サイレントインストールとは,インストール時にユーザーの応答を必要としないインストール方法です。インストール先のパスや管理サーバの情報などのインストール条件は,インストール時にプロパティで指定します。
ユーザー自身がスクリプトファイルを作成・実行することで,マシンへのインストールを自動化できるため,複数の管理サーバに同じ条件でHitachi Command Suiteをインストールする場合に便利です。
A.1.1 Hitachi Command Suiteのサイレントインストールのプロパティ
インストール先のパスや管理サーバの情報などのインストール条件を指定するプロパティがあります。Hitachi Command Suiteのインストール条件はインストール時に指定する必要があるため,あらかじめ決めておく必要があります。
インストール時に指定するプロパティ名,説明およびデフォルト値を次の表に示します。
プロパティの指定を省略した場合は,デフォルト値が適用されます。
表A-1 サイレントインストール時に指定するプロパティ
プロパティ名 | 説明 | デフォルト値 |
---|---|---|
HINST_INSTDIR※1 | インストール先のパスを指定します。 新規インストールする場合に指定します。 |
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HINST_DBDIR※3 | データベースファイルの格納先を指定します。 新規インストールする場合に指定します。 |
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HINST_IPADDRESS※4 | 管理サーバのIPアドレスまたはホスト名を指定します。 新規インストールする場合に指定します。 | OSに設定されているホスト名 |
HINST_DBBACKUP※5 | 管理サーバにすでにHitachi Command Suite製品がインストールされている場合に,インストールによって更新される前のデータベースをバックアップまたはエクスポートするかどうかを指定します。 TRUE:バックアップまたはエクスポートする FALSE:バックアップまたはエクスポートしない | TRUE |
HINST_DBBACKUPDIR※5 | データベースのバックアップ先ディレクトリを指定します。 管理サーバにすでにHitachi Command Suite製品がインストールされている場合に指定します。 |
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HINST_COMMONHEAP | Hitachi Command Suite共通コンポーネントのメモリーヒープサイズを指定します。
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HINST_HDVMHEAP | Device Managerサーバのメモリーヒープサイズを指定します。
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HINST_RUNSERVICE※6 | インストール後にHitachi Command Suite製品のサービスを起動するかどうかを指定します。 TRUE:起動する FALSE:起動しない | TRUE |
HINST_IGNORE_CAPACITY_CHECK | ディスクの空き容量が不足している場合でも,インストールを中止しないで続行するかどうかを指定します。 TRUE:インストールを続行する FALSE:インストールを中止する | FALSE |
HINST_IGNORE_NETWORKING_CHECK | HINST_IPADDRESSに指定したホスト名またはIPアドレスとのネットワーク疎通ができない場合でも,インストールを中止しないで続行するかどうかを指定します。 TRUE:インストールを続行する FALSE:インストールを中止する | FALSE |
HINST_IGNORE_VIRTUAL_MEMORY_CHECK | 仮想メモリーの空き容量が不足している場合でも,インストールを中止しないで続行するかどうかを指定します。 TRUE:インストールを続行する FALSE:インストールを中止する | FALSE |
注※1 Solaris(SPARC)では指定できません。
注※2 <Program Filesフォルダ>は,次の場所を示しています。
注※3 クラスタ環境の実行系ノードにインストールする場合は,指定必須です。待機系ノードにインストールする場合は,指定不要です。
注※4 クラスタ環境にインストールする場合は,実行系ノードおよび待機系ノードとも指定必須です。
注※5 クラスタ環境の待機系ノードにインストールする場合は,バックアップおよびエクスポートできません。
注※6 クラスタ環境の場合は,指定しても無視されます。
関連項目
A.1.2 Hitachi Command Suiteをサイレントインストールするための前提条件
Hitachi Command Suiteをサイレントインストールするためには,前提条件に合わせてマシン環境を整え,インストーラーで指定する情報を決めておく必要があります。
事前に完了しておく操作
事前に確認しておく情報
関連項目
A.1.3 Hitachi Command Suiteをサイレントインストールする(Windows)
管理サーバにHitachi Command Suiteをサイレントインストールするには,インストール条件をプロパティに指定してsetup.exeを実行します。
Windows環境にHitachi Command Suiteをサイレントインストールするには:
setup.exe /v"/qr <プロパティ>=<指定値> " |
setup.exe /v`"/qr <プロパティ>=<指定値>`" |
サイレントインストールが終了すると,実行結果(HInstReport.txtファイル)がデスクトップに出力されます。HInstReport.txtファイルの[Summary]欄に,「SUCCESS」と出力されていればインストールは正常に終了しています。
関連項目
A.1.4 Hitachi Command Suiteをサイレントインストールする(SolarisまたはLinux)
管理サーバにHitachi Command Suiteをサイレントインストールするには,インストール条件をプロパティに指定してinstall.shを実行します。
SolarisまたはLinux環境にHitachi Command Suiteをサイレントインストールするには:
#./install.sh -s <プロパティ>=<指定値> |
サイレントインストールが終了すると,実行結果(HInstReport.txtファイル)が/tmpディレクトリに出力されます。HInstReport.txtファイルの[Summary]欄に,「SUCCESS」と出力されていればインストールは正常に終了しています。
関連項目