:バイト)
X={(e+2)*f'+(d+60)*{((e+2)*f')/(65,250-d)+1}※1}*a/b*(c+1)*1.1- a:レコードタイプ,要約区分ごとに値が異なります。表C-9を参照してください。
- b:レコードタイプ,要約区分ごとに値が異なります。表C-9を参照してください。※2
- c:履歴データの保存期間設定値※3。レコードタイプ,要約区分ごとに指定する単位が異なります。単位については表C-9を参照してください。
- d:履歴データを収集する各レコードの固定部のサイズ※4
- e:履歴データを収集する各レコードの可変部のサイズ※4
- f:履歴データを収集する各レコードのインスタンス数(単数インスタンスレコードの場合は1)※5
- f':fが2以上の場合,4の倍数に丸め込みます。例えば,f=2の場合は,f'=4となります。f=13の場合は,f'=16となります。f=1の場合は,f'=1となります。
表C-11 a,b,およびcに設定する値
レコードタイプ 要約区分 a b c PI 分 1,440 1+(g-1)/60※2 保存期間(単位:日) 時 24 1+(g-1)/3,600※2 保存期間(単位:日) 日 7 1+(g-1)/86,400※2 保存期間(単位:週) 週 1 1+(g-1)/604,800※2 保存期間(単位:週) 月 1 1+(g-1)/2,592,000※2 保存期間(単位:月) 年 1 1+(g-1)/31,622,400※2 保存期間(単位:年) PD − 1,440 g/60 保存期間(単位:日) PL − 1,440 g/60 保存期間(単位:日)
- (凡例)
- g:履歴データの収集インターバル設定値(単位:秒)
- −:該当しない。
- 注※1
- {((e+2)*f')/(65,250-d)+1}の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
- 注※2
- PIレコードタイプのbの計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
- 注※3
- PFM - Agent 08-00をStoreバージョン2.0で使用する場合の保存期間はStoreバージョン1.0で使用していた際の設定に依存します。詳細は「JP1/Performance Management リファレンス」の「2. コマンド jpcdbctrl setup」を参照してください。
- 注※4
- 各レコードの固定部・可変部のサイズについては,Storeバージョン1.0と同じです。詳細は各PFM - Agentのマニュアルを参照してください。
- 注※5
- レコードごとのインスタンス数については,Storeバージョン1.0と同じです。詳細は各PFM - Agentのマニュアルを参照してください。
(b) ファイル数
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*( (A11+A12+...+A1m+m)+ (A21+A22+...+A2m+m)+ (A31+A32+...+A3m+m)+ (A41+A42+...+A4m+m)+ (A51+A52+...+A5m+m)+ (11*m)+ (B1+B2+...+Bn+n)+ (C1+C2+...+Co+o) )m:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
n:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
o:PLレコードタイプの収集しているレコードの数
A11〜A1m:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)
A21〜A2m:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)
A31〜A3m:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)
A41〜A4m:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)
A51〜A5m:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)
B1〜Bn:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
C1〜Co:PLレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
(c) ディレクトリ数
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax)+(Cmax))A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
Cmax:PLレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
(d) Storeサービスがオープンするファイル数
Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m+n)l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
m:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
n:PLレコードタイプの収集しているレコードの数
(2) 見積もり例
見積もり例としてPFM - Agent for PlatformでStoreデータベース(Storeバージョン2.0)を使用した場合について説明します。
(a) ディスク占有量
PI_LOGDレコードとPDレコードを収集する設定にした場合を例に挙げて説明します。
PI_LOGDレコードの見積もりについて説明します。「(1) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
d=681(バイト) e=700(バイト) f=3 f'=4 g=60(秒)次に,分レコード,時レコードなどそれぞれの計算を行います。
- 分レコード
- 変数を次の値とします。
a=1,440 b=1+(60-1)/60 =1.98... =1(小数点以下切り捨て) c=3(日)- 見積もり式を次に示します。
X(分)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}} *1,440/1*(3+1)*1.1 ={2,808+741*1}*6,336 =3,549*6,336 =22,486,464(バイト)=約22(MB)
