JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド
さまざまなサーバや業務アプリケーションが混在する大規模システムでは,プロセスやデータベースリソースの稼働を監視することは,大変な労力と時間がかかる場合があります。しかし,Performance Managementは大規模で複雑な構成の企業システムでも,容易に稼働監視システムを構築して一元監視できます。さらに,統合運用管理システムやネットワーク管理システムなどほかの運用管理システムと連携したり,システムの本質的な問題を把握するために収集したパフォーマンスデータを分析したりできます。これによって,企業システムにおける問題の早期検出,性能分析,システムの将来的な動作を見据えた補強計画を立てることができます。
ここでは,大規模システムでPerformance Managementを使うときの主な特長を説明します。
- <この項の構成>
- (1) 監視対象システムの構成に応じて容易に拡張できます
- (2) 他システムと柔軟に連携できます
(1) 監視対象システムの構成に応じて容易に拡張できます
Performance Managementは,データベースサーバや業務アプリケーションサーバなどを監視するための数多くの監視エージェントを提供しています。そのため,企業システムの環境に応じて,必要な監視エージェントを追加するだけで,稼働監視ができます。
図1-6 監視対象のシステムが追加になった場合の構成変更の例
Performance Managementを使った稼働監視システムの構築およびシステムの構成の詳細については,Windowsの場合は「5. インストールとセットアップ(Windowsの場合)」を,UNIXの場合は「6. インストールとセットアップ(UNIXの場合)」を参照してください。
(2) 他システムと柔軟に連携できます
Performance Managementは,複数のサーバやプログラムからなる大規模システムで,ほかのシステムと柔軟に連携できます。統合運用管理システムやネットワーク管理システムと連携すると,企業システム全体の視点で可用性や信頼性を向上させることができます。また,Performance Managementで収集した稼働監視データを,稼働分析することで,システム管理者は企業システムの本質的な問題を把握することができます。
図1-7 Performance Managementの他のシステムとの連携
- システム統合管理製品と連携して企業システム全体の運用管理を最適化します
Performance Managementから発行されたJP1イベントをシステム統合管理製品であるJP1/IMで監視したり,Performance ManagementをJP1/IMから呼び出したりできます。また,Performance Managementの状態を示すグラフィカルなアイコンによる一元監視もできます。これによって,システム管理者はパフォーマンスが低下してボトルネックになっている個所を特定でき,業務に重大な影響が出る前に,適切に対処できます。このように,稼働状況の監視から対策までのサイクルを企業システム全体の視点で統合的に支援し,大規模で複雑な企業システムでも運用管理を最適化できます。
- ネットワーク管理製品と連携して企業ネットワークの安定稼働を支援します。
Performance Managementで監視しているシステムの状態を,ネットワーク管理製品であるNNMから監視できます。大規模ネットワーク環境下でシステムの稼働状況を一元管理できます。これによって,企業システムを支えるネットワークの安定稼働を支援します。
- 収集したパフォーマンスデータを用途に合わせて自由に加工できます
収集したパフォーマンスデータを,Microsoft ExcelなどのODBC準拠のアプリケーションプログラムで読み込めるように,Performance Management ODBCドライバを提供します。これによって,ユーザーの目的に応じたレポートの作成や,パフォーマンスデータの分析が容易にできます。
- パフォーマンスを分析する製品と連携して,システムの問題点を把握できます
収集したパフォーマンスデータを,システム稼働分析製品であるPFM - Analysisで分析できます。これによって,システムの稼働の傾向を分析し,システムの問題点を障害が発生する前に把握できます。
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