3.11.2 レポートの作成
レポートの対象ホストおよび期間を指定し,パス稼働率レポートまたはパスステータスログを作成します。レポートはCSV形式のファイルで任意の出力先に出力されます。
CSVファイルのフォーマット
出力されるパス稼働率レポート,およびパスステータスログのCSVファイルのフォーマットを次の各表に示します。CSVファイルは,英語で出力されます。
表3-32 パス稼働率レポートのCSVファイルのフォーマット
出力項目 | 説明 |
---|
[Report Type] | - | 「Path Availability」が出力されます。 |
[Report Window] | Start Date | 指定したレポート期間の開始日です。 |
End Date | 指定したレポート期間の終了日です。 |
[Path Availability]※1 | Host Name | パスが属するホストの名称です。 |
Path Name | パス名です。 パス名を構成する項目は,ホストのOSによって異なります。
- AIX:<HBAアダプター番号>.<バス番号>.<ターゲットID>.<ホストLU番号>
- HP-UX,Linux,Solaris,Windows,VMware:<ホストポート番号>.<バス番号>.<ターゲットID>.<ホストLU番号>
指定したレポート期間内に,ホストのパス稼働情報の取得※2が無効になっていた期間,または取得したパス稼働情報にエラーが発生していた期間が含まれていた場合,パス名の最後に「*」が出力されます。 ホストのOSがVMwareの場合,次に示す状態のときにはパス名の最後に「*」が出力されることがあります。
- リモート管理クライアントが停止中に,ホスト上で大量のログが出力され最大ログサイズ超過によって,ログが上書きされた
- ホストを再起動した
(例)08.1V.00000000000707EF.0002* |
Subsystem Name | パスが接続するストレージシステムの名称です。 ストレージシステム名は,次の3つの項目をピリオドで区切って構成されています。
- ベンダーID:ストレージシステムのベンダー名
ストレージ情報が認識できない場合,「UNKNOWN」が表示されます。
- モデルID:ストレージシステムの機種名
ストレージ情報が認識できない場合,「UNKNOWN」が表示されます。
- シリアル番号:ストレージシステムのシリアル番号
ストレージ情報が認識できない場合,「-」(ハイフン)が表示されます。
|
Physical Storage system Name | 仮想IDを使用して移行したパスの場合,移行先のパスが接続しているストレージシステム名が表示されます。 |
LDEV ID | パスが接続するストレージシステムのLDEV番号です。 |
Physical LDEV ID | 仮想IDを使用して移行したパスの場合,移行先のLDEV番号が表示されます。 |
LDEVラベル | LDEVに付けたラベル情報です。 |
Path Uptime | 指定したレポート期間内にパスが稼働していた時間です。 パスステータスログの「Status」が「Up」(Online状態)になっている時間の合計です。 単位:秒 |
Path Downtime | 指定したレポート期間内にパスが閉塞していた,または認識されていなかった時間です。 次に示す時間の合計です。
- パスステータスログの「Status」が「Down」(Offline(C),Offline(E),またはOnline(E)状態)になっている時間
- Unrecognized Time
単位:秒 |
Unrecognized Time | Path Downtimeのうちのパスが認識されていなかった時間です。指定したレポート期間内の次に示す時間の合計です。
- 1度認識されたパスがそのあと削除されたために認識されていなかった時間
- HDLMマネージャーが停止していた時間
- HDLMマネージャーの再起動後に既存のパスが再認識されるまでの時間
単位:秒 |
Evaluation Period | 指定したレポート期間内のパス稼働率を算出するための対象期間です(Path Uptime + Path Downtime)。 次に示す期間は含みません。
- パスが初めて認識されるまでの期間
- ホストのパス稼働情報の取得※2が無効になっていた期間
- 取得したパス稼働情報にエラーが発生していた期間
単位:秒 |
Path Availability | 指定したレポート期間内のパス稼働率です(Path Uptime / Evaluation Period × 100)。小数点第3位が四捨五入されて小数点第2位までが出力されます。 単位:% |
# of Path Errors | 指定したレポート期間内にパスのエラーが発生した回数です。 単位:回 |
# of Shutdowns | 指定したレポート期間内にHDLMマネージャーが停止した回数です。 単位:回 |
[Information] | - | 指定したレポート期間のパス稼働情報が存在しない場合に出力されます。 |
[END] | - | CSV出力が正常に終了した場合に出力されます。 |
[Error] | - | CSV出力が異常終了した場合にエラーメッセージとともに出力されます。 |
- (凡例)
- -:該当なし
- 注
- CSVファイル出力中にエラーが発生した場合,情報の出力が中止されてファイルがフォーマットどおりに出力されないことがあります。
- 注※1
- [Path Availability]範囲内の各行は,「Host Name」,「Path Name」の順でソートされて出力されます。
- 注※2
