オペレーション定義ファイルは,拡張コマンドを使用するシステムの構成に合わせて作成します。作成したオペレーション定義ファイルは,拡張コマンドを実行する各サーバの次のディレクトリに格納します。
<Application Agentのインストール先>¥DRM¥script¥conf¥
オペレーション定義ファイルを所定のディレクトリに格納したあとは,オペレーション定義ファイルチェックツールを実行して,オペレーション定義ファイルの内容のチェックと,拡張コマンド用一時ディレクトリの自動生成をします。
(1) オペレーション定義ファイルの配置
オペレーション定義ファイルは,処理の対象となるSQL Serverインスタンスに対して,同一のファイルを2つ作成します。1つのオペレーション定義ファイルをデータベースサーバに配置し,もう1つをバックアップサーバに配置します。データベースサーバがクラスタ構成の場合は,バックアップ対象となるクラスタリソース(マウントポイントまたはファイル)が定義されているすべてのサーバに,同一のオペレーション定義ファイルを配置します。
オペレーション定義ファイルの配置例を次の図に示します。
図3-12 オペレーション定義ファイルの配置例(バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合)
この例では,クラスタを構成するデータベースサーバA(サーバ名:DBServer_A)およびデータベースサーバB(サーバ名:DBServer_B)で,仮想サーバC(サーバ名:VServer_C)が動作しています。
データベースサーバAおよびデータベースサーバB上にはSQL Serverインスタンス「INSTANCE_1」が在り,クラスタリソースとして仮想サーバCが定義されています。
この場合,データベースサーバA,データベースサーバBおよびバックアップサーバ(サーバ名:BKServer)には,「INSTANCE_1」に関するオペレーション定義ファイルを配置します。
(2) オペレーション定義ファイルの形式
オペレーション定義ファイルは,処理の対象を一意に特定するオペレーションIDに対応して,次のような名称で作成します。
<Application Agentのインストール先>¥DRM¥script¥conf¥_<オペレーションID>.dat
オペレーション定義ファイルのサンプルは,次の場所にあります。
<Application Agentのインストール先>¥DRM¥script¥sample
オペレーション定義ファイルの指定項目と指定する内容およびデータの最大文字数を次の表に示します。これらの項目の指定は省略できません。
表3-51 オペレーション定義ファイルの指定項目と指定する内容およびデータの最大文字数(バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合)
指定項目 | 指定内容 | 最大文字数 |
---|---|---|
BACKUP_OBJECT | バックアップ対象の種別を示す文字列を指定します。 「MSSQL」と指定します。 | 32 |
DB_SERVER_NAME | データベースサーバ名を指定します。 クラスタ構成の場合は,クラスタリソースに対応する仮想サーバ名を指定します。この仮想サーバ名は,Application Agentの構成定義ファイル(init.conf)の「DRM_DB_PATH=<共有ディスク上のディレクトリ>;<仮想サーバ名>」に定義されている必要があります。 | 128 |
INSTANCE_NAME | SQL Serverインスタンス名を指定します。空白を含む場合は引用符(")で囲んで記述します。 DEFAULTを指定した場合,SQL Serverの既定インスタンス名が選択されます。 | 128 |
TARGET_NAME | バックアップするデータベース名を指定します。 この指定はバックアップ実行時だけ有効です。リストア実行時のデータベース指定には使用されません。 コンマで区切って複数指定できます。空白を含む場合は引用符(")で囲んで記述します。指定を省略した場合,インスタンス単位にバックアップが実行されます。 TARGET_NAMEにバックアップするデータベース名を指定した場合,EX_DRM_SQL_BACKUPコマンドの-systemオプションは指定できません。 | 1,024※1 |
FTP_HOME_DIR | FTPサービスのルートディレクトリを指定します。 この値はバックアップサーバのIISで指定したFTPサービスのホームディレクトリ名と一致している必要があります。この値を省略することはできません。 | 128 |
FTP_SUB_DIR | FTPサービスのルートディレクトリの下に作成されるサブディレクトリ名を指定します。※2 ここで指定したサブディレクトリの下に一時ディレクトリが作成されます。拡張コマンドは,この一時ディレクトリにファイルをFTP転送します。この値を省略した場合「HPtM」というサブディレクトリが自動生成されます。 | 128 |
SET_DRM_HOSTNAME | データベースサーバの構成を指定します。クラスタ構成の場合は「1」,クラスタ構成でない場合は「0」を指定します。 | 1 |
(3) オペレーション定義ファイルの作成例
クラスタ構成のシステムを想定して,オペレーション定義ファイルを作成する例について説明します。
この例の前提条件は次のとおりです。
表3-52 クラスタリソースの例(バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合)
クラスタグループ名 | 仮想サーバ | SQL Server インスタンス名 |
---|---|---|
SQLCG_1 | VServer_C | INSTANCE_1 |
表3-53 VDIメタファイル格納ディレクトリの例
サーバ名 | VDIメタファイル格納ディレクトリ |
---|---|
DBServer_A DBServer_B | G:¥MSSQL¥VServer_C¥INSTANCE_1¥META |
この例では,次の表に示すオペレーションIDに対応するオペレーション定義ファイルを作成します。
表3-54 オペレーション定義ファイルを作成するオペレーションID(バックアップ対象がSQL Serverでクラスタ構成の場合)
オペレーションID | 対象データベースサーバ | 対象インスタンスおよびデータベース |
---|---|---|
Operation_A | VServer_C | INSTANCE_1の全体 |
クラスタ構成の場合にオペレーション定義ファイルを作成するには:
BACKUP_OBJECT=MSSQL |
EX_DRM_SQL_DEF_CHECK <オペレーションID> -db
オペレーション定義ファイルのチェックが実行されます。また,拡張コマンド用一時ディレクトリが自動生成されます。EX_DRM_SQL_DEF_CHECK <オペレーションID> -bk
オペレーション定義ファイルのチェックが実行されます。また,拡張コマンド用一時ディレクトリやVDIメタファイル格納ディレクトリが自動生成されます。EX_DRM_SQL_DEF_CHECK <オペレーションID> -db