4.1 レプリケーション環境の準備の概要
Replication Managerを使ってボリュームを複製したり,コピーペア定義を変更したりできます。ボリュームのレプリケーションを実施するためには,事前にストレージシステムの設定を実施する必要があります。複数サイトにわたる多数のストレージシステムに対して,Replication Managerから一元的に設定できます。
オープン系システムでは,次の項目を設定できます。
- コマンドデバイス
Replication Managerでコピーペアを設定したりコピーペア状態を変更したりするときは,RAID Managerを利用します。RAID Managerを利用するために,あらかじめストレージシステムの任意のボリュームをコマンドデバイスとして設定します。
- DMLU
ミッドレンジストレージを使用してボリュームのレプリケーションを実施する場合には,差分データを格納しておくための領域であるDMLUを使用します。そのため,あらかじめストレージシステムの任意のボリュームをDMLUとして設定します。
- リモートパス
TrueCopy Sync,Universal Replicatorなどを利用して,リモートコピー(ストレージシステム間のボリュームのレプリケーション)を実施する場合には,ストレージシステム間を結ぶ論理的なパス(リモートパス)を設定しておく必要があります。
- プール
Thin Image,Copy-on-Write Snapshot,またはTrueCopy Extended Distanceを利用してボリュームのレプリケーションを実施する場合には,正ボリュームからの差分データを蓄えるプールを使用します。そのため,あらかじめストレージシステムの任意のボリュームをプールボリュームとして設定し,プールを定義します。
- ジャーナルグループ
Universal Replicatorを利用してボリュームのレプリケーションを実施する場合には,ボリュームのコピー用のバッファーとしてジャーナルボリュームを使用します。正側のジャーナルボリュームは正ボリュームと,副側のジャーナルボリュームは副ボリュームと,それぞれグループ化して使用します。そのため,あらかじめストレージシステムの任意のボリュームをジャーナルボリュームとして設定し,ジャーナルグループを定義します。
- V-VOL
Thin ImageまたはCopy-on-Write Snapshotを利用してボリュームのレプリケーションを実施する場合には,副ボリュームとして仮想ボリューム(V-VOL)を使用します。V-VOLは,プールに蓄えられた差分データと正ボリュームを使用して仮想的に作成されるボリューム(スナップショットイメージ)です。正ボリュームに対応づけて,V-VOLを定義しておく必要があります。
メインフレーム系システムでは,Storage Navigatorを使用してストレージシステムを設定してください。Storage Navigatorで実施する操作については,Storage Navigatorのマニュアルを参照してください。
レプリケーション環境の準備の流れをエンタープライズクラスストレージおよびHUS VMの場合とミッドレンジストレージの場合に分けて,次の図に示します。
図4-1 レプリケーション環境の準備の流れ(エンタープライズクラスストレージおよびHUS VMの場合)
![[図]](graphics/eu021100.gif)
図4-2 レプリケーション環境の準備の流れ(ミッドレンジストレージの場合)
![[図]](graphics/eu021110.gif)