- デフォルトでは,ホストのパス稼働情報(パスステータスログ)の取得は無効になっています。取得の有効,無効は,Global Link Managerサーバのserver.propertiesファイルのserver.pathreport.enableプロパティで指定します。server.pathreport.enableプロパティについては,マニュアル「Hitachi Command Suite Global Link Manager Software 導入・設定ガイド」を参照してください。
表3-33 パスステータスログのCSVファイルのフォーマット
出力項目 | 説明 |
---|
[Report Type] | - | 「Path Status Log」が出力されます。 |
[Report Window] | Start Date | 指定したレポート期間の開始日です。 |
End Date | 指定したレポート期間の終了日です。 |
[Path Status Logs]※1 | Time | イベントの発生日時が対象ホストのローカル時間で出力されます。 |
Host Name | パスが属するホストの名称です。 |
Path Name | パス名です。※2 パス名を構成する項目は,ホストのOSによって異なります。
- AIX:<HBAアダプター番号>.<バス番号>.<ターゲットID>.<ホストLU番号>
- HP-UX,Linux,Solaris,Windows,VMware:<ホストポート番号>.<バス番号>.<ターゲットID>.<ホストLU番号>
|
Subsystem Name | パスが接続するストレージシステムの名称です。※2 ストレージシステム名は,次の3つの項目をピリオドで区切って構成されています。
- ベンダーID:ストレージシステムのベンダー名
ストレージ情報が認識できない場合,「UNKNOWN」が表示されます。
- モデルID:ストレージシステムの機種名
ストレージ情報が認識できない場合,「UNKNOWN」が表示されます。
- シリアル番号:ストレージシステムのシリアル番号
ストレージ情報が認識できない場合,「-」(ハイフン)が表示されます。
|
Physical Storage system Name | 仮想IDを使用して移行したパスの場合,移行先のパスが接続しているストレージシステム名が表示されます。 |
LDEV ID | パスが接続するストレージシステムのLDEV番号です。※2 |
Physical LDEV ID | 仮想IDを使用して移行したパスの場合,移行先のLDEV番号が表示されます。 |
LDEVラベル | LDEVに付けたラベル情報です。 |
Event | パスの状態遷移,HDLMマネージャーの起動または停止,およびホストのパス稼働情報取得の有効または無効の設定に関するイベントです。※2 出力されるイベント名については,表3-34「パスステータスログに出力されるイベント一覧」を参照してください。 |
Status | イベント発生後のパス状態です。次のどちらかが出力されます。※2
- 「Up」:Online状態
- 「Down」:Offline(C),Offline(E),またはOnline(E)状態
|
# of Paths | イベント発生後のLDEVに接続しているパスの本数です。※2 |
Log ID | イベントの発生順に付けられるログIDです。ホストから取得したパス稼働情報にエラーが発生している場合には,「-」が出力されます。 |
Note | ホストから取得したパス稼働情報にエラーが発生している場合に,エラーメッセージが出力されます。 |
[Information] | - | 指定したレポート期間のパス稼働情報が存在しない場合に出力されます。 |
[END] | - | CSV出力が正常に終了した場合に出力されます。 |
[Error] | - | CSV出力が異常終了した場合にエラーメッセージとともに出力されます。 |
- (凡例)
- -:該当なし
- 注
- CSVファイル出力中にエラーが発生した場合,情報の出力が中止されてファイルがフォーマットどおりに出力されないことがあります。
- 注※1
- [Path Status Logs]範囲内の各行は,「Host Name」,「Time」の順でソートされて出力されます。
- 注※2
- ホスト単位のイベント(「HDLM Shutdown」,「HDLM Up」,「Path Status Logging Enabled」,「Path Status Logging Disabled」)の場合,またはホストから取得したパス稼働情報にエラーが発生している場合には,「-」が出力されます。
表3-34 パスステータスログに出力されるイベント一覧
イベント名 | 説明 |
---|
Path Detected | パスを認識しました。次のどちらかの場合に発生します。
- HDLMマネージャーが新規のパスを認識したとき
- HDLMマネージャーが再起動後に既存のパスを再認識したとき
|
Path Up | パスのエラーが回復しました(Offline(C),Offline(E),またはOnline(E)状態のパスがOnline状態になりました)。 |
Path Down | パスにエラーが発生しました(Online状態のパスがOffline(C),Offline(E),またはOnline(E)状態になりました)。 |
HDLM Shutdown | ホストのHDLMマネージャーが停止しました。 ホストのOSがVMwareの場合,リモート管理クライアントのHDLMマネージャーが停止しました。 |
HDLM Up | ホストのHDLMマネージャーが起動しました。 ホストのOSがVMwareの場合,リモート管理クライアントのHDLMマネージャーが起動しました。 |
Path Status Logging Enabled | ホストのパス稼働情報の取得※を開始しました。 |
Path Status Logging Disabled | ホストのパス稼働情報の取得※を停止しました。 |
HDLM Watching Failed | ホストのOSがVMwareの場合,リモート管理クライアントとホスト間での障害監視ポーリングで,パス稼働情報(パスステータスログ)の取得中に障害が発生しました。 |
