監査ログ中のメッセージテキストは,監査事象ごとに形式が異なります。ここでは,監査事象ごとにメッセージテキストの形式を説明します。メッセージテキストの形式で[ ]で囲んだ項目は,出力されないことがあります。
(1) Hitachi Command Suite共通コンポーネントの処理として出力される場合
発生した監査事象の内容が,文字列で出力されます。
メッセージテキストの詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Software メッセージガイド」を参照してください。次にメッセージテキストの例を示します。
ログイン時の例
"The login process has completed properly." |
(2) Device Managerサーバの処理として出力される場合
構成変更,情報取得などのサーバの処理に関するリクエスト受理時,およびレスポンス送信時の情報が出力されます。メッセージテキストの形式とその内容を説明します。
リクエスト受理時(正常時)
<ユニークID> <詳細メッセージ> |
レスポンス送信時(正常時)
<ユニークID>[ <ステータス>][ <リクエスト操作開始ユニークID>] |
リクエスト受理時またはレスポンス送信時(異常時)
<ユニークID> <エラーメッセージID> |
表13-3 Device Managerサーバリクエスト受理時またはレスポンス送信時に出力される情報
項目 | 内容 |
---|---|
ユニークID | リクエストごとに一意なIDです。レスポンス送信時は,対応するリクエストのユニークIDです。SVP経由の処理の場合,このIDはSVP側の監査ログにも出力されます。 |
詳細メッセージ | リクエストの詳細な内容です。詳細については,「13.3.2 Device Managerサーバリクエスト受理詳細メッセージ」を参照してください。 |
ステータス | リクエストと操作が非同期である場合,ポーリングの結果を示す文字列です。出力される文字列を次に示します。
|
リクエスト操作開始ユニークID | リクエストと操作が非同期である場合,リクエストとその操作に対するポーリングの結果を対応付ける一意なIDです。 このIDは,リクエスト受理時の詳細メッセージに,GetRequestStatus(コマンド:Get,ターゲット:RequestStatus)のRequestStatusエレメントの属性として出力されるメッセージIDと対応しています。詳細メッセージについては,「13.3.2 Device Managerサーバリクエスト受理詳細メッセージ」を参照してください。 |
エラーメッセージID | エラーメッセージIDです。メッセージIDの詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Software メッセージガイド」を参照してください。 |
次に,リクエスト受理時(正常時),および,レスポンス送信時(異常時)に出力されるメッセージテキストの例を示します。
リクエスト受理時(正常時)の例
"123456789 AddLUN<SA info='D700-75010421'><Path info=',,0,4,15,0,'><LDEV info='D700-75010421-31,,'/><LDEV info='D700-75010421-34,,'/></Path><Path info=',,1,1,15,0,31'/><Path info=',,16,6,15,0,31'/><Path info=',,0,4,15,1,35'/></SA>" |
レスポンス送信時(異常時)の例
"123456789 KAIC01014-E" |
(3) 関連製品の起動情報として出力される場合
関連製品の起動(ラウンチ)に関するリクエスト受理時,およびレスポンス送信時の情報が出力されます。メッセージテキストの形式とその内容を説明します。
リクエスト受理時(正常時)
<ユニークID>[ <ラウンチセッションID>][ <ラウンチ先識別子>] |
レスポンス送信時(正常時)
<ユニークID>[ <ラウンチセッションID>] |
リクエスト受理時またはレスポンス送信時(異常時)
<ユニークID>[ <ラウンチセッションID>] <エラーメッセージID> |
表13-4 ラウンチリクエスト受理時またはレスポンス送信時に出力される情報
項目 | 内容 |
---|---|
ユニークID | リクエストごとに一意なIDです。レスポンス送信時は,対応するリクエストのユニークIDです。SVP経由の処理の場合,このIDはSVP側の監査ログにも出力されます。 |
ラウンチセッションID | 形式 : "lsessionID=..." ラウンチ用セッションIDが出力されます。ある特定のアプリケーションをラウンチする場合に,GUIとDevice Managerサーバの間で複数回のリクエスト・レスポンスのやり取りが行われるときに出力されます。ラウンチセッションIDが出力されるアプリケーションについては,「表13-5 ラウンチセッションIDの有無とラウンチ識別子の内容」を参照してください。ラウンチ対象のストレージシステムが,Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VMまたはHUS VMのときは出力されません。 |
ラウンチ先識別子 | 形式 : "loid=..." ラウンチ対象を識別する情報が出力されます。初回のリクエスト受理時のときだけに出力されます。ラウンチ識別子の内容は,起動するアプリケーションによって異なります。詳細については,「表13-5 ラウンチセッションIDの有無とラウンチ識別子の内容」を参照してください。 |
