ユーザースクリプトの作成について説明します。
(1) ユーザースクリプトの作成の概要
レプリカを作成したあとに次の操作を実行する場合は,ユーザースクリプトを実行することで手作業を軽減できます。
(2) ユーザースクリプトの記述規則
ユーザースクリプトの記述規則を次の表に示します。
表6-8 ユーザースクリプトの記述規則
分類 | 規則 |
---|---|
ユーザースクリプト全体 |
|
項目名,セクション名 |
|
項目の値 |
|
注釈 |
|
空行 |
|
(3) ユーザースクリプトの記述項目
ユーザースクリプトの記述項目を次の表に示します。ユーザー処理セクションに次のどちらかを指定すれば,レプリカ作成の処理前または処理後に記述したコマンドを実行できます。
表6-9 ユーザースクリプトの記述項目
項目名 | 項目の意味および指定する値 | 複数指定 | 省略 |
---|---|---|---|
LOCAL_BACKUP | YESを指定します。 | × | × |
[PRE_PROC] | ユーザー処理セクション「ユーザー前処理」の先頭を示します。このセクションでは,レプリカ作成前に実行するコマンドおよびスクリプトを定義します。 | × | ○ |
[POST_PROC] | ユーザー処理セクション「ユーザー後処理」の先頭を示します。このセクションでは,レプリカ作成後に実行するコマンドおよびスクリプトを定義します。 | × | ○ |
[CMD] | コマンド定義セクションの先頭を示します。 この項目には,次の規則があります。
| ○ | ○ |
CMDLINE※ | 実行させるコマンドラインを指定します。 この項目には,次の規則があります。
| × | × |
ENV | 指定したコマンドを実行する時の環境変数を指定します。 この項目には,次の規則があります。
| ○ | ○ |
END_CODE | 実行したコマンドの戻り値への対応方法を指定します。デフォルト値はTERMINATE_NZです。次の値が指定できます。 TERMINATE_NZ:0以外の戻り値が返るとスクリプト処理を終了する。 IGNORE:戻り値に関係なくスクリプト処理を継続する。 <エラーのしきい値>:0~255の整数を指定する。指定された数値より大きい戻り値が返ると,スクリプト処理を終了する。 この項目には,次の規則があります。
| × | ○ |
TIMEOUT | コマンドのタイムアウト値を指定します。デフォルト値は600(10分)です。次の値が指定できます。 <タイムアウト値>(単位:秒):0~86400の整数を半角文字で指定する。0を指定した場合,タイムアウトしない。 NOWAIT:コマンドの起動が成功すると,完了を待たない。このとき,コマンドの戻り値は0になる。 | × | ○ |
LOCATION | 指定したコマンドの実行サーバを指定します。デフォルト値はLOCALです。バックアップサーバのない構成では,REMOTEを指定できません。次の値が指定できます。 LOCAL:指定したコマンドをデータベースサーバで実行する。 REMOTE:指定したコマンドをバックアップサーバで実行する。 | × | ○ |
PARENT_STAT | 親コマンド(スクリプトを呼び出すコマンド)の実行状態によってスクリプトを実行するかどうかを指定します。デフォルト値はNORMALです。次の値が指定できます。 NORMAL:親コマンドの実行状態が正常な場合だけ,CMDLINEで指定したコマンドを実行する。 ERROR:親コマンドの実行状態がエラーの場合だけ,CMDLINEで指定したコマンドを実行する。親コマンドの実行結果は,スクリプトの結果に関係なくエラーとなる。 ANY:常にCMDLINEで指定したコマンドを実行する。親コマンドの実行状態がエラーの場合,親コマンドの実行結果は,スクリプトの結果に関係なくエラーとなる。 [PRE_PROC]セクションではANYまたはNORMALを指定します。ERRORを指定すると,[PRE_PROC]セクションのコマンドが実行されません。 | × | ○ |
(4) ユーザースクリプトの環境変数
ユーザー後処理セクションのコマンドで参照できるApplication Agentのスクリプト環境変数を次の表に示します。スクリプト環境変数は,データベースサーバおよびバックアップサーバで参照できます。
表6-10 ユーザースクリプトの環境変数
環境変数 | 内容 | 説明 |
---|---|---|
DRMENV_L_BACKUPID | データベースサーバのバックアップID | 次の場合に有効になります。
|
DRMENV_R_BACKUPID | バックアップサーバのバックアップID | 次の場合に有効になります。
|
DRMENV_CMD_STAT | コマンド実行状態 | NORMAL:正常 ERROR:エラー |
(5) ユーザースクリプトを使用したレプリカの作成
ユーザースクリプトを使用したレプリカの作成手順を次に示します。
LOCAL_BACKUP=YES |
rem NTBACKUPでジョブ「Job1」を実行してテープ「Tape1」にG:¥をコピーバックアップ |