CreateLockingTaskコマンドは,ボリュームをロックしてデータを書き込み禁止(Read only)または読み書き禁止(Protect)状態にするロッキングタスクを作成します。マイグレーショングループ単位でボリュームをロックします。
マイグレーショングループ内に,ロック済みのボリュームなどロックできないボリュームがある場合は,ロックできるボリュームだけがロックされます。
Tiered Storage Managerでは,次のどれかに該当するボリュームはロックできません。
次のどれかに該当する場合,ロッキングタスクを作成できません。
ボリュームのロックが完了したあと,ロックしたボリュームをほかのマイグレーショングループに移動することもできます。
指定した期間が経過すると,Tiered Storage Manager はイベント通知を送信します(ロックは自動的に解除されません)。指定した期間が経過した場合には,ロック期間を延長するか,ボリュームをアンロックしてください。
ロック中のボリュームにロッキングタスクを実行した場合,次のように動作します。
Tiered Storage Managerではなく,StorageNavigatorなどからロックを掛けたためにロック期間が設定されていないボリュームに対して,Tiered Storage Managerで再ロックした場合,ロック期間を再設定できます。
(1) 記述形式
htsmcli [ サーバのロケーション] CreateLockingTask
[ 共通オプション ]
[ { -f | --force } ]
[ { -e | --execute } ]
storagedomainname=ストレージドメイン名
migrationgroupname=マイグレーショングループ名
[ guardmode={ ReadOnly | Protect } ]
[ retentiondays=ロック期間 ]
[ movetomigrationgroupname=ロック完了後移動先マイグレーショングループ名 ]
[ notifytourl=イベント通知先アドレス ]
[ description=タスクの説明文 ]
(2) オプション
(3) パラメーター
表5-37 CreateLockingTaskコマンドのパラメーター
パラメーター名 | 説明 |
---|---|
storagedomainname | ストレージドメイン名を指定します。 |
migrationgroupname | マイグレーショングループ名を指定します。 |
[guardmode] | ロッキングタスクの実行時に適用するロック方法を指定します。Data Retention Utilityのガード属性のうち,下記のどちらかの属性を指定できます。
|
[retentiondays] | ロック解除できるまでの日数(ロック期間)を指定します。デフォルトは0です。 -1から21,900までの整数値を指定できます。 -1を指定すると無期限となります。ロック期間を無期限に設定した場合,ロックは永久に解除できません。 |
[movetomigrationgroupname] | ロックの実行が完了したボリュームの移動先マイグレーショングループ名を指定します。 |
[notifytourl] | イベント発生時に,イベントを通知する先のアドレスを指定します。 "mailto:"とメールアドレス文字列を合わせた値で指定します。 |
[description] | タスクの説明文を指定します。 |
(4) 出力項目
表5-38 CreateLockingTaskコマンドの出力項目(Taskインスタンス)
項目名 | 説明 |
---|---|
ID | タスクIDです。 タスクIDの形式は,TK########です。ただし,########は時間+通番を36進数に変換した値です。 |
taskType | タスクの種類です。 Locking:ロッキングタスク |
status | タスクの状態です。 表示される値の詳細については,「5.8 タスクの状態」を参照してください。 |
creationTime | タスクの作成日時です。 |
endTime | タスクの実行終了日時です。 |
ownerID | タスクを作成したユーザーのユーザーIDです。 |
storageDomainName | ストレージドメイン名です。 |
migrationGroupName | マイグレーショングループ名です。 |
retentionDays | ロック期間(単位:日)です。ロック期間が無期限の場合は,"-1(Unlimited)"が表示されます。 |
retainedThrough | ロック期間が終了する日です。ロック期間が無期限の場合は,"Unlimited"が表示されます。 |
guardMode | ロッキングタスクの実行時に適用するロック方法です。
|
moveToMigrationGroupName | ロックの実行が完了したボリュームの移動先マイグレーショングループ名です。 |
notifyToURL | イベント通知先のアドレスです。 |
description | タスクの説明文です。 |
表5-39 CreateLockingTaskコマンドの出力項目(LockingInfoインスタンス)
項目名 | 説明 |
---|---|
controllerDeviceNumber | ボリュームのコントローラー論理デバイス番号です。 16進数と" : "(コロン)を組み合わせた値で表示されます。 |
(5) コマンド指定例と実行結果
htsmcli CreateLockingTask storagedomainname=MegaTechUSP600-Primary migrationgroupname=MG011 guardmode=ReadOnly retentiondays=365
Are you sure you want to lock the migration group "MG011"? (Y/N) :
RESPONSE:
An instance of Task(1 of 1)
ID=TK1f2lymqv
taskType=Locking
status=Standby
creationTime=2014/01/25 16:53:11
endTime=
ownerID=user
storageDomainName=MegaTechUSP600-Primary
migrationGroupName=MG011
retentionDays=365
retainedThrough=
guardMode=Read only
moveToMigrationGroupName=
notifyToURL=mailto:test@example.com
description=
List of 2 LockingInfo elements:
An instance of LockingInfo(1 of 2)
controllerDeviceNumber=3:A6
An instance of LockingInfo(2 of 2)
controllerDeviceNumber=3:A7
htsmcli CreateLockingTask --force storagedomainname=MegaTechUSP600-Primary migrationgroupname=MG011 guardmode=ReadOnly retentiondays=-1
RESPONSE:
An instance of Task(1 of 1)
ID=TK1f2lymqv
taskType=Locking
status=Standby
creationTime=2014/01/25 16:53:11
endTime=
ownerID=user
storageDomainName=MegaTechUSP600-Primary
migrationGroupName=MG011
retentionDays=-1(Unlimited)
retainedThrough=
guardMode=Read only
moveToMigrationGroupName=
notifyToURL=mailto:test@example.com
description=
List of 2 LockingInfo elements:
An instance of LockingInfo(1 of 2)
controllerDeviceNumber=3:A6
An instance of LockingInfo(2 of 2)
controllerDeviceNumber=3:A7