形式
jpctdchkinst -inst インスタンス名
[-lhost 論理ホスト名]
機能
jpctdchkinstコマンドは,HTM - Agent for RAIDのインスタンスに設定されているインスタンス情報を検証するコマンドです。このコマンドを実行して得られるインスタンス情報を使用して,次のことを確認できます。
コマンドを実行して検証される項目を次の表に示します。
表8-2 インスタンス情報の検証項目
検証対象のインスタンスが監視するStorage Model | 検証の内容 |
---|---|
| Command Device File Nameで設定されたデバイスが存在すること。 |
Command Device File Nameで設定されたデバイスが,次のストレージシステムのどれかであること。
| |
Command Device File Nameで設定されたデバイスがコマンドデバイスであること。 | |
| IP Address or Host Name(Controller 0)およびIP Address or Host Name(Controller 1)で設定されたストレージシステムのコントローラーと通信ができること。 |
IP Address or Host Name(Controller 0)で設定されたIPアドレスまたはホスト名が,コントローラー0のものであること。 | |
IP Address or Host Name(Controller 1)で設定されたIPアドレスまたはホスト名が,コントローラー1のものであること。 | |
IP Address or Host Name(Controller 0)で設定されたIPアドレスまたはホスト名と,IP Address or Host Name(Controller 1)で設定されたIPアドレスまたはホスト名が同一のストレージシステムのものであること。 | |
監視対象のストレージシステムがデュアルコントローラー構成の場合,IP Address or Host Name(Controller 0)とIP Address or Host Name(Controller 1)の両方に値が設定されていること。 | |
Array Unit Nameが設定されている場合,装置定義情報ファイル(utlprm.inf)が正しいディレクトリに配置されていること。 | |
Array Unit Nameが設定されている場合,設定されたユニット名が装置定義情報ファイル(utlprm.inf)内に存在すること。 | |
user IDおよびpasswordに設定された値で,ストレージシステムにログインできること。 | |
Secure Port function?に設定された通信方法で,ストレージシステムとの通信ができること。 | |
共通 | 設定されたインスタンス情報に基づいて,ストレージシステムに接続ができること。 |
監視対象としてインスタンスに設定されているストレージシステムが,サポート対象のストレージシステムであること。 |
コマンドを実行できるホスト
HTM - Agent for RAIDがインストールされているホスト
実行権限
格納先ディレクトリ
インストール先フォルダ¥tools¥
/opt/jp1pc/tools/
引数
-inst インスタンス名
インスタンス情報を検証したいHTM - Agent for RAIDのインスタンスのインスタンス名を指定します。
この引数は,省略できません。
オプション引数に存在しないインスタンス名を指定した場合,エラーメッセージが出力され,コマンドの実行が中止されます。
-lhost 論理ホスト名
論理ホスト環境に設定されたインスタンスの情報を検証する場合に指定します。
戻り値
0 | 正常終了した。 |
16 | 正常終了した(検証エラーあり)。 |
255 | 異常終了した。 |
表示情報
jpctdchkinstコマンドを実行して出力されるインスタンスの設定情報および検証結果について次に説明します。インスタンスの設定情報および検証結果は,標準出力または標準エラー出力に出力されます。
出力情報 | 説明 |
---|---|
[Instance parameters] | インスタンスの情報設定項目,およびその設定値が出力されます。 |
[Check result] | インスタンス情報の検証の結果,エラーがなかった場合は,KAVF18850-Iメッセージが出力されます。また,エラーがあった場合は,そのエラーに対応するメッセージが出力されます。 |
[Monitored storage system Information] | インスタンスの情報設定値に基づいて接続したストレージシステムの属性情報が出力されます。この情報は,[Check result]でエラーが検出されなかった場合だけ出力されます。 出力される属性情報を次に示します。
|
[Storage system performance monitoring settings] | ストレージシステム側の性能情報採取の設定状態が出力されます。Storage Navigator Modularまたはディスクアレイ管理プログラムがサポートする採取設定項目のうち,HTM - Agent for RAIDのメトリクス取得可否に影響する次の項目が出力されます。
|
使用例1
インスタンスが正しくセットアップされている場合のコマンド実行結果の例を次に示します。
(例:対象ストレージシステムがHitachi USPの場合)
jpctdchkinst -inst USP14009
KAVF18800-I Agentインスタンス設定の検証を開始します (instance name=USP14009)
[Instance parameters]
Storage Model : 9900V/USP/USP V/VSP/HUS VM
Command Device File Name : /dev/rdsk/c0t1d2s2
Unassigned Open Volume Monitoring : N
Mainframe Volume Monitoring : N
[Check result]
KAVF18850-I Agentインスタンス情報の検証でエラーが見つかりませんでした