HDLM Watching Succeeded | ホストのOSがVMwareの場合,ホストのイベントを取得しました。 |
VMware Host Start | ホストのOSがVMwareの場合,ホストが起動しました。 |
- 注※
- デフォルトでは,ホストのパス稼働情報(パスステータスログ)の取得は無効になっています。取得の有効,無効は,Global Link Managerサーバのserver.propertiesファイルのserver.pathreport.enableプロパティで指定します。server.pathreport.enableプロパティについては,マニュアル「Hitachi Command Suite Global Link Manager Software 導入・設定ガイド」を参照してください。
出力したCSVファイルをユーザーの業務に応じて加工する場合は,次に示すEBNF記法を用いた出力定義を参考にしてください。
ReportFile ::= HeaderSection DataSection EndSection
HeaderSection ::= ReportTypeSection ReportWindowSection
ReportTypeSection ::= "[Report Type]" EOL "Path Availability" | "Path Status Log" EOL
ReportWindowSection ::= "[Report Window]" EOL ReportWindowStartDate ReportWindowEndDate
ReportWindowStartDate ::= "Start Date" (YYYY-MM-DD) EOL
ReportWindowEndDate ::= "End Date" (YYYY-MM-DD) EOL
DataSection ::= PathAvailabilitySection | PathStatusLogSection
PathAvailabilitySection ::= "[Path Availability]" EOL PathAvailabilityHeaders PathAvailabilityValue* EOL
PathAvailabilityHeaders ::= "Host Name" "Path Name" "Subsystem Name" "LDEV" "LDEV Label" "Path Uptime" "Path Downtime" "Unrecognized Time" "Evaluation Period" "Path Availability" "# of Path Errors" "# of Shutdowns" EOL
PathAvailabilityValue ::= Host Name,Path Name,Subsystem Name,LDEV,Path Uptime,Path Downtime,Unrecognized Time,Evaluation Period,Path Availability,# of Path Errors,# of Shutdowns EOL
PathStatusLogSection ::= "[Path Status Logs]" EOL PathStatusLogHeaders PathStatusLogValue* EOL
PathStatusLogHeaders ::= "Time" "Host Name" "Path Name" "Subsystem Name" "LDEV" "LDEV Label" "Event" "Status" "# of Paths" "Log ID" "Note" EOL
PathStatusLogValue ::= Time,Host Name,Path Name,Subsystem Name,LDEV,Event,Status,# of Paths,Log ID,Note EOL
EndSection ::= "[END]" EOL
EOL ::= "¥n"
CSVファイルの出力中にエラーが発生した場合は,出力が中止されて次に示すエラーセクション(ErrorSection)が追加されます。
ErrorSection ::= EOL EOL ErrorSection_SecHeader ErrorSection_Body EOL
ErrorSection_SecHeader ::= "[Error]" EOL
ErrorSection_Body ::= (message body) " [" (message ID) "]" EOL
パス稼働情報が存在しない場合は,次のとおりに出力されます。ヘッダセクション(HeaderSection),データセクション(DataSection),およびエンドセクション(EndSection)は,上記と同様です。
ReportFile ::= HeaderSection DataSection InformationSection EndSection
InformationSection ::= EOL EOL InformationSection_SecHeader InformationSection_Body EOL
InformationSection_SecHeader ::= "[Information]" EOL
InformationSection_Body :: = (message body) "[" (message ID) "]" EOL |
レポートの作成手順
作成するレポートの期間の終了日には,対象ホストの最終更新日時よりもあとの日付を指定できません。あらかじめホスト情報を更新しておいてください。更新方法については,「3.3.6 ホスト情報の更新」を参照してください。
デフォルトのファイル名は次のとおりです。ファイル名は出力時に変更できます。
