JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド
クラスタシステムにPFM - Web Consoleをインストールおよびセットアップする方法について説明します。
- <この項の構成>
- (1) インストールとセットアップの前に
- (2) インストールとセットアップの流れ
- (3) インストール手順
- (4) セットアップ手順
- (5) クラスタソフトの設定手順
(1) インストールとセットアップの前に
PFM - Web Consoleをインストールおよびセットアップする場合の注意事項を次に示します。
- PFM - Web Consoleをクラスタシステムにセットアップする場合の注意
- PFM - Web Consoleは,論理ホスト運用する場合も,Webサーバやコンテナなどの共通コンポーネントが必要です。共通コンポーネントと同じノードで動作するようにセットアップしてください。
- PFM - Web Console環境の移行に関する注意
- 非クラスタシステムで運用していたPFM - Web Consoleの環境を,クラスタシステムに移行することはできません。非クラスタシステムからクラスタシステムに変更する場合は,PFM - Web Consoleをアンセットアップおよびアンインストールしたあと,構築したクラスタシステムにPFM - Web Consoleを新規インストールする必要があります。
(2) インストールとセットアップの流れ
論理ホスト運用するPFM - Web Consoleのインストールおよびセットアップの流れについて説明します。
図15-11 論理ホスト運用するPFM - Web Consoleのインストールおよびセットアップの流れ
次に,インストールの手順,セットアップの手順,およびクラスタソフトの設定手順について説明します。
手順中の
は実行系ノードで行う項目を,
は待機系ノードで行う項目を示します。また,
は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。
(3) インストール手順
実行系ノードおよび待機系ノードに,PFM - Web Consoleを新規インストールします。インストール手順は非クラスタシステムの場合と同じです。
インストール手順については,「5.1.3 インストール手順」を参照してください。
- 注意
- インストール先はローカルディスクです。共有ディスクにはインストールしないでください。
- 実行系ノードと待機系ノードのPFM - Web Consoleは同じパスにインストールしてください。
(4) セットアップ手順
PFM - Web Consoleを論理ホスト運用する場合,実行系ノードと待機系ノードで環境構成を同じにする必要があります。
PFM - Web Consoleの各セットアップについて,説明します。
(a) PFM - Agent情報の追加セットアップ
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クラスタシステムでPFM - Agentを一元管理するために,実行系ノードおよび待機系ノードのPFM - Web ConsoleにPFM - Agentのエージェント情報を登録します。
PFM - Managerのバージョンが08-50以降の場合,PFM - Agentの登録は自動で行われるため,PFM - Agent情報の追加セットアップは不要です。ただし,PFM - Managerより後でリリースされたPFM - Agentについては手動で登録する必要があります。PFM - ManagerおよびPFM - Agentのリリース時期についてはリリースノートを参照してください。
- 注意
- すでにPFM - Agentの情報が登録されているPerformance Managementシステムに,新たに同じプロダクトIDで,同じバージョンのPFM - Agentを追加した場合,PFM - Agentの登録は必要ありません。
- バージョンが異なる同じプロダクトIDのPFM - Agentを,異なるホストにインストールする場合,最新バージョンのPFM - Agentをセットアップしてください。
PFM - Web Consoleのエージェント情報の追加セットアップは,「図15-11 論理ホスト運用するPFM - Web Consoleのインストールおよびセットアップの流れ」で示す流れで行います。
PFM - Web Consoleにエージェント情報を登録する手順を次に示します。
- セットアップファイルをコピーする。
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PFM - Agentのセットアップファイルを,PFM - Web Consoleの実行系ノードおよび待機系ノードの次の場所にコピーします。
PFM - Web Consoleインストール先フォルダ\setup
コピーするセットアップファイルおよび手順は,PFM - Managerに追加セットアップする場合と同じです。詳細については,「5.1.4(1) PFM - Agentの登録」を参照してください。
- 待機系ノードでセットアップコマンドを実行する。
待機系ノードで,jpcwagtsetupコマンドを実行し,エージェント情報を登録します。
次のようにコマンドを実行します。
jpcwagtsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。
