4.1.10 AddStorageArray

AddStorageArrayコマンドは,ストレージシステム(SMI-S enabledストレージシステムを含む)を検出し,Device Managerサーバのデータベースにストレージシステムの情報(IPアドレス,ユーザーID,パスワードなど)を登録します。すでに登録されているストレージシステムに対しては,登録された情報を変更し,ストレージシステムをリフレッシュ(構成情報を更新)します。登録情報を変更する場合,ストレージシステムのタイプ(パラメーターfamily)の値以外は,変更できます。

SMI-S enabledストレージシステムを対象とする場合,次の注意が必要です。

重要
  • AddStorageArrayコマンドの実行中に,処理対象のストレージシステムのボリュームを利用しているホストをシャットダウンまたはホストのDevice Managerエージェントを停止しないでください。シャットダウンまたは停止した場合,AddStorageArrayコマンドの処理に時間が掛かることがあります。
  • AddStorageArrayコマンドで,ストレージシステムの情報を登録する際に,パラメーターuseridに指定するユーザーIDは,ほかのストレージシステム管理ツールが使用するユーザーIDとは別のユーザーIDを指定することをお勧めします。
  • AddStorageArrayコマンドの実行結果がエラーとなった場合は,エラーメッセージに従って対処したあとで,再度,AddStorageArrayを実行してください。AddStorageArrayを実行すると,ストレージシステムから取得した情報は複数のトランザクションに分割されてDevice Managerのデータベースに登録されます。このため,処理の途中でエラーが発生すると,Device Managerのデータベース内の構成情報と実際のストレージシステムの構成情報とが不整合となります。データベースが不整合の状態では,対象のストレージシステムに対する以降の操作が制限されることがあります。データベースが不整合となっているかを確認するには,GetStorageArrayコマンドを実行してください。GetStorageArrayコマンドの実行結果のAn instance of StorageArrayの下に表示されるstatusOfDBInconsistency0以外の場合は,データベースが不整合な状態であることを示します。statusOfDBInconsistency0以外の場合については,「5.39 StorageArrayインスタンス」を参照してください。

Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,Hitachi USP,SANRISE9900V,およびHUS VMの書式

HiCommandCLI [URL] AddStorageArray [オプション]
ipaddress=IPアドレス family=ストレージシステムのファミリー
[displayfamily=表示するストレージシステムのファミリー]
[userid=ユーザーID arraypasswd=ユーザーパスワード]

HUS100,Hitachi AMS2000,およびHitachi SMSの書式

HiCommandCLI [URL] AddStorageArray [オプション]
ipaddress=IPアドレス family=ストレージシステムのファミリー
[displayfamily=表示するストレージシステムのファミリー]
[ipaddress2=2番目のIPアドレス]
[userid=ユーザーID arraypasswd=ユーザーパスワード]
[protocol={Non-secure|Secure|Either}]

Hitachi AMS/WMSおよびSANRISE9500Vの書式

HiCommandCLI [URL] AddStorageArray [オプション]
ipaddress=IPアドレス family=ストレージシステムのファミリー
[displayfamily=表示するストレージシステムのファミリー]
[ipaddress2=2番目のIPアドレス]
[userid=ユーザーID arraypasswd=ユーザーパスワード]

SMI-S enabledストレージシステムの書式

SMI-S enabledストレージシステムを登録する場合:

HiCommandCLI [URL] AddStorageArray [オプション]
ipaddress={SMI-SプロバイダーのIPアドレス|SMI-Sプロバイダーのホスト名}
family=SMI-S_Enabled displayfamily=SMI-S_Enabled
userid=ユーザーID arraypasswd=ユーザーパスワード
[protocol={Non-secure|Secure}]
[portnumber=SMI-Sプロバイダーサービスのポート番号]

特定のSMI-S enabledストレージシステムをリフレッシュする場合:

HiCommandCLI [URL] AddStorageArray [オプション]
ipaddress={SMI-SプロバイダーのIPアドレス|SMI-Sプロバイダーのホスト名}
family=SMI-S_Enabled [displayfamily=SMI-S_Enabled]
[userid=ユーザーID arraypasswd=ユーザーパスワード]
[protocol={Non-secure|Secure}]
[portnumber=SMI-Sプロバイダーサービスのポート番号]
saobjid=SMI-S enabledストレージシステムのオブジェクトID

