値式::=〔符号〕項〔演算子〔符号〕項〕…
    項::=〔キャスト指定〕値式一次子
    演算子::=｛+｜-｜*｜/｝
    符号::=｛+｜-｝
    キャスト指定::=｛'('TINYINT')'｜'('SMALLINT')'｜'('INT〔EGER〕')' 
                   ｜'('BIGINT')'｜'('REAL')'｜'('FLOAT')'｜'('DOUBLE')'
                   ｜'('DEC〔IMAL〕')'｝
    値式一次子::=｛＜列指定＞｜＜列名＞｜＜定数＞｜＜スカラ関数＞｜'('＜値式＞')'｝

値を指定します。

符号

「+」または「-」を指定します。

項

キャスト指定，および値式一次子を指定します。

キャスト指定

キャスト指定に指定するデータ型については，「3.3　CQLのデータ型」を参照してください。

値式一次子

列指定，列名，定数，スカラ関数，または値式を指定します。

＜列指定＞

列指定については，「3.2.5(2)　列指定」を参照してください。

＜列名＞

後続のFROM句のリレーション参照が一つである場合，列名を指定できます。

後続のFROM句のリレーション参照が複数ある場合は，列指定を指定してください。

＜定数＞

定数については，「4.4.19　定数」を参照してください。

＜スカラ関数＞

スカラ関数の指定については，「4.4.22　スカラ関数」を参照してください。

演算子

「+」，「-」，「*」，または「/」を指定します。演算子の後ろに符号を指定した項を指定する場合，その項は括弧で囲む必要があります。符号と演算子の例を次に示します。

-a+(-b)
a*(-b+1)
a/(-b)+1

• 値式中に四則演算子を指定することで，四則演算ができます。
• 値式の結果のデータ型は，四則演算または値式一次子の結果と同じデータ型になります。また，データ構造も四則演算または値式一次子の結果と同じになります。
• 四則演算（2項演算）は数データで行います。演算中に数データ以外のデータ型（文字データや時刻データなど）を含めることはできません。含めた場合はエラーとなります。
  数データでは，異なるデータ型間で演算できます。データ型と演算結果のデータ型の関係を次の表に示します。
  

  表4-7　四則演算（2項演算）の演算項のデータ型と演算結果のデータ型の関係

  項番	第1演算項データ型	第2演算項データ型
  		TINYINT	SMALLINT	INTEGER	BIGINT	REAL	FLOAT	DOUBLE	DECIMAL	NUMERIC
  1	TINYINT	TINYINT	SMALLINT	INTEGER	BIGINT	REAL	FLOAT	DOUBLE	DECIMAL	NUMERIC
  2	SMALLINT	SMALLINT	SMALLINT	INTEGER	BIGINT	REAL	FLOAT	DOUBLE	DECIMAL	NUMERIC
  3	INTEGER	INTEGER	INTEGER	INTEGER	BIGINT	REAL	FLOAT	DOUBLE	DECIMAL	NUMERIC
  4	BIGINT	BIGINT	BIGINT	BIGINT	BIGINT	REAL	FLOAT	DOUBLE	DECIMAL	NUMERIC
  5	REAL	REAL	REAL	REAL	REAL	REAL	FLOAT	DOUBLE	DECIMAL	NUMERIC
  6	FLOAT	FLOAT	FLOAT	FLOAT	FLOAT	FLOAT	FLOAT	FLOAT	DECIMAL	NUMERIC
  7	DOUBLE	DOUBLE	DOUBLE	DOUBLE	DOUBLE	DOUBLE	DOUBLE	DOUBLE	DECIMAL	NUMERIC
  8	DECIMAL	DECIMAL	DECIMAL	DECIMAL	DECIMAL	DECIMAL	DECIMAL	DECIMAL	DECIMAL	DECIMAL
  9	NUMERIC	NUMERIC	NUMERIC	NUMERIC	NUMERIC	NUMERIC	NUMERIC	NUMERIC	NUMERIC	NUMERIC

• DECIMAL型またはNUMERIC型を含む演算の場合，DECIMAL型またはNUMERIC型以外のデータ型の値は，次のパラメーターの値に従って丸められ，DECIMAL型（NUMERIC型）の値に変換されて演算されます。
  
  • system_config.propertiesのquery.decimalMaxPrecision
    精度を指定するパラメーターです。
    
  • system_config.propertiesのquery.decimalRoundingMode
    丸め方を指定するパラメーターです。
    
  また，演算結果も同様に丸められます。
  

• 演算途中でオーバーフローが発生した場合，処理は継続されます。このとき，整数であればオーバーフローしたままの値（入りきれない上位バイトをカットし，下位バイトをそのまま使用する）となり，浮動小数点値であれば無限大になります。ただし，DECIMAL型またはNUMERIC型の値と，浮動小数点値との演算で，浮動小数点値でオーバーフローが発生した場合は，エラー（クエリグループが閉塞）になります。
• 除算で第2演算項の値に0を指定した場合は，エラーになります。
• 文字データおよび文字列定数に対する演算は，エラーになります。
• 日付/時刻データ（文字列定数を含む）に対するキャストは，エラーになります。
• 文字データの場合，文字データの書式が数データに合うものだけがキャストできます。文字データの書式については，「3.4　データの比較」を参照してください。
• DECIMAL型にキャストした場合，次のパラメーターの値に従って丸められ，DECIMAL型に変換されます。
  
  • system_config.propertiesのquery.decimalMaxPrecision
    精度を指定するパラメーターです。
    
  • system_config.propertiesのquery.decimalRoundingMode
    丸め方を指定するパラメーターです。
    

リレーションs1の列aをDECIMAL型にキャストした値と，列bをINT型にキャストした値を出力します。下線部が値式の部分です。

REGISTER QUERY q1 SELECT (DECIMAL)s1.a AS xxx, (INT)s1.b AS yyy FROM s1[ROWS 100];