JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド

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7.3 メンテナンスモードの注意事項

メンテナンスモードを利用した縮退中は,JP1/AJS2の機能に制限がある場合があります。運用環境および実施時間帯を考慮して利用してください。各メンテナンスモード中に実行されている処理については,「14.1.1 メンテナンスモードの処理概要」を参照してください。

<この節の構成>
(1) 各メンテナンスモードとユーザー操作に関する制限
(2) メンテナンスモードと他ホスト,他システムとの連携機能に関する制限
(3) メンテナンスモード中のスケジューラー機能に関する制限

(1) 各メンテナンスモードとユーザー操作に関する制限

JP1/AJS2の機能と各メンテナンスモードとの関係を次の表に示します。

表中で「×(操作できない)」となっている操作はしないでください。操作の詳細については,「14.1.2 メンテナンスモード中の操作」も参照してください。コマンドの分類については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 コマンドリファレンス 1. コマンド コマンド一覧」を参照してください。

表7-1 メンテナンスモードとユーザー操作の可否

ユーザー操作 マネージャー機能縮退モード スケジューラー縮退モード
JP1/AJS2 - Viewからの接続および操作※1 × ×
セットアップ時に使用するコマンドの実行※2 ×※2 ×※2
環境のカスタマイズに使用するコマンドの実行 ×※3 ×※3
JP1/AJS2を制御するコマンドの実行 ×※4 ×※4
ジョブネットワーク要素を操作するコマンドの実行 ×※5 ×※5
ジョブの実行に使用するコマンドの実行 ×※6
JP1/AJS2 Console 業務の監視 ※7 ※7
JP1/AJS2 Console AJS2ユニット監視オブジェクトの操作 × ×

(凡例)
○:操作できる
×:操作できない

注※1
他ホストからのマネージャージョブネットによる参照も含みます。

注※2
jpqregguestuser,jpqreguserおよびjpqshmakeコマンドは使用できます。

注※3
ajsstatusおよびajsqlstatusコマンドは使用できます。

注※4
jajs_spmd_statusコマンド,およびajsqlで始まるコマンドは使用できます。

注※5
ajsgtroot,ajsbkudelおよびjpoagtjobshowコマンドは使用できます。
他ホストからのジョブネットワーク要素を操作するコマンドのリモート実行も操作できません。

注※6
他ホストからのジョブの実行に使用するコマンドのリモート実行も操作できません。

注※7
メンテナンスモード中は,AJS2ユニット監視オブジェクトの状態が状態不明になります。

(2) メンテナンスモードと他ホスト,他システムとの連携機能に関する制限

各メンテナンスモードと他ホストのJP1/AJS2や他システムとの連携機能に関する制限の関係を次の表に示します。他ホストや他システムは連携先のホストがメンテナンスモード中であることを認識できないため,ジョブは異常終了状態になります。メンテナンスできる時間帯を考慮した上で,メンテナンスを実施してください。

表7-2 メンテナンスモードと他ホスト,他システムとの連携機能の動作可否

他ホスト,他システムとの連携機能 マネージャー機能縮退モード スケジューラー縮退モード
他ホストのJP1/AJS2からのQUEUEジョブの実行※1 ×
他システム(JP1/NQSEXECやJP1/OJEなど)からのジョブの実行※1 ×
他ホストへ転送するリモートジョブネットの実行※2 × ×
他ホストから転送されるリモートジョブネットの実行※2 × ×

(凡例)
○:動作できる
×:動作できない

注※1
自ホストに対してQUEUEジョブをキューに実行登録する場合は,メンテンナンスモードが終了するまで実行登録が待たされ,メンテナンスモード終了後にキューに実行登録されます。ただし,他ホストのJP1/AJS2や他システム(JP1/NQSEXECやJP1/OJEなど)からジョブをキューに実行登録した場合はエラーになります。

注※2
定義元ホストでリモートジョブネットが起動してから終了するまでの間,メンテナンスモードにしないでください。

(3) メンテナンスモード中のスケジューラー機能に関する制限

各メンテナンスモードとスケジューラー機能に関する制限の関係を次の表に示します。

表7-3 メンテナンスモードとスケジューラー機能の動作

スケジューラー機能 マネージャー機能縮退モード スケジューラー縮退モード
ジョブネットの実行

(凡例)
△:メンテナンスモード解除後に続行

注※
メンテナンスモードが開始する前に実行されていたジョブネットは,メンテナンスモードが解除されると実行が継続されます。また,メンテナンスモードが開始する前にスケジュールが確定している実行予定は,メンテナンスモードが解除されたときに開始予定時刻に到達していた場合は,ジョブネットが実行されます。ただし,計画実行登録については,スケジュールとして確定していない実行予定(擬似予定)は,メンテナンスモードが解除される時期によってスケジュールされないことがありますので注意してください。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 解説 4.3.2(1) スケジュールシミュレーション」を参照してください。

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