7.4.3 ストレージグループをテープにバックアップする
- この項の構成
- (1) コピーグループの再同期
- (2) コールドバックアップ
- (3) オンラインバックアップ
- (4) VSSを使用したバックアップ
(1) コピーグループの再同期
常時スプリット運用の場合,コピーグループを再同期してから,データをバックアップします。
常時ペア運用の場合は,バックアップの前にコピーグループを再同期する必要はありません。テープバックアップが終了してから,コピーグループを再同期して,初期状態に戻します。
コピーグループを再同期するには:
- 副ボリュームのキャッシュをクリアします。
バックアップする前に,バックアップサーバのシステムキャッシュをクリアします。
システムキャッシュをクリアするには,バックアップサーバでEX_DRM_CACHE_PURGEを実行し,副ボリュームをマウント/アンマウントします。ここでは,コピーグループ名を「VG01,vol01」とします。
BKServer > EX_DRM_CACHE_PURGE Operation_A -cg VG01,vol01
- コピーグループを再同期します。
データベースサーバでEX_DRM_RESYNCを実行し,コピーグループを再同期します。副ボリュームへバックアップする時点で正ボリュームと副ボリュームの差分量が大きいと,バックアップの応答時間が長くなる場合があります。バックアップする前にコピーグループを再同期することで,バックアップを高速化できます。
DBServer > EX_DRM_RESYNC Operation_A -cg VG01,vol01 -copy_size 7
(2) コールドバックアップ
ストレージグループをテープへコールドバックアップする例について説明します。コールドバックアップでは,バックアップ対象のインフォメーションストアがアンマウントされるので,バックアップが完了するまでの間,バックアップ対象のインフォメーションストアにはアクセスできなくなります。この例では,データベースサーバ「DBServer」のストレージグループ「STORAGE_1」をいったん副ボリュームにコールドバックアップしたあと,副ボリュームからテープへバックアップします。オペレーションIDとして,「Operation_A」を使用します。
ストレージグループをコールドバックアップするには:
- ストレージグループを副ボリュームへバックアップします。
ストレージグループをコールドバックアップします。バックアップするには,EX_DRM_EXG_BACKUPを実行します。引数として,オペレーションID「Operation_A」を指定します。この例では,トランザクションログファイルを削除してバックアップします。
DBServer > EX_DRM_EXG_BACKUP Operation_A -mode cold -transact_log_del
- 正しくバックアップされていることを確認します。
データベースサーバでdrmexgcatコマンドを実行して,正ボリュームから副ボリュームへのバックアップを実行した日付のバックアップ情報があることを確認します。
DBServer> drmexgcat
STORAGEGROUP: STORAGE_1
BACKUP-ID:0000000001 BACKUP-MODE: COLD STORAGEGROUP: STORAGE_1 ORIGINAL-ID:0000000001
START-TIME:2003/06/01 17:45:36 END-TIME: 2003/06/01 17:52:36
:
:
この例では,手順1でのバックアップ操作に関する情報がバックアップカタログに新しいバックアップID「0000000001」で登録されています。
- バックアップ情報を一時ファイルへエクスポートします。
副ボリュームからテープへバックアップするために,正ボリュームから副ボリュームへのバックアップ操作に関する情報をバックアップサーバにコピーする必要があります。EX_DRM_DB_EXPORTを実行して,バックアップ操作に関する情報を一時ファイルへエクスポートします。一時ファイルは,データベースサーバの拡張コマンド用一時フォルダに格納されます。
DBServer > EX_DRM_DB_EXPORT Operation_A
- 一時ファイルをバックアップサーバへ転送します。
一時ファイルを一括してデータベースサーバからバックアップサーバへ転送します。転送するには,データベースサーバでEX_DRM_FTP_PUTを実行します。ここでは,FTPサーバにログオンするために使用するユーザーIDを「admin」,パスワードを「password」とします。一時ファイルは,バックアップサーバの拡張コマンド用一時フォルダに格納されます。
DBServer > EX_DRM_FTP_PUT Operation_A -server BKServer -user admin -password password
