JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド
JP1/AJS2では,実行ファイル名,実行ホスト,保留属性などのユニットの実行に影響するユニット定義情報については実行登録中に変更できます。ただし,定義内容の変更を行うユニット種別とそのときのルートジョブネットの状態の組み合わせによって,変更した最新の定義内容が有効になるユニット定義情報とならない定義情報があります。ルートジョブネットの状態とユニット種別による定義内容変更の動作を次の表に示します。
表15-11 ルートジョブネットの状態とユニット種別による定義内容変更の動作
ユニット種別 ルートジョブネットの状態 終了状態 実行中
警告検出実行中
異常検出実行中開始時刻待ち※1
起動条件待ち※2
保留中開始時刻待ち※3
起動条件待ち※4ルートジョブネット ○※5 × × ○ ネストジョブネット ○※5 ×※6 ○ ○ ジョブ ○※5 ×※6 ○ ○
- (凡例)
- ○:すべてのユニット定義情報で,変更した最新の定義内容が有効になります。
- ×:表15-12に示すユニット情報については,変更した最新の定義内容が有効になりません。
- 注※1
- 次回実行予定世代,および開始時刻に到達しているが多重起動に「不可能」を設定しているため実行中世代の終了を待っている世代だけです。
- 注※2
- 定義変更を行う前に生成されている起動条件待ちの世代です。
- 注※3
- 注※1に該当しない開始時刻待ちの世代です。
- 注※4
- 定義変更を行ったあとに生成された起動条件待ちの世代です。
- 注※5
- 終了状態の世代を再実行したときに,変更した内容で実行されます。
- 注※6
- 次に示す状況に該当する場合,変更した最新の定義内容が有効になります。
- 実行中になっていないネストジョブネット配下のユニットに対して定義変更を行った場合。
- 定義変更を行ったあと,定義変更を行ったユニットが存在するルートジョブネット配下で再実行を行った場合。
- 定義変更を行ったあと,定義変更を行ったユニットが存在するルートジョブネット対してサスペンド解除が行われた場合。
- 定義変更を行ったあと,サービスの再起動が行われた場合。
上記の表で「×」の場合に,有効にならないユニット定義情報を次の表に示します。
表15-12 実行登録中に定義変更しても有効にならないユニット定義情報
ユニット種別 有効にならないユニット定義情報 ジョブ(標準ジョブ,イベントジョブ,アクションジョブ,カスタムジョブ)の場合
- 保留
- 所有者
- 実行ユーザー種別
ジョブネットの場合
- 実行ホスト
- 多重起動(ルートジョブネットだけ)
- 優先順位
- スケジューリング方式(ルートジョブネットだけ)
- 打ち切り時間(ルートジョブネットだけ)
- 保留
リモートジョブネットの場合
- 実行マネージャー
- 多重起動 (ルートリモートジョブネットだけ)
- スケジューリング方式(ルートリモートジョブネットだけ)
- 打ち切り時間(ルートリモートジョブネットだけ)
- 保留
上記に示したユニット定義情報以外はすべて最新の定義内容が有効になります。上記に示したユニット定義情報を,実行登録中でも最新の定義変更を有効にしたい場合は,「15.12.2 実行登録中に変更したユニット定義情報を有効にする」に示す手順を実施してください。
実行登録中に変更したユニット定義情報を有効にする設定をした場合に,最新の定義内容が再読み込みされるタイミング(有効になる時期)を,次の表に示します。
ユニット種別 最新の定義内容が再読み込みされるタイミング ジョブ(標準ジョブ,イベントジョブ,アクションジョブ,カスタムジョブ)の場合 実行待ち状態になる直前 ジョブネットの場合 実行状態になる直前 このため,ジョブやジョブネットの実行が開始するまでに定義を変更すれば,最新の定義内容でジョブやジョブネットを実行できるようになります。
- 注意事項
- 実行中のイベントジョブ(起動条件として定義されているイベントジョブも含む)は,定義内容を変更しても,終了状態になるまで変更した内容は有効になりません。変更した定義内容で監視したい場合は,次の操作を実行してジョブを終了状態に変更したあと,再度実行登録してください。
- 通常のイベントジョブの場合
イベントジョブを強制終了してください。または,ジョブの状態変更で終了状態にしてください。
- 起動条件として定義したイベントジョブの場合
「8.5.1(1) 起動条件監視中のジョブネットの停止について」を参照して,起動条件監視中のジョブネットを強制終了してください。
- <この節の構成>
- 15.12.1 実行登録中に変更したユニット定義情報を有効にする設定で有効になるユニット定義情報について
- 15.12.2 実行登録中に変更したユニット定義情報を有効にする
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