エラーメッセージID | エラーメッセージIDです。 メッセージIDの詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Software メッセージガイド」を参照してください。 |
次の表に,ラウンチセッションIDの有無とラウンチ先識別子の内容を,ラウンチされるアプリケーションごとに示します。
表13-5 ラウンチセッションIDの有無とラウンチ識別子の内容
アプリケーション 種別 | ストレージ システム | セッションID の有無 | ラウンチ識別子 の内容 |
---|---|---|---|
Element Manager | Virtual Storage Platform | 無 | ラウンチ対象のストレージシステムを特定する情報です。内容は,StorageArrayエレメントのエレメント識別子※1と同様です。詳細については,「表13-17 エレメントの内容と対応する属性値の出力順」のStorageArrayエレメントの属性値出力順を参照してください。※2 |
Universal Storage Platform V/VM | 無 | ||
Hitachi USP | 有 | ||
SANRISE9900V | 有 | ||
HUS VM | 無 | ||
HUS100 | 無 | ||
Hitachi AMS2000 | 無 | ||
Hitachi SMS | 無 | ||
Hitachi AMS/WMS | 無 | ||
SANRISE9500V | 無 | ||
Protection Manager | -- | 無 | ラウンチ対象ホストマシンを特定する情報です。内容は,Hostエレメントのエレメント識別子※1と同様です。詳細については,「表13-17 エレメントの内容と対応する属性値の出力順」のHostエレメントの属性値出力順を参照してください。 |
次に,ラウンチリクエスト受理時(正常時),およびレスポンス送信時(正常時)に出力されるメッセージテキストの例を示します。
リクエスト受理時(正常時)の例
"123456789 lsessionID=a7e770671b8 loid=R500-14000" |
レスポンス送信時(正常時)の例
"123456789 lsessionID=a7e770671b8" |
(4) Device Managerサーバ(CIM経由)の処理として出力される場合
CIMサービスメソッドのリクエスト受理時,またはレスポンス送信時の情報が出力されます。メッセージテキストの形式とその内容を説明します。
リクエスト受理時(正常時)
<ユニークID> <メソッド名> <入力パラメーター> <オブジェクトパス> |
レスポンス送信時(正常時および異常時)
<ユニークID> <リターンコード> <出力パラメーター> |
レスポンス送信時(非同期処理によってジョブが生成された場合)
<ユニークID> return=4096 <オブジェクトパス> |
表13-6 Device Managerサーバ(CIM経由)リクエスト受理時またはレスポンス送信時に出力される情報
項目 | 内容 |
---|---|
ユニークID | リクエストごとに一意なIDです。レスポンス送信時は,対応するリクエストのユニークIDです。SVP経由の処理の場合,このIDはSVP側の監査ログにも出力されます。 |
メソッド名 | リクエストされたメソッド名です。 |
入力パラメーター | 形式 : "inParams={...}" リクエストされたメソッドに引き渡された入力パラメーターが出力されます。 |
オブジェクトパス | 形式 : "objectPath=..." リクエストされたメソッドに引き渡されたオブジェクトパスが出力されます。 |
リターンコード | 形式 : "return=..." リクエストされたメソッドの実行結果としてリターンコードが出力されます。 |
出力パラメーター | 形式 : "outParams={...}" リクエストされたメソッドの実行結果として,引き渡されたパラメーターの内容が出力されます。 |
次に,Device Managerサーバ(CIM経由)のリクエスト受理時(正常時),およびレスポンス送信時(正常時)に出力されるメッセージテキストの例を示します。
リクエスト受理時(正常時)の例
"123456789 GetSupportedSizeRange inParams={ElementType=3,Goal=//192.168.0.1/root/smis/current:HITACHI_StorageSetting.InstanceID='RAID5'} objectPath=/root/smis/current:HITACHI_StoragePool.InstanceID='AMS500.75010421'" |
レスポンス送信時(正常時)の例
"123456789 return=0 outParams={MinimumVolumeSize=1024,MaximumVolumeSize=248139692,VolumeSizeDivisor=1024}" |
(5) Tiered Storage Managerの処理として出力される場合
Tiered Storage Manager CLIまたはLegacyモードのTiered Storage Manager GUIで操作した場合に出力される監査ログのメッセージテキストの出力形式および出力される情報を次に示します。
<メッセージ本文> <操作種別(OP)>, <操作対象(Res)>[, <失敗理由(RC)>] |
表13-7 監査ログのメッセージテキストに出力される項目(メッセージ本文,操作種別および操作対象)
