4.4.6 V-VOLの設定
V-VOLの設定手順について説明します。
- この項の構成
- (1) V-VOLとは
- (2) V-VOLの要件
- (3) V-VOLグループ作成時に追加できる正ボリューム数とコピー世代数
- (4) V-VOLの作成ウィザードの概要
- (5) V-VOLの作成
(1) V-VOLとは
Thin ImageまたはCopy-on-Write Snapshotを利用してボリュームのレプリケーションを実施する場合には,副ボリュームとして仮想ボリューム(V-VOL)を使用します。V-VOLは,プールに蓄えられた差分データと正ボリュームを使用して仮想的に作成されるボリューム(スナップショットイメージ)です。正ボリュームに対応づけて,V-VOLを定義しておく必要があります。
Replication Managerはストレージシステム構成でのV-VOLの作成をサポートしています。V-VOLの作成後,コピーペアを作成するためにLUNをV-VOLに関連付ける必要があります。
参考- LUNをV-VOLに割り当てるためには,Device Managerを使用してください。
ストレージシステムごとに作成できるV-VOLグループの最大数は65,280です。
(2) V-VOLの要件
V-VOLを作成する前に,次に示す前提条件を満たしている必要があります。
- オープン系システムを使用している。
- ストレージシステムがVirtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,またはHUS VMである。
- Thin ImageまたはCopy-on-Write Snapshotのライセンスがストレージシステムに登録されている。
V-VOLの作成ウィザードの[2. 主LDEVを選択]画面に,正ボリュームの候補ボリュームとして表示されるボリュームの条件を次に示します。
- ボリューム種別が設定されていない。
- ボリューム属性にPOOL,V-VOL,およびLUSEのどれも含まれていない。
- エミュレーションタイプがOPEN-Vである。
- パスが定義されている。
- 容量が46MB以上で,かつ4TB以下である。
(3) V-VOLグループ作成時に追加できる正ボリューム数とコピー世代数
V-VOLグループ作成時に追加できる正ボリューム数とコピー世代数を次の表に示します。
Universal Storage Platform V/VMの場合,V-VOLに対して実行できる操作は,CVS(Open Volume Management)がインストールされているかどうかによって決まります。既存V-VOLグループへのV-VOLの追加および削除ができるのは,CVSがインストールされている場合だけです。
条件 | Virtual Storage Platform | Universal Storage Platform V/VM | HUS VM |
---|
CVSインストール済み | CVS未インストール |
---|
追加できる正ボリューム数※1 | 制限なし | 制限なし | 1 | 制限なし |
コピー世代数※2 | 65,280 | 1,024 | 1(非活性) | 16,384 |
- 注※1
- [2. 主LDEVを選択]画面の[対象のLDEV一覧]で追加するボリュームです。
- 注※2
- [2. 主LDEVを選択]画面の[スナップショットの数]タブで設定する世代番号です。
(4) V-VOLの作成ウィザードの概要
Replication Managerには,V-VOLを作成し,それをボリュームプールに関連付けるためのV-VOLの作成ウィザードがあります。
V-VOLの作成ウィザードには次に示す機能があります。
- V-VOLグループの設定
- V-VOLで複製する主LDEVの選択
- 選択したLDEVに対して複数のV-VOLを作成する場合の各LDEVのスナップショット数の指定
- CU:LDEVの開始番号を指定した場合の,CUおよびLDEVの指定によるV-VOLの選択
(5) V-VOLの作成
V-VOLの作成手順を次に示します。
- [エクスプローラ]メニューの[リソース]-[ストレージシステム]をクリックします。
ストレージシステムサブウィンドウが表示されます。
- オブジェクトツリーを展開し,[ストレージシステム]配下のストレージシステムを選択します。
<ストレージシステム名>サブウィンドウが表示されます。
- [オープン]リンクをクリックします。
オープンサブウィンドウが表示されます。
- [プール一覧]タブで,[V-VOL一覧]タブを表示します。
- [V-VOL作成]ボタンをクリックします。
V-VOLの作成ウィザードが起動します。
- [1. V-VOLグループを設定]画面のメッセージに従って,V-VOLグループ(パリティグループ)のパラメーターを指定します。
- [次へ]をクリックします。
[2. 主LDEVを選択]画面が表示されます。
- [2. 主LDEVを選択]画面の[対象のLDEV一覧]タブで,V-VOLで複製する主LDEVをフィルターしてから選択します。
正ボリュームの候補ボリュームの要件については,「(2) V-VOLの要件」を参照してください。
- 複数世代のスナップショット用のLDEVに対して複数のV-VOLを作成するには,[スナップショット数]タブを選択してから世代番号を指定します。
- [追加]ボタンをクリックします。
[候補LDEV一覧]で選択した主LDEVが[対象のLDEV一覧]に表示されます。
- [次へ]をクリックします。
[3. V-VOLを設定]画面が表示されます。
- V-VOLにLDEV番号を割り当てるために,[3. V-VOLを設定]画面で,[V-VOL(s)の開始番号を指定する。]チェックボックスを選択して,CUおよびLDEVの開始番号を指定します。
作成時に,V-VOLのCU:LDEVが自動的に割り当てられます。
- [次へ]をクリックします。
[4. 確認]画面が表示されます。
- V-VOLのすべてのパラメーターを確認し,[確認]ボタンをクリックします。
[5. 完了]画面が表示されます。
重要- Virtual Storage Platformの場合,V-VOLの作成ウィザードで一度に作成できるV-VOLの最大数は900です。900以上のV-VOLを一度に作成すると,RPM-01014のメッセージが出力されて,作成に失敗します。
- ただし,Device Managerサーバのserver.propertiesファイルにあるserver.http.entity.maxLengthプロパティ(Device Managerサーバが受信できるデータ長の最大値)に141,500以上を設定すると, V-VOLの作成ウィザードで一度に作成できるV-VOLの最大数を1,024にできます。server.http.entity.maxLengthプロパティの設定方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Softwareシステム構成ガイド」を参照してください。
参考- この操作に掛かる時間は,選択した主LDEVの数とサイズ,および指定したスナップショット数に依存します。
- 主LDEV(1GB)が5,スナップショット数が5の場合には約20分,主LDEV(1GB)が1,スナップショット数が1,024の場合には約40分掛かります。
- 主LDEVを多数選択すると,さらに長く時間が掛かることがあります。
- V-VOLが作成され,ストレージシステムビューの[V-VOL一覧]タブに一覧で表示されていることを確認します。
対象のLDEVと完全に一致するサイズでV-VOLが作成されます。