2.2.5 データベースサーバおよびバックアップサーバで対応している仮想化環境

ここでは,Application Agentがサポートする仮想化環境について説明します。

この項の構成
(1) VMware ESX/ESXi
(2) Windows Server Hyper-V
(3) 日立サーバ論理分割機構Virtage

(1) VMware ESX/ESXi

Application AgentはVMware ESX 4.x,VMware ESXi 4.x,およびVMware ESXi 5.x上のゲストOSでも動作します。ただし,VMware Fault Tolerance(FT)はサポートしていません。

VMwareのライブ・マイグレーション(VMware vMotionなど)とApplication Agentの機能の実行時間が重ならないようにしてください。実行時間が重なると,Application Agentの機能の実行が失敗するおそれがあります。Application Agentの機能の実行が失敗した場合,トラブルシュート情報に表示されるメッセージに従って,障害に対処してください。

Hotfix 940349を含むVSS修正モジュールを適用する場合,VSSを使用するすべてのサーバに適用してください。

VMware ESXi 5.xを使用する場合,ソフトウェアのFCoEアダプターを使用して,ゲストOS上のデータベースサーバ,バックアップサーバ,およびペア管理サーバに,正ボリュームまたは副ボリュームを接続している構成はサポートしていません。

ゲストOSが使用するディスクの接続方式によって,VMware ESX/ESXiのサポート状況は異なります。ゲストOSが使用するディスクの接続方式ごとのサポート状況を次に示します。

表2-31 ゲストOSが使用するディスクの接続方式ごとのVMware ESX/ESXiサポート状況

物理接続ディスクの接続方式互換モードサポート状況
FCRawデバイスマッピング物理
仮想×
仮想ディスク×
iSCSIRawデバイスマッピング物理
仮想×
仮想ディスク×
ゲストOSに直結
(凡例)
○:サポートしている
×:サポートしていない
-:該当しない
注※
ゲストOS上に構成したデータベースサーバをサポートします。ゲストOS上に構成したバックアップサーバは,次のすべての条件に該当する場合だけサポートします。1つでも該当しない条件がある場合は,バックアップサーバは仮想化環境でないサーバで構成してください。
  • バックアップ対象がSQL Serverまたはファイルシステムであること。
  • 副ボリュームが1世代だけであること。
  • [Application Agentの設定 - <Application Agent名>]ダイアログでバックアップサーバに対して設定する際,[レプリカタスクオプション][バックアップサーバがマウントされていないレプリカにアクセスするのを禁止]チェックボックスをオフにしていること(デフォルトの設定)。
    Application AgentのCLIで[バックアップサーバがマウントされていないレプリカにアクセスするのを禁止]を無効にするためには,副ボリューム動的認識を無効にする必要があります。副ボリューム動的認識の設定方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Replication Manager Software Application Agent CLI ユーザーズガイド」を参照してください。
  • VSSを使用してバックアップしないこと。

Application AgentをVMware ESX/ESXiの仮想マシン上で動作させる場合には,その仮想マシンにメモリーを割り当てて,製品の推奨構成と同じになるように構成定義してください。Application AgentをVMware ESX/ESXiの仮想マシン上で動作させる際に必要な仮想メモリー容量については,「(5) Application Agent仮想メモリー容量」を参照してください。

(2) Windows Server Hyper-V

Application Agentは,Windows Server 2008 Hyper-VおよびWindows Server 2012 Hyper-VのゲストOSとして動作するWindows環境に対応しています。

