csdmideploy(マスターイメージのデプロイ)
形式
csdmideploy {-i マスターイメージID|-n マスターイメージ[.セクション]} [-k パスワードアクセスキー]
機能
実行可能ユーザ
オプション
- -i
- マスターイメージIDを指定します。
- マスターイメージID:<符号なし整数>1~99999999の範囲
- -n
- マスターイメージ名を指定します。セクションを定義している場合には同時に指定してください。
- マスターイメージ名:~<英数字記号>1~32文字
- セクション:~<英数字記号>1~32文字
- -k
- csdmisetpasswordコマンドで指定したパスワードアクセスキーを指定します。
- 仮想ホストのパスワードを,コンポーネントテンプレートファイルに記載済みの初期パスワードからcsdmisetpasswordコマンドで変更した場合に指定してください。仮想ホストにアクセスする際に,csdmisetpasswordコマンドで登録したパスワードを復号するために必要となります。
- 同一業務システム内では同一の値を指定してください。
- パスワードアクセスキー:<英数字と#-@()>1~255文字
戻り値
値 | 意味 |
---|
0 | 正常終了しました。 |
0以外 | 異常終了しました。 |
実行例
C:¥Program Files¥Hitachi¥uCSD¥mgr¥bin>csdmideploy -n mi01
KFUD15054-I 業務システムの構築を受け付けました。マスターイメージID=3 |
注意事項
- このコマンドは非同期で実行されるため,このコマンドの実行状態はcsdmilsコマンドで業務システムstatusを確認してください。業務システムstatusは,「表1-16 業務システムのStatus一覧」を参照してください。
また,このコマンドの完了状態を確認する場合は,メッセージログを参照してください。
メッセージログの詳細については,マニュアル「uCosminexus Service Director メッセージ」を参照してください。
- <メッセージログ例>
![[図データ]](figure/zu010450.gif)
- 一時ディレクトリ作成
このコマンド実行時に,仮想ホストに作業用の一時ディレクトリを作成します。
ディレクトリ構成は次のようになります。
表1-35 作業用の一時ディレクトリの構成
ディレクトリ名/ファイル名 | 説明 |
---|
/tmp/※1 | csd_tmp/ | def/ | 定義格納ディレクトリ/※2 | OS・ミドルウェア定義兼用の格納ディレクトリ |
patch/ | パッチファイルディレクトリ/※2 | OS・ミドルパッチ兼用の格納ディレクトリ |
setup/ | セットアップスクリプトディレクトリ/※2 | ミドルセットアップスクリプト用の格納ディレクトリ |
jp1im-agt/ | JP1/IM連携機能用格納ディレクトリ/ | JP1/IM連携機能で使用する格納ディレクトリ ミドルセットアップUOCで転送を行います。 |
Linuxの場合:csd_hosts_copy.sh Windowsの場合:csd_hosts_copy.bat | Linuxの場合:hostsコピー用シェルスクリプト Windowsの場合:hostsコピー用バッチファイル |
- 注
- Linuxの場合のディレクトリ構成です。Windowsの場合は,パス区切り文字を"¥"に読み替えてください。
- 注※1
- 定義deploy.remote.tmppath(Windowsの場合はdeploy.remote.tmppath.win)によって変更できます。なお,Windowsの場合は,"%SystemRoot%¥Temp¥"です。
- 注※2
- コンポーネントテンプレートファイル,またはマスターイメージ定義ファイルで指定したディレクトリ
- 定義deploy.remote.tmppathまたはdeploy.remote.tmppath.winで指定したディレクトリ下にuCSDは作業ディレクトリ”csd_tmp”を作成します。作業ディレクトリと同一名称のファイル,ディレクトリを作成しないでください。また,deploy.remote.tmppath.win配下にはファイル名が”csd_”からはじまるファイルまたはディレクトリを作成しないでください。作成した場合,uCSDによって削除されます。uCSDによって削除できなかった場合にはuCSD処理が失敗します。
- uCSD処理中にエラーとなった場合,作業ディレクトリ“<deploy.remote.tmppathまたはdeploy.remote.tmppath.winの指定値>/csd_tmp”が残る場合があります。次にcsdmideployコマンドまたはcsdmiupdateコマンドを入力したときに,uCSDが作業ディレクトリを削除してコマンド処理を続行します。該当業務システムが処理中の場合は,作業ディレクトリを削除しないでください。該当業務システムが処理中かどうかは,csdmilsコマンドを実行することで調べることができます。
- Cosminexusを含む業務システムデプロイ時の注意事項
Cosminexusを含む業務システムに対してcsdmideployコマンドを実行した際に,uCSDに仮想サーバマネージャ管理者アカウントが未登録の場合,「表1-36 デプロイ処理の流れ」のVMデプロイの前にKFUD25082-Eメッセージを出力し,コマンドがエラー終了します。エラー終了した場合の対策については,マニュアル「uCosminexus Service Director メッセージ」の「KFUD25082-E」に記載の対処を参照してください。
