Global Link Manager Software ユーザーズガイド
Global Link Managerでは,LU単位のロードバランス設定,LU単位のダイナミックI/Oパスコントロール設定,およびLU単位の同一パス使用回数設定を実行できます。
ホストのHDLMバージョンが5.8以降の場合にホストから接続するLUの単位でロードバランスを設定し,次のような設定を実行できます。
- 特定のLUだけ,ロードバランス機能を使用するかどうかの設定を変更する
- 特定のLUだけ,ロードバランスのアルゴリズムをほかのLUとは別に設定する
- 特定のLUだけ,設定したアルゴリズムがI/Oに同一のパスを使用する回数を設定する
次の条件をすべて満たす場合に,LU単位でダイナミックI/Oパスコントロール機能を使用するかどうかの設定を変更できます。
- ホストのHDLMバージョンが7.3以降である
- ホストから接続しているストレージシステムが,ダイナミックI/Oパスコントロールに対応している
- 注意事項:
- ホストのOSがVMwareの場合,ホストへの操作では100LU当たり数分の時間(3 分程度)が掛かる場合があります。
ホストのHDLMバージョンが7.4.1以降かつホストのOSがVMware以外の場合に,LU単位で次のような設定を実行できます。
- ロードバランスのアルゴリズムに,ラウンドロビン(rr),最少I/O数(lio),または最少ブロック数(lbk)を適用する場合,I/Oに同一のパスを使用する回数を設定する
- ロードバランスのアルゴリズムに,拡張ラウンドロビン(exrr),拡張最少I/O数(exlio),または拡張最少ブロック数(exlbk)を適用する場合,シーケンシャルI/Oに同一のパスを使用する回数を設定する
ホストのOSがVMwareの場合,「HDLM設定」で設定したロードバランス,同一パス使用回数,およびダイナミックI/OパスコントロールはすべてのマルチパスLUに適用されます。ホストのOSがVMware以外の場合,ダイナミックI/OパスコントロールはすべてのマルチパスLUに適用されます。LU単位で設定する場合は「マルチパスLU設定」で設定します。なお,Global Link Managerのリソースとしてホストを新規に追加した時点では,ホストごとに設定しているロードバランスの設定値をLU単位でも引き継ぐ設定になっています。
LU単位で,ロードバランス,同一パス使用回数,およびダイナミックI/Oパスコントロールを設定する場合の例を次の図に示します。
図3-4 LU単位のロードバランスおよびダイナミックI/Oパスコントロールの設定例
LU単位のロードバランス設定,LU単位の同一パス使用回数設定,およびLU単位のダイナミックI/Oパスコントロール設定は,LUに対応するマルチパスLUに対して実行します。マルチパスLU一覧には,パスの本数に関係なくLU単位で集約されたHDev(HDLMで管理するホストデバイス)がマルチパスLUとして表示されるため,LUと1対1でマルチパスLUを選択して設定できます。ホストのOSがSolaris 7の場合にも,同一LUに対応する複数のHDevのうち,オーナーパスを持ち,かつパスIDがいちばん小さいものが,スライス番号を除いたHDev名で表示されます。マルチパスLUの設定例をホストのOSごとに次の図に示します。
図3-5 マルチパスLU設定の概要(ホストのOSごとの設定例)
マルチパスLU設定は,ホスト単位,ホストグループ単位,またはストレージシステム単位にマルチパスLU一覧を表示して設定できます。ユーザーアプリケーションで使用するホストの構成に応じた単位で設定してください。
- マルチパスLU設定情報の初期化について
- 次のどちらかの条件に当てはまる場合には,Global Link Manager GUIで設定したマルチパスLU設定情報は初期化されます。
- ホストのHDLMのユーザーインターフェース(HDLM GUI,HDLM Web GUI,またはHDLMコマンド)を使用してロードバランスを設定した場合
HDLMではホスト単位で環境を設定します。LU単位での設定はできません。そのため,HDLMのユーザーインターフェースを使用してロードバランスを設定した場合には,設定した内容がホスト単位で反映され,個々のマルチパスLU設定は初期化されます。- ホストのOSがWindowsの場合にLUの動的再構成が行われたとき(Windows版HDLMでLUの動的削除機能を使用している場合)
LUに接続しているすべてのパスが切断されたときにHDLMの管理対象からLUが自動で削除され,そのあと復旧した場合,そのLUに対して行っていたマルチパスLU設定は初期化されます。
- マルチパスLU設定時のHDLMコマンドの実行結果について
- ホストごとの設定と異なる値でLUごとのロードバランスを設定,またはLUごとのダイナミックI/Oパスコントロール機能を設定した場合,HDLMコマンドのviewオペレーションに-sys -sfuncパラメーターを指定して実行すると,次に示す例のようにLoad Balance,またはDynamic I/O Path Controlの値に「*」が出力されます。ただし,ホストのOSがVMwareの場合,Load Balanceの値に「*」は出力されません。
- (例)HDLM設定またはマルチパスLU設定を次のように設定した場合
- HDLM設定
- ロードバランス:「拡張ラウンドロビン」を指定
- ダイナミックI/Oパスコントロール:「使用しない」を指定
- マルチパスLU設定
