用語解説
Replication Managerを使用するために理解しておきたい用語の意味について解説します。
(英字)- Application Agent(Replication Manager Application Agent)
- アプリケーションと連携してデータベースのレプリカの管理を実施するためのエージェントです。RM Shadow Copy Provider(VSS Provider)が同梱されています。管理サーバのReplication Managerからの要求に応じてレプリカを作成したり,リストアしたりします。Application AgentはGUIからダウンロードし,データベースサーバおよびバックアップサーバにインストールします。
- Business Continuity Manager
- メインフレーム系システムのホストからストレージシステムを制御するためのソフトウェアです。Business Continuity Managerを使用すれば,コピーペアの構成や状態に関する情報を取得できます。Replication Managerは,Business Continuity Managerと連携してコピーペアの構成や状態に関する情報を監視します。製品GUIでは,BCMまたはBC Managerと表記されることがあります。
- Copy-on-Write Snapshot
- 1つのストレージシステム内でボリュームの複製を作成するソフトウェアです。差分データをデータプールに複製します。副ボリュームは,正ボリュームと差分データから成る仮想ボリューム(V-VOL)です。差分データだけを複製すれば,短時間でデータを複製したり,複製に使用するボリュームの容量を低減したりできます。詳細については,Copy-on-Write Snapshotのマニュアルを参照してください。
- ストレージシステムによっては,Snapshotと呼ばれる場合があります。
- CU(Control Unit)
- エンタープライズクラスストレージまたはHUS VMの場合に,ストレージシステム内に作成される仮想的な制御装置です。CUイメージとも呼びます。ストレージシステム内に作成したLDEVは,1つのCUに接続され,CUごとにLDEVを識別するための番号が与えられます。したがって,ストレージシステム内のボリューム(LDEV)は,CUの番号(CU#)とLDEV番号の対で特定されます。
- DAD(Device Address Domain)
- Business Continuity Managerが管理するボリュームの集合のことです。Business Continuity Managerがボリュームスキャンしたとき,検出されたボリュームはDADに登録されます。DADには,ボリュームスキャンの種別に応じて,ローカルDAD,Non Gen'ed DAD,リモートDADの3種類があります。
- DADID
- DADを識別するための名称です。
- Device Manager
- ストレージシステムのリソースやハードウェア構成を統合管理するためのソフトウェアです。複数のストレージシステムで構成されたシステムを運用・管理できます。製品GUIでは,HDvMと表記されることがあります。
- DEVN(DEVice Number)
- メインフレームでLDEVを使用する場合に設定する,LDEVを識別するための番号(デバイス番号)です。DEVNは,4桁の16進数で表されます。
- EXCTG(EXtended ConsisTency Group)
- 複数のストレージシステムにわたって,正ボリュームと副ボリューム間のデータの整合性を保証するコンシステンシーグループです。拡張コンシステンシーグループとも呼ばれます。原則として,コピーグループコンテナ単位でこの属性が割り当てられます。この属性はメインフレーム系システムだけで有効です。
- Gen'edボリューム
- メインフレームホストで認識されているボリュームです。
- Hitachi Command Suite共通コンポーネント
- Hitachi Command Suite製品で共通して使用する機能を集めたコンポーネントです。Replication Managerの一部としてインストールされ,シングルサインオン,統合ログ出力,サービス起動・停止コマンド,共通GUIなどの機能を提供します。
- LDEV(Logical DEVice)
- ストレージシステム内に作成されるボリュームのことを,メインフレーム系システムではLDEV(論理デバイス)と呼びます。
- LU(Logical Unit)
- ストレージシステム内に作成されるボリュームのことを,オープン系システムではLU(論理ユニット)と呼びます。ただし,ミッドレンジストレージのボリュームの場合,Replication ManagerのGUIではLDEVと表示します。
- LUN(Logical Unit Number)
- ストレージシステム内のLUに与えられる管理番号です。LUNは,LUが接続されているストレージシステム内のポートについて,ポートごと,またはポートに設定されているホストグループごとに,LUを識別するために設定される番号です。オープン系システムのホストは,LUNでLUを特定してアクセスします。
