JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド
- アラームの評価数の制限について
PFM - Agentで複数インスタンスレコードを収集する場合,1回の収集で扱うことができるインスタンス数は32,767個までです。PFM - Agentにアラームをバインドしている場合,32,767個までのインスタンスが評価されます。32,768個目以降のインスタンスは評価されません。
- アラーム評価の間隔について
アラームの評価は一定間隔で実施されます。この間隔は監視エージェントのレコードごとに異なります。各レコードのアラーム評価の間隔は,PFM - Agentマニュアルの,レコードについて説明している章(各レコードの説明)を参照してください。
アラーム評価の間隔を変更したい場合は,次のように操作してください。
- 監視コンソールのブラウザーからPFM - Web Consoleにログインする。
- [メイン]画面のタブフレームで[サービス階層]タブを選択する。
- アラームがバインドされている監視エージェントを選択する。
- メソッドフレームで[プロパティ]メソッドを選択する。
- [Detail Records]フォルダまたは[Interval Records]フォルダを展開する。
- [Collection Interval]プロパティの値を変更する。
- レコード(パフォーマンスデータ)の収集間隔が設定した値に変更されます。
- アラーム条件の組み合わせによるアラーム評価の違いについて
アラーム評価の方法は,アラーム条件とアラーム評価の対象となるレコードタイプによって異なります。アラーム条件の組み合わせによるアラーム評価の違いを次の表に示します。
表12-3 アラーム条件によるアラーム評価の違い
条件式 レコードタイプ [常に] [すべての] アラーム評価(通知) [値の存在を監視するアラームとする]にチェックがない場合 単一行レコード※1 × ×
- 異常条件を満たしていて,かつ以前に通知されたアラームが異常(赤)以外の場合,異常(赤)アラームが通知される。
- 異常条件ではなく警告条件を満たしていて,かつ以前に通知されたアラームが警告(黄)以外の場合,警告(黄)アラームが通知される。
- 上記どちらの条件も満たさないで,かつ以前に通知されたアラームが異常(赤),または警告(黄)の場合,正常(緑)アラームが通知される。
× ○ ○ × 異常,または警告のどちらかの条件を満たしている場合,以前のアラーム通知の有無に関係なく,異常(または警告)である旨のアラームが通知される。 ○ ○ 複数行レコード※2 × ×
注意:条件を満たしているデータが見つかった時点でアラーム評価が終了するため,収集されたすべてのデータが評価されるとは限らない。
- 異常条件を満たしているデータが一つ見つかり,かつ以前に通知されたアラームが異常(赤)以外の場合,そのデータについて異常(赤)アラームが通知される。
- 異常条件を満たしているデータはないが警告条件を満たしているデータが一つ見つかり,かつ以前に通知されたアラームが警告(黄)以外の場合,そのデータについて警告(黄)アラームが通知される。
- 収集されたすべてのデータが上記のどちらの条件も満たしていないで,かつ以前に通知されたアラームが異常(赤)または警告(黄)の場合,正常(緑)アラームが通知される。
× ○
注意:すべてのデータが評価されるので,1インターバルで複数のアラーム通知がされることがある。
- 収集されたすべてのデータを評価した結果,異常条件を満たしているデータが一つ以上あり,かつ以前に通知されたアラームが異常(赤)以外の場合,それらの個々のデータについて異常(赤)アラームが通知される。
- 収集されたすべてのデータを評価した結果,異常条件を満たしているデータはないが,警告条件を満たしているデータが一つ以上あり,かつ以前に通知されたアラームが警告(黄)以外の場合,それらの個々のデータについて警告(黄)アラームが通知される。
- 収集されたすべてのデータが上記どちらの条件も満たしていないで,かつ以前に通知されたアラームが異常(赤)または警告(黄)の場合,正常(緑)アラームが通知される。
○ ×
注意:条件を満たしているデータが見つかった時点でアラーム評価が終了するため,収集されたすべてのデータが評価されるとは限らない。
- 異常条件を満たすデータが一つ見つかった時点で,以前のアラーム通知の有無に関係なく,そのデータを基に異常である旨のアラームが通知される。
- 異常条件を満たしているデータはないが警告条件を満たしているデータが一つ見つかった時点で,以前のアラーム通知の有無に関係なく,そのデータを基に警告である旨のアラームが通知される。
○ ○ 異常,または警告のどちらかの条件を満たしているすべてのデータ一つ一つについて異常(または警告)である旨のアラームが通知される。
