8.2.3 クラスタ環境への変更(Windows)
非クラスタ構成でDevice Manager,Tiered Storage ManagerまたはReplication Managerのシステムの運用を開始したあとで,クラスタ構成に変更したい場合は,次の手順で変更してください。ここでは,すでに運用中のDevice Managerサーバ,Tiered Storage ManagerサーバおよびReplication Managerサーバがインストールされたマシンを実行系ノードとする場合を想定して説明します。
注意- クラスタ環境のセットアップでは,Hitachi Command Suiteのサービスの停止を伴う操作を実行します。セットアップ中は,Hitachi Command Suiteにアクセスしないでください。
管理サーバのOSがWindowsの場合に,運用開始後にクラスタ環境に変更する手順を次に示します。
- Tuning Managerとリモート接続している場合は,Tuning Managerサーバがインストールされているマシンで,Tuning Managerのサービスをいったん停止します。
- 待機系ノードとなるマシンにHitachi Command Suiteをインストールします。
- 使用する製品のライセンスをGUIで登録します。
待機系ノードのIPアドレスにアクセスしてください。
インストールする製品ごとに,ライセンスキーの入力が必要です。
- 実行系ノードで次のコマンドを実行して,GUIを起動するためのURLを論理ホスト名に変更します。
<Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールフォルダ>¥bin¥hcmdschgurl /change http://<実行系ノードのIPアドレスまたはホスト名>:<ポート番号> http://<論理ホスト名>:<ポート番号>
- 実行系および待機系の各ノードで,テキストエディターを使って,クラスタ設定ファイルを作成します。
クラスタ設定ファイルに指定する項目は次のとおりです。
実行系ノードの場合
mode=online
virtualhost=<論理ホスト名>
onlinehost=<実行系ノードのホスト名>
standbyhost=<待機系ノードのホスト名> |
待機系ノードの場合
mode=standby
virtualhost=<論理ホスト名>
onlinehost=<実行系ノードのホスト名>
standbyhost=<待機系ノードのホスト名> |
作成したファイルは,cluster.confというファイル名で,<Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールフォルダ>¥confに格納します。
注意- modeには,実行系ノードの場合はonline,待機系ノードの場合はstandbyを指定してください。
- virtualhost,onlinehost,standbyhostにはIPアドレスは指定できません。ホスト名からIPアドレスの名前解決ができることを確認してください。
- virtualhostに指定する論理ホスト名には,有効でアクセスできるIPアドレスが割り当てられている必要があります。
- 実行系および待機系の各ノードで,server.propertiesファイルを開き,server.http.hostプロパティに論理ホスト名を指定します。
<Device Managerサーバのインストールフォルダ>¥HiCommandServer¥config¥server.properties
- 次のコマンドを実行して,実行系ノードでデータベースをバックアップします。
<Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールフォルダ>¥bin¥hcmdsbackups /dir <バックアップファイルの格納先フォルダ> /auto
- dir
- データベースのバックアップファイルを格納するローカルディスク上のフォルダを絶対パスで指定します。
- dirオプションに指定するフォルダが空であることを確認してください。
- auto
- Hitachi Command Suite製品のサービスを自動的に起動/停止するオプションです。
重要- hcmdsbackupsコマンドを実行すると,dirオプションに指定したバックアップファイルの格納先フォルダにdatabaseというフォルダが作成され,データベースのバックアップファイルがbackup.hdbというファイル名で格納されます。
- HiRDBが使用するポートをデフォルト(23032/tcp)以外のポートに変更して運用している場合は,使用しているポート番号を控えておきます。
- 実行系ノードで次のコマンドを実行して,データベースを共有ディスクに移行します。
<Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールフォルダ>¥bin¥hcmdsdbclustersetup /createcluster /databasepath <データベースの再作成先フォルダ> /exportpath <データベースの退避先フォルダ> /auto
- createcluster
- 非クラスタ構成のHitachi Command Suite製品をクラスタ構成へ移行するためのオプションです。
- databasepath
- データベースの再作成先フォルダを指定します。共有ディスク上のフォルダを,63バイト以内の絶対パスで指定してください。
- パスに使用できる文字を次に示します。そのほかに,円記号(¥),コロン(:)およびスラント(/)をパスの区切り文字として使用できます。
- A~Z a~z 0~9 . _
- exportpath
- データベースの退避先フォルダを指定します。ローカルディスク上のフォルダを,63バイト以内の絶対パスで指定してください。パスに使用できる文字は,databasepathに指定できる文字と同じです。
- auto
- Hitachi Command Suite製品のサービスを自動的に起動/停止するオプションです。
注意- hcmdsdbclustersetupコマンドを実行すると,HiRDBが使用するポート番号の設定がデフォルト値(23032/tcp)に戻ります。
- hcmdsdbclustersetupコマンドを実行すると,Tuning Managerのリモート接続の設定が初期化されます。
- <データベースの退避先フォルダ>がすでにある場合は,フォルダの中を空にするか,フォルダを削除してください。
- hcmdsdbclustersetupコマンドが正常終了するまでは,共有ディスクを実行系ノードから切り離さないでください。
- hcmdsdbclustersetupコマンドが異常終了した状態でサーバを再起動すると,共有ディスクの接続先が待機系ノードに切り替わることがあります。
- 待機系ノードで次のコマンドを実行して,共有ディスク上のデータベースを使用するように設定を変更します。
<Hitachi Command Suite共通コンポーネントのインストールフォルダ>¥bin¥hcmdsdbclustersetup /createcluster /databasepath <データベースの再作成先フォルダ> /exportpath <データベースの退避先フォルダ> /auto
hcmdsdbclustersetupコマンドに指定するオプションについては,手順9を参照してください。
databasepathには,実行系ノードで指定した<データベースの再作成先フォルダ>と同じフォルダを指定してください。
- 実行系および待機系の各ノードでhcmdssrvコマンドを実行して,Hitachi Command Suite製品のサービスが停止していることを確認します。
- 実行系および待機系の各ノードで,次のサービスを手動で起動するよう変更します。
- HBase Storage Mgmt Common Service
- HBase Storage Mgmt Web Service
- HCS Device Manager Web Service
- HiCommandServer
- HiCommand Tiered Storage Manager
[サービス]ウィンドウ内で,各サービスのプロパティを開き,[スタートアップの種類]を[自動]から[手動]に変更します。
- クラスタソフトウェアにリソースを登録します。
「(3) Microsoft Cluster Serviceの設定」または「(5) Windows Server Failover Clusteringの設定」に従って,クラスタリソースを登録してください。
- 非クラスタ環境で運用していた時にTuning Managerとリモート接続していた場合は,必要に応じて,Tuning Managerのサービスを起動したあと,Tuning Managerと連携するための設定を再度実施します。
関連項目