パラメーター

表4-13 AddStorageArrayコマンドのパラメーター

パラメーター名指定のレベル説明
ipaddress※1必須IPアドレス
Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,Hitachi USP,SANRISE9900V,およびHUS VMの場合:
ストレージシステムのIPアドレスを指定します。ストレージシステムのポートコントローラーのホスト名(エイリアス名)でも指定できます。
Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,およびHUS VMの場合,IPv6のIPアドレスでも指定できます。
HUS100,Hitachi AMS2000/AMS/WMS,Hitachi SMS,およびSANRISE9500Vの場合:
ストレージシステムのIPアドレスを指定します。ストレージシステムのポートコントローラーのホスト名(エイリアス名)でも指定できます。
SMI-S enabledストレージシステムの場合:
SMI-SプロバイダーのIPアドレスを指定します。
IPv6のIPアドレスまたはホスト名(エイリアス名)でも指定できます。
family必須ストレージシステムのファミリー
displayfamily必須または任意ストレージシステムのファミリーの表示名
初期登録時は必須です。
ipaddress2※1必須または任意
(HUS100
Hitachi AMS2000/AMS/WMS
Hitachi SMS
SANRISE9500V)
ストレージシステムの2番目のIPアドレス
ストレージシステムの2番目のIPアドレスを指定します。ストレージシステムのポートコントローラー2のホスト名(エイリアス名)でも指定できます。パラメーターipaddressと同じ形式で指定します。
HUS100,Hitachi AMS2000/AMS/WMS,Hitachi SMS,またはSANRISE9500Vでデュアル構成の場合,ストレージシステムの初期登録時またはリフレッシュするとき,このパラメーターの指定は必須です。
情報更新の際,2番目のIPアドレスに変更がなければ省略できます。
userid※1,※2必須または任意ユーザーID
Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,Hitachi USP,SANRISE9900V,およびHUS VMの場合:
ストレージシステムにアクセスするユーザーIDを指定します。
初期登録時は必須です。情報更新の際,ユーザーIDに変更がなければ省略できます。
HUS100,Hitachi AMS2000/AMS/WMS,Hitachi SMS,およびSANRISE9500Vの場合:
ストレージシステムにアクセスするユーザーIDを指定します。
パスワードプロテクション制御機能を有効にした場合,ストレージシステムの初期登録時は,このパラメーターの指定は必須です。それ以外の場合は省略できます。
HUS100,Hitachi AMS2000/AMS/WMS,およびHitachi SMSの場合,Account Authenticationが有効なときは,ストレージ管理者用(参照および更新)およびアカウント管理者用(参照および更新)の権限があるユーザーのユーザーIDを指定してください。
SMI-S enabledストレージシステムの場合:
SMI-SプロバイダーにアクセスするユーザーIDを指定します。
初期登録時は必須です。リフレッシュする場合は,省略できます。
arraypasswd※2必須または任意ユーザーパスワード
Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,Hitachi USP,SANRISE9900V,およびHUS VMの場合:
ストレージシステムにアクセスするためのユーザーパスワードを指定します。
初期登録時は必須です。情報更新の際,ユーザーパスワードに変更がなければ省略できます。
HUS100,Hitachi AMS2000/AMS/WMS,Hitachi SMS,およびSANRISE9500Vの場合:
ストレージシステムにアクセスするためのユーザーパスワードを指定します。
パスワードプロテクション制御機能を有効にした場合のストレージシステムの初期登録時は必須です。それ以外の場合は省略できます。
HUS100,Hitachi AMS2000/AMS/WMS,およびHitachi SMSの場合,Account Authenticationが有効なときは,ストレージ管理者用(参照および更新)およびアカウント管理者用(参照および更新)の権限があるユーザーのユーザーパスワードを指定してください。
SMI-S enabledストレージシステムの場合:
SMI-Sプロバイダーにアクセスするためのユーザーパスワードを指定します。
初期登録時は必須です。リフレッシュする場合は,省略できます。
protocol※1任意
(HUS100
Hitachi AMS2000
Hitachi SMS
SMI-S enabledストレージシステム)
プロトコル
HUS100,Hitachi AMS2000,およびHitachi SMSの場合:
ストレージシステムにアクセスするためのプロトコルを指定します。
指定できる値を次に示します。大文字と小文字は区別されません。
- Non-secure:非SSL通信をする
- Secure:SSL通信をする
- Either:SSL通信を優先する
ストレージシステムを初期登録する場合に,このパラメーターを省略したときは,Eitherが設定されます。
Hitachi AMS2000またはHitachi SMSでSecureを指定する場合に必要なファームウェアのバージョンはx84x/x-x以降です。
SMI-S enabledストレージシステムの場合:
SMI-Sプロバイダーのデータ転送プロトコルを指定します。
指定できる値を次に示します。大文字と小文字は区別されません。
- Non-secure:HTTPを使用して通信する
- Secure:HTTPSを使用して通信する
SMI-S enabledストレージシステムを初期登録する場合に,このパラメーターを省略したときは,Secureが設定されます。
portnumber任意
(SMI-S enabledストレージシステム)
SMI-Sプロバイダーサービスのポート番号
省略した場合,パラメーターprotocolに指定した値に従って次の値が設定されます。
  • Secure:5989
  • Non-secure:5988
saobjid任意
(SMI-S enabledストレージシステム)
SMI-S enabledストレージシステムのオブジェクトID
特定のSMI-S enabledストレージシステムをリフレッシュする場合,このパラメーターを指定します。
注※1
同一のストレージシステムを,同一マシンにインストールされたDevice ManagerとStorage Navigator Modular 2の両方で管理する場合,ipaddressipaddress2,およびprotocolに指定する値は,Storage Navigator Modular 2で設定された値と一致させる必要があります。
注※2
Hitachi Command Suite製品を使用してデバイスグループで定義されたコピーグループまたはスナップショットグループを管理する場合,useridおよびarraypasswdには,RAID Manager(raidcomコマンドを含む)で指定できる文字を使用した63文字以下の文字列を指定してください。

