Groupmax Document Manager Version 6 システム管理者ガイド
ここでは,一括登録ユティリティを使用してDocument Managerデータベースに一般文書を登録する方法について説明します。
- <この項の構成>
- (1) 一括登録ユティリティの機能
- (2) 一括登録ユティリティによる文書の一括登録の操作手順
- (3) 文書格納ディレクトリの作成
- (4) 登録用属性ファイルの作成
- (5) 定義ファイルの作成
- (6) 一括登録ユティリティの実行
- (7) 関連ファイルの一括登録
(1) 一括登録ユティリティの機能
一括登録ユティリティでは,様々なアプリケーションプログラムで作成したファイルを,一般文書としてまとめてDocument Managerデータベースに登録します。
このユティリティで登録できる内容を次に示します。
- 文書の登録
ユーザが管理する既存の複数のファイルを,一般文書としてDocument Managerデータベースに登録します。
- 分類索引への登録
登録した文書を分類索引に登録したい場合,分類索引又は分類を指定できます。
- 関連ファイルの登録
文書関連ファイルも同時にDocument Managerデータベースに登録できます。
- テキストファイルのテキストデータベースへの登録
文書から抽出したテキストファイルをテキストデータベースに登録できます。
(2) 一括登録ユティリティによる文書の一括登録の操作手順
一括登録ユティリティを使用した文書の一括登録の操作手順を次に示します。
- 文書格納ディレクトリを作成する
- 登録用属性ファイルを作成する
- 定義ファイルを作成する
- 一括登録ユティリティを実行する
一括登録ユティリティについては,「8.19 一般文書を一括登録する」を参照してください。
(3) 文書格納ディレクトリの作成
一括登録ユティリティで一般文書として登録するファイルは,文書格納ディレクトリに格納します。文書格納ディレクトリには,一般文書として登録するファイルのほか,文書の属性を指定した登録用属性ファイル,及び関連ファイルとして登録するファイルを格納します。
文書格納ディレクトリは,Document Managerから参照できる,任意のディレクトリとして作成してください。
また,関連ファイルは,AP情報管理ファイルに記述された内容に従って登録されます。AP情報管理ファイルに%ALLが指定されている場合,文書格納ディレクトリ内のすべてのファイルが関連ファイルとして登録されます。したがって,この場合には登録する文書ごとに文書格納ディレクトリを分けて作成するようにしてください。AP情報管理ファイルについては,「5.7.4 アプリケーションプログラムと連携するための環境設定」を参照してください。
図7-1に文書格納ディレクトリの例を示します。
図7-1 文書格納ディレクトリの作成例
アプリケーションプログラムで作成したファイルを一般文書としてDocument Managerデータベースに登録する場合,Document Managerの属性を設定する必要があります。
一括登録ユティリティで文書に設定する属性は,登録用属性ファイルに記述します。
登録用属性ファイルを作成する方法には,次の二通りがあります。
- 記述形式に従って,新規に登録用属性ファイルを作成する方法
- 既にDocument Managerに登録されている文書の属性ファイルから参照用属性ファイルを取得して,このファイルを編集して登録用属性ファイルとして使用する方法
(a) 登録用属性ファイルの記述形式
登録用属性ファイルは,属性ファイルの記述形式に従って記述します。属性ファイルの形式については,「付録B 属性ファイル」を参照してください。
ただし,一括登録ユティリティで使用する登録用属性ファイルでは,表7-5に示す属性だけが定義できます。
表7-5 登録用属性ファイルに定義する項目
属性名 必要可否 説明 文書名 ○ 必ず指定してください。 文書データベースID ○ 必ず指定してください。 文書データベース名 △ 指定すると,文書データベースIDと照合されます。文書データベースIDと文書データベース名が一致しない場合は,エラーになります。 所有者名 △ 指定すると,文書の登録後に変更されます。 作成者名 △ 指定すると,文書の登録後に変更されます。 コメント △ 指定すると,文書の登録後に変更されます。 分類索引名 △ 指定すると,文書と分類索引をリンクします。 フォルダ名 △ 指定したフォルダに文書が登録されます。指定しない場合,文書はデフォルトフォルダに登録されます。フォルダIDの指定を省略すると,同じフォルダ名が複数ある場合には,フォルダIDが最も小さいフォルダに登録されます。 ユーザ定義属性 △ 指定すると,ユーザ定義属性の属性値が設定されます。 (凡例)
○:必ず指定する △:必要に応じて指定する
表7-5に示した以外の属性を定義しても,文書の属性は変更されません。また,存在しない属性や誤った属性を指定すると,エラーになります。したがって,必要のない項目は指定しないでください。
(b) 新規に登録用属性ファイルを作成する方法
「付録B 属性ファイル」の形式に従って,登録用属性ファイルを作成する方法です。このファイルには「(a)登録用属性ファイルの記述形式」で説明した項目だけを定義します。
図7-2に登録用属性ファイルの記述例を次に示します。
図7-2 登録用属性ファイルの記述例
注※1 文書データベース名を指定すると,文書データベースIDと照合されます。文書データベースIDと文書データベース名の内容が一致しない場合は,エラーになります。