デプロイ処理の流れを次に示します。
表1-36 デプロイ処理の流れ
カテゴリ | 処理実行順※3 | 機能 | uCSDの動作 | 実行条件 | 補足 |
---|
デプロイ | 1 | VMデプロイ | - | - | - | ハイパーバイザ種別がVMwareで,かつ,デプロイ対象の仮想ホストに複数のNICが存在する場合,そのうちのどれか1つのIPアドレスがhostsファイル※4に記載されます。 どのNICのIPアドレスが記載されるかは不定です。 ハイパーバイザ種別がHVMの場合は,hostsファイルの更新は行いません。 |
OS更新 | 2 | OS定義転送 | OS定義転送 | コンポーネントテンプレートで記載しているOS定義を転送先ディレクトリ※1配下へ転送 | OS更新パッチで未適用のパッチが1つ以上存在する場合 | OS更新パッチ適用だけを実施したい場合でも定義は必ず転送します。 |
3 | OS更新 (OS更新パッチ) (ファイルセット転送,OS更新用パッチ実行) | OS定義配置 | 転送済みOS定義をディレクトリへコピー | - |
4 | OS更新パッチ適用 | OS更新用パッチを実行 | - |
hosts | 5 | hostsファイル転送 | hostsファイルのバックアップ | 詳細は「2.3.9 hosts_templateファイル」を参照してください。 | - | - |
hostsファイルの作成 | - | - |
hostsファイルの転送 | - | - |
ミドルセットアップ | 6 | ミドル定義転送 | ミドル定義転送※2 | コンポーネントテンプレートで記載しているミドルウェア定義を転送先ディレクトリ※1配下へ転送 | ミドルセットアップステータスが“notsetup”,“failed(setup)”,“failed(update)”の場合 | - |
7 | ミドルセットアップ | ミドル定義配置※2 | 転送済みミドル定義をディレクトリへコピー | - |
8 | ミドルセットアップ | ミドルセットアップスクリプトを実行 | - |
ミドル更新 | 9 | ミドル定義転送 | ミドル定義転送※2 | 転送先ディレクトリ※1配下へミドルウェア定義ファイルを転送 | ミドル更新パッチで未適用のパッチが1つ以上存在する場合 | ミドル更新パッチ適用だけを実施したい場合でも定義は必ず転送します |
10 | ミドル更新(ミドル更新パッチ) (ファイルセット転送,ミドル更新用パッチ実行) | ミドル定義配置※2 | 転送済みミドル定義をディレクトリへコピー | - |
11 | ミドル更新パッチ適用 | ミドル更新用パッチを実行 | - |
- 注※1 定義“deploy.remote.tmppath.win”で示したディレクトリパス
- ミドルウェアがCosminexus時のミドル定義転送(#6,#9)は仮想サーバマネージャで決められたディレクトリパスへ仮想サーバマネージャによって転送されます。
注※2 対象のミドルウェアがCosminexusの場合には,仮想サーバマネージャで定義の転送および配置を行います。
注※3 複数のホストに対してデプロイ処理を行う場合は,次の処理が完了するタイミングで処理の待ち合わせを行います。
- カテゴリ:hosts 処理実行順:5
- カテゴリ:ミドル更新 処理実行順:11
注※4 仮想ホストを構築するための仮想イメージテンプレートに付随するhostsファイル(Linuxの場合:/etc/hosts,Windowsの場合:%SystemRoot%¥System32¥drivers¥etc¥hosts)を指します。
- デプロイおよび仮想サーバセットアップ時の注意事項
- csdmideployコマンド実行によって作成される仮想サーバマネージャの管理ユニット名は「”u”+マスターイメージID(0,左8桁詰め)+コンポーネントID(0,左5桁詰め)」というルールで作成されます。※
例:マスターイメージIDが111でコンポーネントIDが11の仮想ホストをデプロイする場合で作成する管理ユニット名は「u0000011100011」となります。
注※ http-tier + j2ee-tier構成の場合は,http-tierのコンポーネントIDが使用されます。
- ミドルセットアップスクリプト,パッチスクリプトなどのシェルスクリプトには応答待ちとなるようなコマンド形式を記述することはできません。ただし,mvコマンドの場合,-fオプションを付けて応答待ちにならないコマンド形式であれば記述できます。
- hostsファイル作成を行うデプロイを実行した場合の実行結果確認方法は,「2.3.9 hosts_templateファイル」を参照してください。
- 仮想サーバマネージャで配布するファイル構成
仮想サーバマネージャが配布用に必要とするアプリケーションサーバの定義ディレクトリ構成の一部を次に示します。定義ディレクトリ構成の詳細はCosiminexusのマニュアルを参照してください。
PaaS提供者は,このファイル構成を作ってコンポーネントテンプレートに登録します。
- <定義ディレクトリ>
├vmi
│ ├tier.properties※1
│ └tierlb.properties※2
├hook
│ └pre-setup
│
注※1 LBを使用する場合は,このファイル中に「lb.use = :unit:」を指定する必要があります。
注※2 uCSDのミドルウェア定義ファイル生成で作成されるファイルです。このファイルをPaaS提供者が配置した場合,ミドルウェア定義ファイル生成時にuCSDが上書きします。