3.3.3 情報取得元の登録手順(Application Agent)

Replication Managerに情報取得元として,Application Agentを登録(追加)する手順について説明します。

この項の構成
(1) 情報取得元の登録手順の概要(Application Agent)
(2) Application Agentの追加
(3) Application Agentのインスタンスの設定例
(4) Application Agentの設定

(1) 情報取得元の登録手順の概要(Application Agent)

データベースのレプリカ管理を実施する場合には,データベースサーバおよびバックアップサーバのApplication Agentを情報取得元として登録し,それぞれのApplication Agentの設定を実施します。Application Agentは最大128件登録できます。

Protection ManagerからReplication Managerに移行した場合には,Application Agentの登録時に既存のパラメーター情報やアプリケーション構成情報を取得することもできます。

情報取得元を登録する前に,前提環境が設定されていることを確認する必要があります。

Replication Managerの前提環境として,サイト内の管理サーバやホストで,情報取得元となるApplication Agentのインストールおよび環境設定が実施済みであることを確認してください。システムの構築方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Replication Manager Software システム構成ガイド」を参照してください。

情報取得元の登録および設定方法については,下記を参照してください。

(2) Application Agentの追加

Application Agentの追加手順を次に示します。

  1. Application Agentを情報取得元として追加する上で必要な情報を準備します。データベースサーバおよびバックアップサーバにインストールされたApplication Agentをそれぞれ追加する必要があります。次に示す各サーバの情報を,あらかじめ確認しておいてください。
    • データベースサーバおよびバックアップサーバのIPアドレスまたはホスト名
    • Application Agentのポート番号(Application Agentのserver.propertiesファイルのserver.agent.portプロパティの値)
      Application Agentで使用するポート番号とserver.propertiesファイルの格納先については,マニュアル「Hitachi Command Suite Replication Manager Software システム構成ガイド」を参照してください。
    • 仮想ホストのIPアドレスまたはホスト名(クラスタ構成の場合)
    • アプリケーションの仮想ホスト名(クラスタ構成の場合)
    重要
    1つのデータベースサーバに対して,バックアップサーバはローカルコピー用で1つ,リモートコピー用で1つまでです。
    重要
    Exchange Serverと連携する場合,DAGを構成しているホストのうち,レプリカを運用したいホストにだけApplication Agentを追加してください。
    重要
    SQL Serverと連携する場合,バックアップサーバの追加は任意です。ただし,データをテープ装置にバックアップするときや,二次利用するときは,SQL Serverをインストールしたバックアップサーバが必要です。
  2. Application Agentの追加と同時にアプリケーション構成情報を取得する場合,データベースサーバとバックアップサーバ(設定済みのバックアップサーバがあるとき)のRAID Managerのインスタンスを起動しておきます。
    データベースサーバとバックアップサーバにDevice Managerエージェントをインストールしていない場合(データベースサーバとバックアップサーバがペア管理サーバとしてReplication Managerに認識されていない場合),RAID Managerのインスタンスは自動的に起動しないため,あらかじめ起動しておく必要があります。起動方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Replication Manager Software システム構成ガイド」を参照してください。
  3. [エクスプローラ]メニューの[管理者メニュー][情報取得元]をクリックします。
    情報取得元サブウィンドウが表示されます。
  4. オブジェクトツリーを展開してから,[Application Agent]を選択します。
    Application Agentサブウィンドウが表示されます。
  5. [Agent追加]ボタンをクリックします。
    Application Agentの追加ダイアログが表示されます。
  6. 手順1で準備した,データベースサーバまたはバックアップサーバの情報,サーバの種別,データベースサーバのクラスタ設定情報などを入力します。
    注意
    同じ物理ノードで複数の仮想ホストを構築する場合,次の項目は正しい組み合わせで入力してください。
    • ホストID
    • アプリケーション種別
    • 仮想ホスト
    この項目の一部に,ほかの仮想ホストの情報を入力しても,エラーにならない場合があり,そのまま続けると正常に動作しないおそれがあります。
    重要
    クラスタ構成の場合,[ホストID]にはアプリケーションの仮想ホストのホスト名またはIPアドレスを指定してください。
    参考
    複数の情報取得元をまとめて追加する場合,[登録時にApplication Agentによって管理されているアプリケーション構成情報を取得する。]チェックボックスをオフにすることをお勧めします。この場合,すべての情報取得元を追加したあとで,新規に追加したサーバから構成情報を取得すれば,登録処理を早く進められます。
    参考
    Protection ManagerからReplication Managerに移行した場合には,[登録時にApplication Agentによって管理されているアプリケーション構成情報を取得する。]チェックボックスをオンにすると,既存のパラメーター情報やアプリケーション構成情報を取得できます。
  7. [OK]ボタンをクリックして,データベースサーバまたはバックアップサーバのApplication Agentを登録します。
    登録したApplication Agentの情報がApplication Agentサブウィンドウに表示されます。

