2.10 Application Agentが適用できるボリューム構成

Application Agentのバックアップおよびリストア対象となるボリューム構成を次の表に示します。

表2-8 Application Agentのバックアップおよびリストア対象となるボリューム構成

論理ボリュームマネージャーディスク管理方式バックアップおよびリストア対象となるボリューム構成の単位バックアップおよびリストア対象となるデータベースまたはファイルの格納先
LDMベーシックディスク※1物理ディスクディスクパーティション上のファイルシステム
Veritas Storage Foundation※2ベーシックディスク物理ディスク論理ボリューム上のファイルシステム
ダイナミックディスクディスクグループ論理ボリューム上のファイルシステム
注※1
GPTディスクに対応しています。
注※2
VSSは使用できません。

Windowsのダイナミックディスクを利用する場合,論理ボリュームマネージャーを使用して,1つ以上の物理ボリュームをグループ化し,1つ以上の論理ボリュームとして扱うことができます。ユーザーは,論理ボリュームを指定することで,物理ボリュームを意識しないでバックアップおよびリストアが実行できます。

物理ボリュームと論理ボリュームをグループ化した単位を,ディスクグループといいます。

Application Agentでは,ダイナミックディスク構成の場合に,1つ以上のダイナミックディスクと,ダイナミックディスクに割り当てた1つ以上の論理ボリュームのグループをディスクセットと呼びます。図2-37 ディスクセットの構成例,およびディスクグループとディスクセットの関係の例の例では,物理ボリュームAの一部を論理ボリュームAに,物理ボリュームAの残りとBの一部を論理ボリュームBに,物理ボリュームBの残りとCの一部を論理ボリュームCに,物理ボリュームCの残りを論理ボリュームDに割り当てています。このとき,3つの物理ボリュームの内容を割り当てた4つの論理ボリュームのグループが,1つのディスクセット(ディスクセット1)となります。また,1つの物理ボリュームの内容をすべて1つの論理ボリュームに割り当てて,1対1の関係のディスクセットとすることもできます(ディスクセット2)。

Veritas Storage Foundationの環境では,ディスクグループを構成すると,ディスクグループは1つ以上のディスクセットとして認識されます。Veritas Storage Foundationの環境では,ディスクグループを最小単位としてバックアップおよびリストアを実行します。

ディスクセットの構成例,およびディスクグループとディスクセットの関係の例を次の図に示します。

図2-37 ディスクセットの構成例,およびディスクグループとディスクセットの関係の例

[図]

なお,このマニュアルでは特に区別する必要がない場合,これらを総称して「ディスクグループ」と表記しています。

ベーシックディスクとディスクグループを同時にバックアップすることもできます。

ダイナミックディスクを使用する場合,Application Agentは次のどちらの構成もサポートしています。

ベーシックディスクを使用する場合,Application Agentは1つの物理ディスクを1つの論理ボリューム(パーティション)とする構成だけをサポートしています。

注意事項
Windowsの場合,Application Agentを使用する前に,データベースサーバおよびバックアップサーバで「新しいボリュームの自動マウント」が無効になっている必要があります。
次の手順で現在の状態を確認し,「新しいボリュームの自動マウント」が有効になっていた場合は無効にしてください。
  1. コマンドプロンプトでdiskpartコマンドを起動します。
  2. automountと入力して,現在の状態を表示します。
  3. 「新しいボリュームの自動マウントが有効です。」と表示された場合,automount disableと入力して「新しいボリュームの自動マウント」を無効にします。
  4. exitと入力してdiskpartコマンドを終了します。
この節の構成
2.10.1 Application Agentが適用できるディスクグループ構成例