事前に取得するパラメーター値

familyおよびdisplayfamily
GetServerInfoコマンドの実行結果から取得してください。実行結果のarrayFamily値またはdisplayArrayFamily値をパラメーターfamilyに指定してください。displayArrayFamily値をパラメーターdisplayfamilyに指定してください。
saobjid
GetStorageArrayコマンドの実行結果から取得してください。実行結果のobjectID値をパラメーターsaobjidに指定してください。

コマンド実行例

この例では,AddStorageArrayコマンドでストレージシステムのファミリー(ファミリー:HDS9900V,IPアドレス:172.16.45.1)にアクセスして,ストレージシステムを検出します。コマンドではユーザーID(root)とユーザーパスワード(rootpass)を指定します。検出されたストレージシステムに関する情報は,Device Managerサーバのデータベースに登録されます。

HiCommandCLI AddStorageArray -o "D:¥logs¥AddStorageArray.log" ipaddress=172.16.45.1 family=HDS9900V userid=root arraypasswd=rootpass displayfamily=SANRISE9900V

コマンド実行結果

RESPONSE:
An instance of StorageArray
 objectID=ARRAY.HDS9980V.10001
 name=SANRISE9980V@172.16.45.1
 description=SANRISE9980V (10001) at 172.16.45.1
 serialNumber=10001
 arrayFamily=HDS9900V
 arrayType=HDS9980V
 microcodeVersion=21-03-00/00
 agentVersion=02-05-14
 productName=RAID450
 controllerVersion=21-04-00-00/00
 numberOfControllers=4
 capacityInGB=3,839
 cacheInMB=10,240
 sharedMemoryInMB=-1
 numberOfSpareDrives=-1
 freeCapacityInGB=2,329
 allocatedCapacityInGB=1,505
 hihsmCapacityInGB=4
 onDemandCapacityInGB=0
 totalFreeSpaceInGB=19
 largestFreeSpaceInGB=3
 capacityInKB=4,025,592,720
 freeCapacityInKB=2,442,665,520
 allocatedCapacityInKB=1,578,120,480
 hihsmCapacityInKB=4,806,720
 onDemandCapacityInKB=0
 totalFreeSpaceInKB=20,192,256
 largestFreeSpaceInKB=3,796,992
 multipathSupport=1
 securityStatus=2
 sequenceNumber=10001
 displayArrayFamily=SANRISE9900V
 displayArrayType=SANRISE9980V
 numberOfLUs=1,555
 numberOfAllocatedLUs=565
 numberOfUnallocatedLUs=990
 slprStatus=-1
 openTotalCapacity=4,025,592,720
 openAllocatedCapacity=1,578,120,480
 openFreeCapacity=2,442,665,520
 openHiHsmCapacity=4,806,720
 openOnDemandCapacity=0
 imTotalCapacity=0
 imAllocatedCapacity=0
 imFreeCapacity=0
 imHiHsmCapacity=0
 imOnDemandCapacity=0
 mfTotalCapacity=0
 mfHiHsmCapacity=0
 mfOnDemandCapacity=0
 mfAllocatedCapacity=0
 mfUnallocatedCapacity=0
 numberOfOpenAllocatedLUs=563
 numberOfOpenUnallocatedLUs=990
 numberOfImAllocatedLUs=0
 numberOfImUnallocatedLUs=0
 numberOfMfLDEVs=0
 numberOfAllocatedMfLDEVs=0
 numberOfUnallocatedMfLDEVs=0
 productCode=1
 lastRefreshed=1,039,003,476
 autoFormatLU=-1
 statusOfDBInconsistency=0
 configUpdateStatus=-1
 openAllocatedActualCapacity=1,578,120,480
 openUnallocatedCapacity=2,442,665,520
 openUnallocatedActualCapacity=2,442,665,520
 openReservedCapacity=4,806,720
 openReservedActualCapacity=4,806,720
 numberOfReservedLUs=2
 numberOfOpenReservedLUs=2
 numberOfImReservedLUs=0
 distributedMode=-1
 List of 1 CommParameters elements:
   An instance of CommParameters
     userID=root
     ipAddress=172.16.45.1