JP1/Integrated Management - Central Information Master リファレンス
機能
JP1/IM - CMで障害が発生したときに資料を採取するためのツールです。JP1/IM - CM,JP1/Baseの保守資料,およびOSのシステム情報,統合トレースログなどを採取します。
このツールは,バッチファイルです。ユーザーによるカスタマイズはできません。
このツールを実行すると,資料を採取する対象ディレクトリまたはファイルを一次資料および二次資料に区分けし,指定した資料格納ディレクトリの直下に採取した資料が格納されます。
一次資料は,障害時の切り分けや,軽度の障害の調査を目的に採取する資料です。必要最低限のログおよび設定ファイルを採取します。二次資料は,一次資料ではわからなかった障害をさらに調査するための詳細資料です。Windowsイベントログ,クラッシュダンプ,およびJP1/BaseのイベントDBを採取します。
必要に応じて採取した資料を圧縮ツールなどで圧縮してください。
なお,このツールを使って採取できる資料の詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Central Information Master システム構築・運用ガイド 13.3 トラブル発生時に採取が必要な資料」を参照してください。
資料格納ディレクトリの直下に格納される資料のディレクトリ構成および資料内容を次に示します。
表2-2 物理ホストの一次資料の内部ディレクトリ構成
ディレクトリ名 格納される資料 資料格納ディレクトリ\jp1_default\cmaster_1st\ JP1/IM - CMのパッチ情報 資料格納ディレクトリ\jp1_default\cmaster_1st\conf\ JP1/IM - CMの設定および定義ファイル 資料格納ディレクトリ\jp1_default\cmaster_1st\default\ JP1/IM - CMの共通定義情報 資料格納ディレクトリ\jp1_default\cmaster_1st\log\ JP1/IM - CMのログファイル 資料格納ディレクトリ\jp1_default\cmaster_1st\dbms\ JP1/IM - CMの構成管理DB設定情報 資料格納ディレクトリ\jp1_default\cmaster_1st\base\ JP1/Baseのパッチ情報 資料格納ディレクトリ\jp1_default\cmaster_1st\base\conf\ JP1/Baseの設定および定義ファイル 資料格納ディレクトリ\jp1_default\cmaster_1st\base\default JP1/Baseの共通定義情報 資料格納ディレクトリ\jp1_default\cmaster_1st\base\log\ JP1/Baseのログファイル 資料格納ディレクトリ\jp1_default\cmaster_1st\oslog\ OSのシステム情報 資料格納ディレクトリ\jp1_default\cmaster_1st\spool\ 統合トレースログ このツールの実行結果は,資料格納フォルダ直下に作成されるjcm_log_result.logで確認できます。
表2-3 物理ホストの二次資料の内部ディレクトリ構成
ディレクトリ名 格納された資料 資料格納ディレクトリ\jp1_default\cmaster_2nd\database\ JP1/IM - CMの構成管理DB 資料格納ディレクトリ\jp1_default\cmaster_2nd\base\ JP1/BaseのイベントサービスDB 資料格納ディレクトリ\jp1_default\cmaster_2nd\oslog\
- ワトソン(Dr. Watson)ログ
- Windowsイベントログ
表2-4 論理ホストの一次資料の内部ディレクトリ構成
ディレクトリ名 格納された資料 資料格納ディレクトリ\論理ホスト名\cmaster_1st\conf\ JP1/IM - CMの設定および定義ファイル 資料格納ディレクトリ\論理ホスト名\cmaster_1st\default\ JP1/IM - CMの共通定義情報 資料格納ディレクトリ\論理ホスト名\cmaster_1st\log\ JP1/IM - CMのログファイル 資料格納ディレクトリ\論理ホスト名\cmaster_1st\dbms\ JP1/IM - CMの構成管理DB設定情報 資料格納ディレクトリ\論理ホスト名\cmaster_1st\base\conf\ JP1/Baseの設定および定義ファイル 資料格納ディレクトリ\論理ホスト名\cmaster_1st\base\log\ JP1/Baseのログファイル 資料格納ディレクトリ\論理ホスト名\cmaster_1st\oslog\ OSのシステム情報 表2-5 論理ホストの二次資料の内部ディレクトリ構成