- ロードバランス:LUごとに「拡張最小I/O数」または「ホストの設定に従う」を指定
- ダイナミックI/Oパスコントロール:LUごとに「使用しない」または「使用する」を指定
HDLM Version : 7.6.0-00 Service Pack Version : Load Balance : on(exrr)* Support Cluster : Elog Level : 3 Elog File Size(KB) : 9900 Number Of Elog Files : 2 Trace Level : 0 Trace File Size(KB) : 1000 Number Of Trace Files : 4 Path Health Checking : on(30) Auto Failback : off Intermittent Error Monitor : off Dynamic I/O Path Control : off(10)*
- この項の構成
- (1) マルチパスLU設定手順(ホスト単位)
- (2) マルチパスLU設定手順(ホストグループ単位)
- (3) マルチパスLU設定手順(ストレージシステム単位)
LU単位のロードバランス機能は,ホストのHDLMバージョンが5.8以降の場合だけ設定できます。LU単位のダイナミックI/Oパスコントロール機能は,ホストのHDLMバージョンが7.3以降で,ホストから接続しているストレージシステムが,ダイナミックI/Oパスコントロールに対応している場合に設定できます。HDLMバージョンが5.8より前の場合には,Global Link Manager GUIで選択した<ホスト名>サブウィンドウに[マルチパスLU設定]ボタンは表示されません。
- エクスプローラメニューで,次のどちらかを選択します。
ホストサブウィンドウまたはホストグループサブウィンドウが表示されます。
- [リソース]-[ホスト]
- [マイグループ]-[ホストグループ]
- オブジェクトツリーを展開して,目的のホストを選択します。
<ホスト名>サブウィンドウが表示されます。- [マルチパスLU一覧]タブで同じロードバランスアルゴリズムを設定,同じ同一パス使用回数機能,または同じダイナミックI/Oパスコントロール機能を設定するマルチパスLUのチェックボックスを選択し,[マルチパスLU設定]ボタンをクリックします。
マルチパスLU設定ダイアログが表示されます。- 選択したマルチパスLUに対してロードバランスのアルゴリズムを設定,同一パス使用回数機能,またはダイナミックI/Oパスコントロール機能を設定します。
マルチパスLUの情報が更新されたことを<ホスト名>サブウィンドウで確認してください。
複数のアルゴリズムを設定する場合は,手順3に戻って繰り返し設定します。
LU単位のロードバランス機能は,ホストのHDLMバージョンが5.8以降の場合だけ設定できます。LU単位のダイナミックI/Oパスコントロール機能は,ホストのHDLMバージョンが7.3以降で,ホストから接続しているストレージシステムが,ダイナミックI/Oパスコントロールに対応している場合に設定できます。
- エクスプローラメニューの[マイグループ]-[ホストグループ]を選択します。
ホストグループサブウィンドウが表示されます。- オブジェクトツリーを展開して,目的のホストグループを選択します。
<ホストグループ名>サブウィンドウが表示されます。- [マルチパスLU一覧]タブで同じロードバランスアルゴリズムを設定,同じ同一パス使用回数機能,または同じダイナミックI/Oパスコントロール機能を設定するマルチパスLUのチェックボックスを選択し,[マルチパスLU設定]ボタンをクリックします。
マルチパスLU設定ダイアログが表示されます。- 選択したマルチパスLUに対してロードバランスのアルゴリズムを設定,同一パス使用回数機能,またはダイナミックI/Oパスコントロール機能を設定します。
マルチパスLUの情報が更新されたことを<ホストグループ名>サブウィンドウで確認してください。
複数のアルゴリズムを設定する場合は,手順3に戻って繰り返し設定します。
LU単位のロードバランス機能は,ホストのHDLMバージョンが5.8以降の場合だけ設定できます。LU単位のダイナミックI/Oパスコントロール機能は,ホストのHDLMバージョンが7.3以降で,ホストから接続しているストレージシステムが,ダイナミックI/Oパスコントロールに対応している場合に設定できます。
- エクスプローラメニューの[リソース]-[ストレージシステム]を選択します。
ストレージシステムサブウィンドウが表示されます。- オブジェクトツリーを展開して,目的のストレージシステムを選択します。
<ストレージシステム名>サブウィンドウが表示されます。- [マルチパスLU一覧]タブで同じロードバランスアルゴリズムを設定,同じ同一パス使用回数機能,または同じダイナミックI/Oパスコントロール機能を設定するマルチパスLUのチェックボックスを選択し,[マルチパスLU設定]ボタンをクリックします。
マルチパスLU設定ダイアログが表示されます。- 選択したマルチパスLUに対してロードバランスのアルゴリズムを設定,同一パス使用回数機能,またはダイナミックI/Oパスコントロール機能を設定します。
マルチパスLUの情報が更新されたことを<ストレージシステム名>サブウィンドウで確認してください。
複数のアルゴリズムを設定する場合は,手順3に戻って繰り返し設定します。
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