項目 | 内容 | 出力形式 |
---|---|---|
メッセージ本文 | 事象を説明するメッセージ | メッセージ本文が出力されます。出力されるメッセージについては,「表13-9 監査ログに出力されるメッセージ」を参照してください。 |
操作種別(OP) | Tiered Storage Managerサーバに対する操作要求の種類
| OP=(OpId,OpName) OpId,OpNameについては,「表13-10 監査ログに出力される操作種別(OP)の意味」を参照してください。 |
操作対象(Res) | 操作の対象となるリソース(資源)の種類
| Res=(ResId,ResName) ResId,ResNameについては,「表13-11 監査ログに出力される操作対象(Res)の意味」を参照してください。 |
表13-8 監査ログのメッセージテキストに出力される項目(追加情報)
項目 | 内容 | 出力形式 |
---|---|---|
失敗理由(RC) | 失敗事象の場合に,その理由・原因を示すエラーコード | RC=KATSppmmm-z メッセージ内容については,マニュアル「Hitachi Command Suite Software メッセージガイド」を参照してください。 |
ストレージドメイン情報(SD) | 1個の場合
| SD=(id,name) |
複数の場合
| NumSD=n,Start SDs SD[1]=(id-1,name-1) ... SD[n]=(id-n,name-n) End SDs | |
ストレージドメイン情報の数(n) | NumSD=n | |
ストレージシステム情報(SS) |
| SS=(,,name,ldkc) |
ストレージシステム情報の数(n) | NumSS=n | |
マイグレーショングループ情報(MG) | 1個の場合
| MG=(id,name) |
複数の場合
| NumMG=n,Start MGs MG[1]=(id-1,name-1) ... MG[n]=(id-n,name-n) End MGs | |
マイグレーショングループ情報の数(n) | NumMG=n | |
タスク完了後の移動先マイグレーショングループ情報(MG_moveTo) |
| MG_moveTo=(id,name) |
ストレージ階層情報(ST) | 1個の場合
| ST=(id,name) |
複数の場合
| NumST=n,Start STs ST[1]=(id-1,name-1) ... ST[n]=(id-n,name-n) End STs | |
ストレージ階層の数(n) | NumST=n | |
プール情報(PO) | ストレージドメインID(id) | SD=(id,) |
プール数 (n) | NumPO=n | |
ボリューム情報(VL) | 1個の場合
| VL=(devnum,id) |
複数の場合
| NumVL=n,Start VLs VL[1]=(devnum-1,id-1) ... VL[n]=(devnum-n,id-n) End VLs | |
ボリュームの数(n) | NumVL=n | |
ボリュームペア(VP) | 1個の場合
| VP=(sdevnum,sid,tdevnum,tid) |
複数の場合
| NumVP=n,Start VPs VP[1]=(sdevnum-1,sid-1,tdevnum-1,tid-1) ... VP[n]=(sdevnum-n,sid-n,tdevnum-n,tid-n) End VPs | |
ボリュームペア数(n) | NumVP=n | |
空き容量情報(FS) | 1個の場合
| FS=(agname,fsnum) |
複数の場合 空き容量情報数(n) | NumFS=n | |
外部接続設定情報(EM) | 外部接続設定情報数(n) | NumEM=n |
パスグループ情報(PG) | 1個の場合 パスグループID(id) | PG=(id) |
複数の場合 パスグループ情報数(n) | NumPG=n | |
エミュレーションタイプ情報(EM) | エミュレーションタイプ情報数(n) | NumEM=n |
タスク情報(TK) | マイグレーションタスクの場合
N:データ消去なし | TK=(id,0,erase) |
ロッキングタスクの場合
| TK=(id,2,mode,days) | |
アンロッキングタスクの場合
| TK=(id,3) | |
シュレッディングタスクの場合
1:DOD | TK=(id,4,method) | |
タスク情報が複数ある場合
2:ロッキングタスク 3:アンロッキングタスク 4:シュレッディングタスク | NumTK=n,Start TKs TK[1]=(id-1,type-1) ... TK[n]=(id-n,type-n) End TKs | |
監査事象ごとのオプション(opt) | CancelTaskの場合 強制キャンセルかどうか(emergency) Y:emergency指定あり N:emergency指定なし | opt=(emergency) |
Add Volumeの場合 移動許可(moveFromMigrationGroup) Y:移動許可する N:移動許可しない | opt=(moveFromMigrationGroup) | |
Change Taskの場合 1.変更後のタスクの状態(status) 0x01020600: タスク実行中 0x02030000: 取消 0x02040000: 中止 0x02050000: 即時中止 | opt=(status,emergency) | |
2.強制的に変更するかどうか(emergency) Y:emergency指定あり N:emergency指定なし |