- データベースサーバから転送した一時ファイルをバックアップサーバのバックアップカタログへインポートします。
データベースサーバから転送した一時ファイルを,バックアップサーバのバックアップカタログへインポートします。一時ファイルをインポートするには,バックアップサーバでEX_DRM_DB_IMPORTを実行します。
BKServer > EX_DRM_DB_IMPORT Operation_A
- 副ボリュームのデータをテープへバックアップします。
バックアップするには,バックアップサーバでEX_DRM_TAPE_BACKUPを実行します。ここでは,副ボリュームのドライブ文字を「E:」とします。
BKServer > EX_DRM_TAPE_BACKUP Operation_A -mount_pt E:
バックアップを実行すると,このバックアップ操作に関する情報がバックアップカタログに新しいバックアップID「0000000002」で登録されます。
(3) オンラインバックアップ
ストレージグループをテープへオンラインバックアップする例について説明します。オンラインバックアップでは,インフォメーションストアおよびディスクドライブがマウントされたままでバックアップの処理が行われます。この例では,データベースサーバ「DBServer」のストレージグループ「STORAGE_1」をいったん副ボリュームにオンラインバックアップしたあと,Exchangeデータベースの整合性を検証します。それから,副ボリュームからテープへバックアップします。オペレーションIDとして,「Operation_A」を使用します。
ストレージグループをオンラインバックアップするには:
- ストレージグループを副ボリュームへバックアップします。
ストレージグループをオンラインバックアップします。バックアップするには,EX_DRM_EXG_BACKUPを実行します。引数として,オペレーションID「Operation_A」を指定します。
DBServer > EX_DRM_EXG_BACKUP Operation_A -mode online
- 正しくバックアップされていることを確認します。
データベースサーバでdrmexgcatコマンドを実行して,正ボリュームから副ボリュームへのバックアップを実行した日付のバックアップ情報があることを確認します。
DBServer> drmexgcat
STORAGEGROUP: STORAGE_1
BACKUP-ID:0000000001 BACKUP-MODE: ONLINE STORAGEGROUP: STORAGE_1 ORIGINAL-ID:0000000001
START-TIME:2003/06/01 17:45:36 END-TIME: 2003/06/01 17:52:36
:
:
この例では,手順1でのバックアップ操作に関する情報がバックアップカタログに新しいバックアップID「0000000001」で登録されています。
- バックアップ情報を一時ファイルへエクスポートします。
副ボリュームからテープへバックアップするために,正ボリュームから副ボリュームへのバックアップ操作に関する情報をバックアップサーバにコピーする必要があります。EX_DRM_DB_EXPORTを実行して,バックアップ操作に関する情報を一時ファイルへエクスポートします。一時ファイルは,データベースサーバの拡張コマンド用一時フォルダに格納されます。
DBServer > EX_DRM_DB_EXPORT Operation_A
- 一時ファイルをバックアップサーバへ転送します。
一時ファイルを一括してデータベースサーバからバックアップサーバへ転送します。転送するには,データベースサーバでEX_DRM_FTP_PUTを実行します。ここでは,FTPサーバにログオンするために使用するユーザーIDを「admin」,パスワードを「password」とします。一時ファイルは,バックアップサーバの拡張コマンド用一時フォルダに格納されます。
DBServer > EX_DRM_FTP_PUT Operation_A -server BKServer -user admin -password password
- データベースサーバから転送した一時ファイルをバックアップサーバのバックアップカタログへインポートします。
データベースサーバから転送した一時ファイルを,バックアップサーバのバックアップカタログへインポートします。一時ファイルをインポートするには,バックアップサーバでEX_DRM_DB_IMPORTを実行します。
BKServer > EX_DRM_DB_IMPORT Operation_A
- バックアップされたストレージグループを検証します。
副ボリュームにオンラインバックアップされたExchangeデータベースの整合性を検証します。Exchangeデータベースの整合性を検証するには,バックアップサーバでEX_DRM_EXG_VERIFYを実行します。
