PIレコードタイプのレコードでは,Collection Intervalに設定された間隔で収集されるデータと,あらかじめ定義されたルールに基づき一定の期間(分,時,日,週,月,または年単位)ごとに要約されたデータが,Storeデータベースに格納されます。要約の種類はフィールドごとに定義されています。この定義を「要約ルール」と呼びます。
要約ルールによっては,要約期間中の中間データを保持する必要のあるものがあります。この場合,中間データを保持するためのフィールドがStoreデータベース内のレコードに追加されます。このフィールドを「追加フィールド」と呼びます。追加フィールドの一部は,Performance Reporterでレコードのフィールドとして表示されます。Performance Reporterに表示される追加フィールドは,履歴レポートに表示するフィールドとして使用できます。
なお,要約によって追加される「追加フィールド」と区別するために,ここでは,この章の各レコードの説明に記載されているフィールドを「固有フィールド」と呼びます。
追加フィールドのフィールド名は次のようになります。
PFM - Manager名に付加されるサフィックスと,それに対応するPFM - View名に付加されるサフィックス,およびフィールドに格納されるデータを次の表に示します。
表6-3 追加フィールドのサフィックス一覧
PFM - Manager名に付加されるサフィックス | PFM - View名に付加されるサフィックス | 格納データ |
---|---|---|
_TOTAL | (Total) | 要約期間内のレコードのフィールドの値の総和 |
_TOTAL_SEC | (Total) | 要約期間内のレコードのフィールドの値の総和(utime型の場合) |
_COUNT | - | 要約期間内の収集レコード数 |
_HI | (Max) | 要約期間内のレコードのフィールド値の最大値 |
_LO | (Min) | 要約期間内のレコードのフィールド値の最小値 |
_OV | (OV) | 要約期間内のレコードのフィールド値の総和のオーバーフロー回数 次に計算式を示す。 (フィールド値の総和)/(固有フィールドの最大値+1) 注 小数点以下は切り捨てられる。 |
要約ルールを次の表に示します。
表6-4 要約ルール
要約 ルール名 | 説明 |
---|---|
COPY | 要約期間内の最新のレコードのフィールド値がそのまま格納される。 |
AVG | 要約期間内のフィールド値の平均値が格納される。 次に計算式を示す。 (フィールド値の総和)/(収集レコード数) 追加フィールド(Storeデータベース)
|
ADD | 要約期間内のフィールド値の総和が格納される。 |
ADDBI | 要約期間内のフィールド値の総和の下位バイトが格納される。最大値がADDルールの256倍に拡張されている。 次に計算式を示す。計算式中の"%"は剰余を示す。 (フィールド値の総和)%(固有フィールドの最大値) 追加フィールド(Storeデータベース)
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HI | 要約期間内のフィールド値の最大値が格納される。 |
LO | 要約期間内のフィールド値の最小値が格納される。 |
HILO | 要約期間内のデータの最大値,最小値,および平均値が格納される。 固有フィールドには平均値が格納される。 次に計算式を示す。 (フィールド値の総和)/(収集レコード数) 追加フィールド(Storeデータベース)
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% | 要約期間内のフィールド値の平均値が格納される。 主に百分率のフィールドに適用される。 次に計算式を示す。 (フィールド値の総和)/(収集レコード数) 追加フィールド(Storeデータベース)
|
R | 要約期間内のフィールド値の平均値が格納される。 主に1秒当たりの量を表すフィールドに適用される。 次に計算式を示す。 (フィールド値の総和)/(収集レコード数) リアルタイムレポートのデルタ指定時は差分をIntervalで割る特殊な計算方法を採用する。追加フィールド(Storeデータベース)
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- | 要約されないことを示す。 |