A.2 ディスク占有量

ディスク占有量は,構築しているインスタンス数,パフォーマンスデータを収集するレコード数,および共通メッセージログのファイルサイズなどによって変化します。

ただし,共通メッセージログは,同一ホスト上のPerformance Managementプログラムで共通のため,ディスク占有量を見積もる場合は,1つのホストに対して一度だけ共通メッセージログのファイルサイズを加算してください(デフォルトの上限値は4メガバイト)。共通メッセージログのファイルサイズの上限値を変更したい場合は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

この節の構成
A.2.1 システム全体のディスク占有量
A.2.2 各インストール先ディレクトリのディスク占有量
A.2.3 Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量
A.2.4 Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量

A.2.1 システム全体のディスク占有量

表A-3 システム全体のディスク占有量

HTM - Agent for SAN Switchの状態ディスク占有量(単位:メガバイト)
Windows Server 2003Windows Server 2008Windows Server 2012Solaris
(SPARC)
Solaris
(x64)
Linux
インストール時40040040012060280
初期状態以外での運用440+a440+a440+a60+a43+a440+a
(凡例)
a:インスタンスごとのディスク占有量の和
1つのインスタンスのディスク占有量の算出式を次に示します。
b+55(単位:メガバイト)
b:Storeデータベースのディスク占有量(単位:メガバイト)
Storeデータベースのディスク占有量については,「A.2.3 Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量」および「A.2.4 Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量」を参照してください。

A.2.2 各インストール先ディレクトリのディスク占有量

表A-4 各インストール先ディレクトリのディスク占有量

ディレクトリ名HTM - Agent for SAN Switchの状態ディスク占有量(単位:メガバイト)
Windows Server 2003Windows Server 2008Windows Server 2012Solaris
(SPARC)
Solaris
(x64)
Linux
システムドライブインストール時300300300
Tuning Managerシリーズのインストール先フォルダインストール時100100100
初期状態での運用140+a140+a140+a
/opt/HDVMインストール時100
/opt/jp1pcインストール時12060150
初期状態での運用60+a43+a160+a
/var/optインストール時5
/var/tmpインストール時25
(凡例)
a:インスタンスごとのディスク占有量の和
1つのインスタンスのディスク占有量の算出式を次に示します。
b+55(単位:メガバイト)
b:Storeデータベースのディスク占有量(単位:メガバイト)
Storeデータベースのディスク占有量については,「A.2.3 Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量」および「A.2.4 Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量」を参照してください。
-:
該当しない

A.2.3 Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量

Storeデータベース(Storeバージョン1.0)では,各レコードは,レコードタイプごとに1つのファイルに格納されます。Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について,レコードタイプごとに次の表に示します。

表A-5 レコードタイプごとのStoreデータベースのディスク占有量

レコードタイプディスク占有量の見積もり式(単位:バイト)
PIレコードタイプX1+...+Xi+3,500*i
PDレコードタイプY1+...+Yj+700*j
(凡例)
X:PIレコードタイプのレコードで履歴データを収集する各レコードのディスク占有量
Y:PDレコードタイプのレコードで履歴データを収集する各レコードのディスク占有量
i:PIレコードタイプのレコードで履歴データを収集するレコード数
j:PDレコードタイプのレコードで履歴データを収集するレコード数

表A-5 レコードタイプごとのStoreデータベースのディスク占有量」の(凡例)で使用しているXとYの算出式を次に示します。

X={b*c + (a + 1,900)*{(b*c)/(65,250 - a) + 1}※1}*d*1.5
Y={b*e + (a + 1,900)*{(b*c)/(65,250 - a) + 1}※1*(e/c)※2}*1.5

算出式のa~eの意味は次のとおりです。

a:履歴データを収集する各レコードの固定部のサイズ。各レコードの固定部のサイズについては,「6. レコード」を参照してください。

b:履歴データを収集する各レコードの可変部のサイズ。各レコードの可変部のサイズについては,「6. レコード」を参照してください。

c:履歴データを収集する各レコードのインスタンス数(単数インスタンスレコードの場合は1)※3

d:PIレコードタイプのレコードで履歴データを収集する各レコードの保存レコード数※4

e:PDレコードタイプのレコードで履歴データを収集する各レコードの保存レコード数※5

注※1
{(b*c)/(65,250 - a) + 1}の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
注※2
(e/c)の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
注※3
各レコードのインスタンス数の算出方法を「表A-6 各レコードのインスタンス数の算出方法」に示します。HTM - Agent for SAN Switchの接続先によってインスタンス数の算出に必要な値の確認方法が異なります。次の手順を実行してインスタンス数の算出に必要な値を確認してください。
  • Brocade(Network Advisor SMI Agent)に接続する場合,Network Advisorを起動して確認する。
  • Brocade(DCFM SMI Agent)に接続する場合,DCFMを起動して確認する。
  • Brocade(SMI Agent for FOS)に接続する場合,Proxy Switchにログインしスイッチのコマンドを実行して確認する。
  • Brocade(SMI Agent for EOS)に接続する場合,DCFMまたはEFCMを起動して確認する。
  • Cisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)に接続する場合,DCNM-SANを起動して確認する。
  • Cisco(Seed Switch)に接続する場合,Cisco Fabric Managerを起動して確認する。