BKServer > EX_DRM_EXG_VERIFY Operation_A
- 副ボリュームのデータをテープへバックアップします。
バックアップするには,バックアップサーバでEX_DRM_TAPE_BACKUPを実行します。ここでは,副ボリュームのドライブ文字を「E:」とします。
BKServer > EX_DRM_TAPE_BACKUP Operation_A -mount_pt E:
バックアップを実行すると,このバックアップ操作に関する情報がバックアップカタログに新しいバックアップID「0000000002」で登録されます。
(4) VSSを使用したバックアップ
VSSを使用してストレージグループをテープへバックアップする例について説明します。VSSを使用したバックアップでは,インフォメーションストアおよびディスクドライブがマウントされたままでバックアップの処理が行われます。この例では,データベースサーバ「DBServer」のストレージグループ「STORAGE_1」をいったん副ボリュームにバックアップしたあと,副ボリュームからテープへバックアップします。オペレーションIDとして,「Operation_A」を使用します。
VSSを使用したバックアップを実行する場合には,バックアップサーバでProtection Managerサービスが稼働している必要があります。
VSSを使用してストレージグループをバックアップするには:
- ストレージグループを副ボリュームへバックアップします。
VSSを使用して,ストレージグループをオンラインバックアップします。バックアップするには,EX_DRM_EXG_BACKUPを実行します。引数として,オペレーションID「Operation_A」を指定します。
DBServer > EX_DRM_EXG_BACKUP Operation_A -mode vss
- 正しくバックアップされていることを確認します。
データベースサーバでdrmexgcatコマンドを実行して,正ボリュームから副ボリュームへのバックアップを実行した日付のバックアップ情報があることを確認します。
DBServer> drmexgcat -target STORAGE_1
STORAGEGROUP: STORAGE_1
BACKUP-ID:0000000001 BACKUP-MODE: VSS STORAGEGROUP: STORAGE_1 ORIGINAL-ID:0000000001
START-TIME:2003/06/01 17:45:36 END-TIME: 2003/06/01 17:52:36
:
:
この例では,手順1でのバックアップ操作に関する情報がバックアップカタログに新しいバックアップID「0000000001」で登録されています。
- バックアップ情報を一時ファイルへエクスポートします。
副ボリュームからテープへバックアップするために,正ボリュームから副ボリュームへのバックアップ操作に関する情報をバックアップサーバにコピーする必要があります。EX_DRM_DB_EXPORTを実行して,バックアップ操作に関する情報を一時ファイルへエクスポートします。一時ファイルは,データベースサーバの拡張コマンド用一時フォルダに格納されます。
DBServer > EX_DRM_DB_EXPORT Operation_A
- 一時ファイルをバックアップサーバへ転送します。
一時ファイルを一括してデータベースサーバからバックアップサーバへ転送します。転送するには,データベースサーバでEX_DRM_FTP_PUTを実行します。ここでは,FTPサーバにログオンするために使用するユーザーIDを「admin」,パスワードを「password」とします。一時ファイルは,バックアップサーバの拡張コマンド用一時フォルダに格納されます。
DBServer > EX_DRM_FTP_PUT Operation_A -server BKServer -user admin -password password
- データベースサーバから転送した一時ファイルをバックアップサーバのバックアップカタログへインポートします。
データベースサーバから転送した一時ファイルを,バックアップサーバのバックアップカタログへインポートします。一時ファイルをインポートするには,バックアップサーバでEX_DRM_DB_IMPORTを実行します。
BKServer > EX_DRM_DB_IMPORT Operation_A
- 副ボリュームのデータをテープへバックアップします。
バックアップするには,バックアップサーバでEX_DRM_TAPE_BACKUPを実行します。ここでは,副ボリュームのドライブ文字を「E:」とします。
BKServer > EX_DRM_TAPE_BACKUP Operation_A -mount_pt E:
バックアップを実行すると,このバックアップ操作に関する情報がバックアップカタログに新しいバックアップID「0000000002」で登録されます。