- パス稼働率レポート:pathavailability_<レポート期間の開始日>.csv
- パスステータスログ:pathstatuslog_<レポート期間の開始日>.csv
レポートは,表示しているホストまたはホストグループだけにでも,一覧から複数のホストやホストグループを選択しても作成できます。
- この項の構成
- (1) レポートの作成手順(単一ホスト)
- (2) レポートの作成手順(複数ホスト一括)
- (3) レポートの作成手順(単一ホストグループ)
- (4) レポートの作成手順(複数ホストグループ一括)
(1) レポートの作成手順(単一ホスト)
パス稼働情報のレポートは,ホストのHDLMバージョンが5.9以降の場合だけ作成できます。HDLMバージョンが5.9より前の場合には,Global Link Manager GUIで選択した<ホスト名>サブウィンドウに[レポート作成]ボタンは表示されません。
- エクスプローラメニューで,次のどちらかを選択します。
- [リソース]-[ホスト]
- [マイグループ]-[ホストグループ]
ホストサブウィンドウまたはホストグループサブウィンドウが表示されます。
- オブジェクトツリーを展開して,目的のホストを選択します。
<ホスト名>サブウィンドウが表示されます。
- [レポート作成]ボタンをクリックします。
レポート作成ダイアログが表示されます。
- レポートタイプおよびレポート期間を入力し,実行します。
指定した出力先にCSVファイルが出力されます。ファイルのフォーマットについては,表3-32「パス稼働率レポートのCSVファイルのフォーマット」または表3-33「パスステータスログのCSVファイルのフォーマット」を参照してください。
CSV出力が正常に終了し,ファイルの最後に「[END]」が出力されていることを確認してください。
注意事項:CSVファイル出力中にエラーが発生した場合は,レポート作成ダイアログにエラーメッセージは表示されません。CSVファイルの最後に「[Error]」およびエラーメッセージが出力されます。
(2) レポートの作成手順(複数ホスト一括)
パス稼働情報のレポートは,ホストのHDLMバージョンが5.9以降の場合だけ作成できます。
- エクスプローラメニューで,次のどちらかを選択します。
- [リソース]-[ホスト]
- [マイグループ]-[ホストグループ]
ホストサブウィンドウまたはホストグループサブウィンドウが表示されます。
- ホストグループサブウィンドウを表示している場合は,オブジェクトツリーを展開して,目的のホストグループを選択します。
<ホストグループ名>サブウィンドウが表示されます。
- [ホスト一覧]タブでレポートを作成するホストのチェックボックスを選択し,[レポート作成]ボタンをクリックします。
レポート作成ダイアログが表示されます。
- レポートタイプおよびレポート期間を入力し,実行します。
指定した出力先にCSVファイルが出力されます。ファイルのフォーマットについては,表3-32「パス稼働率レポートのCSVファイルのフォーマット」または表3-33「パスステータスログのCSVファイルのフォーマット」を参照してください。
CSV出力が正常に終了し,ファイルの最後に「[END]」が出力されていることを確認してください。
注意事項:CSVファイル出力中にエラーが発生した場合は,レポート作成ダイアログにエラーメッセージは表示されません。CSVファイルの最後に「[Error]」およびエラーメッセージが出力されます。
(3) レポートの作成手順(単一ホストグループ)
パス稼働情報のレポートは,ホストのHDLMバージョンが5.9以降の場合だけ作成できます。
- エクスプローラメニューの[マイグループ]-[ホストグループ]を選択します。
ホストグループサブウィンドウが表示されます。
- オブジェクトツリーを展開して,目的のホストグループを選択します。
<ホストグループ名>サブウィンドウが表示されます。
- [レポート作成]ボタンをクリックします。
レポート作成ダイアログが表示されます。
- レポートタイプおよびレポート期間を入力し,実行します。
指定した出力先にCSVファイルが出力されます。ファイルのフォーマットについては,表3-32「パス稼働率レポートのCSVファイルのフォーマット」または表3-33「パスステータスログのCSVファイルのフォーマット」を参照してください。
CSV出力が正常に終了し,ファイルの最後に「[END]」が出力されていることを確認してください。
注意事項:CSVファイル出力中にエラーが発生した場合は,レポート作成ダイアログにエラーメッセージは表示されません。CSVファイルの最後に「[Error]」およびエラーメッセージが出力されます。
(4) レポートの作成手順(複数ホストグループ一括)
パス稼働情報のレポートは,ホストのHDLMバージョンが5.9以降の場合だけ作成できます。
- エクスプローラメニューの[マイグループ]-[ホストグループ]を選択します。
ホストグループサブウィンドウが表示されます。
- [グループ一覧]タブでレポートを作成するホストグループのチェックボックスを選択し,[レポート作成]ボタンをクリックします。
レポート作成ダイアログが表示されます。
- レポートタイプおよびレポート期間を入力し,実行します。
指定した出力先にCSVファイルが出力されます。ファイルのフォーマットについては,表3-32「パス稼働率レポートのCSVファイルのフォーマット」または表3-33「パスステータスログのCSVファイルのフォーマット」を参照してください。
CSV出力が正常に終了し,ファイルの最後に「[END]」が出力されていることを確認してください。
注意事項:CSVファイル出力中にエラーが発生した場合は,レポート作成ダイアログにエラーメッセージは表示されません。CSVファイルの最後に「[Error]」およびエラーメッセージが出力されます。