[Monitored storage system information]
PRODUCT : SANRISE_USP
SERIAL : 14009
FIRMWARE : 50-04-00/20
SLPR : 0
KAVF18801-I Agentインスタンス設定の検証を終了します
使用例2
インスタンスが正しくセットアップされている場合のコマンド実行結果の例を次に示します。
(例:対象ストレージシステムがHitachi AMS500の場合)
jpctdchkinst -inst AMS75010005
KAVF18800-I Agentインスタンス設定の検証を開始します (instance name=AMS75010005)
[Instance parameters]
Storage Model : 9500V/AMS/HUS100
IP Address or Host Name (Controller 0) : 10.208.11.106
IP Address or Host Name (Controller 1) : 10.208.11.107
Array Unit Name :
user ID : htmuser
Secure Port function? : N
[Check result]
KAVF18850-I Agentインスタンス情報の検証でエラーが見つかりませんでした
[Monitored storage system information]
PRODUCT : SANRISE_AMS500
SERIAL : 75010005
FIRMWARE : 0760/A
[Storage system performance monitoring settings]
Port : Enable
RG/LU : Enable
Cache : Enable
Processor : Enable
Drive Opr : Enable
KAVF18801-I Agentインスタンス設定の検証を終了します
使用例3
コマンドデバイスではないデバイスがインスタンス情報に指定されている場合のコマンド実行例を次に示します。
(例:対象ストレージシステムがHitachi USPの場合)
jpctdchkinst -inst USP14009
KAVF18800-I Agentインスタンス設定の検証を開始します (instance name=USP14009)
[Instance parameters]
Storage Model : 9900V/USP/USP V/VSP/HUS VM
Command Device File Name : /dev/rdsk/c0t1d2s2
Unassigned Open Volume Monitoring : N
Mainframe Volume Monitoring : N
[Check result]
KAVF18852-E Agentインスタンス情報で設定されたデバイスはコマンドデバイスではありません (parameter name=Command Device File Name, parameter value=/dev/rdsk/c0t1d2s2)
KAVF18801-I Agentインスタンス設定の検証を終了します
使用例4
セキュア通信を使用している場合に,対象ストレージシステムの「コントローラー0」との通信に失敗したときのコマンド実行例を次に示します。
(例:対象ストレージシステムがHitachi AMS500の場合)
jpctdchkinst -inst AMS75010012
KAVF18800-I Agentインスタンス設定の検証を開始します (instance name= AMS75010012)
[Instance parameters]
Storage Model : 9500V/AMS/HUS100
IP Address or Host Name (Controller 0) : 10.208.11.106
IP Address or Host Name (Controller 1) : 10.208.11.107
Array Unit Name :
user ID : htmuser
Secure Port function? : Y
[Check result]
KAVF18856-E Agentインスタンスの設定値によるストレージシステムへのアクセスが失敗しました (parameter name= IP Address or Host Name (Controller0), parameter value=10.208.11.106, errno=60000)
KAVF18880-E考えられるエラー要因は以下のとおりです
-IPアドレスまたはホスト名が間違っている
-ストレージシステムでセキュアポート機能がサポートされていない
-ストレージシステムが起動していない
-通信エラー
-ターゲットポート番号が間違っている
KAVF18801-I Agentインスタンス設定の検証を終了します
使用例5
SLPR機能がサポートされていないストレージシステムでインスタンスが正しくセットアップされている場合のコマンド実行例を次に示します。
(例:対象ストレージシステムがVirtual Storage Platformの場合)
jpctdchkinst -inst VSP
KAVF18800-I Agentインスタンス設定の検証を開始します (instance name=VSP)
[Instance parameters]
Storage Model : 9900V/USP/USP V/VSP/HUS VM
Command Device File Name : /dev/rdsk/c0t1d2s2
Unassigned Open Volume Monitoring : N
Mainframe Volume Monitoring : N
[Check result]
KAVF18850-I Agentインスタンス情報の検証でエラーが見つかりませんでした
[Monitored storage system information]
PRODUCT : VSP
SERIAL : 53037
FIRMWARE : 70-01-00/00
KAVF18801-I Agentインスタンス設定の検証を終了します