- Mainframe Agent
- メインフレーム系システムのホストおよびストレージシステムの情報を取得するためのソフトウェアです。Replication Managerは,Mainframe Agentと連携して,PPRCによって作成されたコピーペアの構成や状態に関する情報を監視します。製品GUIでは,MFAと表記されることがあります。
- MIB(Management Information Base)
- SNMPで扱う情報の構造を定義したものです。Replication Managerで使用するMIBには,アラートに設定した監視対象,条件,メッセージなどの情報が定義されています。
- NGスキャン
- Business Continuity Managerがインストールされているサイトの内側にある,メインフレームホストによって認識されていないボリューム(Non Gen'edボリューム)を検出するためのスキャンです。検出されたボリュームが定義されるディスク構成定義ファイルには,Non Gen'ed DAD属性が割り当てられます。
- Non Gen'edボリューム
- メインフレームホストで認識されていないボリュームです。
- Open/MFコンシステンシーグループ
- このマニュアルでは,オープン系システムとメインフレーム系システムのコピーペアが混在するコンシステンシーグループのことを指します。
- QuickShadow
- SANRISE9500Vで,1つのストレージシステム内でボリュームの複製を作成するソフトウェアです。差分データをデータプールに複製します。副ボリュームは,正ボリュームと差分データから成る仮想ボリューム(V-VOL)です。差分データだけを複製すれば,短時間でデータを複製したり,複製に使用するボリュームの容量を低減したりできます。詳細については,QuickShadowのマニュアルを参照してください。
- RAID Manager
- オープン系システムのホストからストレージシステムを制御するためのソフトウェアです。RAID Managerを使用すれば,ストレージシステムのボリューム複製機能を制御できます。
- Replication Managerでは,RAID Managerの構成定義ファイルを使用してコピーペアの構成を変更したり,構成情報を取得したりします。コピーペアの分割,再同期など,ペア状態を変更する処理は,RAID Managerを通してストレージシステム上で実行されます。
- ShadowImage
- 1つのストレージシステム内でボリュームの複製を作成するソフトウェアです。ボリューム内のすべてのデータを複製します。すべてのデータを複製すれば,正ボリュームが破損した場合でもすぐにデータを復旧できます。詳細については,ShadowImageのマニュアルを参照してください。
- ストレージシステムによっては,Business Copyと呼ばれる場合があります。
- Thin Image
- Virtual Storage PlatformまたはHUS VMで,Copy-on-Write Snapshotの機能に加えて,Copy after Writeの機能が導入されたソフトウェアです。データプールは,DPプールの機構を取り入れたThin Imageプールが作成されます。詳細については,Thin Imageのマニュアルを参照してください。
- ストレージシステムによっては,Fast Snapと呼ばれる場合があります。
- TrueCopy
- ストレージシステム間でボリュームの複製を作成するソフトウェアです。ボリューム内のすべてのデータを同期または非同期で複製します。このマニュアルでは,同期のTrueCopyをTrueCopy Sync,非同期のTrueCopyをTrueCopy AsyncまたはTrueCopy Extended Distanceと呼びます。詳細については,TrueCopyのマニュアルを参照してください。
- ストレージシステムによっては,同期のTrueCopy SyncがContinuous Access Synchronous,非同期のTrueCopy AsyncがContinuous Access Asynchronousと呼ばれる場合があります。
- Universal Replicator
- ストレージシステム間で非同期に複数のボリュームの複製を作成するソフトウェアです。差分データをいったんジャーナルボリュームに蓄積してから,データを複製します。遠隔地にあるサイトにデータを複製でき,複数のサイト間でのマルチターゲット構成やカスケード構成を実現できます。詳細については,Universal Replicatorのマニュアルを参照してください。
- ストレージシステムによっては,Continuous Access Journalと呼ばれる場合があります。
- VOLSER(VOLume SERial number)
- ボリュームのラベルとして使用するために,メインフレームホストがボリュームに割り当てる情報です。
(ア行)- インフォメーションストア
- Exchange Serverで使用するデータベースです。
(カ行)- 関連タスク