注※2 指定すると,文書の登録後に指定した内容に変更されます。
注※3 分類索引名及び分類名を指定すると,文書とリンクさせます。
注※4 フォルダ名を指定すると,文書を指定したフォルダに登録します。指定しない場合,文書はデフォルトのフォルダに登録します。また,指定した内容に誤りがある場合,文書はデフォルトのフォルダに登録します。
注※5 ユーザ定義属性を指定する場合は,次の点に注意してください。
- 指定するユーザ定義属性は,登録先の一般文書データベースに追加されている必要があります。また,指定する属性名及び属性型の両方が,登録先の一般文書データベースに追加した属性と一致していなければなりません。
- 属性識別子には,参照用属性ファイルに出力される30000以降の値を指定してください。
- オブジェクトリスト型の属性値を指定する場合,Document Managerの環境に存在するオブジェクトIDを指定しなければなりません。
- ユーザ定義属性は,複数個,指定できます。ただし,同じ属性名を重複して指定することはできません。
登録用属性ファイルの形式及び内容については,「付録B 属性ファイル」を参照してください。
(c) 既存の文書の参照用属性ファイルを複写して作成する方法
既にDocument Managerデータベースに登録されている文書の参照用属性ファイルを複写して,登録用属性ファイルを作成する方法です。
参照用属性ファイルから登録用属性ファイルを作成する記述例を次に示します。
図7-3 参照用属性ファイルから登録用属性ファイルを作成する記述例
次に,それぞれの項目ごとに参照用属性ファイルの編集方法を示します。
- 文書名を,登録する文書の名称に変更します。
- 文書を登録する文書データベースIDに変更します。
- 必要があれば修正します。修正すると,2で指定した文書データベースIDと照合されます。文書データベースIDと文書データベース名の内容が一致しない場合は,エラーになります。文書データベース名を照合する必要がない場合は,削除してください。
- 必要があれば修正します。修正すると,変更した内容で一括登録されます。削除すると,Document Manager管理者のユーザID及びユーザ名になります。
- 必要があれば修正します。修正すると,変更した内容で一括登録されます。一括登録する必要がない場合は削除してください。
- 文書を分類索引にリンクする場合は,分類索引名及び分類名を追加してください。
注※1 修正しても属性は変更されません。また,存在しない属性や誤った属性を指定すると,エラーになります。したがって,必要のない属性を指定したり修正したりしないでください。
注※2 ユーザ定義属性を指定する場合は,次の点に注意してください。
- 指定するユーザ定義属性は,登録先の一般文書データベースに追加されている必要があります。また,指定する属性名及び属性型の両方を,登録先の一般文書データベースに追加した属性と一致させてください。
- 属性識別子には,参照用属性ファイルに出力される30000以降の値を指定してください。
- オブジェクトリスト型の属性値を指定する場合,Document Managerの環境に存在するオブジェクトIDを必ず指定してください。
- ユーザ定義属性は,複数個,指定できます。ただし,同じ属性名を重複して指定することはできません。
(d) 登録用属性ファイルの記述規則と注意事項
- 表7-5で挙げた項目以外の属性を指定しても,属性は変更されません。存在しない属性や誤った属性を指定すると,エラーになります。したがって,必要のない項目は指定しないでください。
- 同じ属性が指定された場合,エラーになります。
- 行の先頭に#(0x23)を記述すると,その行は行端までコメントになります。ただし,属性型の情報と属性値の情報との間にはコメントは記述できません。記述した場合は,属性値とみなされます。
- 分類索引,分類又はフォルダの名称に半角コンマが含まれている場合,正しく文書を登録することができません。 発生する障害及び対処方法については,「付録L 分類索引・分類・フォルダ名称に半角コンマを使用した場合に発生する障害」を参照してください。
(e) 登録用属性ファイルの記述例
ここでは,登録用属性ファイルの記述例を示します。
- (例1)
- 文書1をフォルダ「平成12年上期」,一般文書データベース「顧客情報」下に登録する場合の登録用属性ファイルの例
- 図7-4 登録用属性ファイルの記述例
- 登録する文書の文書名に関する属性
- 登録する文書の文書名に関する属性値
- 文書を登録する文書データベースIDに関する属性
- 文書を登録する文書データベースIDに関する属性値
- 文書を登録する文書データベース名に関する属性
- 文書を登録する文書データベース名に関する属性値
- 文書を登録するフォルダに関する属性
- 文書を登録するフォルダに関する属性値
注※ 文書データベースIDは,Groupmax Integrated Desktop又はDocument Manager Clientから参照してください。
この例は,文書1に対する登録用属性ファイルの記述例です。この例では,文書1をフォルダ「平成12年上期」,一般文書データベース「顧客情報」に所属させることを示しています。なお,一括登録する文書すべてに対して,それぞれ登録用属性ファイルが必要です。
- (例2)
- 文書1を分類索引に登録する場合の登録用属性ファイルの例
ここでは,文書を一括登録する際に,分類索引に登録する方法について説明します。