表13-9 監査ログに出力されるメッセージ
メッセージID | メッセージ (アプリケーション固有情報) | 内容 |
---|---|---|
KATS90000-I | The operation requested by the client has completed. | 監査ログが複数行にわたる場合,ログの先頭行であることを示します。 Tiered Storage Managerが管理する資源へのアクセスに成功したことによって,Configuration Access種別の監査事象が発生しました。 |
KATS90001-W | The operation requested by the client has failed. | 監査ログが複数行にわたる場合,ログの先頭行であることを示します。 Tiered Storage Managerが管理する資源へのアクセスに失敗したことによって,Configuration Access種別の監査事象が発生しました。 |
KATS90010-W | The user does not have permission for the operation. | 実行権限がないため,Tiered Storage Managerが管理する資源へのアクセスに失敗したことによって,Access Control種別の監査事象が発生しました。 |
KATS90020-I | KATS90000-Iメッセージの継続行が出力されます。 | 監査ログが複数行にわたる場合,ログの継続行であることを示します。 Tiered Storage Managerが管理する資源へのアクセスに成功したことによって,Configuration Access種別の監査事象が発生しました。 |
KATS90021-W | KATS90001-Wメッセージの継続行が出力されます。 | 監査ログが複数行にわたる場合,ログの継続行であることを示します。 Tiered Storage Managerが管理する資源へのアクセスに失敗したことによって,Configuration Access種別の監査事象が発生しました。 |
KATS90030-I | KATS90000-Iメッセージの最終行が出力されます。 | 監査ログが複数行にわたる場合,ログの最終行であることを示します。 Tiered Storage Managerが管理する資源へのアクセスに成功したことによって,Configuration Access種別の監査事象が発生しました。 |
KATS90031-W | KATS90001-Wメッセージの最終行が出力されます。 | 監査ログが複数行にわたる場合,ログの最終行であることを示します。 Tiered Storage Managerが管理する資源へのアクセスに失敗したことによって,Configuration Access種別の監査事象が発生しました。 |
表13-10 監査ログに出力される操作種別(OP)の意味
OpId | OpName | 意味 |
---|---|---|
10 | Get | 情報取得 |
11 | Get_summary | 要約情報取得 |
12 | Get_num | 情報の個数だけ取得 |
20 | Create | 作成 |
30 | Delete | 削除 |
40 | Modify | 更新 |
50 | Add | 追加 |
60 | Remove | 除去 |
70 | Change | (状態の)変更 |
80 | Execute | 実行 |
90 | Refresh | リフレッシュ |
100 | Cancel | キャンセル |
110 | Stop | 中止 |
120 | Choose | 選択 |
130 | Check | チェック |
表13-11 監査ログに出力される操作対象(Res)の意味
ResId | ResName | 正式名称 | 意味 |
---|---|---|---|
10 | LC | License | ライセンス情報 |
20 | SD | Storage Domain | ストレージドメイン |
21 | RS | Refresh Status | ストレージのリフレッシュ状態 |
30 | MG | Migration Group | マイグレーショングループ |
40 | ST | Storage Tier | ストレージ階層 |
50 | MP | Migration Plan | マイグレーションプラン |
60 | SS | Subsystem | ストレージシステム |
70 | TK | Task | タスク |
80 | VL | Volume | ボリューム |
90 | VP | Volume Pair | ボリュームペア |
100 | VR | Volume Range | ボリュームの検索範囲 |
110 | LOG | Logger Info | ログ出力に関する情報 |
120 | PO | Pool | プール |
130 | KS | Key Store | キーストアーファイル情報 |
140 | FS | Free Space | 空き容量 |
150 | FSR | Free Space Range | 空き容量の検索範囲 |
160 | EXM | External Mapping | 外部接続設定情報 |
170 | PG | Path Group | パスグループ |
180 | EM | Emulation | エミュレーション |
監査ログの出力例を次に示します。
TSMgr[00000974]:CELFSS,1.1,1,KATS90000-I,2006-11-09T19:58:45.4+09:00,TSM_Srv, |