- 時レコード
- 変数を次の値とします。
a=24 b=1+(60-1)/3,600 =1.01... =1(小数点以下切り捨て) c=3(日)- 見積もり式を次に示します。
X(時)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}} *24/1*(3+1)*1.1 ={2,808+741*1}*105.6 =3,549*105.6 =374,774.4(バイト)=約0.4(MB)
- 日レコード
- 変数を次の値とします。
a=7 b=1+(60-1)/86,400 =1.00... =1(小数点以下切り捨て) c=1(週)- 見積もり式を次に示します。
X(日)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}} *7/1*(1+1)*1.1 ={2,808+741*1}*15.4 =3,549*15.4 =54,654.6(バイト)=約0.05(MB)
- 週レコード
- 変数を次の値とします。
a=1 b=1+(60-1)/604,800 =1.00... =1(小数点以下切り捨て) c=1(週)- 見積もり式を次に示します。
X(週)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}} *1/1*(1+1)*1.1 ={2,808+741*1}*2.2 =3,549*2.2 =7,807.8(バイト)=約0.008(MB)
- 月レコード
- 変数を次の値とします。
a=1 b=1+(60-1)/2,592,000 =1.00... =1(小数点以下切り捨て) c=1(月)- 見積もり式を次に示します。
X(月)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}} *1/1*(1+1)*1.1 ={2,808+741*1}*2.2 =3,549*2.2 =7,807.8(バイト)=約0.008(MB)
- 年レコード
- 変数を次の値とします。
a=1 b=1+(60-1)/31,622,400 =1.00... =1(小数点以下切り捨て) c=10(固定)- 見積もり式を次に示します。
X(年)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}} *1/1*(10+1)*1.1 ={2,808+741*1}*12.1 =3,549*12.1 =42,942.9(バイト)=約0.04(MB)以上から,PI_LOGDレコードの見積もりは次のようになります。
X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年) =22.506(MB) =約23(MB)次にPDレコードの見積もりについて説明します。
変数を次の値とします。
a=1,400 b=60/60=1 c=10(日) d=681(バイト) e=472(バイト) f=10 f'=12 g=60(秒)見積もり式を次に示します。
X={(472+2)*12+(681+60)*{((472+2)*12)/(65,250-681)+1} *1,400/1*(10+1)*1.1 ={5,688+741*1}*17,424 =6,429*17,424 =112,018,896(バイト)=約112(MB)したがって,必要なディスク占有量はPI_LOGD+PD=135MBとなります。
(b) ファイル数
PI,PI_LOGD,PD,およびPD_PDIレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。「(1) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
m=2 n=2 o=なし A11〜A1m=3(日) A21〜A2m=3(日) A31〜A3m=1(週) A41〜A4m=1(週) A51〜A5m=1(月) B1〜Bn=10(日) C1〜Co=不要Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*( (A11+A12+...+A1m+m)+ (A21+A22+...+A2m+m)+ (A31+A32+...+A3m+m)+ (A41+A42+...+A4m+m)+ (A51+A52+...+A5m+m)+ (11*m)+ (B1+B2+...+Bn+n)+ (C1+C2+...+Co+o) ) =20+2*{ [3(PI分)+3(PI_LOGD分)+2]+ [3(PI分)+3(PI_LOGD分)+2]+ [1(PI分)+1(PI_LOGD分)+2]+ [1(PI分)+1(PI_LOGD分)+2]+ [1(PI分)+1(PI_LOGD分)+2]+ [11*2]+ [10(PD分)+10(PD_PDI分)+2] } =20+2*{8+8+4+4+4+22+22} =20+2*72=20+144=164(c) ディレクトリ数
PI,PI_LOGD,PD,およびPD_PDIレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。
「(1) 見積もり式」のディレクトリ数の見積もり式で示した変数が次の値とします。
A1max=3(日)(考え方:PIが2日,PI_LOGDが3日の場合は3日となります。) A2max=3(日) A3max=1(週) A4max=1(週) A5max=1(月) Bmax=10(日)(考え方:PD_PDIが8日,PDが10日の場合は10日となります。) Cmax=なしStoreデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax)+(Cmax)) =25+2*(3+3+1+1+1+11+10+0)=85(d) Storeサービスがオープンするファイル数
PI,PI_LOGD,PD,およびPD_PDIレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。
「(1) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
l=2 m=2 n=0Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m+n) =20+2*(6*2+2+0)=48
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