1.6 ユーザープロパティファイルの設定について

Tuning Manager serverのインストールおよびセットアップのあと,ユーザープロパティファイルの設定が必要な場合があります。ユーザープロパティファイルの設定を変更すれば,Tuning Manager serverの運用に関する設定を変更できます。

ユーザープロパティファイルの格納先を次に示します。

Windowsの場合:
<Tuning Manager serverのインストール先フォルダ>¥conf¥user.properties
Solarisの場合:

/opt/HiCommand/TuningManager/conf/user.properties

Linuxの場合:
<Tuning Manager serverのインストール先ディレクトリ>/conf/user.properties

ユーザープロパティファイルの設定を変更する手順を次に示します。

  1. HiCommand Suite TuningManagerサービスを停止します。
    Tuning Manager serverの停止方法については,「1.5 サービスの停止」を参照してください。
  2. ユーザープロパティファイルを手動でコピーして,バックアップを取得します。
    バックアップしたユーザープロパティファイルをリストアする場合は,HiCommand Suite TuningManagerサービスを停止して,ユーザープロパティファイルの格納先にバックアップしたファイルを上書き保存します。
  3. ユーザープロパティファイルをテキストエディターで開き,次の記述形式で修正します。

    [<プロパティ>]=[<設定値>]

    注意
    ・行の先頭に#が指定されている場合,その行はコメントになります。
    ・同一のプロパティ名が複数指定された場合には,最後に記述した設定値が有効になります。
    ・Windows環境でインストール先フォルダを指定する場合,フォルダの区切りに,¥ではなく,/を使用してください。
  4. HiCommand Suite TuningManagerサービスを起動します。
    HiCommand Suite TuningManagerサービスの起動方法は,「1.4 サービスの起動」を参照してください。
    ユーザープロパティファイルの設定方法については,次の表を参照してください。

    表1-2 ユーザープロパティファイルのプロパティ一覧

    プロパティ説明入力可能文字デフォルト値
    alert.email.fromTuning Manager serverから送信するemailの送信者アドレスを特定するときに指定します。大文字と小文字は区別します。
    半角スペース A-Z a-z 0-9 ` ~ ! " # $ % & ' ( ) * + , - . / : ; < = > ? @ [ ¥ ] ^ _ { | }
    alert.email.smtpportTuning Manager serverから送信するemailが使用するSMTPサーバのポート番号です。1-6553525
    alert.email.subjectTuning Manager serverから送信するemailのSubjectです。大文字と小文字は区別します。
    半角スペース A-Z a-z 0-9 ` ~ ! " # $ % & ' ( ) * + , - . / : ; < = > ? @ [ ¥ ] ^ _ { | }
    csv.encode.typeエクスポートされたCSVファイルで使用する文字コードについて指定します。この設定値を省略すると,デフォルト値とは異なるUTF-8が設定されます。
    この設定値は,Main ConsoleのGUIからレポートをエクスポートする場合に適用されます。
    大文字と小文字は区別しません。
    Shift_JISまたはUTF-8
    Shift_JIS
    pr.incontextlaunch.modeエージェントを指定してインフォメーションエリア(詳細情報)からPerformance Reporterを起動する場合,メイン画面を表示するか,レポートツリー選択画面を表示するかを指定します。Performance Reporterを起動する方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager Software ユーザーズガイド」を参照してください。
    指定可能な設定値以外を指定した場合,ログファイルにエラーメッセージが出力され,デフォルトが設定されます。
    大文字と小文字は区別しません。
    main:メイン画面を表示します。
    tree:レポートツリー選択画面を表示します。
    tree
    table.filter.default.unit.datasizeフィルタリング機能の条件入力画面に表示するデータサイズの単位を指定します。フィルタリング機能については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager Software ユーザーズガイド」の,フィルター条件について説明している個所を参照してください。大文字と小文字は区別しません。
    KBMBGBTB,またはPBを入力します。
    GB
    table.filter.default.unit.transferRateフィルタリング機能の条件入力画面で,デフォルトで選択するデータ転送率の単位を指定します。データ転送率の単位は,「KB/sec」,「MB/sec」,「GB/sec」,「TB/sec」,または「PB/sec」です。このプロパティの設定値では「/sec」を省略しています。大文字と小文字は区別しません。
    KBMBGBTB,またはPBを入力します。
    GB
    portNumberCLI報告系コマンドがHBase Storage Mgmt Web Serviceにアクセスする際に使用するポート番号です。0-6553523015
    poller.offsetポーリングスケジュールの開始時刻に適用するオフセット値を指定します(単位:分)。設定した値だけ,開始時刻があとにずれます。0-595
    dbvup.workDirデータベースがバージョンアップされる場合,一時的に利用する作業用ディレクトリのパス名を絶対パスで指定します。指定する作業用ディレクトリは,空のディレクトリである必要があります。
    作業用ディレクトリの容量の見積もりについては,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager Software インストールガイド」のアップグレードインストールの準備について説明している個所を参照してください。
    詳細については,「表1-3 dbvup.workDirプロパティの指定可能値について」を参照してください。
    Windowsの場合
    <Tuning Manager serverのインストール先フォルダ>¥system¥work
    Solarisの場合
    /opt/HiCommand/TuningManager/system/work
    Linuxの場合
    <Tuning Manager serverのインストール先ディレクトリ>/system/work
    userData.cleanup.enableユーザーデータのクリーンナップの有効または無効を指定します。
    ユーザーデータのクリーンナップでは,所有者がユーザー管理に存在しないレポートウィンドウおよび履歴チャートの情報の検出と削除が定期的に実行されます。ただし,共有する設定にした履歴チャートの情報は削除されません。
    大文字と小文字は区別しません。
    true:Tuning Manager serverのサービスの起動時,およびTuning Manager serverのサービスの起動後24時間ごとに,ユーザーデータのクリーンナップを実施します。
    false:ユーザーデータのクリーンナップを実施しません。
    true
    rpt.flashmode履歴レポートおよび予測レポートのチャートの表示形式を指定します。大文字と小文字は区別しません。
    true:チャートをAdobe Flash Playerで表示します。
    false:チャートを画像(PNG形式)で表示します。
    false
    rpt.printView.fullsizeチャートの印刷形式の表示サイズを指定します。大文字と小文字は区別しません。
    true:チャートをフルサイズ表示します。
    false:チャートをサムネイル表示します。
    true
    rpt.antialiasing画像(PNG形式)で表示するチャートのアンチエイリアスの有効または無効を指定します。大文字と小文字は区別しません。
    true:アンチエイリアスを有効にします。
    false:アンチエイリアスを無効にします。
    true
    cli.workDirhtm-hostgroupsコマンドの実行時に出力される一時ファイルの出力先ディレクトリを指定します。詳細については,「表1-4 cli.workDirプロパティの指定可能値について」を参照してください。
    Windowsの場合
    <Tuning Manager serverのインストール先フォルダ>¥system¥work
    Solarisの場合
    /opt/HiCommand/TuningManager/system/work
    Linuxの場合
    <Tuning Manager serverのインストール先ディレクトリ>/system/work
    (凡例)
    -:該当なし
    注※
    ¥を文字として使用する場合は,¥¥と記述してください。

