2.10 カーネルパラメーターおよびシェル制限の設定方法(Linuxの場合)

Tuning Manager serverをインストールする前に,Linuxのカーネルパラメーターおよびシェル制限に適切な値を設定する必要があります。カーネルパラメーターおよびシェル制限の値は,次のファイルに設定してください。

Linux 5の場合
カーネルパラメーターの値
/etc/sysctl.confファイル
シェル制限の値
/etc/security/limits.confファイル
Linux 6の場合
カーネルパラメーターの値
/etc/sysctl.confファイル
シェル制限の値
/etc/security/limits.confファイル
/etc/security/limits.d/90-nproc.confファイル

カーネルパラメーターおよびシェル制限の値が適切に設定されていないと,インストールに失敗します。

次の手順に従って,カーネルパラメーターおよびシェル制限の値を設定してください。なお,カーネルパラメーターおよびシェル制限の値の確認および設定は,rootユーザーで実施します。

  1. カーネルパラメーターおよびシェル制限の値のバックアップを取得します。
    カーネルパラメーターおよびシェル制限を設定する前に,/etc/sysctl.confファイル,/etc/security/limits.confファイルおよび/etc/security/limits.d/90-nproc.confファイルのバックアップを取得してください。
  2. /etc/sysctl.confファイルに設定する各カーネルパラメーターの値を算出します。
    カーネルパラメーターの値は,「表2-4 Linux の/etc/sysctl.confファイルに設定するカーネルパラメーターの推奨値」を参照して,次の計算式に従い算出してください。計算式の“Max{x,y,z}”は,x,y,zの中で最も大きい値を選択するという意味です。
    kernel.shmmaxの場合:
    カーネルパラメーターの設定値 = Max { Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> } , <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値>, <HiRDBの推奨値> }
    kernel.shmallの場合:
    カーネルパラメーターの設定値 = Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> } + <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値> + <HiRDBの推奨値>
    上記以外の場合:
    カーネルパラメーターの設定値 = Max { Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> } + <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値>, <HiRDBの推奨値> }
    注意
    各カーネルパラメーターの最大値は,OSが規定する最大値を超えないようにしてください。
  3. /etc/security/limits.confファイルおよび/etc/security/limits.d/90-nproc.confファイルに設定する各シェル制限の値を算出します。
    シェル制限は,softhardの両方に値を設定してください。このとき,softの値は,hardの値以下に設定する必要があります。
    シェル制限の値は,「表2-5 Linux 5の/etc/security/limits.confファイルに設定するシェル制限の推奨値」,「表2-6 Linux 6の/etc/security/limits.confファイルに設定するシェル制限の推奨値」および「表2-7 Linux 6の/etc/security/limits.d/90-nproc.confファイルに設定するシェル制限の推奨値」を参照して,次の計算式に従い算出してください。計算式の“Max{x,y}”は,x,yの中で最も大きい値を選択するという意味です。
    シェル制限の設定値 = Max { Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> } + <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値>, <HiRDBの推奨値> }
  4. 算出したカーネルパラメーターの値およびシェル制限の値を設定します。
    /etc/sysctl.confファイル,/etc/security/limits.confファイルおよび/etc/security/limits.d/90-nproc.confファイルに設定します。
  5. OSを再起動します。

カーネルパラメーターの値およびシェル制限の値を算出するために必要な値を次に示します。

表2-4 Linux の/etc/sysctl.confファイルに設定するカーネルパラメーターの推奨値

カーネルパラメーター (Tuning Manager server v7.6.1のインストーラーチェック値)OSの初期値HiRDBの推奨値共通コンポーネントの推奨値Tuning Manager server v7.6.1の推奨値Device Manager v7.6.1の推奨値Tiered Storage Manager v7.6.1の推奨値Replication Manager v7.6.1の推奨値
fs.file-max (145777)50525538985389841354129277512512
kernel.threads-max (16600)16384576184321623030
kernel.msgmni (72)164444124400
kernel.sem の第4パラメーター (1024)12810249121011
kernel.sem の第2パラメーター (32080)3200072008001255050
kernel.shmmax (4294967295​)4294967295​200000000​11546624​966656000​360349696​50000000​100000000​
kernel.shmmni (4096)409620000049700
kernel.shmall (1287520256​)268435456​26214400​26214400​966656000​477076480​100695040​100000000​

表2-5 Linux 5の/etc/security/limits.confファイルに設定するシェル制限の推奨値

シェル制限 (Tuning Manager server v7.6.1のインストーラーチェック値)OSの初期値HiRDBの推奨値共通コンポーネントの推奨値Tuning Manager server v7.6.1の推奨値Device Manager v7.6.1の推奨値Tiered Storage Manager v7.6.1の推奨値Replication Manager v7.6.1の推奨値
nofile(soft/hard) (2620)102413445721024000
nproc(soft/hard) (8389)819251216532100

表2-6 Linux 6の/etc/security/limits.confファイルに設定するシェル制限の推奨値

シェル制限 (Tuning Manager server v7.6.1のインストーラーチェック値)OSの初期値HiRDBの推奨値共通コンポーネントの推奨値Tuning Manager server v7.6.1の推奨値Device Manager v7.6.1の推奨値Tiered Storage Manager v7.6.1の推奨値Replication Manager v7.6.1の推奨値
nofile(soft/hard) (2620)102413445721024000

表2-7 Linux 6の/etc/security/limits.d/90-nproc.confファイルに設定するシェル制限の推奨値

シェル制限 (Tuning Manager server v7.6.1のインストーラーチェック値)OSの初期値HiRDBの推奨値共通コンポーネントの推奨値Tuning Manager server v7.6.1の推奨値Device Manager v7.6.1の推奨値Tiered Storage Manager v7.6.1の推奨値Replication Manager v7.6.1の推奨値
nproc(soft/hard) (8389)819251216532100