表A-6 各レコードのインスタンス数の算出方法

レコード名(レコードID)インスタンス数の算出方法
Connected Port Detail(PD_CPTD)監視対象ファブリック内のスイッチが接続しているポートの数*2
Device Detail(PD_DEVD)監視対象ファブリック内のスイッチが接続しているホスト,ストレージシステムおよびノードの総数
Port Detail(PD_PTD)監視対象ファブリック内スイッチのポートの総数+監視対象ファブリック内スイッチが接続しているデバイスの数
Port Error Summary(PI_PTES)監視対象ファブリック内スイッチのポートの総数
Port Summary(PI_PTS)監視対象ファブリック内スイッチのポートの総数
Switch Detail(PD)監視対象ファブリック内のスイッチの数
Switch Error Summary(PI_SWES)監視対象ファブリック内のスイッチの数
Switch Summary(PI_SWS)監視対象ファブリック内のスイッチの数
System Summary(PI)単数インスタンスレコードのため,「1」固定
注※4
PIレコードタイプのレコードの場合,収集したデータがある一定の区分(時,日,週,月,および年単位)に自動的に要約されるので,分,時,日,週,月,および年の部分の保存レコード数を考慮して計算する必要があります。デフォルトの保存期間とレコード数を次の表に示します。

表A-7 PIレコードタイプのレコードでの保存期間(デフォルト値)とレコード数

データの種類保存期間レコード数
(収集間隔が1分の場合)
分単位1日1,440
時間単位7日168
日単位1年366
週単位1年52
月単位1年12
年単位制限なし(収集年数)*1
注※5
保存レコード数については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager Software 運用管理ガイド」のエージェントの管理と設定について説明している個所,および「F.1 Agent Storeサービスのプロパティ一覧」を参照してください。
各PDレコードタイプのレコードでの保存レコード数のデフォルト値を次の表に示します。

表A-8 PDレコードタイプのレコードでの保存レコード数(デフォルト値)

レコード名(レコードID)保存レコード数
Connected Port Detail(PD_CPTD)807,000
Device Detail(PD_DEVD)132,000
Port Detail(PD_PTD)396,000
Switch Detail(PD)8,400

A.2.4 Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量

Storeデータベース(Storeバージョン2.0)では,各レコードは,要約区分ごと,日付ごと,レコードタイプごとに,ディレクトリ・ファイルが分かれて複数のファイルに格納されます。

Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量,ファイル数,およびディレクトリ数の見積もりについて説明します。

・ディスク占有量

Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。

レコードタイプごとのディスク占有量Xの見積もり式(単位:バイト)

X={(e+2)*f+(d+60)*{((e+2)*f)/(65,250-d)+1}※1}*a/b*(c+1)*1.1

a:レコードタイプ,要約区分ごとに値が異なります。「表A-9 a,b,およびcに設定する値」を参照してください。
b:レコードタイプ,要約区分ごとに値が異なります。「表A-9 a,b,およびcに設定する値」を参照してください。※2
c:履歴データの保存期間設定値※3。レコードタイプ,要約区分ごとに指定する単位が異なります。単位については「表A-9 a,b,およびcに設定する値」を参照してください。
d:履歴データを収集する各レコードの固定部のサイズ※4
e:履歴データを収集する各レコードの可変部のサイズ※4
f:履歴データを収集する各レコードのインスタンス数(単数インスタンスレコードの場合は1)※5。ただし,インスタンス数が2以上の場合,4の倍数に丸め込みます。例えばインスタンス数が2の場合,fは4となります。インスタンス数が1の場合,fは1となります。

表A-9 a,b,およびcに設定する値

レコードタイプ要約区分abc
PI1,4401+(g-1)/60※2保存期間(単位:日)
241+(g-1)/3,600※2保存期間(単位:日)
71+(g-1)/86,400※2保存期間(単位:週)
11+(g-1)/604,800※2保存期間(単位:週)
11+(g-1)/2,592,000※2保存期間(単位:月)
11+(g-1)/31,622,400※2保存期間(単位:年)
PD1,440g/60保存期間(単位:日)
(凡例)
g:履歴データの収集インターバル設定値(単位:秒)
-:該当しない
注※1
{((e+2)*f)/(65,250-d)+1}の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
注※2
PIレコードタイプのbの計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
注※3
Storeバージョン2.0の場合のPIレコードタイプのレコードのデフォルトの保存期間を「表A-10 PIレコードタイプのレコードの保存期間(デフォルト値)」に示します。PDレコードタイプのレコードのデフォルトの保存期間は,7日です。
注※4
各レコードの固定部・可変部のサイズについては,「6. レコード」のレコードサイズを参照してください。
注※5
レコードごとのインスタンス数については,「A.2.3 Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量」を参照してください。

表A-10 PIレコードタイプのレコードの保存期間(デフォルト値)

データの種類保存期間
分単位1日
時単位7日
日単位54週
週単位54週
月単位12か月
年単位制限なし

・ファイル数

Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。

N=20+2(
        (A11+A12+...+A1m+m)+
        (A21+A22+...+A2m+m)+
        (A31+A32+...+A3m+m)+
        (A41+A42+...+A4m+m)+
        (A51+A52+...+A5m+m)+
        (11*m)+
        (B1+B2+...+Bn+n)
        )

m:PIレコードタイプで収集しているレコードの数

n:PDレコードタイプで収集しているレコードの数

A11~A1m:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)

A21~A2m:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)

A31~A3m:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)

A41~A4m:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)

A51~A5m:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)

B1~Bn:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)

・ディレクトリ数

Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。

N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))

A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)

A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)

A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)

A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)

A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)

Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)

・Storeサービスがオープンするファイル数

Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。

N=20+2*(6*m+n)

m:PIレコードタイプで収集しているレコードの数

n:PDレコードタイプで収集しているレコードの数