(3) Application Agentのインスタンスの設定例

Application Agentの設定時には,Application Agentの設定 - <Application Agent名>ダイアログで,アプリケーション情報およびレプリカ情報を管理するために必要となる定義情報をデータベースサーバ,バックアップサーバそれぞれに設定します。このダイアログで設定するサーバオプションは,HORCMインスタンスの構成やサーバ種別によって異なります。

正副のHORCMインスタンスを管理しているサーバ構成に応じた,コピーペア構成定義ファイルの設定例を次に示します。

(4) Application Agentの設定

Application Agentの設定手順を次に示します。

  1. Application Agentのオプションを設定するための情報を準備します。情報取得元として追加したデータベースサーバおよびバックアップサーバそれぞれのApplication Agentの設定を実施します。次に示す各サーバの情報を,あらかじめ確認しておいてください。
    • HORCMインスタンスの情報
    • RAID Managerのインストールパス
    • 共用データの格納先パス(データベースサーバがクラスタ構成の場合)
    • メールサーバ名(レプリカタスクに関するEメール通知を実施する場合)
    • SQLインスタンスの情報(SQL Serverの場合)
      SQLインスタンスが起動されていることも確認してください。
  2. Application Agentのオプションを設定する対象サーバに従って,次の手順を実行します。
    データベースサーバのApplication Agentを設定する場合
    データベースサーバのApplication Agentの設定と同時にアプリケーション構成情報を取得するときは,データベースサーバとバックアップサーバ(設定対象のバックアップサーバがあるとき)のRAID Managerのインスタンスを起動しておきます。
    データベースサーバとバックアップサーバにDevice Managerエージェントをインストールしていない場合(データベースサーバとバックアップサーバがペア管理サーバとしてReplication Managerに認識されていない場合),RAID Managerのインスタンスは自動的に起動しないため,あらかじめ起動しておく必要があります。
    バックアップサーバのApplication Agentを設定する場合
    バックアップサーバのApplication Agentの設定と同時に副ボリュームの隠ぺいまたは隠ぺい解除を実行するときは,データベースサーバとバックアップサーバのRAID Managerのインスタンスを起動しておきます。
    バックアップサーバにDevice Managerエージェントをインストールしていない場合(バックアップサーバがペア管理サーバとしてReplication Managerに認識されていない場合),RAID Managerのインスタンスは自動的に起動しないため,あらかじめ起動しておく必要があります。
    また,データベースサーバのRAID Managerのインスタンスは自動的に起動しないため,あらかじめ起動しておく必要があります。
    起動方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Replication Manager Software システム構成ガイド」を参照してください。
    重要
    バックアップサーバの再起動時など,RAID Managerのインスタンスが停止状態になっている場合にも,手動で起動しておいてください。
  3. [エクスプローラ]メニューの[管理者メニュー][情報取得元]をクリックします。
    情報取得元サブウィンドウが表示されます。
  4. オブジェクトツリーを展開してから,[Application Agent]を選択します。
    Application Agentサブウィンドウが表示されます。
  5. データベースサーバを選択し,[Agent設定]ボタンをクリックします。
    Application Agentの設定 - <Application Agent名>ダイアログが表示されます。
  6. サーバオプションを設定します。
    [サーバオプション]タブを選択して,手順1で準備したデータベースサーバまたはバックアップサーバの情報を入力してください。
    重要
    新規にレプリカ作成用のコピーペア構成定義を作成する場合,コピーペア構成定義ウィザードで定義したあと,改めてインスタンスを設定してください。あらかじめインスタンス番号を設定しておくこともできますが,その場合はコピーペア構成定義ウィザードでは,指定したインスタンス番号を使用してください。
    重要
    構成種別を「仮想ホスト(クラスタ構成)」に設定している場合,同じ物理ホストを利用するすべての仮想ホストで設定を共有しています。したがって,[対象インスタンス]および[RAID Managerインストールパス]は,仮想ホストごとに個別の値を設定できません。
