uCosminexus Portal Framework システム管理者ガイド
ユーザ管理情報を格納するDBには,「3.2 ユーザ管理情報の検討」で決定した識別子を含む任意のテーブルを作成します。ユーザ情報用のテーブルには識別子以外に任意の列を追加することができます。
ユーザ情報のパーソナライズ情報については,uCosminexus Portal Frameworkで定められたテーブルを作成して必要な情報を格納します。ただし,ユーザ情報用のテーブルにパーソナライズ情報用の列を追加し格納することもできます。
ここでは,DBを構築する際にパーソナライズ情報の容量を見積もるための,計算方法について説明します。パーソナライズ情報以外の情報については,作成するテーブルのレコード長から容量を算出してください。
- <この項の構成>
- (1) 容量計算をするための前提知識
- (2) パーソナライズ情報の容量計算
(1) 容量計算をするための前提知識
容量計算をするときは,次の点に注意してください。
- 見積もり容量はDB初期構築時および50件のデータ登録時容量から算出しています。計算方法の詳細は,HiRDBの場合は,マニュアル「スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド(Windows(R)用)」またはマニュアル「HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド(Windows(R)用)」,Oracleの場合は,Oracleのマニュアル,SQL Serverの場合は,SQL Serverのマニュアルを参照してください。
- HiRDBの場合,RDエリアはセグメント単位で確保されます。このため,容量計算で1セグメントに満たない場合でも,1セグメント分は確保してください。
(2) パーソナライズ情報の容量計算
パーソナライズ情報の容量計算について説明します。容量計算に必要となるパーソナライズ情報のテーブル定義は,「3.6.3(2) パーソナライズ情報の設定」を参照してください。
(a) テーブル容量
パーソナライズ情報用テーブルの容量を算出するために必要なデータを次の表に示します。
表3-8 パーソナライズ情報用テーブル容量
項番 テーブル名称 容量(データ件数) 1 HPTLUSER システムに登録するユーザの最大数 (b) インデクス容量
ユーザ情報のインデクス容量の計算に必要なデータを次の表に示します。
表3-9 パーソナライズ情報用インデクス容量計算に必要なデータ
項番 テーブル名称 インデクス名称 キー重複件数 ユニークインデクス 1 HPTLUSER (USERNAME)※1 システムに登録するユーザ最大数 ○ 注※1 主キーに対するインデクスです。
(c) LOB容量
パーソナライズ情報のLOB容量の計算について説明します。LOB列に格納するデータの1件当たりの容量の目安を次の表に示します。
表3-10 共通情報用LOB容量計算
項番 テーブル名称 LOB列 容量の目安(バイト/件) 1 HPTLUSER HPTLPERSONALIZEINFO 「(d)1利用者当たりのパーソナライズ情報領域の算出」を参照 (d) 1利用者当たりのパーソナライズ情報領域の算出
パーソナライズ情報領域の算出方法について説明します。
●パーソナライズ情報領域の算出式
表3-11の項番1〜11から必要とする機能を選択して,1利用者当たりのパーソナライズ情報の平均サイズを算出します。
算出式を次に示します。
- 1利用者当たりのパーソナライズ情報の平均サイズを求める式
1利用者当たりのパーソナライズ情報の平均サイズ※1= {Σ(必要な領域×発生個数)+50}×パーソナライズ情報利用率※2×安全係数※3- 注 Σは,表3-11の項番1〜11で必要な機能の総和です。
- 注※1 DB格納時にはzip形式で圧縮されたサイズになります。
- 注※2 パーソナライズ情報の利用率は,パーソナライズ情報を利用する確率です(例:ポータルを1,000人利用し150人パーソナライズする場合,0.15を指定します)。
- 注※3 1利用者当たりのパーソナライズ情報の平均サイズには,安全係数(例:算出値の1.2倍)を掛けておくことを推奨します。
パーソナライズ情報領域の算出に必要な,機能ごとの領域の算出表を次に示します。平均的な利用方法を考慮して,各機能の領域を算出してください。
表3-11 機能ごとの領域の算出表
