11.3.6 デバイス情報の取得(hldutilコマンド)
ストレージシステムのLDEVやファイルシステムなどのデバイスの情報を取得するには,hldutilコマンドを実行します。
取得したデバイス情報を指定したフォーマットで表示したり,実行結果ログファイルに出力したり,過去のデバイス情報を表示したりできます。デバイス情報を表示する場合,オプションをすべて省略したときは,ホストに認識されているすべてのLDEVの情報を表示します。
また,実行結果ログファイルをコピーしたり,削除したりして,デバイス情報を管理することもできます。
事前に完了しておく操作
- Administrator 権限(Windowsの場合)またはroot(UNIXの場合)でのログイン
コマンドの形式
- デバイス情報を表示する場合
- hldutil [-d [<ドライブ番号またはデバイススペシャルファイル名>] | -g [<ドライブグループ名>] | -l <LDEV番号>.<シリアル番号>] [-p] [-q] [-nolog] [-s <ソートキー>...] [-serdec] [-k | -hf <ログファイル名> | -h <ログ番号>]
- デバイス情報を管理する場合
- hldutil {-h <ログ番号> -hb <ログファイル名> | -hrm { <ログ番号> | all } | -history <ログファイルの世代数>}
コマンドの格納先
- Windowsの場合
- <Device Managerエージェントのインストールフォルダ>¥util¥bin
- Solaris,Linux,またはHP-UXの場合
- /opt/HDVM/HBaseAgent/util/bin
- AIXの場合
- /usr/HDVM/HBaseAgent/util/bin
オプション
- -d
- ドライブ番号(Windowsの場合)またはデバイススペシャルファイル名(UNIXの場合)で指定したLDEVの情報を表示します。ドライブ番号またはデバイススペシャルファイル名を省略した場合は,現在認識されているすべてのLDEVの情報を表示します。
- -g
- ドライブグループ名で指定したドライブグループの情報を表示します。ドライブグループ名を省略した場合は,現在定義されているすべてのドライブグループの情報が表示されます。
- -l
- LDEV番号とシリアル番号で指定したLDEVの情報を表示します。必ずLDEV番号,シリアル番号の順で指定します。LDEV番号とシリアル番号のどちらかを省略した場合,LDEVの情報は表示されません。
- このオプションを指定した場合,表示項目が次のものに限定されます。
- Ldev#(LDEV番号)
- Ser#(ストレージシステムのシリアル番号)
- Device(デバイススペシャルファイル名またはドライブ番号)
- Dg name(ドライブグループ名)
- fs(ファイルシステム)
- -p
- ドライブ情報にShadowImage,TrueCopy,Copy-on-Write Snapshot,Thin Image,QuickShadow,またはUniversal Replicatorで設定したP-VOLとS-VOLの情報を付けます。LDEVにP-VOLとS-VOLの情報が割り当てられていない場合は,このオプションを指定してもP-VOLとS-VOLの情報は表示されません。
- -q
- コマンドの実行結果を標準出力には出力しないで,実行結果ログファイルだけに出力します(quietモード)。このオプションは,バックグラウンドでジョブを実行しながら最新のLDEV情報を実行結果ログファイルに出力する場合に指定します。エラーメッセージは標準エラー出力に出力されます。
- -nolog
- コマンドの実行結果を標準出力に出力します。実行結果ログファイルは更新しません。
- -s
- LDEV情報をASCIIコードの昇順で表示します。
- 複数のソートキーを指定する場合は,半角スペースで各ソートキーを区切ります。複数のソートキーを指定した場合は,指定順のソートキーでソートされます。ファイルシステム名をソートキーに指定した場合は,各LDEVに含まれるファイルシステム名のうち,ASCIIコードが最も小さいファイルシステム名で,LDEV情報がソートされます。
- このオプションを省略した場合は,コマンドが処理した情報の順序でLDEV情報が表示されます。
- -serdec
- ストレージシステムのシリアル番号を10進数で表示します。
- -k
- 最新の実行結果ログファイルの内容を標準出力に出力します。
- 標準出力への出力にはハードウェアへのアクセスは生じません。ただし,実行結果ログファイルにドライブ情報が記録されていない場合は,ドライブ情報を取得し,標準出力と実行結果ログファイルに出力されます。
- -hf
- 指定した実行結果ログファイルの内容を標準出力に出力します。
- 標準出力への出力にはハードウェアへのアクセスは生じません。
- -h
- 指定したログ番号の実行結果ログファイルの内容を標準出力に出力します。
- 標準出力への出力にはハードウェアへのアクセスは生じません。
- このオプションと-hbオプションを一緒に指定すると,実行結果ログファイルのコピーを作成します。-hオプションでコピー元の実行結果ログファイル名のログ番号を指定し,-hbオプションでコピー先を指定します。
- -hb
- 実行結果ログファイルのコピーを作成します。このオプションは必ず-hオプションと一緒に指定します。
- -hオプションでコピー元の実行結果ログファイル名のログ番号を指定し,-hbオプションでコピー先を指定します。コピー先のファイル名は絶対パスまたは相対パスで指定します。
- -hrm
- 指定したログ番号の実行結果ログファイルを削除します。allを指定すると,デフォルトのログ格納用ディレクトリからすべての実行結果ログファイルが削除されます。