注意:すべてのデータが評価されるので,1インターバルで複数のアラーム通知がされることがある。[値の存在を監視するアラームとする]にチェックがある場合 複数行レコード※2 × × 収集されたすべてのデータを基に,条件式である[アラームウィザード - 存在を監視する値]で指定した値の有無を判断し,値がない(つまり,条件を満たしていない)場合,異常(赤)のアラームが通知される。
注意:アラーム通知は稼働していない旨を1回だけ通知する。
収集されるデータが一つもない場合,アラームの評価はされない。× ○ ○ × 収集されたすべてのデータを基に,条件式である[アラームウィザード - 存在を監視する値]で指定した値の有無を判断し,値がない(つまり,条件を満たしていない)場合,異常(赤)のアラームが通知される。
注意:アラーム通知は,毎回通知する。
収集されるデータが一つもない場合,アラームの評価はされない。○ ○
- (凡例)
- [常に]:[常にアラーム通知する]のチェックの状態
- [すべての]:[すべてのデータを評価する]のチェックの状態
- ○:使用(チェックあり)
- ×:未使用(チェックなし)
- 注※1
- 単一行のレコードとは,単数インスタンスレコードのことです。
- 注※2
- 複数行のレコードとは,複数インスタンスレコードのことです。
アラーム評価方法を,アラーム通知の条件ごとに説明します。
- 存在を監視する値を設定した場合
- 存在を監視する値を設定した場合,指定されたPDレコードタイプおよびPIレコードタイプのレコードの,すべてのフィールドについて,指定した値があるかどうかが評価されます。値がない場合,1インターバルでは1回だけアラーム通知されます。
- アラーム条件式を設定した場合
- アラーム条件式を設定した場合,アラーム評価の対象となるレコードのタイプがPDレコードタイプおよびPIレコードタイプであれば,1インターバルで複数レコードが収集されます。デフォルトでは,アラームの評価は,条件式を満たしているデータが最初に見つかった時点でアラームを通知して終了します。そのため,すべてのパフォーマンスデータが評価されるとは限りません。PDレコードタイプのパフォーマンスデータをアラーム評価の対象としたい場合は,[アラームウィザード - 基本情報]の[高度な設定]タブで[すべてのデータを評価する]をチェックします。
- 発生頻度の設定によるアラーム評価の違い
「アラーム条件の組み合わせによるアラーム評価の違い」の説明に加えて,「発生頻度」を設定した場合には,さらにアラームの評価が異なります。発生頻度を設定した場合の,アラームの条件によるアラームの評価の違いを次の表に示します。
表12-4 発生頻度を設定した場合のアラーム評価の違い
[発生頻度] [常に] [すべての] アラーム評価(通知) ○ × ×
注意:アラームの状態は発生頻度を評価した結果の状態のため,アラームの状態と通知されるデータのしきい値が異なることがある。
- アラームの状態が以前通知した状態から変化があった場合だけ,アラームが通知される。
- アラーム通知時点で収集された最も重大度の高い条件を満たすデータを基に,アラームの状態が通知される。
○ × ○
注意:アラームの状態は発生頻度を評価した結果の状態のため,アラームの状態と通知されるデータのしきい値が異なることがある。
- アラームの状態が以前通知した状態から変化があった場合だけ,アラームが通知される。
- アラーム状態が警告または異常の場合,アラーム通知時点でアラーム状態の条件を満たすすべてのデータを基にアラームの状態が通知される。
○ ○ ×
- アラーム通知時点で収集された最も重大度の高い条件を満たすデータが通知される。
○ ○ ○
- アラーム通知時点で警告または異常条件を満たすすべてのデータが通知される。
- (凡例)
- [常に]:[常にアラーム通知する]のチェックの状態
- [すべての]:[すべてのデータを評価する]のチェックの状態
- ○:使用(チェックあり)
- ×:未使用(チェックなし)
また,アラーム通知のタイミングが次の表のように変わります。
発生頻度 アラーム通知のタイミング n/m mインターバル中n回しきい値を超えた場合にアラームが通知されます。以降m回アラームを評価する間にn回しきい値を超えるごとにアラームが通知されます。 n/n※ しきい値を超え続けている間,n回ごとにアラームを通知します。
しきい値を超えたときに連続してアラーム通知しない場合などに使用します。注※ [常にアラーム通知する]がチェックされている場合は,収集開始から1回目の収集でしきい値を満たしている場合はインターバルに関係なくアラームが発行されます。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2006, 2008, Hitachi, Ltd.