  7. クラスタオプションを設定します。
    [クラスタオプション]タブを選択して,手順1で準備したデータベースサーバのクラスタ設定情報を入力してください。
    重要
    [共有データパス]に使用できる文字を次に示します。
    a ~ z A ~ Z 0 ~ 9 # + - . @ _ ( ) および空白文字
    また,コロン(:)をドライブの区切り文字として,円記号(¥)をフォルダの区切り文字として指定できます。
    また,次の制限があります。
    • ドライブ文字を含め,最大で124文字を指定できます。
    • 絶対パスを指定します。
    • UNCパスは指定できません。
    • OSが予約している名前(CON,AUX,NUL,PRN,CLOCK$,COM1 ~ COM9,およびLPT1 ~ LPT9)は指定できません。
    • 1つ以上のスペースで始まる,または終わるフォルダ名は指定できません。
    重要
    構成種別を「仮想ホスト(クラスタ構成)」に設定している場合,同じ物理ホストを利用するすべての仮想ホストで設定を共有しています。したがって,[クラスタオプション][リストアモード]は,仮想ホストごとに個別の値を設定できません。
    参考
    SQL Serverの場合,[クラスタオプション][リストアモード]で「クラスタリソースがオンライン状態でのリストア」を設定すると,クラスタリソースがオンライン状態のままでユーザーデータベースをリストアできます。ただし,リストア対象がシステムデータベースを含む場合はクラスタリソースがオフラインになります。
  8. レプリカオプションを設定します。
    [レプリカオプション]タブを選択して,手順1で準備したレプリカ管理に関する設定情報を入力してください。
    重要
    構成種別を「仮想ホスト(クラスタ構成)」に設定している場合,同じ物理ホストを利用するすべての仮想ホストで設定を共有しています。したがって,次の項目は仮想ホストごとに個別の値を設定できません。
    • [レプリカタスクオプション][レプリカタスクに関するコピーペア操作失敗時]
    • [Eメールオプション]
    参考
    Eメールオプションを設定すると,レプリカタスクの結果を通知できます。
  9. SQL Serverの場合,SQLオプションを設定します。
    [SQLオプション]タブを選択して,手順1で準備したSQLインスタンスの設定情報を入力してください。
    注意
    [VDIメタファイル生成タイムアウト時間]には,SQL Serverデータベースのレプリカ作成またはリストアのタイムアウト値を指定します。
    次の手順に従って,運用に合わせて適切な値を設定してください。
    1. [VDIメタファイル生成タイムアウト時間]をデフォルト値(3,600秒)に設定します。
    2. レプリカを作成します。
    3. タスク履歴 - <タスクID>ダイアログの[完了所要時間]を参照して,レプリカ作成に掛かる時間を算出します。
    4. 手順3で算出した時間を目安に,再度[VDIメタファイル生成タイムアウト時間]を設定してください。レプリカ作成に掛かる時間はシステムのリソースの状態に影響されるため,タイムアウト値は手順3で算出した時間より数分から数十分大きい値を設定してください。
    なお,タイムアウト値として不適切な値を設定した場合,バックアップ処理に時間が掛かって,次の問題が起こることがあります。
    • 算出した目安の時間よりも小さい値を設定した場合
      バックアップ処理がタイムアウトでエラー終了してしまい,データベースのバックアップが取得できない。
    • 算出した目安の時間よりも大きい値を設定した場合
      バックアップ処理がタイムアウトでエラー終了するまでに,SQL Serverに接続中のクライアントアプリケーションがタイムアウトしてしまう。
    注意
    SQL Serverのクラスタ構成を管理している場合,その物理ノードの非クラスタSQLインスタンスを登録しないでください。非クラスタSQLインスタンスを登録した場合,正常に動作しません。
    重要
    レプリカ作成時と異なるSQLインスタンスにリストアする運用の場合,[VDIメタファイル所在]には[デフォルト]ラジオボタンを指定してください。
  10. [OK]ボタンをクリックします。
    確認ダイアログが表示されます。
  11. 設定内容を確認し,[確認]ボタンをクリックします。
    データベースサーバのApplication Agentの設定を完了します。
  12. 引き続き,バックアップサーバのApplication Agentを設定する場合は,バックアップサーバを選択し,[Agent設定]ボタンをクリックします。
    Application Agentの設定 - <Application Agent名>ダイアログが表示されます。
  13. サーバオプションを設定します。
    [サーバオプション]タブを選択して,手順1で準備したデータベースサーバまたはバックアップサーバの情報を入力してください。