- コピーペア構成定義ウィザードを実行したあとに,同じコピーグループまたはスナップショットグループに対して作成される一連のタスクです。
- コピーグループ
- 複数のコピーペアをグループ化したものです。コピーグループに対しては,一括してペア状態の変更などを指示できます。
- コピーグループコンテナ(コンテナ)
- メインフレーム系システムだけで使用できるコピーグループ(コンシステンシーグループ)の集合です。
- コピーグループ定義ファイル
- Business Continuity ManagerまたはMainframe Agentがコピーペアを制御するために,コピーグループ,およびコピーペア構成を含めた各種パラメーターが記述された構成定義ファイルです。
- コピーペア
- ストレージシステムのボリューム複製機能によって関連付けられた,正ボリュームと副ボリュームとのペアを指します。ペアボリュームとも呼びます。このマニュアルでは,コピーペアを単にペアと呼ぶこともあります。
- コピーペア構成定義ファイル
- コピーグループ,およびコピーペア構成を含めた各種パラメーターが記述された構成定義ファイルです。オープン系システムではRAID Managerの構成定義ファイル,メインフレーム系システムではコピーグループ定義ファイルを指します。このマニュアルでは,単に構成定義ファイルと呼ぶこともあります。
- コピーペア状態
- コピーペアがどのような状態になっているのかを表す値です。Replication Managerでは,error,suspend,copying,sync,simplex,unknownの6種類の状態を定義しており,それぞれの状態をアイコンで示します。コピーペア状態は,正ボリュームと副ボリュームの詳細コピーペア状態の組み合わせによって決定されます。ペア状態とも呼びます。
- コンシステンシーグループ(CTG)
- TrueCopy,Universal ReplicatorまたはThin Imageで使用するグループで,ボリュームに対する更新順序の整合性を保つ単位です。
- コピーペア間のデータの整合性を保つための属性です。原則として,コピーグループ単位またはスナップショットグループ単位でこの属性が割り当てられます。この属性は非同期のリモートコピーの場合には必須ですが,ローカルコピーの場合は任意です。
(サ行)- 詳細コピーペア状態
- 正ボリューム,副ボリュームがそれぞれどのような状態になっているのかを表す値です。詳細コピーペア状態は,Replication Managerの前提製品(Device Manager,RAID Manager,Business Continuity Managerなど)およびストレージシステムの運用管理ソフトウェア(Storage Navigator,Storage Navigator Modularなど)で表示されるコピーペアの状態に対応しています。
- ストレージグループ
- Exchange Server 2003およびExchange Server 2007が提供している複数のデータベースをグループ化する管理方法です。グループ内のデータベースは共通のトランザクションログを使用するので,複数のデータベースをまとめて管理できます。
- スナップショットグループ
- スナップショットグループは,Thin Imageだけで作成された複数のコピーペアをグループ化したものです。コピーグループと同様に,スナップショットグループ内のコピーペアを一括して操作できます。スナップショットグループを使用する場合,コピーペアをストレージシステム上に直接格納するため構成定義ファイルを指定する必要がありません。
- 前提タスク
- 関連タスクの中で,あるタスクより前に実行される必要のあるタスクです。
(タ行)- ダミーデバイス番号(ダミーDEVN)
- NGスキャンまたはリモートスキャンを実行したとき,ユーザーは検出されたボリュームにダミーデバイス番号を割り当てます。この情報によって,Business Continuity Managerは,メインフレームホストによってDEVNが割り当てられていないボリュームを管理できます。
- ディスク構成定義ファイル
- Business Continuity ManagerまたはMainframe Agentに管理されているボリュームが一覧で登録されているファイルです。
- データセット
- メインフレームホストでのファイルの格納先(アプリケーションがアクセスできるボリュームの領域),およびそのファイルの属性値を定義したものです。メインフレームホストでファイルを作成する場合は,あらかじめデータセットを割り当てておく必要があります。
- デバイスグループ
- ストレージシステム上で管理される,ボリュームのグループ化機能です。Virtual Storage PlatformおよびHUS VMで使用できます。Replication Managerでは,ストレージシステム上に定義されたデバイスグループについてだけ,コピーグループを管理できます。
- デルタリシンク
- 3DCマルチターゲット構成で,近距離のセカンダリーサイトと遠距離のセカンダリーサイト間のUniversal Replicatorのコピーペアに対して,差分をコピーして同期処理している状態です。
