8.4 npexportコマンド業務コンテンツのエクスポート

機能

保存された業務コンテンツ,およびアクセス権の設定情報(アクセス権グループまたはJP1資源グループ)をエクスポートします。

このコマンドは,セットアップ完了後,システムが起動している状態で実行する必要があります。Windows XP以外の場合,コマンドプロンプトは管理者として開いてください。

なお,業務コンテンツが作成されていない状態でこのコマンドを実行した場合,業務コンテンツ数が0のファイルがエクスポートされます。

参考
ディレクトリサーバによるユーザ認証を利用している場合は,アクセス権グループおよび標準アクセス権限によって業務コンテンツのアクセス権が決まります。一方,JP1/Baseによるユーザ認証を利用している場合は,JP1資源グループの設定によって業務コンテンツのアクセス権が決まります。ただし,このコマンドでエクスポートできるJP1資源グループの情報は,JP1資源グループ名だけです。JP1資源グループの設定をインポート時に変更するための情報はエクスポートされないため,注意してください。

形式

ucnp.base.server.command.legacyプロパティの値が「false」の場合

npexport△[-c△エクスポートしたい業務コンテンツID|-i△業務コンテンツID一覧ファイルのパス]△[-x]△[-l△エクスポート一覧ファイルのパス]△エクスポート先のファイルのパス

ucnp.base.server.command.legacyプロパティの値が「true」の場合

npexport△[-c△エクスポートしたい業務コンテンツID]△[-l△エクスポート一覧ファイルのパス]△エクスポート先のファイルのパス

エクスポート先のファイルのパスは,200文字以内の絶対パスまたは相対パスで指定します。出力されるファイルの形式はZIP形式です。

また,区切り文字には「¥」を使用します。パスに半角スペースが含まれる場合は,パス全体を「"」で囲んでください。ディレクトリのパスで使用できる記号は,これら以外には半角のコロン(:)と相対パスを表す半角ピリオド(.)だけです。

オプション

-c エクスポートしたい業務コンテンツID
ucnp.base.server.command.legacyプロパティの値が「false」の場合
エクスポートしたい業務コンテンツの業務コンテンツIDを指定します。指定したIDに対応した業務コンテンツおよびアクセス権の設定情報だけがエクスポートされます。なお,-cオプションおよび-iオプションを省略した場合は,すべての業務コンテンツおよびアクセス権の設定情報をエクスポートします。
ucnp.base.server.command.legacyプロパティの値が「true」の場合
特定の業務コンテンツだけエクスポートしたい場合は,エクスポートしたい業務コンテンツの業務コンテンツIDを指定します。この場合,アクセス権の設定情報はエクスポートされません。-cオプションを省略すると,登録されているすべての業務コンテンツおよびアクセス権の設定情報がエクスポートされます。
-i 業務コンテンツID一覧ファイルのパス
業務コンテンツID一覧ファイルのパスを絶対パスまたは相対パスで指定します。
このオプションは,ucnp.base.server.command.legacyプロパティの値が「false」の場合だけ指定できます。
なお,-cオプションおよび-iオプションを省略した場合は,すべての業務コンテンツをエクスポートします。
-iオプションに指定した業務コンテンツID一覧ファイルに存在しない業務コンテンツIDが含まれている場合は,対応する業務コンテンツがないことを示す警告メッセージを出力し,存在する業務コンテンツとアクセス権の設定情報だけをエクスポートします。
-x
業務コンテンツだけを出力する場合に指定します。
このオプションは,ucnp.base.server.command.legacyプロパティの値が「false」の場合だけ指定できます。
なお,JP1/Baseによるユーザ認証を利用している場合は,このオプションを指定しても無視されます。
-l エクスポート一覧ファイルのパス
エクスポート一覧ファイルのパスを絶対パスまたは相対パスで指定します。
このオプションを指定すると,エクスポートされた業務コンテンツの一覧がテキストファイルとして出力されます。

 

参考
ucnp.base.server.command.legacyプロパティに「true」を設定すると,バージョン09-00以前と同じようにコマンドを指定できます。この場合,オプションの指定は次のとおりになります。
  • オプションを指定しない
    すべての業務コンテンツとアクセス権の設定情報をエクスポートする。
  • -cオプションを指定する
    エクスポートしたい業務コンテンツの業務コンテンツIDを指定して,特定の業務コンテンツだけエクスポートする。
  • -lオプションを指定する
    エクスポートした業務コンテンツの一覧(エクスポート一覧ファイル)を出力する。エクスポート一覧ファイルのパスは絶対パスまたは相対パスで指定する。

業務コンテンツID一覧ファイルの形式

改行区切りで業務コンテンツIDを指定します。業務コンテンツID一覧ファイルはテキストファイルで作成してください。テキストファイル以外の場合は,コマンド実行時にエラーメッセージ(KDCZ10147-E)が表示されます。

各行の前後の空白(半角スペース,または全角スペース)を削除した文字列を業務コンテンツIDとして読み込みます。各行の前後の空白を削除した結果,業務コンテンツIDが空文字になる行は読み込みません。