    注意
    バックアップサーバの設定を変更すると,これまでにスケジュール設定したレプリカ作成やリストアのタスクが失敗するおそれがあります。
    重要
    新規にレプリカ作成用のコピーペア構成定義を作成する場合,コピーペア構成定義ウィザードで定義したあと,改めてインスタンスを設定してください。あらかじめインスタンス番号を設定しておくこともできますが,その場合はコピーペア構成定義ウィザードでは,指定したインスタンス番号を使用してください。
  14. クラスタオプションを設定します。
    [クラスタオプション]タブを選択して,手順1で準備したデータベースサーバのクラスタ設定情報を入力してください。
    重要
    [共有データパス]に使用できる文字を次に示します。
    a ~ z A ~ Z 0 ~ 9 # + - . @ _ ( ) および空白文字
    また,コロン(:)をドライブの区切り文字として,円記号(¥)をフォルダの区切り文字として指定できます。
    また,次の制限があります。
    • ドライブ文字を含め,最大で124文字を指定できます。
    • 絶対パスを指定します。
    • UNCパスは指定できません。
    • OSが予約している名前(CON,AUX,NUL,PRN,CLOCK$,COM1 ~ COM9,およびLPT1 ~ LPT9)は指定できません。
    • 1つ以上のスペースで始まる,または終わるフォルダ名は指定できません。
    参考
    SQL Serverの場合,[クラスタオプション][リストアモード]で「クラスタリソースがオンライン状態でのリストア」を設定すると,クラスタリソースがオンライン状態のままでユーザーデータベースをリストアできます。ただし,リストア対象がシステムデータベースを含む場合はクラスタリソースがオフラインになります。
  15. レプリカオプションを設定します。
    [レプリカオプション]タブを選択して,手順1で準備したレプリカ管理に関する設定情報を入力してください。
    参考
    ボリューム隠ぺいを実行して,OSでディスク構成を再認識すると,「デバイスを取り外した」という内容のエラーメッセージがWindowsイベントログに記録されます。エラーメッセージのイベントログは定期的に削除することをお勧めします。
  16. SQL Serverの場合,SQLオプションを設定します。
    [SQLオプション]タブを選択して,手順1で準備したSQLインスタンスの設定情報を入力してください。
    注意
    [VDIメタファイル生成タイムアウト時間]には,SQL Serverデータベースのレプリカ作成またはリストアのタイムアウト値を指定します。
    次の手順に従って,運用に合わせて適切な値を設定してください。
    1. [VDIメタファイル生成タイムアウト時間]をデフォルト値(3,600秒)に設定します。
    2. レプリカを作成します。
    3. タスク履歴 - <タスクID>ダイアログの[完了所要時間]を参照して,レプリカ作成に掛かる時間を算出します。
    4. 手順3で算出した時間を目安に,再度[VDIメタファイル生成タイムアウト時間]を設定してください。レプリカ作成に掛かる時間はシステムのリソースの状態に影響されるため,タイムアウト値は手順3で算出した時間より数分から数十分大きい値を設定してください。
    なお,タイムアウト値として不適切な値を設定した場合,バックアップ処理に時間が掛かって,次の問題が起こることがあります。
    • 算出した目安の時間よりも小さい値を設定した場合
      バックアップ処理がタイムアウトでエラー終了してしまい,データベースのバックアップが取得できない。
    • 算出した目安の時間よりも大きい値を設定した場合
      バックアップ処理がタイムアウトでエラー終了するまでに,SQL Serverに接続中のクライアントアプリケーションがタイムアウトしてしまう。
    注意
    SQL Serverのクラスタ構成を管理している場合,その物理ノードの非クラスタSQLインスタンスを登録しないでください。非クラスタSQLインスタンスを登録した場合,正常に動作しません。
    重要
    レプリカ作成時と異なるSQLインスタンスにリストアする運用の場合,[VDIメタファイル所在]には[デフォルト]ラジオボタンを指定してください。
  17. [OK]ボタンをクリックします。
    確認ダイアログが表示されます。
  18. 設定内容を確認し,[確認]ボタンをクリックします。
参考
Application Agentの設定 - <Application Agent名>ダイアログから設定できない高度なパラメーターを設定したい場合は,プロパティファイルを直接編集してください。プロパティファイルを編集して,パラメーターを変更した場合,対象のApplication Agentに対して次の操作を実行してください。
  1. Application Agentのサービスを再起動します。
  2. Application Agentサブウィンドウで[Agent情報更新]ボタンをクリックします。