ディレクトリ名 格納された資料 資料格納ディレクトリ\論理ホスト名\cmaster_2nd\database\ JP1/IM - CMの構成管理DB このツールの実行結果は,資料格納フォルダ直下に作成されるjcm_log_result.logで確認できます。
形式
jcm_log.bat [資料格納ディレクトリ]
[-h 論理ホスト名]
[-n]
[-t]
[-u]
[-p]
[-r]
[-s]
実行権限
なし
格納先ディレクトリ
CMasterパス\tools\
引数
資料格納ディレクトリ
採取した資料を出力するディレクトリ名を絶対パス形式,またはこのコマンドを実行した場所からの相対パス形式で指定します。パスに空白を含む場合は,「"」で囲んで指定します。
存在しないディレクトリを指定した場合は,その名称でディレクトリが新規作成されます。
すでにあるディレクトリを指定した場合は,ディレクトリを削除してから再度作成します。削除したくないファイルが格納されているディレクトリと同じディレクトリ名は指定しないでください。
このオプションを省略した場合,環境変数TEMPで指定されているディレクトリ下のjp1logディレクトリを仮定します。環境変数TEMPが定義されていない場合は,環境変数TMPを仮定します。環境変数TMPも定義されていない場合は,カレントディレクトリを仮定します。環境変数TEMP,TMPは,ご使用のOSおよびユーザーによって異なりますので,Windowsのコントロールパネルの[システム]から確認してください。
-h 論理ホスト名
クラスタシステムで運用している場合に,論理ホスト名を指定します。クラスタシステムを使用していない場合には,指定は不要です。このオプションを指定した場合,物理ホストと論理ホストの両方の資料を採取します。省略した場合,物理ホストの資料だけ採取します。
-n
JP1/Baseの保守資料を採取しない場合に指定します。
-t
hostsおよびservicesファイルを採取しない場合に指定します。
-u
クラッシュダンプを採取しない場合に指定します。
-p
JP1/BaseのイベントDBを取得しない場合に指定します。
-r
JP1/Baseのコマンド実行履歴ファイルを採取しない場合に指定します。
-s
JP1/IM - CMの構成管理DBを取得しない場合に指定します。
注意事項
このツールによって採取できる資料の総容量は膨大になるため,このツールを実行する前に必要容量を見積もり,マシンの空き容量を確認する必要があります。
戻り値
0 正常終了 8 異常終了
使用例1
c:\tempフォルダに論理ホストhost01の資料を採取する場合。
jcm_log.bat c:\temp -h host01出力結果は次のようになります。
資料の採取処理を開始します JP1/IM - Central Information Master の資料を c:\temp に採取します 論理ホスト(hostA)の資料を採取します 論理ホスト(hostA)の資料を採取しました JP1/IM - Central Information Master の資料を c:\temp に採取しました JP1/Base の資料を c:\temp に採取します 論理ホスト(hostA)の資料を採取します 論理ホスト(hostA)の資料を採取しました JP1/Base の資料を c:\temp に採取しました KAJT02028-I 資料の採取を正常に終了しました
使用例2
c:\tempフォルダに物理ホストの資料を採取するが,存在する論理ホストhostAを指定しなかった場合。
jcm_log.bat c:\temp出力結果は次のようになります。
資料の採取処理を開始します JP1/IM - Central Information Master の資料を c:\temp に採取します 物理ホストの資料を採取します 物理ホストの資料を採取しました JP1/IM - Central Information Master の資料を c:\temp に採取しました JP1/Base の資料を c:\temp に採取します 物理ホストの資料を採取します 物理ホストの資料を採取しました JP1/Base の資料を c:\temp に採取しました KAJT02028-I 資料の採取を正常に終了しました このマシンには,さらに以下の論理ホストが存在します hostA 論理ホストの情報を採取するには, jcm_log.bat -h [論理ホスト名] を実行してください
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