3.4.1 Application Agentのインストール前の確認事項
Application Agentをインストールする前に,次のことについて確認してください。
- この項の構成
- (1) Application Agentをインストールするホストの前提環境
- (2) バックアップサーバにApplication Agentをインストールする場合
- (3) Replication ManagerとApplication Agentを同じ管理サーバにインストールして使う場合
- (4) RM Shadow Copy Provider(VSS Provider)のインストール条件
- (5) Application Agentサービスを実行するユーザーアカウントの設定条件
(1) Application Agentをインストールするホストの前提環境
Application Agentをインストールするホストでは,システム要件に加えて,次のインストール要件を満たす必要があります。
- Application Agentのインストール時およびアンインストール時には,インストーラーが一時ファイルを作成するため,システムドライブに100MBの空き容量が必要です。
- Application Agentのインストールを開始する前に,実行中のプログラムをすべて終了してください。
例えば,Exchange Server 2013がインストールされていると,Microsoft Exchange Health Managerサービスのような他のサービスを起動するサービスが存在します。この場合,Microsoft Exchange Health Managerサービスを停止しないとApplication Agentのインストールに失敗します。このような状況を回避するために,インストールを開始する前に実行中のプログラムをすべて終了する必要があります。
- Windows Server 2003のクラスタ構成の場合
クラスタ構成を構築する前にfor Exchangeコンポーネントをインストールすることを推奨します。クラスタ構成を構築したあとにfor Exchange コンポーネントをインストールする場合,for Exchangeコンポーネントをインストールするクラスタノードで,分散トランザクションコーディネータリソースがオンラインである必要があります。分散トランザクションコーディネータリソースが作成されていない場合,分散トランザクションコーディネータリソースを作成してください。
- Windowsのリモートデスクトップを使ってApplication Agentをインストールする場合は,対象サーバのコンソールセッションに接続済みであることを確認してください。Hitachi Command Suite製品を使う(インストールやアンインストールを含む)には,対象サーバのコンソールにあらかじめ接続しておく必要があります。ほかのユーザーが同じセッションに接続すると,操作中にエラーが発生するおそれがあります。
- Replication Managerは,Application Agentの対応コンポーネントの有無によって各ホスト上の対象アプリケーションを特定し情報を取得します。このため,アプリケーションが稼働しているホストに対してApplication Agentの対応コンポーネントをインストールしてください。
アプリケーションが稼働しないホストに対して,Application Agentの対応コンポーネントをインストールした場合は,ホスト情報更新でReplication Managerは情報取得に失敗して,次のエラーメッセージを表示します。
RPM-11004
指定されたSQLインスタンス名が不正か,もしくはSQLインスタンスの設定が行われていません。
RPM-11509
Exchange Serverが該当するマシンにインストールされていません。
(2) バックアップサーバにApplication Agentをインストールする場合
次に示す条件の場合は,バックアップサーバにもApplication Agentをインストールしてください。
- for Exchangeコンポーネントの場合
- for SQLコンポーネントの場合
- テープ装置にバックアップするとき
- バックアップしたデータを二次利用するとき
同じバージョンのApplication Agentを,データベースサーバとバックアップサーバにインストールしてください。
(3) Replication ManagerとApplication Agentを同じ管理サーバにインストールして使う場合
Replication ManagerとApplication Agentを同じ管理サーバにインストールして使う場合,次の手順でインストールしてください。この構成の場合,デバイスグループで定義されたコピーグループは管理できません。
管理サーバにReplication Managerをすでにインストールしている場合
- base.propertiesファイルのbase.refreshdginfo.execの値を0に設定します。
- Hitachi Command Suite共通コンポーネントのサービスを再起動します。
- すべてのリモートDevice Managerを選択して,構成情報の更新を実行します。
- ローカルDevice Managerが管理するすべてのストレージシステムを選択して,ストレージシステム情報の更新を実行します。
- Application Agentを管理サーバにインストールします。
管理サーバにApplication Agentをすでにインストールしている場合
- Replication Managerを管理サーバにインストールします。
- base.propertiesファイルのbase.refreshdginfo.execの値を0に設定します。
- Hitachi Command Suite共通コンポーネントのサービスを再起動します。
(4) RM Shadow Copy Provider(VSS Provider)のインストール条件
「for Exchangeコンポーネント」を選択した場合は,Application Agentのインストール中に,RM Shadow Copy Provider(VSS Provider)のインストールが実行される場合があります。RM Shadow Copy Provider(VSS Provider)のインストール時には,次に示す各サービスのスタートアップの種類が条件どおり設定されている必要があります。各サービスとスタートアップの種類の条件を次の表に示します。
表3-3 RM Shadow Copy Provider(VSS Provider)をインストールするために必要な各サービスの設定
サービス名 | 表示名 | 前提となるスタートアップの種類の条件 |
---|
RpcSs | Remote Procedure Call (RPC) | 自動 |
EventLog | Event Log | 自動 |
DcomLaunch | DCOM Server Process Launcher | 自動 |
SamSs | Security Accounts Manager | 自動 |
winmgmt | Windows Management Instrumentation | 自動 |
EventSystem | COM+ Event System | 手動または自動 |
MSIServer | Windows Installer | 手動または自動 |
VSS | Volume Shadow Copy | 手動または自動 |
COMSysApp | COM+ System Application | 手動または自動 |
MSDTC | Distributed Transaction Coordinator | 手動または自動 |
(5) Application Agentサービスを実行するユーザーアカウントの設定条件
Application Agentサービス(Protection ManagerサービスおよびHitachi Command Suite共通エージェントコンポーネントサービス)を実行するユーザーアカウントには,次の条件を満たすアカウントを設定する必要があります。
- ローカルAdministrator権限を持っていること。
- セキュリティポリシーとして「サービスとしてログオンする権利」が有効であり,かつ「サービスとしてログオンを拒否」が無効であること。
- データベースアクセス権限が付与されていること。
- バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合
- Application Agentは,SQL ServerにWindows認証でアクセスします。このため,Application Agentの実行ユーザーを,SQL Serverのsysadmin固定サーバロールのメンバーとして登録する必要があります。
- バックアップ対象がExchange Serverデータベースの場合
- Hitachi Command Suite共通エージェントコンポーネントのサービスの実行用アカウントを,ドメインのEnterprise AdminsグループまたはExchange Domain Serversグループに所属させる必要があります。
注意- コマンドデバイスのユーザー認証が有効となっている構成の場合,次のすべての操作を実行する際に,アルファベットの大文字と小文字を含めて同じユーザー名でOSにログインしてください。操作ごとにアルファベットの大文字と小文字が異なるユーザー名でOSにログインすると,Application Agentがエラー終了します。
- Application Agentサービスの実行ユーザーアカウントの設定
- コマンドデバイスのユーザー認証
- レプリカ作成やリストアなどすべてのApplication Agentの操作
注意- ペア管理サーバ,データベースサーバ,およびバックアップサーバのどれかのOSがWindows Server 2008 R2,Windows Server 2008 R2 IPF,またはWindows Server 2012の場合,Application Agentサービスの実行ユーザーアカウントに,管理されたサービスアカウント(Managed Service Account)を指定しないでください。バックアップ対象がSQL Serverデータベースのときは,SQL Server,SQL Server Agent,およびそのほかのSQL Server関連サービスの実行ユーザーアカウントにも,管理されたサービスアカウントを指定しないでください。これらのサービスの実行ユーザーアカウントに,管理されたサービスアカウントを指定すると,Replication Managerの操作でエラーが発生するおそれがあります。