文書を一括登録する際に,登録用属性ファイルに,文書をリンクする分類索引名及び分類名を記述します。
登録用属性ファイルの記述例を示します。
図7-5 文書を分類索引に登録する場合の登録用属性ファイルの例
- 文書を登録する分類索引に関する属性
- 文書を登録する分類索引に関する属性値
この例では,文書1を組織分類索引の分類「営業第1課」,及び電気製品分類索引の分類「ステレオ」にリンクすることを示します。
分類索引名及び分類名を記述するときの注意事項を次に示します。
- 一つの分類索引に同じ名称の分類が複数ある場合は,分類IDを指定してください。分類索引に同じ分類名が複数ある場合,分類IDを省略すると,すべての同じ分類名の分類に文書をリンクします。なお,分類IDは,分類属性ウィンドウで参照できます。
- 1文書の登録で指定できる分類の数は,4095以内です。
登録用属性ファイルを作成した後,定義ファイルを作成します。定義ファイルには,一括登録する文書の名称と登録用属性ファイルのファイルの名称を記述します。定義ファイルは,Document Managerサーバから参照できる場所に作成してください。
(a) 定義ファイルの記述形式
定義ファイルの記述形式を次に示します。
{regist doc_file_name=文書実体ファイル名 arg_file_name=登録用属性ファイル名}…
- registパラメタ
- registパラメタは,一括登録する文書の数だけ,繰り返して指定します。繰り返す数に制限はありません。
- doc_file_name句
- 文書格納ディレクトリ中の文書実体ファイル名を指定します。なお,文書実体ファイル名には,次の名称及び文字は指定できません。
- 「IS_」及び「_」(アンダースコア)で始まる名称
- 英大文字
- =(0x3D)
- arg_file_name句
- 文書格納ディレクトリ中の登録用属性ファイル名を指定します。なお,登録用属性ファイル名には,オペレーティングシステムで使用できる文字を使用してください。
(b) 定義ファイルの記述規則と注意事項
- 1行に複数の句は記述できません。
- 一つの句を改行して記述できません。
- 行の先頭に半角の#を記述すると,その行はコメントとして扱われます。
- 登録対象の文書データベースのAP情報で%ALL指定が記述されている場合,doc_file_name句で指定したファイルが存在するディレクトリ内の全ファイルが文書に登録されます。したがって,このような場合は,文書対応にディレクトリを分けてください。
(c) 定義ファイルの記述例
定義ファイルの記述例を示します。
図7-6 定義ファイルの記述例
この例の1では,登録用属性ファイル「文書1.arg」に記述した文書データベースに,文書「文書1.doc」の文書を作成して,Document Managerデータベースに登録することを示しています。
同様に,2では文書「文書2.doc」,3では「文書3.doc」に関して記述しています。
(6) 一括登録ユティリティの実行
登録用属性ファイルと定義ファイルを作成したら,一括登録ユティリティを実行します。一括登録ユティリティを実行すると,文書格納ディレクトリに格納されているファイルのうち,定義ファイルに定義されているファイルについて,一般文書としてDocument Managerデータベースに一括登録されます。
一括登録ユティリティの入力例を,次に示します。
ISregist -d c:\doc …1 -f c:\usr\regist.txt …2
- 文書格納ディレクトリの指定
- 定義ファイル名の指定
関連ファイルを文書とともに一括登録する場合には,次の点に注意してください。
- 一括登録する関連ファイルは,文書と同じディレクトリに格納してください。
- 文書を登録する一般文書データベースのAP識別子に対応するAP情報管理ファイルに,関連ファイル名を記述してください。
AP情報管理ファイルについては,「5.7.4 アプリケーションプログラムと連携するための環境設定」を参照してください。
- テキストファイルを登録する場合は,文書を登録する一般文書データベースにTS情報IDを設定しておいてください。なお,TS情報IDはTS管理ファイルで定義しておく必要があります。また,登録するサーバの環境設定ユティリティの「全文検索機能の使用」で,使用する全文検索サーバについて設定しておいてください。
- 上記1及び2の条件を満たさない場合,関連ファイルは登録されません。また,1,2及び3の条件を満たさない場合,テキストファイルは登録されません。どちらの場合も文書も登録されません。
- テキストデータベースにテキストファイルを登録する場合,Document Manager管理者として登録されているユーザが作成したすべてのTS未登録の文書が登録されるので注意してください。
- 文書を登録する一般文書データベースのAP識別子に対応するAP情報管理ファイルに,文書従属ファイルの指定があっても,一括登録時には更新日時は検査されません。
- 全文検索サーバに登録する文書と登録しない文書を,同じ一般文書データベースに対して同時に一括登録する場合,文書従属ファイルとしてテキストファイルが指定されているAP識別子は指定しないでください。
文書従属ファイルにテキストファイルの指定がない場合,テキストファイルの存在は検査されないで,文書だけが登録されます。
- 関連ファイル名に英大文字は使用しないでください。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2000, 2002, Hitachi, Ltd.