ここでは,GetVolumesコマンドを実行した時に表示されるマイグレーションできない理由を説明します。また,移動先にDPプールを,移動元にLUSEボリュームを指定してマイグレーションする場合に満たさなければならない条件について説明します。
A.3.1 マイグレーションできない理由
GetVolumesコマンドの出力項目reason(マイグレーション不可理由)の右辺に表示される文字列と,マイグレーションできない理由としてのボリュームの状態を示します。
表示文字列の末尾に"(target)"が付いているか,付いていないかによって,ボリュームの状態が異なります。
ただし,メインフレームシステム用のオプションプログラムによって設定されたボリュームのマイグレーション不可理由は表示されません。
表A-3 移動元にも移動先にもできないボリューム
表示される文字列 | 指定ボリュームの状態 |
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Cache Residency Manager < Cache LUN XP > | Cache Residency ManagerまたはCache Residency Manager for Mainframeが設定されています。 |
Command Device | Command Deviceとして使用されています。 |
Copy-On-Write Snapshot Status { XP Snapshot Status } < Snapshot XP Status > | 次のどれかに該当します。
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Data migration that uses virtual IDs | 仮想IDを用いたデータ移行に使用しているリソースグループに所属するボリュームです。 |
Dynamic Provisioning [Pool Volume] { XP Thin Provisioning [Pool Volume] } | Dynamic Provisioningのプールボリュームです。 |
Dynamic Provisioning [Unassigned] { XP Thin Provisioning [Unassigned] } | Dynamic Provisioningの仮想ボリュームで,かつプールに関連づけられていません。 |
Externally Locked | 外部ストレージシステム接続機能を使用していて,かつ外部ストレージシステムがData Retention Utilityでロックされています(Read/Writeでない)。 |
In-progress data migration that uses virtual IDs | 仮想IDを用いたデータ移行中のボリュームです。 |
Migration Reserved | マイグレーションの移動先としてすでに予約されています。 Performance Monitorでマイグレーションした対象ボリュームを含みます。 |
Not Acquired Volume Information | ボリュームの情報を取得できません。 |
Reserved | すでにDevice Managerで予約されています。 |
ShadowImage Configuration [Leaf] { Business Copy Configuration [Leaf] } < Business Copy XP Configuration [Leaf] > | ShadowImage またはShadowImage for MainframeのS-VOLであり,SP-VOLとペアを構成しています。 |
ShadowImage Configuration [Node] { Business Copy Configuration [Node] } < Business Copy XP Configuration [Node] > | ShadowImageまたはShadowImage for MainframeのSP-VOLであり,2つのS-VOLとペアを構成しています。 |
ShadowImage Configuration [Root] { Business Copy Configuration [Root] } < Business Copy XP Configuration [Root] > | ShadowImageまたはShadowImage for MainframeのP-VOLであり,3つのS-VOLとペアを構成しています。 |
System Disk | システムドライブです。 |
Thin Image { Fast Snap } | Thin Imageで使用しているボリュームです。 |
TrueCopy Asynchronous Status { Continuous Access Asynchronous Status } < Continuous Access XP Asynchronous Status > | 次のどれかに該当します。
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TrueCopy Synchronous Status { Continuous Access Synchronous Status } < Continuous Access XP Synchronous Status > | 次のどれかに該当します。
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Universal Replicator Status { Continuous Access Journal Status } < Continuous Access XP Journal Status > | 次のどれかに該当します。
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表A-4 移動元にはできるが移動先にはできないボリューム
表示される文字列 | 指定ボリュームの状態 |
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Copy-On-Write Snapshot (target) { XP Snapshot (target) } < Snapshot XP (target) > | 次の条件をすべて満たしています。
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Locked (target) | Data Retention Utilityでロックされています(Read/Writeでない)。 |
LUSE (target) | LUSEを構成しています。 |
Migration Group (target) | ほかのマイグレーショングループに含まれています。 |
NAS (target) | NASのシステムボリュームです。 |
Path (target) | パスが設定されています。 |
ShadowImage (target) { Business Copy (target) } < Business Copy XP (target) > | ShadowImageまたはShadowImage for Mainframeのペアを構成しています。 「表A-3 移動元にも移動先にもできないボリューム」の"ShadowImage Configuration" { "Business Copy Configuration" } < "Business Copy XP Configuration" >で始まる表示文字列に対応する,ボリュームのどの状態にも該当しない場合に表示されます。 |
TrueCopy Asynchronous (target) { Continuous Access Asynchronous (target) } < Continuous Access XP Asynchronous (target) > | 次のどちらかに該当します。
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TrueCopy Synchronous (target) { Continuous Access Synchronous (target) } < Continuous Access XP Synchronous (target) > | 次のどれかに該当します。
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Universal Replicator (target) { Continuous Access Journal (target) } < Continuous Access XP Journal (target) > | 次のどちらかに該当します。
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VOLSER (target) | VOLSERが設定されています。 |
A.3.2 DPプールを対象としたマイグレーションの条件
Tiered Storage Managerでは,DPプールを指定してマイグレーションできます。プール検索条件を指定したストレージ階層を作成しておいてください。移動先にDPプールを指定した場合,Tiered Storage Managerは,DPプール内にDPボリュームを自動的に作成してマイグレーションします。このとき,移動先プール番号が自動的に割り当てられます。
移動先にDPプールを指定する場合は,次の条件を満たす必要があります。
移動元がDPボリュームのときは,次の条件も満たす必要があります。
また,移動元がDPボリュームで,マイグレーション後のデータ消去を指定した場合は,移動元ボリュームからデータが消去されたあとにDPボリュームや仮想パリティグループが削除されます。ただし,Universal Storage Platform V/VMの場合,仮想パリティグループ内のボリューム数が複数のときには,削除されるかどうかはOpen Volume Managementをインストールしているかどうかによって異なります。
A.3.3 LUSEボリュームを対象としたマイグレーションの条件
Tiered Storage Managerでは,LUSEボリュームを移動元に指定してマイグレーションできます。LUSEボリュームを移動元に指定した場合,次の条件を満たす必要があります。
また,移動元と移動先のペアを自動で作成するために,次の条件を満たしておくことをお勧めします。