表1-3 dbvup.workDirプロパティの指定可能値について

項目指定可能値
使用可能文字使用できる文字を次に示します。
Windows の場合
半角スペース A-Z a-z 0-9 _ . ( )
このほかにパスの区切り文字として円記号(¥※1)およびコロン(:)を指定できます。
注意:通常使用できるパス名の引用符(")での囲みは,使用できません。
SolarisおよびLinux の場合
A-Z a-z 0-9 _
このほかにパスの区切り文字としてスラント(/)を指定できます。
パス名の長さ128バイト以内のパス名で指定します。
ルート指定次のルートは使用できません。
Windows の場合
<ドライブ>:¥¥
SolarisおよびLinux の場合
/
ディレクトリの存在存在し,かつ空のディレクトリを指定します。指定するパス名の英字についての注意点を次に示します。
Windows の場合
大文字・小文字を区別しません。
SolarisおよびLinux の場合
大文字・小文字を区別します。
ネットワークドライブネットワークドライブは指定できません。
シンボリックリンクシンボリックリンクは指定できません。
アクセス権指定したパスには,次に示すアクセス権の付与が必要です。
Windows の場合
SYSTEMユーザー※2に対して,read権限,write権限および実行権限が必要です。
SolarisおよびLinux の場合
rootユーザーに対して,read権限,write権限および実行権限が必要です。
注※1
¥を区切り文字として使用する場合は,¥¥と記述してください。
注※2
SYSTEMユーザーとは,Tuning Manager serverのサービスプロセスを実行するユーザーです。Administratorsグループに所属するユーザーと同等の権限を持ちますが,Administratorsグループに所属していないため,個別に権限を付与する必要があります。

表1-4 cli.workDirプロパティの指定可能値について

項目指定可能値
使用可能文字使用できる文字を次に示します。
Windows の場合
半角スペース A-Z a-z 0-9 ! # $ % & ' ( ) + , - . ; = @ [ ] ^ _ ` { } ~
このほかにパスの区切り文字として円記号(¥)およびコロン(:)を指定できます。
注意:通常使用できるパス名の引用符(")での囲みは,使用できません。
SolarisおよびLinux の場合
半角スペース A-Z a-z 0-9 ! " # $ % & ' ( ) * + , - . : ; < = > ? @ [ ¥ ] ^ _ ` { | } ~
このほかにパスの区切り文字としてスラント(/)を指定できます。
パス名の長さ128バイト以内のパス名で指定します。
ルート指定次のルートは使用できません。
Windows の場合
<ドライブ>:¥¥
SolarisおよびLinux の場合
/
ディレクトリの存在存在するディレクトリの絶対パスを指定します。
  • 一時ファイルの出力先に<Tuning Manager serverのインストール先ディレクトリ>直下は指定しないでください。
  • 一時ファイル出力先ディレクトリにほかのファイルを配置しないでください。
  • サービスの起動中にプロパティの設定値を変更しないでください。
  • 一時ファイル出力先ディレクトリをデフォルトから変更した場合,Tuning Manager serverのアンインストール時に,一時ファイル出力先ディレクトリは自動で削除されません。手動で削除してください。
  • 指定するパス名の英字についての注意点を次に示します。
    Windows の場合
    大文字・小文字を区別しません。
    SolarisおよびLinux の場合
    大文字・小文字を区別します。
ネットワークドライブネットワークドライブは指定できません。
シンボリックリンクシンボリックリンクは指定できません。
アクセス権指定したパスには,次に示すアクセス権の付与が必要です。
Windows の場合
Administratorユーザーに対して,フルコントロールのアクセス権が必要です。
SolarisおよびLinux の場合
rootユーザーに対して,read権限,write権限および実行権限が必要です。
注※
¥を区切り文字として使用する場合は,¥¥と記述してください。