uCosminexus Portal Framework システム管理者ガイド
スマートナビゲーションの設定をすると,コンテンツにスマートナビゲーション用の内部データを埋め込みます。スマートナビゲーションは,この内部データを利用してコンテンツ内のデータを抽出し,連携先サイトに送信します。データの埋め込みでは,ポートレットごとに異なる形式のデータを同一形式に正規化することができます。同一形式に正規化することで,どのポートレットから抽出したデータも連携先サイトに同一形式でデータを送信することができます。
データの埋め込みでは以下の定義を行います。各範囲を指定する場合は,コンテンツ内のHTMLタグの不整合が発生しないように指定してください。
- データ埋め込み実施範囲
コンテンツに対しデータの埋め込み処理を実施する範囲です。コンテンツ内ではデータ埋め込み実施範囲を複数指定することができます。
- トリガーイベント検知範囲
データ埋め込み実施範囲の中でスマートナビゲーションメニューを表示するイベントを検知する範囲です。データ埋め込み実施範囲内で抽出したデータを1つのデータ単位として連携先サイトに送信します。スマートナビゲーションメニューを表示するイベントをトリガーイベントといいます。
- データ
トリガーイベント検知範囲で抽出し,正規化したデータです。トリガーイベント検知範囲を指定していない場合は,データを抽出した範囲をトリガーイベント検知範囲とします。
データ埋め込み実施範囲,トリガーイベント実施範囲およびデータの関連について次の図に示します。
図5-28 データの埋め込み
- <この項の構成>
- (1) データ埋め込み実施範囲
- (2) トリガーイベント検知範囲
- (3) データ
(1) データ埋め込み実施範囲
コンテンツに対しデータ埋め込み処理を実施する範囲です。コンテンツ内ではデータ埋め込み範囲を複数指定することができます。複数のデータ埋め込み実施範囲を指定する場合,各々のデータ埋め込み実施範囲は重複することはありません。実施範囲には次の指定方法があります。
(a) URLパターンから埋め込み範囲を指定する
ポートレットのURLに特定の文字列パターンが含まれる場合に,データ埋め込みを実施することができます。URLパターンを指定することができるポートレットは次のポートレットです。
- カスタムポートレット(日立APIポートレット)
- Fileポートレット
また,URLパターンは次の4つの指定方法があります。
- 完全一致
URLが完全に一致しているか評価します。URLを完全な形式で指定します。
- 前方一致
URLの先頭が一致するか評価します。URLの終了文字として”*”を指定します。
- 後方一致
URLの後尾が一致するか評価します。URLの開始文字として”*”を指定します。
- 部分一致
URLの一部が一致するか評価します。開始文字および終了文字に”*”を指定します。
(b) 開始位置と終了位置を指定する
データ埋め込み実施範囲の開始位置と終了位置をキーワードで指定します。該当する範囲が複数存在する場合は,該当する範囲すべてに対しデータ埋め込みを実施します。開始位置および終了位置の指定を省略した場合はコンテンツの先頭から後尾までをデータ埋め込み実施範囲とします。
(c) URLパターンと開始・終了位置を組み合わせて指定する
特定のURLパターンのコンテンツに対して開始位置・終了位置を指定して,データ埋め込み実施範囲を指定することができます。URLパターン単位に複数のデータ埋め込み実施範囲を指定することができます。
(2) トリガーイベント検知範囲
トリガーイベント検知範囲は,データ埋め込み実施範囲の中でスマートナビゲーションメニューを表示するイベントを検知する範囲のことです。トリガーイベント検知範囲内で抽出したデータを1つのデータ単位として,連携先サイトに送信します。トリガーイベント検知範囲を複数指定する場合,各々のトリガーイベント検知範囲が重複することはありません。トリガーイベント検知範囲には次の指定方法があります。
(a) 開始位置および終了位置を指定する
トリガーイベント検知範囲の開始位置と終了位置をキーワードで指定します。該当する範囲が複数存在する場合は,該当する範囲すべてに対しトリガーイベント検知範囲とします。開始位置および終了位置の指定を省略した場合は,データ埋め込み実施範囲の先頭から後尾までをデータ埋め込み実施範囲とします。
- 注意
- トリガーイベント検知範囲を設定する場合,次の点に注意してください。
- トリガーイベント検知範囲の設定位置
HTML4.01の仕様で下位に<span>要素を記述できない位置に,トリガーイベント検知範囲を設定しないでください。正しく,動作しない場合があります。
- トリガーイベントの検知処理
トリガーイベント検知範囲より上位に右クリックを検知する処理を記述した場合,右クリックを検知した処理とスマートナビゲーションメニューの表示処理が競合し,メニューが正しく表示されない場合があります。
(3) データ
トリガーイベント検知範囲でデータを抽出します。トリガーイベント検知範囲を指定していない場合は,データを抽出した範囲をトリガーイベント検知範囲とします。
抽出したデータにはデータ型を指定します。製品出荷時には次の表に示すデータ型が定義されています。データ型は連携先Webサイトに合わせて追加することができます。データ型の追加については,「5.6.4(1) 連携するデータの型定義」を参照してください。また,各データ型では抽出したデータを正規化することができます。正規化には,Javaで提供しているクラスを使用しますが,ユーザ編集クラスを使用し正規化することができます。ユーザ編集クラスの作成方法については「5.6.5 ユーザ編集クラスの作成方法」を参照してください。
表5-22 データ型
データ型 内容 正規化後の形 date1 日付の型1 YYYY-MM-DD date2 日付の型2 YYYYMMDD tel 電話番号の型 抽出ルールで抽出した文字列 time 時間の型 抽出ルールで抽出した文字列 string 文字列の型 抽出ルールで抽出した文字列 place 場所の型 抽出ルールで抽出した文字列 name 人名の型 抽出ルールで抽出した文字列 データの抽出には次の指定方法があります。
(a) 開始位置および終了位置を指定する
抽出するデータの開始位置と終了位置をキーワードで指定します。トリガーイベント検知範囲に該当するデータが複数存在する場合は,最後に該当するデータを抽出します。開始位置および終了位置の指定を省略した場合はトリガーイベント検知範囲の先頭から後尾までをデータとして抽出します。トリガーイベント検知範囲を指定していない場合はデータ埋め込み実施範囲の先頭から後尾までをデータとして抽出します。
(b) 正規表現を指定する
抽出するデータを正規表現で指定します。トリガーイベント検知範囲に該当するデータが複数存在する場合は,最後に該当するデータを抽出します。
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