jpcwagtsetup
- 補足
- PFM - Agentのエージェント情報をPFM - Web Consoleに登録した場合は,PFM - Web Consoleを再起動する必要があります。ただし,待機系ノードは,フェールオーバー時にPFM - Web Consoleが再起動されるため,手順2のあとの再起動は必要ありません。
(b) 接続先PFM - Managerの設定
PFM - Web Consoleが接続するPFM - ManagerホストのIPアドレスまたはホスト名を,待機系ノードで,初期設定ファイル(config.xml)に設定します。接続するPFM - Managerがクラスタシステムで運用されている場合は,論理IPアドレスまたは論理ホスト名を設定してください。
手順を次に示します。
- 初期設定ファイル(config.xml)を開く。
インストール先フォルダ\conf\config.xmlファイルをテキストエディターやXMLエディターなどで開きます。
- 接続するPFM - ManagerホストのIPアドレスまたはホスト名を設定する。
<vsa>タグ内の<vserver-connection>タグ直後に,次に示すタグを記述します。
例えば,接続するPFM - ManagerホストのIPアドレスが,「10.210.24.56」の場合,次のように設定します。
<param name="host" value="IPアドレスまたはホスト名"/>
<vsa> <vserver-connection> <param name="host" value="10.210.24.56"/> <!-- The host computer name to which PFM View Server uses. Specifiable values: 1024 to 65535 Default : 22286 --> <param name="port" value="22286"/> </vserver-connection>- 手順2で編集した初期設定ファイル(config.xml)を保存する。
- 注意
- 初期設定ファイル(config.xml)は,指定された以外の個所を変更すると,PFM - Web Consoleが正常に動作しない場合がありますので,注意してください。
(c) PFM - Web Consoleの論理ホストの設定
PFM - Web Consoleホストの論理IPアドレスまたは論理ホスト名を,待機系ノードで,初期設定ファイル(config.xml)に設定します。
手順を次に示します。
- 初期設定ファイル(config.xml)を開く。
インストール先フォルダ\conf\config.xmlファイルをテキストエディターやXMLエディターなどで開きます。
- PFM - Web Consoleホストの論理IPアドレスまたは論理ホスト名を設定する。
<vsa>タグ内の<vserver-connection>タグ内に,次に示すタグを記述します。
例えば,PFM - Web Consoleホストの論理IPアドレスが,「10.210.26.18」の場合,次のように設定します。
<param name="ownHost" value="論理IPアドレスまたは論理ホスト名"/>
<vsa> <vserver-connection> <param name="host" value="10.210.24.56"/> <!-- The host computer name to which PFM View Server uses. Specifiable values: 1024 to 65535 Default : 22286 --> <param name="port" value="22286"/> <param name="ownHost" value="10.210.26.18"/> </vserver-connection>- 手順2で編集した初期設定ファイル(config.xml)を保存する。
- 注意
- 初期設定ファイル(config.xml)は,指定された以外の個所を変更すると,PFM - Web Consoleが正常に動作しない場合がありますので,注意してください。
(d) ブックマーク定義情報の格納先の設定
ブックマークの定義情報を格納するフォルダを,待機系ノードで,初期設定ファイル(config.xml)に設定します。格納先のフォルダは,フェールオーバー時にブックマークの定義情報を引き継がせるため,共有ディスク上のフォルダを指定します。
設定する手順を次に示します。
- 初期設定ファイル(config.xml)を開く。
インストール先フォルダ\conf\config.xmlファイルをテキストエディターやXMLエディターなどで開きます。
- ブックマークの定義情報を格納するフォルダを設定する。
初期設定ファイル(config.xml)の<vsa>タグ内にある<format>タグ直後の<bookmark>タグに,格納先フォルダを設定します。
設定した格納先フォルダは,PFM - Web Consoleサービスの起動時に,自動的に作成されます。
例えば,「環境ディレクトリ\jp1pcWebCon\common\bookmarks」を格納先フォルダにしたいとき,次のように設定します。
