ホストがオープン系ホストの場合で,仮想コマンドデバイスを使用してコピーペアを管理する場合のシステム構成を説明します。
(1) 基本的なシステム構成
システム構成例を次の図に示します。
図2-5 SVPを仮想コマンドデバイスとして使用する場合のシステム構成(オープン系システム)
図2-6 仮想コマンドデバイスサーバを仮想コマンドデバイスとして使用する場合のシステム構成(オープン系システム)
(2) システムの構成要素
システムの構成要素を次の表に示します。
表2-3 仮想コマンドデバイスを使用してコピーペアを管理する場合のシステムの構成要素(オープン系システム)
システムの構成要素 | システムの構成要素に含まれるソフトウェア | 説明 |
---|---|---|
管理クライアント | Webブラウザー | 管理クライアントは,ユーザーがWebブラウザーを使って,管理サーバ上で稼働するReplication ManagerのGUIを操作するコンピュータです。 |
管理サーバ | Replication Manager Device Managerサーバ | 管理サーバは,管理クライアントからの要求に対して管理情報を提供します。Replication Managerとその前提プログラムであるDevice Managerサーバは,管理サーバにインストールします。 管理サーバには,Application Agentをインストールしないでください。 Device Managerのシステム構成については,マニュアル「Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド」を参照してください。 |
ペア管理サーバ | RAID Manager Device Managerエージェント | ペア管理サーバは,コピーペアの状態やリモートコピーの性能情報などの管理情報を収集します。RAID ManagerとDevice Managerエージェントはペア管理サーバにインストールします。 管理サーバとペア管理サーバで,互いのホスト名からIPアドレスを特定できることを確認してください。サイト間でアドレスを変換するように設定されていると(プライベートアドレスやNATなど),Replication ManagerはほかのサイトのDevice Managerエージェントに正しく接続できない場合があります。 ペア管理サーバが複数のNICを搭載している場合,RAID ManagerとDevice Managerエージェントは同じIPアドレスを利用する必要があります。 RAID ManagerとDevice Managerエージェントのインストールによって,Replication Managerからコピーペアを操作できます。 ペア管理サーバはUDP経由でSVPまたは仮想コマンドデバイスサーバに接続されている必要があります。 |
仮想コマンドデバイスサーバ | RAID Manager Device Managerエージェント(任意) | 仮想コマンドデバイスサーバは,RAID Managerの中継インスタンスが動作するサーバです。RAID Managerは仮想コマンドデバイスサーバにインストールします。 仮想コマンドデバイスサーバは,操作対象のストレージシステムのコマンドデバイスを認識する必要があります。 仮想コマンドデバイスサーバをペア管理サーバとして使用する場合はDevice Managerエージェントをインストールする必要があります。 SVPを仮想コマンドデバイスとして使用する場合,仮想コマンドデバイスサーバを用意する必要はありません。 |
ホスト | Device Managerエージェント(任意) | 通常,ホストとはアプリケーションプログラムがインストールされるコンピュータです。ホストはストレージシステムを外部記憶装置として使用します。 コピーペアを管理する場合,ホストから正ボリュームおよび副ボリュームがそれぞれ認識されている必要があります。正ボリュームと副ボリュームは,別々のホストに割り当てることをお勧めします。 Device Managerエージェントをインストールするかどうかは任意です。ホストにDevice Managerエージェントをインストールすると,そのホストに関する情報(IPアドレスやマウントポイントなど)をReplication Managerから参照できます。 |
ストレージシステム | マイクロコード 必要に応じて,製品(Universal ReplicatorまたはShadowImageなど)のライセンスを登録してください。 | ストレージシステムとは,ホストに接続された外部記憶装置です。 SVPを仮想コマンドデバイスとして使用する場合,コマンドデバイスを用意する必要はありません。 |
(3) システムの構成要素に含まれるソフトウェア
システムの構成要素に含まれるソフトウェアを次の表に示します。
表2-4 仮想コマンドデバイスを使用したコピーペアの管理に必要なソフトウェアの概要(オープン系システム)
ソフトウェア | 説明 |
---|---|
Replication Manager | 大規模なシステム構成でストレージシステムのボリュームの複製を一元管理するために使用します。 Replication Managerには,Hitachi Command Suite製品で共用する機能を集めたHitachi Command Suite共通コンポーネントが含まれています。共通コンポーネントはHitachi Command Suite製品の構成要素としてインストールされ,インストール中に最新バージョンにアップグレードされます。 |
Device Managerサーバ | ストレージシステムのリソースおよびハードウェア構成の統合管理に使用します。複数のストレージシステムで構成されたシステムの運用と管理ができます。 Replication Managerが稼働している管理サーバ上にあるDevice ManagerサーバをローカルDevice Managerと呼びます。Replication Managerが稼働している管理サーバ以外で動作しているDevice ManagerサーバをリモートDevice Managerと呼びます。プライマリーサイトで稼働しているDevice Managerサーバでも,運用している Replication Managerと同じ管理サーバ上になければリモートDevice Managerとなります。 Replication Managerは,Device Managerサーバが管理するストレージシステムのボリュームに対して,コピーペア操作などを実行します。Device Managerサーバについては,マニュアル「Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド」を参照してください。 |
Device Managerエージェント | Replication Managerからの要求に応じてコピーペア操作の実行をRAID Managerに指示したり,Device Managerサーバにホスト情報を提供したりします。仮想コマンドデバイスを使用してコピーペアを管理する場合,ペア管理サーバにはバージョン7.1以降のDevice Managerエージェントをインストールする必要があります。Device Managerエージェントについては,マニュアル「Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド」を参照してください。 従来のReplication Monitorエージェントの機能は,Device Managerエージェントに統合されています。 |
RAID Manager | ホストからストレージシステムへコマンドを発行することでボリューム複製機能(TrueCopyまたはShadowImageなど)を制御するソフトウェアです。ストレージシステムに応じたバージョンのRAID Mangerを使用してください。 Replication ManagerはRAID Managerの構成定義ファイルを使用して,コピーペア構成を変更したり,構成情報を取得したりします。RAID Managerについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。 Replication Managerは,Device Managerエージェントを介してRAID Managerの構成定義ファイルを使用します。詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド」を参照してください。 |
(4) 仮想コマンドデバイスを使用してコピーペアを管理する場合の要件
仮想コマンドデバイスを使用してコピーペアを管理する場合の要件を次に示します。