- -history
- 実行結果ログファイルの世代数を指定します。指定できる世代数は1から64です。デフォルト値は32です。指定した値は,次に実行結果ログファイルが作成された際に有効になります。
注意- LUの追加や削除など,ホストの環境を変更したあとすぐにhldutilコマンドを実行すると,ホストの変更内容を認識できないことがあります。この場合,しばらく待ってから再度hldutilコマンドを実行してください。
関連項目
- この項の構成
- (1) hldutilコマンドで表示される情報
- (2) hldutilコマンドで表示されるRaidIDが表すストレージシステムの機種
- (3) hldutilコマンドで指定できるソートキー
(1) hldutilコマンドで表示される情報
hldutilコマンドを実行した場合に表示される情報を,出力順で次の表に示します。
OSや指定したオプションによって,表示される項目は異なります。
表11-10 hldutilコマンドで表示される情報
表示項目 | 意味 |
---|
Dg name | ドライブグループ名 |
Device | ドライブ番号(Windowsの場合) |
デバイススペシャルファイル名(UNIXの場合) |
fs | ファイルシステム名 |
P/S※1 | P-VOL,S-VOLの区別 |
Vend. | ベンダー名 |
Prod. | プロダクト名 |
Port# | ポート番号(DKC側) |
Tid#※2 | ターゲットID(ホスト側SCSIインターフェース) |
Lun#※2 | LU番号(ホスト側SCSIインターフェース) |
Ldev# | LDEV番号(DKC側) |
Ser# | ストレージシステムのシリアル番号 |
RaidID | ストレージシステムの機種を表す文字列 |
RG# | パリティグループ番号 |
PortWWN※3 | Port WWN名 |
NodeWWN※3 | Node WWN名 |
iSCSIName | iSCSIイニシエーターのiSCSIネーム |
- 注※1
- ホストが仮想マシンの場合,P-VOLやS-VOLの構成を変更したあとにhldutilコマンドを実行すると,情報が正しく表示されないことがあります。仮想化サーバを再起動すると,正しい情報が表示されます。
- 注※2
- HP-UX 11i v3の一貫性のある特殊デバイス(persistent device special file)の場合,この項目は出力されません。
- 注※3
- NPIVを使用して仮想マシンに仮想WWNを割り当てている場合,仮想化サーバの物理WWNが出力されます。
(2) hldutilコマンドで表示されるRaidIDが表すストレージシステムの機種
hldutilコマンドで表示されるRaidIDは,ストレージシステムの機種を表す文字列です。
RaidIDとストレージシステムの機種の対応を次の表に示します。
表11-11 hldutilコマンドで表示されるRaidIDとストレージシステムの機種の対応
RaidID | ストレージシステムの機種 |
---|
71 | Hitachi WMS 100またはBR50 |
73 | Hitachi AMS 200またはBR150 |
75 | Hitachi AMS 500 |
77 | Hitachi AMS 1000またはHitachi TMS1000 |
81 | Hitachi SMS 100 |
82 | Hitachi SMS 110 |
83 | Hitachi AMS 2010,Hitachi AMS 2100またはBR1600シリーズ |
85 | Hitachi AMS 2300 |
87 | Hitachi AMS 2500 |
91 | HUS110またはBR1650S |
92 | HUS130またはBR1650E |
93 | HUS150 |
D60H | SANRISE9580V |
HM70 | HUS VM |
R450 | SANRISE9980VまたはSANRISE H1024 |
R451 | SANRISE9970VまたはSANRISE H128 |
R500 | Hitachi USP 100,Hitachi USP 600またはHitachi USP 1100 |
R501 | Hitachi NSC 55 |
R600 | Universal Storage Platform V |
R601 | Universal Storage Platform VM |
R700 | Virtual Storage Platform |
(3) hldutilコマンドで指定できるソートキー
hldutilコマンドの-sオプションにソートキーを指定すると,取得したLDEV情報をソートできます。
hldutilコマンドで指定できるソートキーを次に示します。
表11-12 hldutilコマンドで指定できるソートキー
ソートキー | 説明 |
---|
dg | ドライブグループ名でソートします。 |
fs | ファイルシステム名でソートします。 |
iscsin | iSCSIイニシエーターのiSCSIネームでソートします。 |
ldev | LDEV番号でソートします。 |
lun | LU番号でソートします。 |
port | ポート番号でソートします。 |
prod | プロダクト名でソートします。 |
rg | パリティグループ番号でソートします。 |
rid | ストレージシステムの機種を表す文字列でソートします。 |
ser | ストレージシステムのシリアル番号でソートします。 |
tid | ターゲットIDでソートします。 |
vend | ベンダー名でソートします。 |
wwnn | Node WWN名でソートします。 |
wwnp | Port WWNでソートします。 |