</format> <bookmark> <!-- The directory where bookmark repository is stored. Default : <install directory>\bookmarks --> <param name="bookmarkRepository" value="環境ディレクトリ\jp1pcWebCon\common\bookmarks"/> </bookmark> </vsa>- 手順2で編集した初期設定ファイル(config.xml)を保存する。
- 注意
- 初期設定ファイル(config.xml)は,指定された以外の個所を変更すると,PFM - Web Consoleが正常に動作しない場合がありますので,注意してください。
(e) 初期設定ファイルの実行系ノードへのコピー
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(b),(c)および(d)で編集した初期設定ファイル(config.xml)を,実行系ノードにコピーします。
実行系ノードの次の場所にコピーしてください。
インストール先フォルダ\conf
(f) 共有ディスクのオンライン
実行系ノードで共有ディスクがオンラインになっていることを確認します。共有ディスクがオンラインになっていない場合は,クラスタソフトからの操作やボリュームマネージャーの操作などで,共有ディスクをオンラインにしてください。
(g) PFM - Agent情報の追加セットアップの実行
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実行系ノードで(a)でコピーしたセットアップファイルを使い,PFM - Agentのエージェント情報を追加セットアップします。
手順を次に示します。
- 実行系ノードで,PFM - Web Consoleサービスを停止する。
クラスタソフトへの登録前の場合,jpcwstopコマンドでサービスを停止させてください。
クラスタソフトへの登録後,PFM - Agentの追加など構成を変更する場合,クラスタソフトからサービスを停止させてください。なお,構成変更の詳細については,「15.3 クラスタシステムでの構成変更(Windowsの場合)」を参照してください。
- 実行系ノードでセットアップコマンドを実行する。
次のようにコマンドを実行します。
jpcwagtsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。
jpcwagtsetup
- 実行系ノードで,PFM - Web Consoleサービスを起動する。
手順1で停止させていたPFM - Web Consoleサービスを起動します。
(5) クラスタソフトの設定手順
クラスタソフトにPFM - Web Consoleを設定します。実行系ノードと待機系ノードでそれぞれに設定します。
手順を次に示します。
(a) クラスタソフトでのPFM - Web Consoleの登録
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PFM - Web Consoleを論理ホスト環境で運用する場合は,クラスタソフトに登録して,クラスタソフトからの制御でPFM - Web Consoleを起動したり停止したりするように環境設定します。
PFM - Web Consoleをクラスタソフトに登録するときの設定内容を,WindowsのMSCSに登録する項目を例として説明します。PFM - Web Consoleの場合,次の表のサービスを,PFM - Managerと同じクラスタグループに追加登録します。
表15-3 クラスタソフトに登録するPFM - Web Consoleのサービス
番号 名前 サービス名 依存関係 起動パラメータ 1 PFM - Web Console PFM-WebConsole IPアドレスリソース
物理ディスクリソース※--ntservice
(ハイフンは二つ必要です)2 PFM - Web Service PFM-WebService #1-1のクラスタリソース(PFM - Web Console) --ntservice
(ハイフンは二つ必要です)注※ (4)の(d)で設定した論理ホスト環境ディレクトリが存在する共有ディスクドライブ。
MSCSの場合は,これらのサービスをMSCSのリソースとして登録します。各リソースの設定は次のようにします。下記では,MSCSの設定項目を「[ ]」で囲んで示しています。
- [リソースの種類]は「汎用サービス」として登録する。
- [名前],[依存関係],[サービス名]および[起動パラメータ]を「表 15-3クラスタソフトに登録するPFM - Web Consoleのサービス」のとおりに設定する。
なお,名前はサービスを表示するときの名称で,サービス名はMSCSから制御するサービスを指定するときの名称です。
- [レジストリ複製]は設定しない。
- プロパティの[詳細設定]タブは,[再開する]をチェックする。再起動試行回数の[しきい値]は,3回を目安に設定する。
- 注意
- クラスタに登録するサービスは,クラスタソフトから起動および停止を制御します。このため,実行系ノードと待機系ノードの両方で,OS起動時に自動起動しないよう[スタートアップの種類]を[手動]に設定してください。
(b) クラスタソフトからの起動と停止の確認
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クラスタソフトからの操作で,PFM - Web Consoleの起動および停止を各ノードで実行し,正常に動作することを確認してください。
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