3.5.1 データベースの総容量の見積もり方法

Tuning Manager serverのデータベースの総容量は,新規インストール時の初期値は,2GBです。データベースの総容量は32GBまで増やせます。ここでは,データベースの総容量の見積もり方法について説明します。

Tuning Manager serverのデータベースの総容量には,ここで説明するデータベースの総容量の見積もり式の計算結果を2GB単位で設定します。データベースの総容量は,最大で32GBです。見積もり式の計算結果が32GBを超えないように注意してください。

例えば,データベースの総容量の見積もり式の計算結果が10.2(GB)の場合は,Tuning Manager serverのデータベースの総容量を12GB以上32GB以下に設定します。

データベースの総容量の見積もり式
Tuning Manager serverのデータベースの総容量を見積もるための式を次に示します。式中で使用している変数については,「表3-1 見積もり式中の変数の説明」を参照してください。
データベースの総容量の見積もり式(単位:GB) =
( 18,530 P S C
5,990 L S C
270 * ( DPV L / 2※1 ) M
800 * ( F FM ) H C
320 F M
2,600 D H C
29,630 DM H C
3,170 HOST H C
7,340 VM H C
10,100 DS H C
290 DS M ) / 1,0243
1.15
0.45※2
注※1
外部接続されている論理デバイス数が,すべての論理デバイス数の半分を超える場合は,除算しないでください(L / 2Lと読み替えてください)。
注※2
PFM - Agent for Oracleを監視する場合だけ,加算する値です。

表3-1 見積もり式中の変数の説明

変数説明単位
Pストレージシステムのポート数
L論理デバイス数
DPVDynamic Provisioningのボリューム数
Fファイルシステム数
FM1か月にマウントする平均ファイルシステム数
Dデバイスファイル数
DM※1MPIOのデバイスファイル数
HOST仮想化サーバ数
VM仮想マシン数
DSデータストア数
M※2容量データの保持件数
Sストレージシステムの構成履歴を保持する期間
Hホストの構成履歴を保持する期間
C※31か月に変更されるリソースの割合
(凡例)
-:該当なし
注※1
MPIO環境のホストでHTM - Storage Mapping Agentを運用する場合は,使用しているパス管理プログラムによって,デバイスファイル数を変数D(デバイスファイル数)ではなく,変数DM(MPIOのデバイスファイル数)に代入して見積もり式を計算する必要があります。デバイスファイル数を変数DMに代入する必要があるかどうかについて,「表3-2 デバイスファイル数を変数DMに代入する必要があるMPIO環境」に示します。
注※2
変数M(容量データの保持件数)は,容量データの種類ごとの保持期間を基に算出します。容量データの保持件数を求める計算式を次に示します。
<容量データの保持件数> = <時間単位データ保持件数> + <日単位データ保持件数> + <週単位データ保持件数> + <月単位データ保持件数> + <年単位データ保持件数>
容量データの種類ごとに,容量データの保持件数を計算する方法を「表3-3 容量データの保持件数の計算方法」に示します。
注※3
変数C(1か月に変更されるリソースの割合)は,次の計算式で算出します。
<1か月に変更されるリソースの割合> = <1か月の間に構成変更されるリソース数> / <監視中の総リソース数>
1つのTuning Manager serverで監視するリソース数が128,000以下の場合は,変数Cに1を設定してください。

表3-2 デバイスファイル数を変数DMに代入する必要があるMPIO環境

OSパス管理プログラム変数DMへの代入の要否
WindowsDynamic Link Manager×
Dynamic Link Manager以外
Solaris
AIX×
HP-UX
Linux
(凡例)
○:必要
×:不要
-:すべての種類のパス管理プログラム

表3-3 容量データの保持件数の計算方法

容量データの種類期間単位当たりの容量データの保持件数データ保持期間とポーリング回数をデフォルト値に設定した場合の,容量データの保持件数
期間単位容量データの保持件数デフォルトの容量データの保持期間容量データの保持件数の計算式
時間単位データ1日247日7*1=7
日単位データ1か月313か月3*31=93
週単位データ1か月43か月3*4=12
月単位データ1年122年2*12=24
年単位データ1年15年5*1=5
注※
時間単位データは1回のポーリングで1件収集されます。デフォルトのポーリング回数は1日当たり1回です。ポーリング回数をデフォルト値に設定している場合,時間単位データの保持件数は,1日当たり1件だけ取得されます。
ポーリング回数の設定がエージェントごとに異なる場合は,ポーリング回数をいちばん多く設定しているエージェントのポーリング回数で計算してください。

ここで説明したデータベースの総容量の見積もり式は,リソースを追加する頻度,およびリソースの構成を変更する頻度を,次の表に示す条件で仮定した場合の計算式です。

表3-4 データベースの総容量の見積もり式が前提とする条件

分類リソース名追加する頻度(平均)構成を変更する頻度(平均)
ストレージシステムストレージシステム1日に1回1日に1回
ポートコントローラー1か月に1回1か月に1回
ポート3か月に1回1日に1回
Host Group1か月に1回1か月に1回
CLPR1か月に1回1か月に1回
プロセッサ1ポート当たり3か月に1回1ポート当たり3か月に1回
DKAペア1日に1回1日に1回
パリティグループ1か月に1回1か月に1回
連結パリティグループ1か月に1回1か月に1回
物理ディスク1ポート当たり3か月に1回1ポート当たり3か月に1回
論理デバイス1か月に1回1か月に1回
LUパス1か月に1回1か月に1回
ラベル1か月に1回1か月に1回
Dynamic Provisioningのボリューム1か月に1回1か月に1回
SLPR1か月に1回1か月に1回
ストレージシステムのポートと,ホストのWWNとの対応関係3か月に1回3か月に1回
ホストホスト1か月に1回1か月に1回
デバイスファイル1か月に1回1か月に1回
ディスクグループ1か月に1回1か月に1回
ファイルシステム1か月に1回1か月に1回
ポート1日に1回1日に1回
パス1日に1回1日に1回
MPIO環境のパス1か月に1回1か月に1回
ハイパーバイザー仮想化サーバ1か月に1回1か月に1回
仮想マシン1か月に1回1か月に10回
データストア1か月に1回1か月に1回
Device Managerが管理している仮想化サーバのWWN3か月に1回3か月に1回
仮想化サーバと,その仮想化サーバが使用しているデータストアとの対応関係1か月に2回1か月に2回
仮想マシンと,その仮想マシンが使用しているデータストアとの対応関係1か月に2回1か月に2回
データストアと,そのデータストアを構成している論理デバイスとの対応関係1か月に2回1か月に2回
データストアと,ストレージシステムのポートとの対応関係1か月に2回1か月に2回
スイッチスイッチ1日に1回1日に1回
ポート3か月に1回3か月に1回
OracleOracleインスタンス1日に1回1日に1回
テーブルスペース3か月に1回3か月に1回
データファイル1テーブルスペース当たり3か月に1回1テーブルスペース当たり3か月に1回