行の途中でEOFになっている場合,EOFまでの文字列を業務コンテンツIDとして読み込みます。

なお,「#」などの記号でコメント行を付加することはできません。

エクスポート一覧ファイルの形式

ファイルの先頭にヘッダ情報が出力され,続いて,次の形式でメッセージが出力されます。

[結果種別]<T>[業務コンテンツID]<T>[業務コンテンツの更新日時]<T>[業務コンテンツ名称]<T>[グループ名]<T>[アクセス権グループ名またはJP1資源グループ名1]<T>

[アクセス権グループ名またはJP1資源グループ名10]<CR><LF>
[結果種別][アクセス権グループ名1]<CR><LF>

[結果種別][アクセス権グループ名10]<CR><LF>

<T>:タブ文字

<CR><LF>:終端文字(0x0D,0x0A)

メッセージの詳細を次の表に示します。

表8-4 エクスポート一覧ファイルに出力されるメッセージの詳細

項目説明
結果種別npexportコマンド(業務コンテンツのエクスポート)の実行結果の種別が出力されます。
exported
業務コンテンツまたはアクセス権グループがエクスポートされました。
業務コンテンツIDエクスポートした業務コンテンツIDが出力されます。
業務コンテンツの更新日時エクスポートした業務コンテンツの最終更新日時が出力されます。
形式:YYYY/MM/DD hh:mm:ss.SSS
業務コンテンツ名称エクスポートした業務コンテンツの名称が出力されます。
グループ名エクスポートした業務コンテンツのグループ名が出力されます。
ただし,ucnp.base.client.menu.group.enableプロパティの設定によってはこの項目は出力されません。
アクセス権グループ名業務コンテンツ名称と同じ行には,エクスポートした業務コンテンツに設定されているアクセス権グループ名が出力されます。それ以外の行には,エクスポートしたアクセス権グループ名が出力されます。
アクセス権グループは,はじめに標準アクセス権限が出力されたあと,名称の昇順で出力されます。
ただし,ucnp.base.server.command.legacyプロパティの設定によってはこの項目は出力されません。
JP1資源グループ名業務コンテンツ名称と同じ行には,エクスポートした業務コンテンツに設定されているJP1資源グループ名が出力されます。

エクスポート一覧ファイルの出力例を次に示します。

[図データ]

注意事項

戻り値

戻り値説明
0コマンドが正常終了した。または,エクスポート対象の業務コンテンツが存在しなかったため警告終了した。
1コマンドが異常終了した。
コマンド制御外のタイミングで終了した場合(<Ctrl>キーと<C>キーを同時に押して強制終了した場合など)の戻り値は不定となります。

使用例

例1
次の条件で業務コンテンツをエクスポートする場合の使用例を次に示します。
  • エクスポート先のファイルのパスが「C:¥work¥repository.zip」である。
  • 業務コンテンツとアクセス権の設定情報をエクスポートする。

    > ナビゲーション プラットフォームインストールディレクトリ¥bin¥npexport C:¥work¥repository.zip

例2
次の条件で業務コンテンツをエクスポートする場合の使用例を次に示します。
  • エクスポート先のファイルのパスが「C:¥work¥repository.zip」である。
  • エクスポート後に出力するエクスポート一覧ファイルのパスを「C:¥work¥list.csv」とする。
  • 業務コンテンツとアクセス権の設定情報をエクスポートする。

    > ナビゲーション プラットフォームインストールディレクトリ¥bin¥npexport -l C:¥work¥list.csv C:¥work¥repository.zip

例3
次の条件で業務コンテンツをエクスポートする場合の使用例を次に示します。
  • エクスポート先のファイルのパスが「C:¥work¥repository.zip」である。
  • 業務コンテンツID一覧ファイルのパスが「C:¥work¥contentsId.txt」である。
  • 業務コンテンツとアクセス権の設定情報をエクスポートする。

    > ナビゲーション プラットフォームインストールディレクトリ¥bin¥npexport -i C:¥work¥contentsId.txt C:¥work¥repository.zip

例4
次の条件で業務コンテンツをエクスポートする場合の使用例を次に示します。
  • ucnp.base.server.command.legacyプロパティの値が「false」である。
  • エクスポート先のファイルのパスが「C:¥work¥repository.zip」である。
  • 指定した業務コンテンツID(85D412B4-BB5D-4a14-A331-B0D31B7E1297-1)の業務コンテンツと,それに設定されているアクセス権の設定情報をエクスポートする。

    > ナビゲーション プラットフォームインストールディレクトリ¥bin¥npexport -c 85D412B4-BB5D-4a14-A331-B0D31B7E1297-1 C:¥work¥repository.zip

例5
次の条件で業務コンテンツをエクスポートする場合の使用例を次に示します。
  • ucnp.base.server.command.legacyプロパティの値が「true」である。
  • エクスポート先のファイルのパスが「C:¥work¥repository.zip」である。
  • 指定した業務コンテンツID(85D412B4-BB5D-4a14-A331-B0D31B7E1297-1)の業務コンテンツだけをエクスポートする。

    > ナビゲーション プラットフォームインストールディレクトリ¥bin¥npexport -c 85D412B4-BB5D-4a14-A331-B0D31B7E1297-1 C:¥work¥repository.zip

例6
次の条件で業務コンテンツをエクスポートする場合の使用例を次に示します。
  • エクスポート先のファイルのパスが「C:¥work¥repository.zip」である。
  • すべての業務コンテンツだけをエクスポートする。

    > ナビゲーション プラットフォームインストールディレクトリ¥bin¥npexport -x C:¥work¥repository.zip