項番 機能分類 機能名称 必要な領域(バイト) 1 パーソナライズ レイアウトカスタマイズ機能※1 画面に表示するポートレット数×1,100(最大値) 2 ポートレット
(Webポートレット)− クッキーの平均登録個数×クッキーの平均サイズ※2 3 プロキシまたはベーシック認証 最大ユーザ名称長+最大パスワード長+100 4 フォーム認証※3 URL長※4×5+平均フィールドサイズ×登録フィールド数+200 5 ポートレット
(分散ポートレット)− 最大ユーザ名称長+最大パスワード長+100 6 ポートレット
(アクセサリポートレット)ナビゲーションメニューポートレット 210,000+3,600×ユーザが利用できるレイアウト数(Collaboration - Online Community Management連携時はワークプレース数) 7 Information Viewポートレット 640,000 8 メールポートレット 最大ユーザ名称長+最大パスワード長+50 9 iframeポートレット URL長※4+50 10 リンクポートレット (URL長※4,※5+リンクの説明文※5+10)×最大リンク数+リンクポートレットの最大タイトル長※5 11 開発した日立APIポートレット パーソナライズ情報を使用した場合※6 注※1 レイアウトをカスタマイズした画面を利用する場合です。
注※2 期限が有効なものを対象とします。クッキーの登録個数の最大は20,クッキーの最大サイズは4,000です。
注※3 フォーム認証については,Multi Web Portletの場合は「7.8.2 登録(Webポートレット)」を,Multi Web Portlet以外の場合は「10.2.4 フォーム認証定義ファイル(formbase-auth.cfg)」を参照してください。
注※4 URL長は,URLに指定する最大サイズを指定してください(例:400バイトなど)。
注※5 最大値は60文字(120バイト)に設定されています。標準提供のものを利用する場合は,120として数えてください。
注※6 「setCustomizeInfoメソッド」を使用しパーソナライズ情報の書き込みをした場合です。日立APIポートレット開発者に,パーソナライズ情報を利用できるかどうかおよび必要な領域サイズを確認してください。「setCustomizeInfoメソッド」については,マニュアル「uCosminexus Portal Framework ポートレット開発ガイド」を参照してください。
●パーソナライズ情報領域の算出例
パーソナライズ情報の1利用者当たりの平均サイズ算出例を示します。次の機能を利用する場合の算出例について説明します。
表3-12 パーソナライズ情報領域の算出例
項番 機能分類 機能名称 算出例 1 パーソナライズ レイアウトカスタマイズ機能※
- 画面に表示する,平均的なポートレット数:20個(最大50個)
- 画面に表示できる最大数:1,100
1,100×20=22,000バイト
2 ポートレット
(アクセサリポートレット)リンクポートレット リンクポートレットは1利用者につき,2個利用するものとします。
- 平均URL長:100バイト(最大120バイト)
- 平均的なリンクの説明文:100バイト(最大120バイト)
- 平均的なリンクポートレットの最大タイトル長:
50バイト(最大120バイト)
- 平均的な最大リンク数:10個
((100+100+10)×10+50)×2=4,300バイト
注※ レイアウトをカスタマイズした画面を利用する場合です。
- パーソナライズ情報利用率
0.15(1,000人中150人が利用する場合)
- 安全係数
1.2
- パーソナライズ情報の1利用者当たりの平均サイズ
{(22,000バイト+4,300バイト+50バイト)×0.15}×1.2 =4,743バイト(e) DBに格納される全パーソナライズ情報の容量計算
パーソナライズ情報を格納するテーブル,RDエリア,およびHiRDBファイルシステム領域の容量計算について説明します。
●テーブルの行数
パーソナライズ情報用テーブルの容量を算出する計算式を次の表に示します。
表3-13 パーソナライズ情報用テーブルの容量
項番 テーブル(LOB列)名称 行数 1 HPTLUSER システムを利用するユーザの最大数 2 LOB列(HPTLPERSONALIZEINFO) システムを利用するユーザの最大数
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