- トランザクションログ
- データベースに加えられた変更を記録するログです。このログ情報は,レプリカの作成やリストアによるロールフォワード(データ変更し直し)の際に必要となります。
(ナ行)- 二次利用
- 副ボリュームにコピーしたデータをリストア以外の目的で利用するために,バックアップサーバから副ボリュームのデータにアクセスする操作です。
- ノード削除
- 既存のコピーグループから,ペア管理サーバの正側ノードおよび副側ノードの組み合わせを削除する操作です。
- ノード追加
- 既存のコピーグループに,ペア管理サーバの正側ノードおよび副側ノードの組み合わせを追加する操作です。
(ハ行)- バックアップID
- バックアップカタログに記憶される情報の一つで,レプリカを一意に識別するためのIDです。バックアップIDは,レプリカを作成すると自動的に与えられます。
- バックアップカタログ
- レプリカ作成操作の履歴やレプリカの世代を管理するのに必要な情報を収集したものです。レプリカを作成すると,バックアップカタログ内に,レプリカに関する情報を集めたレコードが作成されます。作成したレプリカのリストア時には,Replication Managerは,バックアップカタログの情報を参照します。
- プレフィックス
- Business Continuity ManagerまたはMainframe Agentで作成したコピーグループ定義ファイルの名称(<プレフィックス>.GRP.<コピーグループID>)のうち,プレフィックス部分の名称のことです。コピーグループ定義ファイルは,このプレフィックスの単位で作成されるため,Replication Managerでは,Business Continuity ManagerまたはMainframe Agentのコピーグループ定義ファイルを識別するための一意な名称として,プレフィックスを使用します。
- ペア
- このマニュアルでは,コピーペアのことを指します。
- ホストグループ
- Device Managerを使用して定義する,ストレージシステム内のボリュームのセキュリティを高めるためのグループです。ストレージシステムのポートごとに,ホストとボリュームとを関連付けてグループ化すれば,ホストからボリュームへのアクセスを制限できます。
- Device Managerでは,ストレージシステムのLUNセキュリティ機能で設定されるホストグループが,ホストグループとして定義されます。ホストグループを持たないストレージシステムの場合は,LUNセキュリティが同じ設定となるグループがホストグループとして定義されます。
- ボリューム
- ストレージシステム内に作成されるLDEV(論理デバイス)とLU(論理ユニット)の総称です。
- ボリューム複製機能
- ストレージシステムのボリュームを高速に複製するための機能の総称です。ShadowImageやTrueCopyなど,ストレージシステムに内蔵されているソフトウェアでボリュームの複製を作成します。ソフトウェアに対してライセンスを登録すると使用できます。
(ラ行)- リモートサイト
- ディザスタリカバリー(災害時復旧)に備え,3つのサイトで構成する場合の遠距離のセカンダリーサイトです。
- リモートスキャン
- Business Continuity Managerがインストールされているサイトの外側にある,メインフレームホストによって認識されていないボリューム(Non Gen'edボリューム)を検出するためのスキャンです。検出されたボリュームが定義されるディスク構成定義ファイルには,リモートDAD属性が割り当てられます。
- リモートパス
- リモートコピー(ストレージシステム間のボリュームのレプリケーション)を実施する場合に使用する,ストレージシステム間を結ぶ論理的なパスを指します。このマニュアルでは,エンタープライズクラスストレージおよびHUS VMの場合の,ローカルストレージシステムのMCU(または正DKC)とリモートストレージシステムのRCU(または副DKC)を結ぶパス,およびミッドレンジストレージの場合のローカルストレージシステムとリモートストレージシステムを結ぶパスを総称でリモートパスと表しています。
- ルートリスト
- ストレージシステム内のコマンドデバイス間の接続関係を定義し,Business Continuity Managerが発行するコマンドの経路を示すリストです。コマンドデバイスを介してリモートスキャンのような操作を実行するために必要です。
- レプリカ
- アプリケーションのデータベースの管理単位で複製されたバックアップデータ(副ボリューム)です。Application Agentを使用してレプリカを作成したり,リストアしたりします。
- ローカルサイト
- ディザスタリカバリー(災害時復旧)に備え,3つのサイトで構成する場合の近距離のセカンダリーサイトです。
- ローカルスキャン
- Business Continuity Managerがメインフレームホストによって認識されているボリュームを検出するためのスキャンです。検出されたボリュームが定義されるディスク構成定義ファイルには,ローカルDAD属性が割り当てられます。