クラスタ環境でTuning Manager serverを運用する場合は,Tuning Manager serverをWSFCと連携させ,WSFCから起動,停止するように設定する必要があります。この設定は,「7.3.1 環境設定」に示すセットアップ作業が完了したあと,実行系ノードだけで実施します。
WSFCにTuning Manager serverを登録する手順の詳細については,WSFCのマニュアルを参照してください。
(1) Tuning Manager serverをクラスタソフトウェアへ登録する前に
WSFCにTuning Manager serverを登録する前に,Tuning Manager serverの登録先となるサービスまたはアプリケーションを作成します。このマニュアルでは,登録先のサービスまたはアプリケーションをリソースグループと表記します。
ここでは,WSFCが提供する高可用性ウィザードを使用して,リソースグループを作成する手順について説明します。
操作手順
表7-5 高可用性ウィザードで指定する情報
ウィザードの画面名 | 指定する情報 |
---|---|
[サービスまたはアプリケーションの選択]または[役割の選択] | [汎用サービス]を指定します。 |
[サービスの選択] | 「表7-2 クラスタソフトウェアに登録するサービス(HiRDBおよび共通コンポーネントの場合)」から「表7-4 クラスタソフトウェアに登録するサービス(Performance Reporterの場合)」に示すTuning Manager serverのサービスを指定します。 |
[クライアントアクセスポイント] | [名前]には論理ホスト名を,[アドレス]には論理IPアドレスを指定します。 |
[記憶域の選択] | 使用したい共有ディスクを指定します。 |
[レジストリ設定のレプリケート] | 何も指定しません。 |
(2) クラスタソフトウェアにリソースを登録する
ここでは,高可用性ウィザードを使用して作成したリソースグループに,Tuning Manager serverのサービス(リソース)を登録する手順について説明します。
なお,高可用性ウィザードの[サービスの選択]画面で指定したリソースは,すでにリソースグループに登録されているため,この手順は不要です。後述するリソースごとのプロパティの設定だけを実施してください。
操作手順
HiRDBおよび共通コンポーネントを登録する場合
HiRDBおよび共通コンポーネントの場合,リソースとして,「表7-2 クラスタソフトウェアに登録するサービス(HiRDBおよび共通コンポーネントの場合)」に示すサービスをPFM - Managerと同じリソースグループに登録します。
また,リソースごとに,次の表に示すとおりリソースのプロパティを設定します。
表7-6 リソースのプロパティの設定(HiRDBおよび共通コンポーネントの場合)
タブ名 | 設定内容 |
---|---|
[全般] | [セットアップパラメータ]または[スタートアップパラメーター]:何も指定しません(指定されている場合は削除してください)。 |
[依存関係] | 「表7-2 クラスタソフトウェアに登録するサービス(HiRDBおよび共通コンポーネントの場合)」を参照してください。なお,複数のリソースとの依存関係を設定する場合は,AND条件を適用します。 |
[ポリシー] | Windows Server 2008の場合 [リソースが失敗状態になった場合は,現在のノードで再起動を試みる]と[再起動に失敗した場合は,このサービスまたはアプリケーションのリソースをすべてフェールオーバーにする]をチェックして,[指定期間内での再起動の試行回数]は3回を目安に設定します。 Windows Server 2012の場合 [リソースが失敗状態になった場合は,現在のノードで再起動を試みる]と[再起動に失敗した場合は、この役割のすべてのリソースをすべてフェールオーバーする]をチェックして,[指定期間内での再起動の試行回数]は3回を目安に設定します。 |
[詳細なポリシー] | [実行可能な所有者]:実行系ノードと待機系ノードが追加されていることを確認します。 |
[レジストリのレプリケーション]※ | 何も指定しません。 |
Tuning Manager serverを登録する場合
Tuning Manager serverの場合,リソースとして,「表7-3 クラスタソフトウェアに登録するサービス(Tuning Manager serverの場合)」に示すサービスをPFM - Managerと同じリソースグループに登録します。
また,リソースごとに,次の表に示すとおりリソースのプロパティを設定します。
表7-7 リソースのプロパティの設定(Tuning Manager serverの場合)
タブ名 | 設定内容 |
---|---|
[全般] | [セットアップパラメータ]または[スタートアップパラメーター]:-s TuningManagerを指定します。 |
[依存関係] | 「表7-3 クラスタソフトウェアに登録するサービス(Tuning Manager serverの場合)」を参照してください。なお,複数のリソースとの依存関係を設定する場合は,AND条件を適用します。 |
[ポリシー] | Windows Server 2008の場合 [リソースが失敗状態になった場合は,現在のノードで再起動を試みる]と[再起動に失敗した場合は,このサービスまたはアプリケーションのリソースをすべてフェールオーバーにする]をチェックして,[指定期間内での再起動の試行回数]は3回を目安に設定します。 Windows Server 2012の場合 [リソースが失敗状態になった場合は,現在のノードで再起動を試みる]と[再起動に失敗した場合は、この役割のすべてのリソースをすべてフェールオーバーする]をチェックして,[指定期間内での再起動の試行回数]は3回を目安に設定します。 |
[詳細なポリシー] | [実行可能な所有者]:実行系ノードと待機系ノードが追加されていることを確認します。 |
[レジストリのレプリケーション]※ | 何も指定しません。 |
Performance Reporterを登録する場合
Performance Reporterの場合,リソースとして,「表7-4 クラスタソフトウェアに登録するサービス(Performance Reporterの場合)」に示すサービスをPFM - Managerと同じリソースグループに登録します。
また,リソースごとに,次の表に示すとおりリソースのプロパティを設定します。
表7-8 リソースのプロパティの設定(Performance Reporterの場合)
タブ名 | 設定内容 |
---|---|
[全般] | [セットアップパラメータ]または[スタートアップパラメーター]:次のとおり指定します。 -s PerformanceReporter |
[依存関係] | 「表7-4 クラスタソフトウェアに登録するサービス(Performance Reporterの場合)」を参照してください。なお,複数のリソースとの依存関係を設定する場合は,AND条件を適用します。 |
[ポリシー] | Windows Server 2008の場合 [リソースが失敗状態になった場合は,現在のノードで再起動を試みる]と[再起動に失敗した場合は,このサービスまたはアプリケーションのリソースをすべてフェールオーバーにする]をチェックして,[指定期間内での再起動の試行回数]は3回を目安に設定します。 [保留タイムアウト]:使用するマシンのスペックに合わせて設定します。推奨値は300秒です。 Windows Server 2012の場合 [リソースが失敗状態になった場合は,現在のノードで再起動を試みる]と[再起動に失敗した場合は、この役割のすべてのリソースをすべてフェールオーバーする]をチェックして,[指定期間内での再起動の試行回数]は3回を目安に設定します。 [保留タイムアウト]:使用するマシンのスペックに合わせて設定します。推奨値は300秒です。 |
[詳細なポリシー] | [実行可能な所有者]:実行系ノードと待機系ノードが追加されていることを確認します。 |
[レジストリのレプリケーション]※ | 何も指定しません。 |
(3) リソースグループをオフラインにする
すべてのリソースを登録したら,フェールオーバークラスタ管理またはフェールオーバークラスターマネージャーで,Tuning Manager serverのサービスを登録しているリソースグループをオフラインにします。
以上の手順で,クラスタ環境の構築が完了します。