サイレントインストールとは,インストール時にユーザーの応答を必要としないインストール方法です。 Device Managerサーバのマシン情報やHiScanコマンドの実行時刻を自動設定ファイル(HDVMAgent.conf)に定義しておくと,インストールとあわせて基本セットアップもできます。
ユーザー自身がスクリプトファイルを作成・実行することで,ホストへのインストールを自動化できるため,複数のホストに同じ条件でDevice Managerエージェントをインストールする場合に便利です。
なお,サイレントインストールする場合には,次の点に注意してください。
A.2.1 Device Managerエージェントのサイレントインストールのプロパティ
サイレントインストールと同時に基本セットアップを行う場合,インストール前にプロパティの設定値を自動設定ファイル(HDVMAgent.conf)に定義しておく必要があります。
HDVMAgent.confファイルのひな形は,次の場所に格納されています。
HDVMAgent.confファイルが統合インストールメディアなどの書き込みできないメディアに格納されている場合は,HDVMAgent.confファイルが格納されているフォルダを,書き込みできる場所にフォルダごとコピーしてからHDVMAgent.confファイルを編集してください。
HDVMAgent.confファイルに設定するプロパティ名,説明およびデフォルト値を次の表に示します。
プロパティの指定を省略した場合は,デフォルト値が適用されます。
表A-2 HDVMAgent.confファイルに設定する内容
プロパティ名 | 説明 | デフォルト値 |
---|---|---|
serverIP (必須) | Device ManagerサーバのIPアドレスまたはホスト名を指定します。 | なし |
serverPort (必須) | Device Managerサーバのポート番号を指定します。 | 2001 |
HiScanPeriod (必須) | HiScanの実行間隔を指定します。
| D |
HiScanSchedule (任意) | HiScanPeriodにN以外を指定した場合に,HiScanを実行するタイミングを指定します。HiScanを実行するタイミングを指定するには次に示す2つの方法があります。
| 2:30 |
configOverwrite (任意) | 上書きインストールの場合に,設定を上書きするかどうかを指定します。 enable:設定を上書きする disable:設定を上書きしない
| disable |
関連項目
A.2.2 Device Managerエージェントをサイレントインストールするための前提条件
Device Managerエージェントをサイレントインストールするためには,前提条件に合わせてマシン環境を整え,インストーラーで指定する情報を決めておく必要があります。
事前に完了しておく操作
事前に確認しておく情報
関連項目
A.2.3 Device Managerエージェントをサイレントインストールする(Windows)
ホストにDevice Managerエージェントをサイレントインストールするには,インストール先を指定してsetup.exeを実行します。
Windows環境にDevice Managerエージェントをサイレントインストールするには:
start /WAIT setup.exe /s [<Device Managerエージェントのインストールフォルダ>] [/u] |
次のコマンドを実行した結果,戻り値が0x00であれば,インストールは正常に終了しています。
echo %ERRORLEVEL% |
関連項目
A.2.4 Device Managerエージェントをサイレントインストールする(UNIX)
ホストにDevice Managerエージェントをサイレントインストールするには,install.shを実行します。
UNIX環境にDevice Managerエージェントをサイレントインストールするには:
# install.sh -s [-u] |
次のコマンドを実行した結果,戻り値が0x00であれば,インストールは正常に終了しています。
# echo $? |
関連項目
A.2.5 Device Managerエージェントのサイレントインストールの戻り値
サイレントインストールの実行結果は,echoコマンドで確認できます。
サイレントインストールの実行結果の戻り値を次の表に示します。
表A-3 サイレントインストールの実行結果の戻り値
戻り値※ | 説明 | 対処 |
---|---|---|
0x00 | 正常終了 | なし。 |
0x90 | Device Managerエージェントのインストールで失敗しました。 | 次の原因が考えられます。
|
0x91 | インストールコマンドの構文エラーです。 | インストールコマンドの引数の構文が誤っています。構文を修正してから再度インストールを実行してください。 |
インストール先のディレクトリの設定値が不正です。 | インストール先のディレクトリを,使用できない文字で設定しているか,64バイトを超えて設定しています。正しく設定してから再度インストールを実行してください。 | |
0x92 | HDVMAgent.confファイルがインストーラーの実行ファイルと同じディレクトリに存在しない,またはHDVMAgent.confファイルの設定内容に誤りがあります。 | インストールに失敗しました。原因に応じて次のように対処してください。
|
0x93 | Device Managerエージェントのインストールには成功しましたが,他PPと連携するための設定に失敗しました。 | Protection Manager - Consoleがインストールされている環境の場合,hptmguiinst.exeまたはhptmguiinst.shを実行してください。エラーメッセージを確認し,エラーに対処してから再度インストールを実行してください。 Dynamic Link ManagerのGUIがインストールされている環境の場合,保守員に連絡してください。 OSがSolarisまたはHP-UXの場合は,Global Link Managerエージェントのインストールに失敗しているおそれがあります。再度インストールを実行してください。それでも失敗する場合は,保守員に連絡してください。 |
0x95 | Device Managerエージェント機能のセットアップには成功しましたが,Replication Managerエージェント機能のセットアップでエラーが発生しました。 | サポートOSおよび前提パッチを確認したあと,再度実行してください。再度問題が発生した場合は,保守員に連絡してください。 |
0x96 | 実行したユーザーにはAdministrator権限がありません。 | Administrator権限があるユーザーIDで再度実行してください。 |
0x98 | 新しいバージョンのDevice Managerエージェントがインストールされているため,ダウングレードできません。 | なし。 |
0x99 | Device Managerエージェントまたは関連プログラムが動作中です。 | KAIC25111-W~KAIC25113-Wメッセージに従って対処してください。 |
0x9A | setup.exeが正常に起動しなかったか,ユーザーによって内部コマンドが直接実行されたおそれがあります。 | KAIC25156-Eメッセージに従って対処してください。 |
0x9D | HDVMAgent.confファイルに指定したDevice Managerサーバへの接続に失敗しました。 | hdvmagt_settingコマンドを使って,Device ManagerサーバのIPアドレスまたはホスト名を設定し直してください。 |
注※ 16進数で出力されます。