Windows Server Hyper-Vのサポート状況を次に示します。

表2-32 Application AgentがサポートするWindows Server Hyper-VのゲストOS

Windows Server Hyper-VのバージョンWindows Server Hyper-VのゲストOSデータベースの種類
Exchange Server 2003Exchange Server 2007Exchange Server 2010Exchange Server 2013SQL Server※1ファイルシステム
Windows Server 2008 Hyper-VWindows Server 2003 x86(SP2)××××
Windows Server 2003 x64(SP2)
Windows Server 2003 R2 x86(SP2)
Windows Server 2003 R2 x64(SP2)
Windows Server 2008 x86(SPなし/SP1,SP2)××××※2
Windows Server 2008 x64(SPなし/SP1,SP2)××※2
Windows Server 2008 R2(SPなし,SP1)×※2※3
Windows Server 2012 Hyper-VWindows Server 2008 R2(SPなし,SP1)××××
Windows Server 2012(SPなし)×××※2※4
(凡例)
○:サポートしている
×:サポートしていない
注※1
Application AgentのCLIを使用する場合に限り,次の条件を満たす環境ではライブ・マイグレーション(Hyper-V Liveマイグレーションなど)をサポートします。
  • Windows Server 2008 Hyper-Vを使用する場合,ホストOSがWindows Server 2008 R2であり,かつSQL Serverのバージョンが次のどれかである。
    • SQL Server 2005 SP3以降
    • SQL Server 2008 SP1以降
    • SQL Server 2008 R2
  • Windows Server 2012 Hyper-Vを使用する場合,SQL ServerのバージョンがSQL Server 2012である。
  • ホストOSをクラスタ構成にしている。
  • 仮想コマンドデバイスを使用する構成である。
    仮想コマンドデバイスの設定方法については,RAID Managerのマニュアルを参照してください。
    データベースサーバにコマンドデバイスを直接接続する構成では,ホストOS上で,ライブ・マイグレーション実行前にゲストOSからコマンドデバイスのドライブを切断し,ライブ・マイグレーション完了後に再接続する必要があります。ホストOS上でコマンドデバイスのドライブをゲストOSから切断したり,再接続したりする方法については,Windows Server Hyper-Vに関するMicrosoft社のドキュメントを参照してください。
  • ホストOSのWindows Server Failover Clusteringでクラスタシェアードボリューム(CSV)として管理されるドライブ上に,ゲストOSのシステムドライブがVHD形式で配置される構成である。
    Windows Server Failover Clusteringの通常の物理ディスクリソースであるドライブ上に配置された構成はサポートしていません。
  • ライブ・マイグレーションの実行時間とApplication AgentのCLIの実行時間が重なっていない。
    それぞれの実行時間が重なると,Application AgentのCLIが失敗することがあります。
上記以外の条件の場合は,Application AgentをインストールしたゲストOSが,ライブ・マイグレーションの対象にならない環境を構成してください。
注※2
使用するディスクがiSCSIの直結接続である場合,ゲストOS間でのSQL Serverクラスタ構成をサポートします。
注※3
SQL Server 2005のSP3以降をサポートします。
注※4
SQL Server 2012をサポートします。

ゲストOSへの接続方式によってWindows Server Hyper-Vのサポート状況は異なります。ゲストOSへの接続方式ごとのサポート状況を次に示します。

表2-33 ゲストOSへの接続方式によるWindows Server Hyper-Vサポート状況

物理接続ゲストOSへの接続方式ディスク認識サポート状況
ホストOSゲストOS
FCパススルーRAID
(オフライン)
RAID※1※2
VHD/VHDX可変/固定RAID非RAID×
CSVに登録RAID非RAID×
直結RAID×
iSCSIパススルーRAID
(オフライン)
RAID※1※2
VHD/VHDX可変/固定RAID非RAID×
CSVに登録RAID非RAID×
直結RAID
(凡例)
○:サポートしている
×:サポートしていない
-:該当しない
注※1
副ボリュームを隠ぺいする構成では,バックアップサーバは仮想化環境での動作をサポートしていません。この場合,バックアップサーバは仮想化環境でないサーバで構成する必要があります。
注※2
VSSを使用したバックアップを実行する場合,バックアップサーバは仮想化環境での動作をサポートしていません。この場合,バックアップサーバは仮想化環境でないサーバで構成する必要があります。

Application AgentをWindows Server Hyper-Vの仮想マシン上で動作させる際に必要な仮想メモリー容量については,「(5) Application Agent仮想メモリー容量」を参照してください。

(3) 日立サーバ論理分割機構Virtage

Application AgentのCLIでは,日立サーバ論理分割機構Virtage(バタージュ)のXeonサーバモジュールVirtageモデルおよびIPFサーバモジュールVirtageモデルをサポートしています。サポートするOSのバージョンを次に示します。

表2-34 Application Agentがサポートする日立サーバ論理分割機構Virtage

日立サーバ論理分割機構VirtageのゲストOSXeonサーバモジュールVirtageモデルIPFサーバモジュールVirtageモデル
Windows Server 2003 x86(SP2)×
Windows Server 2003 IPF(SP2)×
Windows Server 2003 x64(SP2)×
Windows Server 2003 R2 x86(SP2)×
Windows Server 2003 R2 x64(SP2)×
Windows Server 2008 x86(SPなし/SP1,SP2)×
Windows Server 2008 IPF(SPなし/SP1,SP2)×
Windows Server 2008 x64(SPなし/SP1,SP2)×
Windows Server 2008 R2(SPなし,SP1)××
Windows Server 2008 R2 IPF(SPなし,SP1)××
Windows Server 2012(SPなし)××
(凡例)
○:サポートしている
×:サポートしていない
注※
すべて日本語版Windowsが対象です。

Application Agentを日立サーバ論理分割機構Virtageの仮想マシン上で動作させる際に必要な仮想メモリー容量については,「(5) Application Agent仮想メモリー容量」を参照してください。